「どういうことか説明してくれデリ。」
出港準備を整え港町を離れていく喧嘩屋一行、しかしその中に総長ホーマーの姿はいない。
「あの港町に麦わらの一味がいたらしい・・!船場のおっさんに金渡したらゲロりやがった!」
「あの港町に?僕らよりも先に到着していたというのか?」
「いや、奴らどうやら別行動中だったらしい。俺たちはその別行動チームと入れ違いであの港町に入ったみてえだ。」
「それで?ホーマーさんは?麦わらの元へ向かったというなら何か宛があるのだろう?」
マジックマンが嬉しそうな顔でこちらを見つめてくる。
「・・・ホーマーの奴、俺より先にこのこと聞いたみたいで・・・おっさんが言うには連中”皇帝の深淵”で合流するんだとよ。」
「”皇帝の深淵”・・・?」
ウイが説明を求めるように首を傾げる。
「私が説明しようゴキブリ女君。皇帝の深淵とは元世界政府加盟国の大国の跡地だ。しかしどこかのバカが海賊王の秘宝が隠されているというデマを流したが為に名のある大海賊達が一斉に攻め入り最終的にバスターコールにまで発展し一夜にして滅んだのだ。」
「なにそれエグ・・・」
「今はただの荒れ果てた無人島・・・のはずだよな。」
ビーフはその問いに一瞬黙り込む。
「そこに麦わらの一味が集合する。その男はそう言っていたんだな?」
もしただの無人島なら麦わらの一味がそこに集まる意味が分からない。
いや、何もないからこそ合流地点に選んだのか。
「本当かは分かんねえけど・・・ホーマーの奴突っ走っちまった。俺達も行くしかねえ。」
「あははっははははっは!やはりこうでないと!あなた方についてきて正解だった!さあ行こう!皇帝の深淵へ!」
「てめえが仕切るな!」
「失敬」
マジックマンはこの事態を大いに楽しんでいるようだった。
それに比べ他のメンバーは今までにないほどに心配している。
ホーマーが単独行動をすることは珍しいことではない、それでも今回だけはどうしても止めなくてはならない、相手が相手なのだ。
その頃ホーマーは一人用のボートで皇帝の深淵へと向かっていた。
デラウェアから失敬した記録指針を使い海図を見ながら我流に航海をする。
このまま行けば目的地はすぐだ、だがそのあとどうする。
一人で麦わらの一味を相手にするのか。
そんなの勝てるわけがない、彼女自身そのことは理解している。
それでも止まれない、多分、確証もないけど、今が立ち向かうべき時だと彼女は信じるしかない。
もう逃げるのは嫌だ。
「パパ、ママ・・・今日死ぬかも。でももし明日私が生きてたら・・・ちょっとは褒めてね。」
ToBeContinued