ビート ストローハット   作:Jaycob

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ヤミ

 夕暮れ時、皇帝の深淵に広がるジャングルは薄暗くより一層と不気味となる。

その闇を照らすのは光る果実。元々この国の名産物だったが特に美味しくはなく暗闇で光るだけの果実だった為、世には出回りはしなかった。ましてや国が滅んだ今、誰がこの果実の存在を知っていようか。

薄暗く照らさせれるこの地に一石の船が辿り着いた。

 

「ここが皇帝の深淵、人がここで生きてたとは思えないな。」

 

「みんな~あれ~。」

 

ブルーレットが浜辺の向こうを指さす。

そこには一人用のボートが停泊していた。

 

「総長のボート~、やっぱりここに来たのよ~。」

 

「麦わらの一味は?」

 

ウイが心配そうにあたりを見回す。

しかし背には海、正面は薄暗い不気味なジャングルが広がるのみ。

 

「わかんねえ、いようがいまいが今はホーマー見つけるのが先だ。」

 

「う、うん。」

 

「・・・・・・・いる。」

 

マジックマンが呟く。

 

「覇気か?」

 

「うむ、明らかに感じる。私の見聞色がビンビンきている。・・・麦わらかは分からないが、何かがいるねえ。」

 

「ビーフどうする。」

 

「なぜ僕に振る。・・・まあいい、全員電伝虫は持っておいてくれ。この広い土地を捜索するなら分担した方がいい。最優先事項はホーマーを見つけること。もし途中何かと出くわした場合は無理に戦うことはない。」

 

何か。ただの猛獣であれば難なく対処できるが、その何かが今皆が考えているものだとすれば。

 

「もし麦わらがいたら?」

 

ウイが耐え切れずに訊いてしまう。

どうすべきだ、ここまで来て逃げるべきか。

無謀とはいえリーダーが単身で彼らに挑もうとしてる。

それなのに自分たちはまだ保身に走っている。

 

「戦う必要はない。いいね、ウイ。」

 

ビーフは静かに、しかし感情を押し込め今にも溢れ出しそうな声で言う。

 

「・・・分かった。隠密行動は十八番だから任せて。」

 

ウイはゴキブリの姿に変わり、一人先にジャングルの中へと入っていく。

それに続いてデラウェアも歩き始める。

 

「俺も行くぜ、なんかあったらすぐに連絡する。」

 

「私も行こう、雇い主の身に何かあっては困るのは私だ。」

 

続いてマジックマンが一人でジャングルへと入っていく。

しかし彼は殺気を隠すことなく溢れさせている。

ビーフは彼を呼び止めて

 

「マジックマン、待て。」

 

「何か?シェフ?」

 

「・・・・頼む。」

 

「・・・・分かっていますよ。ホーマーさんを探すだけ・・・ね。」

 

マジックマンは手をひらひらと振りながらジャングルへと消えていった。

 

「私も~行っていい~?」

 

「ああ、留守番は僕。何か美味しいものでも用意しておくよ。」

 

「あの子~、大丈夫よね~?」

 

「・・・大丈夫。ホーマーは強い。だからこそ僕らが信じなくちゃ。」

 

「・・・そうね。」

 

ブルーレットは真ん丸の肉体を転がしながらジャングルを進む。

各々がホーマーを想いながら闇を進んでいく。

しかしそれと同時に今までにない緊張感が襲う。

 

「光る果実か・・・」

 

デラウェアは木から果実をもぎ取る。採ってもまだ光るその果実はランプの代わりには弱いものだが無いよりはマシだった。

 

「サイってのは目がよええからな・・・ここで能力使うなら鼻頼りだな・・・って鼻でホーマーのニオイ追えばいいんじゃん!アホか俺あ!」

 

デラウェアはサイの姿に変身する。

そして当たりのニオイを嗅ぎ分ける。

 

「・・・・くそ、ニオイごちゃまぜだな。なんだこのニオイは・・・めちゃくちゃ・・・・うまそーな・・・・。」

 

思わず顔がにやける。

薄暗いジャングルの中ににやけるサイがいる。

 

「ビーフがなんか作ってんのか・・・?あいつ作り置きはしないいて言ってたじゃねえか・・・」

 

ニオイを頼りに獣道を進んでいく。耳を様々な方向に傾けて蔦や茂みを払いながら進んでいく。

何か話が聞こえてくる。喧嘩屋のメンバーの声ではない。

もしやと思いデラウェアは姿を人間に戻し気配を悟られないように慎重に声の方へと近づいていく。

 

「うんめー!やっぱサンジの作るサンドイッチは最高だぜ!」

 

「ウソップ歩きながら食べるのはお行儀悪いわよ。」

 

「ははーんロビン、お前自分の分もう食べたから分けてほしいんだろ?」

 

「あら、わけてくれるの?」

 

「やらんよ!何本当に取ろうとしてんだよ!パンはフカフカ外はカリカリ、ターキーはしっとりプリプリでシャキシャキのレタスにピクルス、ピリッとマスタードとマヨネーズ!くー!最高!」

 

長鼻の男と黒髪の美女が歩きながら話している。

美女は長鼻の男の身体から腕を生やしサンドイッチを取り上げる。

 

「あ!返せ!」

 

「フフ、一口だけいいでしょ?」

 

「ったくしゃーねーなー。」

 

その様子を茂みから覗いていたデラウェア。

仲睦まじく歩く二人を見てほっこりするはずもない。

何故ならその二人こそ今最も警戒しなくてはならない連中だからだ。

 

懸賞金2億ベリー ゴッド・ウソップ。

懸賞金1億3000万ベリー 悪魔の子 ニコ・ロビン。

 

デラウェアは確信した。ここに麦わらの一味はいる。

さてこれからどうするのか、まずはこの場から離れ皆に連絡を入れなくては。

策なしに戦っていい相手ではない。

 

「そこだ!」

 

隠れていたデラウェア目掛け鉛玉が放たれた。

デラウェアは咄嗟に剛剣を手に取りそれを防ぐ、しかしそれと同時にデラウェアはゴッド・ウソップとニコ・ロビンの前に姿を晒してしまう。

 

「しまっ・・・!」

 

「あら、どちらさまかしら。私達に何か用?」

 

「あんだけ殺気漂わせといて用がねーわけねー。」

 

ゴッド・ウソップが巨大なパチンコを構えこちらに照準を定めている。

完全にぬかった、殺気を無自覚に出していた。元海賊の性だろうか。

しかしこの状況どうしたものか。

 

「てめえビッグマムの手先か!?俺に手を出してみろ、世界中の俺の部下たちがお前を地の果てまで追いかけて袋叩きにするぞ!」

 

「ちっ・・・傘下の海賊・・・確か5000人以上の・・・」

 

デラウェアはたじろぐ。この男の言うことは嘘やハッタリではない。

彼らと事を構えれば傘下の海賊達も黙ってはいないのだろう。

ここは腹見せて降参するしかないのか。

 

「ねえウソップ、それってもう嘘じゃないのよね?」

 

「ん・・?ああそうか・・・おい!俺に手を出してみろ、世界中の俺の部下たちがお前を地の果てまで追いかけて袋叩きにするぞ!」

 

「・・・いやそれ二回目だけど・・・?」

 

デラウェアは彼らの持つ妙な空気間に圧倒されている。やりにくい。

 

「ビッグマムの手先ってのはハズレだ、ゴッド・ウソップさんよ。だが用はあるんだわ。」

 

ホーマーの顔を思い出す。

泣き虫で不器用でずっと強がり続ける彼女。

ビーフは無理に戦うなとは言っていたが、彼女の顔を思い浮かべると今背を向けることはとてもできない。

 

「悪いけど、ここでとっ捕まってくれ。」

 

巨体のサイがゴッド・ウソップとニコ・ロビンに襲い掛かった。

 

ToBeContinued

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