マジックマンが足元にハンマーを振り下ろす。ナミとフランキーとは距離が開いている故にこの一撃は攻撃の為ではない。
二人もそう思っていた。しかしその一撃が地面を陥没させる、加えて衝撃により辺りの樹木も吹き飛ばされていく。その衝撃は当然二人をも巻き込む。
結果たった一振りの打撃がこの地に巨大なクレーターを生み出した。
「てててて・・・とんでもねえ奴じゃねえか・・・大丈夫かナミ。」
「・・・ええ・・でも周りの木がなくなって果実の灯りが・・・」
ジャングルを照らす光る果実が周りから消えている。
もう夜も近い、辺りは一層と闇が濃くなっている。
だがそれもマジックマンにとっては好都合。例え目を失おうが彼の見聞色は敵を悪実に捉える。
「さあ、続きだ・・・!」
マジックマンは走り出しまたもやナミに向かってハンマーを振り下ろす。
このクレーターはこの三人の戦場と化す。
「このやろ!!女ばっか狙いやがって!」
フランキーの鋼鉄の腕がハンマーを受け止める。
「弱い奴から狙って何が悪い?それとも、先にあんたを潰していいのかね鉄人!!」
マジックマンは身体を翻し地に足をつける。
そのままハンマーをフランキーの身体めがけて何度もハンマーを打ちつける。
フランキーはその一発一発を的確にさばいていく。
「ちっ・・!」
しかし鋼鉄の腕といえどその一撃がやけに響く。
さばいているように見えて正味これはダメージを受けてるのに変わりはなかった。
「疲れてきたか?鉄人。なら休んではどうか!?」
フランキーの動きが鈍ってきたのをマジックマンは見逃さない。
その隙を突きマジックマンの強力な振り上げが放たれる。
その一撃にフランキーは両腕で防御するも衝撃に耐えきれず体勢を崩す。
「なにぃ!?」
「Helluva Thor」
マジックマンは静かに呟くとハンマーに覇気を込め目にも留まらぬ速度で連撃を打ち放つ。一瞬で数百回は繰り出されるその重撃がフランキーの身体に浴びせられる。鉄人を名乗るだけある彼の耐久力をいとも容易く貫通する連撃、見る見るうちに彼の身体は傷だらけになり、やがて
「落ちろ。」
マジックマンの最後の一撃がフランキーの顔面にぶつけられる、フランキーはよろめきながら後退しそのまま膝をつく。
「フランキー!!」
「来るな!ナミ!!」
フランキーは立ち上がる。
「俺はまだ落ちてねえ・・・!こんなへなちょこ・・・痒くもねえ・・・!!」
マジックマンはその姿を見て彼に拍手を送る。
「見事。」
「あぅ!こちとらくぐってきた修羅場が違うんだよ・・・・!この程度日常茶飯事だぜ!」
マジックマンはフランキーへ近づく。もう一撃あれば今度こそ。
「雷光槍=テンポ!!」
マジックマンに雷撃が襲い掛かる。
彼はそれを回避しようと後方へ飛ぶ。
「私が弱いって?甘く見過ぎると痛い目見るわよ!」
ナミがフランキーの前に立つ。
「妙な技を使う。」
「あら、誉め言葉?」
「ええ誉め言葉ですよ、お嬢・・さん!!」
マジックマンが走る、ナミとの距離を一気に詰めそしてハンマーを構える。
しかし目の前のナミには振り下ろさない、見聞色の覇気が本物の位置を捉える。
「しかし芸がないな泥棒猫!そこだな!」
マジックマンは右方の遠方に構えているナミを捉えハンマーを投げつける。
「っ・・・!きゃああ!!」
投げられたハンマーがまるでミサイルが着弾するかのように爆発する。
その爆発にナミは巻き込まれ姿は見えなくなる。
しかし彼の追撃は止まらない。
巻きあがった土埃に向かって走り地面に突き刺さったハンマーを抜き取りそのままハンマーを振り下ろす。闇雲ではない、この薄暗い闇に加え土埃の中の泥棒猫ナミの位置が見えている。
「もらった。」
ハンマーを振り下ろした衝撃で土埃が吹き飛ぶ。
そこに見えたものにマジックマンは驚かずにいられなかった。
確実に頭を狙った、彼女の頭蓋骨は砕け散っているはずだった。
しかし彼女は腕でハンマーを防いでいた。当然腕は無事では済んでいない骨は折れ内出血で赤く痛々しく腫れ上がる。
「っ・・・・・・・!!!」
痛みで叫ぶはずが彼女は耐えている。
彼は驚いた、麦わらの一味というのはここまで強いのか。
四皇や七武海を指す強さではない、彼らの強さはもっと違う他の何かだ。
「想像以上だ、麦わらの一味。」
「言ったでしょ、痛い目見るって!!」
「伏せろおおおお!!フランキー――ー―――ラディカルビー―ーー―ーム!!」
遠方で発光するフランキーの両手が見えた、しかしその瞬間には既にフランキーの両手から光線が放たれていた。回避は間に合わない。
「ぬぉっ・・・・!?」
ナミはその場に伏せ光線から逃れ、マジックマンだけが光線に撃たれそのままクレーターの壁まで飛ばされる。さらに爆発が起き彼を追い討つ。
「ナミ!!大丈夫か・・!?」
フランキーがナミに駆け寄り彼女の怪我を診る。
「ええ・・・痛っ・・!!」
「ひでえ・・・早くチョッパーのとこに!」
「お待ちなさいな。」
その一声に二人の表情は青ざめた。
二人の背後に頭から血を流しながらも笑うマジックマンが立っていたのだ。
「完全に油断したよ、だがもう容赦はしない。その首を・・・もらう!!」
「刻蹄 桜!!」
その瞬間マジックマンの頭上より両腕が肥大した男が飛び掛かり掌底を打つ。
マジックマンはそれを回避し彼らと距離を取る。
その男はどうやら人間ではない、角が生え身体中が毛に覆われている・
「まさか・・・あははっははははっは!そういうことか!私としたことが見落としていた!麦わらのペットなどではなかったのだな!綿あめ大好きチョッパー!ヒトヒトの実を食べたトナカイだったとは!!」
二本足で立ちフランキーとナミを守るように立ちふさがるトナカイ。
彼こそ懸賞金100ベリー 綿あめ大好きチョッパー。
「なんなんだコイツ・・・なんでおれのこと・・?」
「チョッパーすまねえ、それよりナミが・・・」
「ああ、すぐに治療しないと。」
「助っ人が一人増えたからと言って私に勝てるとでも?」
マジックマンの余裕は消えない、それどころか興奮しているようにも見える。
「一人じゃないよ。」
続けて声と共にウサギのような少女がチョッパーの隣に降り立つ。
「ん・・・・?誰だ?」
マジックマンは首を傾げる、こんなやつ手配書で見たことはない。
見るからにこの少女はミンク族。だとすると少しまずい。
「流石にこれは私もただでは済まなさそうだ。退かせてもらう。」
マジックマンはその場から離脱する。
なるだけ距離を取り一度冷静にならなくてはならない。
デラウェアに続いて大きく戦闘を起こしてしまった、ビーフの怒りは避けられないだろう。
「シェフ、私だ。いい知らせがある。一味の二人を手負いにしてやった。」
『・・・・・分かった。』
ビーフはその一言で電伝虫を切った。
当然怒っているのだろうが多くは言わないのだろう。
「麦わらの一味、思った以上に簡単にはいかないか。・・・これはホーマーさんを先に見つけた方がいいかもしれないな。」
夜が訪れた。
一方ジャングルを一人で進むのは喧嘩屋見習いのウイ。
彼女もまた接近する気配に身構えていた。
とんでもない覇気を持つ気配が二つ。
草木のニオイに混じって漂ってくるタバコのニオイ。
彼女は覚悟を決める。ビーフから既に状況は聞いていた。今更偵察など意味があるのか。真正面から戦うのは危険だ。
ならば、一瞬で首を切り落とすしかない。
彼女は木の上から狙いを定める。
腕の爪に覇気を込め、タイミングを待つ。
そして息を殺し
襲い掛かる。
ToBeContinued