ビート ストローハット   作:Jaycob

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ウラケンショウキン

 聖地マリージョアを後にした喧嘩屋一行は一度ニューマリンフォードに停泊することなった。依頼主である黄猿に一報入れておくのとビーフが買い損ねた食材を補充するためである。

ホーマーの突然の出発宣言にクルー達は動揺していたがそれ以上に彼女のことが心配だった。

 

「総長部屋から出てこないね・・・」

 

ウイが心配そうに部屋の方角を見る。

クルー達はキッチンに集合し各々飲み物を手に話していた。

 

「ミョスガルド様も心配してたぜ、いきなり出発だってんだからな。」

 

デラウェアが静かに言う。いつも粗野な彼も今だけはとてもふざける気にはならない。

 

「マリージョアでなんかあったのかな・・・」

 

ビーフとブルーレットが互いを見合う。

今話しておくべきか、喧嘩屋を狙う影の話を。

ビーフが口を開きかけたその時部屋のドアが開く音が聞こえる。

足音が近づいてくる。

 

「・・・・なんだよ何話してんだよ。」

 

ホーマーが赤く腫らした目でみんなを睨む。

クルーは空気を読み特に何も言わない。今何を言ってもホーマーの神経を逆撫でするだけだと分かっているからだ。

 

「・・・・ウイ、コーヒー。」

 

「アイアイサー!」

 

ウイは立ち上がり急ぎ慌てカップに黒い液体を注ぎホーマーの下へと持っていく。

 

「・・・・・っ!?ぶっ!ウイてっめふざけんなコーラだろがこれ!」

 

「す、すいません!総長!なんか泡立つな~って思ったら・・・!」

 

「そこで気付け!」

 

ホーマーはコーラを飲み干しカップをテーブルに乱暴に置く。

 

「黄猿に報告したらシャボンディまで行くぞ。次の仕事探しだ。」

 

彼女は窓を開けそこから小型船に飛び降りまだニューマリンフォード港まで少し距離があるのに先に行ってしまう。

 

「・・・ウイお前わざと間違えたろ。」

 

「だって笑えるかなって。」

 

その時今度こそビーフが口を開く。

 

「みんな聞いてくれ、今朝のメカ髭とかいう海賊の襲撃だが。」

 

全員がビーフに視線を向ける。

 

「ジハードか?」

 

デラウェアが先に言う。

ビーフは少し驚いた顔をしている。

 

「まさかデリ、お前が気づいてるとは思わなかった。」

 

「わたしも~」

 

「お前らな・・・・」

 

二人の馬鹿にしたような態度にデラウェアは拳を握りしめる。

 

「しかしジハードの奴もう出てきやがったのか・・いや確かにそろそろだとは思ってたけど。」

 

デラウェアが話す様はただ事ではない様子でそこからは焦燥と畏怖さえ感じさせる。

それを見たウイは

 

「ねージハードって?誰?」

 

「そうかウイはあいつと会ったことなかったか。」

 

「バウンティプレゼンター ジハード。懸賞金4億の犯罪者だ。」

 

「4・・・」

 

ウイの表情に隠し切れない緊張と恐怖がにじみ出た。

懸賞金は1億超えればそう簡単には上がらない。

4億となれば相当厄介な相手となる。

 

「奴は犯罪者ではない人物に裏懸賞金をかけそれを犯罪者に狙わせる外道でね。総長も実は奴によって裏懸賞金をかけられている。」

 

「裏懸賞金・・・じゃあ今朝のはミョスガルド様じゃなくて総長を狙ってきたんだ・・・」

 

「そうね~きっとそうよ~。一番最初にやりあった時は喧嘩屋結成してすぐのことだったわ~。その時はまだ懸賞金1000万以下のチンピラだったんだけど~。私たちの仕事を邪魔してきたからぶっ潰してそのまま世界政府に引き渡したのよね~」

 

「ところがだ、奴はインペルダウンどころかエニエスロビーに行く間もなく脱走しやがった。すぐさま俺達にリベンジ仕掛けてきやがったさ。」

 

「そう・・・そのリベンジというのが・・・」

 

ビーフは口を閉ざす。言葉を選んでいるのか口に出すこと自体を拒んでいるのか。

 

「ジハードはホーマーの故郷に裏懸賞金をかけやがったんだ・・・・!」

 

「!!」

 

「ホーマー・アデレードの故郷を滅ぼした奴に賞金を出す。ジハードは海賊たちに発表した。そして三日後には総長の故郷は・・・」

 

「全滅だよ。」

 

全員背筋が凍る。その一言を放ったのが彼女だったからだ。

 

「ホーマー!もう戻ってきたのか!?」

 

「いや正直出たふりしてすぐに戻った。」

 

気まずい沈黙が続く。

その固まった空気をホーマーが切り裂く。

 

「故郷をつぶされて、また私達全員でジハードをぶっ潰した。けどまた」

 

「脱走した・・・?」

 

ホーマーがうなずく。

 

「なんなのそのジハードってやつ、そもそも裏懸賞金って・・・そんなお金どこから・・・あっ!」

 

ウイは察したのかそれ以上は何も言わない。

 

「ジハードは世界貴族にパイプがある。」

 

ビーフが続ける。

 

「奴のやっていることはこうだ。俺達みたいな賞金稼ぎはまだいいとして、海軍将校や一般市民に賞金をかけて海賊に狙わせる。がそれは氷山の一角だ。実際にはそのハンティングが成功するかというゲームを天竜人に提供している。」

 

「マジのドクズだ。故にいくら世界政府に引き渡したところで出てきやがる。」

 

「いいじゃん、また私と喧嘩したがってんだろ?だったらまたボコボコにしてやるだけさ。何度でも何度でもな。」

 

ホーマーの顔が憎悪に歪む。その表情は人の上に立つ人間がしていいものではない。

だが彼女を止める者はいない、いくら彼女が私怨で動こうが総長には従う、クルーは誓っている。

 

「ってことは、ホーマー。シャボンディ行きは中止だな。」

 

デラウェアが海図を取り出してキッチンテーブルに拡げる。

 

「ああ、どうせ私のこと待ってんだろあいつ。お望み通り喧嘩買ってやるよ!ジハード!!」

 

ホーマーがナイフを海図に突き刺す。

そこに書かれているのは

 

エンドツー島

 

ToBeContinued

 

 

 

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