アグモンというヒーローはヒーローの中でも有名な人物である。
その小柄な恐竜の見た目や子供にも似た話し方もあってか、子供達を中心に人気になっており、警察などでもよくマスコットとしてイベントに参加させられる事が多い、
「みんなぁ!!
道路を通る時にはちゃんと横断歩道を見て渡ろうねぇ!!」
「「「はああぁい!!」」」
そう言いながら、アグモンは幼稚園児が着るスモッグを身に着けながら、周りに集まってきている子供達に交通ルールを教えていた。
そのままアグモンは子供達に囲まれながら、尻尾に捕まったり、肩車をしたりなど、多くの子供達と遊んでいた。
そんなイベントが終わり、アグモンは休憩室にて
「いや、本当においちゃんはそういうの仕事が多すぎてきついんだよね」
そう言いながら、アグモンはコートから取り出したココアシュガレットを煙草のように咥えながら呟く。
「いや、先輩、そういうのはもう少しなんとかできませんか。
というよりも、先輩の歳、俺と一つ違うだけですよね」
そう言ってアグモンに対して言うのは、彼の後輩のヒーローの一人であるシンリンカムイは言う。
「そう言ってもね。
おいちゃんはいつも子供達の前では純粋無垢なキャラクターを演じないといけないんだよ。
なんだか、騙しているようで、罪悪感が凄いんだよね」
そう言いながら、咥えたココアシュガレットをかみ砕き、口の中で燃やして器用に煙と作り出しながら呟く。
「というよりも、お前もなんでこんな所に来たの?
悪いけど、おいちゃん、人に金を貸すのはあんまりしたくないけど」
「その心配はしなくても大丈夫ですよ。
それよりも、先輩に聞きたいのですか、この周辺で活動している敵についてです」
「敵?
厄介なのか?」
「えぇ、単純な能力ですが、巨大な蜥蜴になる個性です。
ですが、パワーが厄介で「きゃあぁ!!」っ!!」
「まさかっ!!」
表で聞こえてきた悲鳴に気が付き、アグモンとシンリンカムイは同時に走り出した。
そこには巨大な蜥蜴が車を吹き飛ばしながら走っていた。
「どけどけぇ!!」
その叫び声と共に敵が吹き飛ばした建物の瓦礫が先程までイベントに参加していた子供達に向かっていた。
「っまずいっ!!」
その言葉と共にシンリンカムイはその手から個性を発動させ、防ごうとした。
だが
「アグモン進化!!」
隣から聞こえてきた声に驚き、同時にシンリンカムイは上から感じた熱風と共に瓦礫は完全に燃やされてしまう。
「先輩っ!!」
同時に敵の前に青い縞柄の入ったオレンジ色の皮膚、黒い兜を思わせる角に鋭い牙。
その姿から先程まで愛らしい姿のアグモンからは想像できない程の狂暴な姿へと変わったが、その姿を見た瞬間、その場にいたシンリンカムイも、子供達も周りにいた人々も歓声へと変わった。
「グレイモン!!」
その言葉と同時に大きく飛躍したグレイモンはそのまま敵へとぶつかると同時に巨大な亀裂が出来上がる。
恐竜と大型の蜥蜴、その激突はまるで怪獣映画を思わせる場面であり、その場にいた全員がその光景に対して息を飲んで見守っていた。
「シンリンカムイ!!」
「了解!!」
その言葉と共にシンリンカムイはグレイモンからの指示を受けて、行動に移す。
「ちぃ邪魔だっ!!」
敵はそう言いながら、グレイモンの拘束から逃れようと必死に動く。
だが、グレイモンは足に力を籠め、尻尾で力強く止め、敵を一歩も通さなかった。
「先輩、避難は完了しました」
「待っていたぜ、その一言をっ!!」
同時にグレイモンは大きく口を開いた。
その口の中には巨大な炎の塊が出来上がっており、それを見た敵は思わず悲鳴を上げるが
「メガフレイム!!」
グレイモンの叫び声と共に敵はグレイモンから吐き出された炎の塊が敵に激突する。
「がはぁ!?」
その攻撃を受けた敵はそのまま白目を向けながら、その場で気絶した。
「たくっ、余計な仕事を増やしやがって」
そう言いながら、グレイモンは気絶しているのを確認すると共にその場で座り込む。
「すっすげぇ!!
グレイモンだ!!」
「あっおっおぉ!!
そうだぞ、俺はグレイモンだぞ」
「すげぇ、尻尾なげぇ!!」
「角硬いっ!!」
「あっ駄目だよ!!
僕、身長高いから、危ないよ!!」
そう言いながら、先程まで敵に怯えていた子供達はすっかりグレイモンに興味を持って遊んでいた。
「さすがの先輩も、子供達には敵わないようだな」
そう言いながら、シンリンカムイは敵を拘束しながら、その様子を眺めていた。
アグモンの進化系統は
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ウォーグレイモン
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シャイングレイモン
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ビクトリーグレイモン
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ブリッツグレイモン
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エンシェントグレイモン