GATE 黒の騎士団 彼の地にて、斯く戦えり   作:NTK

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STAGE1 門 が 開いた日

とある国にある森の中で、二人の人物が歩いていた。

一人は長い緑色の髪、金の瞳を持った美女、もう一人は短めの黒髪に紫水晶の瞳を持った美青年であった。彼らはこの国の人ではない、しかし観光客と呼ぶにはあまりに不自然な格好をしていた。

しばらく静かに歩いていた二人だが、突然女性の方が驚いたように顔を上げた。

 

「…⁉︎」

 

「どうした?」

 

「…『門』が開いた感じがした」

 

「なに…⁉︎だが、『Cの世界』の門はもう…」

 

「あぁ。だがあの門とは違うが、非常に近いものが開いたのは確かだ」

 

「どこで開いたかわかるか──C.C.(シーツー)

 

「…日本だ。それで?どうする──L.L.(エルツー)?」

 

女性─C.C.の言葉に青年─L.L.は答えた。

 

「決まっている…日本に向かうぞ。もしその門とやらが『Cの世界』の(ことわり)を崩壊させた事によるものだとすれば、俺が何とかせねばなるまい」

 

────

半年後

 

ジルクスタン王国によるWHA、世界人道支援機関のナナリー名誉顧問拉致事件、通称『ハシュベスの戸惑い』から一年が経ち、世界は再び平和となっていた。

 

かつての激戦の舞台であった日本も復興が進み、ゲットーと呼ばれていた地域やトウキョウ租界もとい東京も在りしの姿を戻しつつあった。

そして今日彼女は黒の騎士団CEO、ゼロとともに復興完了から一年が経った銀座の記念式典に参加すべく、銀座へ訪問する事となった。

式典会場では日本人を始め多くの人が溢れ返っており、ゼロは通信機に手を掛けた。

 

「私だ。周辺の警戒はどうだ?」

 

「特に異変は見られません。警備のナイトメアフレーム(以後KMF)部隊からも同様の報告があります」

 

「わかった。警戒を続けてくれ」

 

前回の出来事を警戒し、現場には儀礼用の他に実戦用のKMFも待機させていた。やがて式典が始まり、現日本首相のスピーチから始まり、各国の代表の言葉、そしてナナリー名誉顧問のスピーチを行い式典は無事に終了した。

その後パレードを行い、観衆が見守る中、代表らを乗せた輸送車が銀座内をゆっくり進んでいる時であった。輸送車の先に突如として大きな石造りの門が現れた。

 

「なんだ…あれ?」

 

「こんなのさっきまで無かったよね?」

 

(これは…『Cの世界』の門に似ている…?()()()()の言っていたのはこれか…?)

 

ザワザワと観衆が騒ぐ中、ゼロは輸送車を下げ、KMF部隊に警戒するよう指示した時であった。門がゆっくりと開き出した。

─そこから現れたのはゴブリンやオーク、ワイバーンといったファンタジーの世界にいるような怪物の群れと中世ヨーロッパの軍隊のような格好をした人々であった。

 

何事かと静観していた観衆だったが、その怪物達や兵隊は観衆に向けて突撃し、虐殺を開始し始めたではないか。

たちまち辺りはパニックとなり、阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。

 

「まずい…!代表達を安全な場所に、警備隊は対処にあたれ!それと付近の駐屯地にも応援を頼む!私もKMFで対処する!」

 

ゼロはそう指示を飛ばすと近くのトレーラーまで駆け寄った。

 

真母衣波(まほろば)の実戦装備の換装は⁉︎」

 

「既に完了しています!」

 

整備士の言葉を聞き、ゼロは真母衣波壱式(実戦仕様)に乗り込んだ。

この機体は以前に破壊されたものを回収、修復した上で零式に搭載していた内蔵火器やブレイズルミナス発生器を追加し実戦でも充分使えるものにしたものであった。

フロートシステムをオンにし、儀礼用の剣をMVSに換装した本機を起動しつつ、ゼロはその仮面を取りその素顔を露わにしたゼロ─枢木スザクは目の前の惨状を見て呟いた。

 

「またも平和が…!しかし、あれは一体…?」

 

起動が完了するとスザクはコントローラーを動かして真母衣波をトレーラーから飛翔させた。その姿を見た武装勢力─帝国兵は狼狽た。

 

「な、何だあれは⁉︎」

 

「空飛ぶ…巨人の騎士?」

 

「武装勢力に告ぐ‼︎今すぐ武器を捨てて投降せよ‼︎」

 

スザクが帝国兵に呼びかけるも、言葉が通じないのか帝国兵は槍を投げたり弓矢を放ったりして真母衣波を撃ち落とそうとしていた。

 

「警告はしたぞ…!」

 

スザクはスイッチを押し、真母衣波の内蔵式機銃を展開し帝国兵達に撃ち放ち、帝国兵やゴブリン、オークなどを吹き飛ばしていった。

 

周辺に待機してたKMF部隊も到着し、暁、サザーランドⅡ、ヴィンセントの他にナイトポリスも加わり次々と帝国兵達を迎撃していった。特に暁やヴィンセントといった飛行が可能な機体は空を飛んでワイバーンやそれに乗った兵を撃墜していった。

 

KMFに乗っていない警備兵達も手にしたアサルトライフルで帝国兵達を打ち倒して行った。

 

「何だこれは…⁉︎空を飛ぶ巨人の騎士にサイクロプス…さらには鉄の杖だと…!何もかもが我々と違い過ぎる…⁉︎」

 

「退けぇ‼︎撤退、撤退だ‼︎」

 

不利を悟った騎士団長の言葉を皮切りに次々に帝国兵達は門へと引き返して行く。それらを逃さまいとKMF部隊が追撃し、ナイトポリス複数が帝国兵と門の間に立ち塞がり、催涙ガスを放って動きを止め警備兵達が捕縛へと動き始めた。

 

────

『銀座事件』と呼ばれた事件から2ヶ月が経過し、銀座を襲撃したのは門の向こうの異世界にある帝国と呼ばれる国の軍である事、その目的が新たな領土獲得と日本の植民地化であることが日本政府から発表された。

 

これを受け超合集国は決議を行いその結果、帝国へ日本に対する行いの謝罪と賠償を求める為、門の向こう『特別地域』略して特地へ黒の騎士団を派遣することが決定した。

要請を受けた黒の騎士団は先行派遣するメンバーの選定と準備を始めたのであった。




解説
『真母衣波壱式《実戦使用》』
要は真母衣波壱式に零式の装備を追加させてMVSを加えたものです。

『伊丹達は出るのか』
一応出ますが大幅に設定が変わります。また、伊丹は今作では事情が事情なので『二ツ橋の英雄』とはなりません。

次回は派遣準備の様子を書くつもりです。それではまた次回まで。
感想、アドバイス等ありましたらよろしくお願いします。
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