火星に踏み出した瞬間に計測停止。   作:Kasuya

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短い上、中身スカスカです


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3月27日曇り

 

小学校の入学祝に買ってもらった自由帳を活用して、今日から日記を書きたいと思う。

特に目的があるわけでもないが、今までの記憶が薄れつつあるので、重要事項の確認用と兼任で日記というわけである。

いろんな意味で親には絶対に見せられないので、自室でコソコソと書き綴ることとする。

 

 

さて、俺が新たな人生をスタートさせて早6年。4月からは小学校へと通うこととなる。

思わずに手に入れた二度目の人生。

前世での反省を活かして、幼い頃から運動に勤しみ、積極的にコミュニケーションをとって友人を多く作った。

勉強は前世からそこそこ出来た方だが、油断大敵ということで近所の図書館で書物を読み漁り、知識を蓄えた。

精神年齢がかけ離れている俺からしたら、幼稚園児や小学生と暮らすことは苦行に近かったが、意外にも充実した毎日を暮らしていると思う。

 

しかし、一つ大きな問題がある。

所謂「将来の夢」というものが見つからないのだ。

せっかく二度目のチャンスを手に入れたのだから、またダラダラと日々を消化するのはごめんだ。

スポーツ選手!総理大臣!とか大きな夢があればいいのだが、いかんせん心の底から熱くなるような物事は見つかっていないのが現状である。

 

最近、奇しくも人生はRTAと相似点が多いと感じる。

目指すものが決まらないと行動方針も決められないし、適当に進めると選べないルートが出てきてしまう。

人生に無駄な時間、無駄にしていい時間など無いと人生二回目にして痛感することとなった。

 

というわけで、小学校6年間での俺の目標は「夢をみつけて、実現に向けて行動を始める」である……!

 

 

 

4月5日晴れ

 

入学式は多くの新入生とその家族でごった返していた。

クラスは1から5組までで、各クラス40人ほど。なかなか生徒数が多い学校だけあって、グラウンドや体育館が大きかったりと設備は整っているようだ。

 

入学式の日から友人を多く作っておくことには越したことはないので、席が近い子から声を掛けていくことにした。

流石に皆緊張しているようで、あまり反応は良くなく、女子にいたってはビクつかれてしまって申し訳ない気持ちになってしまった。

まあ、結果的に何人かとは友人になれたから良しとしよう。

 

ああでも、隣の席の「南波日々人」ってゆう男の子はフレンドリーでノリも良かったのですぐに仲良くなることができた。

趣味は野球で、地域のクラブチームに通っているらしい。

速攻で「一緒にやろうぜ!!」と勧誘され、ノリでその場でOKしてしまった。

ちょうどただランニングするのにも飽きてきたのでこの機に野球を始めてみようと思う。

 

 

 

7月23日晴れ

 

今日で前期が終わり、待ちに待った夏休みが始まる。

先生から渡された成績表は当然オール5で、一言欄には誉め言葉がギッシリ書き込まれている。

まあ流石に小、中学生の内は余裕で優等生でいられると思う。

 

最初は日々人の誘いで始めた野球にも、朝にグラウンドで二人で自主練するくらいには熱中している。

俺も日々人も運動神経は良い方なので、流石に高学年には及ばずとも、かなり良い成績を納めているし、レギュラー入りも遠くない筈だ。

 

あと、日々人の兄「南波六太」とも仲良くなった。

元はただのチームの先輩だったが、日々人と仲良くなるに連れてだんだん関わりが増えていった。

六太はポジティブの化身みたいな日々人とは違って、物事をネガティブに考えがちなところがあるが、妙なユーモアのセンスを持っている面白い奴だ。

 

今では好奇心旺盛な日々人に二人して振り回される構図が日常となっている。

なんにせよ、この二人といればこの先小学生生活は暇しなさそうだ。

 

 

 

9月31日晴れ

 

今日は小学生生活の最初の大イベント、運動会が行われる日だ。

各学年、クラス対抗で行われる運動会は、地域の一大イベント扱いで観客も多い。

 

俺と日々人は二人ともクラス対抗リレーの選手を務めており、今日のために練習を積んできた。絶対に負けれない戦いだ。

結果は2位と圧倒的な差でゴールし、我らが1年2組の勝利。そして全体でも1位。

リレーで大活躍し、勝利に貢献した俺たちは一躍クラスで人気者となったのだった。

 

ちなみに六太は玉入れで大活躍し、個人の得点でおそらく1位という地味な偉業を成し遂げていた。

 

 

 

 

1月4日

 

年も明け、今は春休みの最中。

三が日であらかた遊びつくして暇になってくる時期だ。

 

ということで今日は二人が我が家に遊びに来ている。

南波家には今までに何度かお邪魔させてもらっていたが、我が家に招待するのは初めてだ。

特に何もない部屋だが、ボードゲームなどをして時間をつぶす。

 

本棚を見た六太が、「なんでこんなムズい本ばっか読んでるんだ?」と聞いてきたので、小さい頃から読書が好きだったと適当にごまかした。

そのあとは百科事典を三人で読み漁り、雑談を延々としていた。

 

 

 

3月1日雨

 

もう今年度もあと一か月を残すところとなった。

 

南波兄弟との出会いや、運動会、野球など楽しいイベントに欠かない一年間だったと思う。

なかなかいいスタートを切れたのではないだろうか?

 

だが結局、いまだに夢は見つからないままだ。

時間を無駄にしている感じはしないが、人生は短いんだ。常に時間がないと思っていて損はない。

 

そもそも、夢は自分から探すものではなく、偶然に見つかるものだ。

なにか人生を変えてしまえる出会いとか、イベントとか、そういったものに期待するしか今の俺に出来ることは無いのかもしれない。

 




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