ボイスドラマ化しました。
①vs遊星(https://m.youtube.com/watch?v=r03RLN7mhtc)
②vsラストデュエル(https://m.youtube.com/watch?v=-Q5vGwoJrb8)
③vs鬼柳京介 coming soon
◼︎声劇用に手直しした台本がこちら
◼︎声劇やりたい方はふれれらまで
【デュエルギャング、鬼柳京介】
※リーダー鬼柳をベースに
短い中でリーダー→ダグナー→不満足の三段変化が見れる構図
※鬼柳、格上感。ジャックは初めて追い詰められた王者。
J(こいつが、コモンズをまとめ上げた男)
鬼「先行は貰うぜ、オレのターン!」
※鬼柳、高らかに宣言。ワクワク。勢いよくデッキから手札5枚ドロー
鬼「まずはこっちから行かせてもらうぜ! 速攻魔法発動、《手札断殺》!お互いに手札を二枚墓地へ送って、同じ数だけドローするぜ!」
J「(ピクリ、とジャックは眉を動かす)」
※鬼柳、瞳をキラリ。ニィ、と顔の前にカードを掲げる
鬼「ジャック、イイ手札は揃ったか?」
J「フン」
J(油断ならんな、こいつ。今の一手でリズムが狂った。こうもたやすく俺の手札を荒らしてみせるとは。どう出る)
※鬼柳、猫のように目を細める
鬼「オレはブラッド・ヴォルスを召喚!」
J(攻撃力1900のノーマルカード……コモンズらしい、通常モンスターを多用するパワーデッキか。……いや)
※鬼柳とブラッドヴォルス。既視感。
J(なんだ、この既視感は…?)
鬼「オレは手札を全て伏せるぜ!さあ、オレはこれでターンエンドだ。かかってこいよジャック、満足させてくれるんだろ⁉︎」
J(この廃ビルには、初めて来たはずだ。だがまるで、ここを知っているような)
J(…感じる。この男の強さを。知っている。高らかとブラッド・ヴォルスを操る、この男の手強さを!)
J「いくぞ、俺のターン、ドロー‼︎」
鬼「おおっと! この瞬間、トラップ発動! 《ギャンブル》ッ!」
※鬼柳、指パチン
J「ッ」※ジャック、ペースを乱される
鬼「悪りぃなジャック。コイツはな、相手の手札が6枚以上で、自分の手札が2枚以下の時しか使えねえのさ。今のドローで、お前の手札は6枚!」
※鬼柳、ピンッ!とコイントス。パシッと横から掴む。
鬼「コイントスをして、裏表を当てる! 当たれば5枚ドロー! 失敗すれば次のターンをスキップだ!」
J「なに?」※ジャック、眉をひそめる
J(コイツ、正気か? それとも、ただの無謀か)
※鬼柳、目が鋭く光る。目が猫のようにしなる。
鬼「なあ、ジャック。当ててやろうか。お前がいま考えてること」
※鬼柳、瞳がニンマリと細まる。ジャックに見せつけるように、指パチッ
鬼「無謀すぎる、俺は2ターンあればコイツを仕留められる、ってな!」
J「‼︎」
鬼「なぁんでだろうな、ジャック。お前とは、初めて会った気がしねえよ。まるで、昔のダチみてえだ。手に取るようにわかる」※懐かしむような、優しい声
※鬼柳、前髪をくしゃりと勢いよくかき上げる
鬼「どうしてだろうなァ、ジャック! 楽しくって仕方ねえ!」※ここダグナー寄り
鬼「オレはずっと、お前とデュエルしたかった気がする! この埃まみれの町で、思いっきり、お前みてえなヤツらと!」
鬼「出し惜しみなんざ満足できねえ! なあジャック!」
※鬼柳、バッと腕を広げる
鬼「ここは一か八か、どでかいことしようぜ!」
※ピンッ、とコインが高く飛ぶ
J「ッ」
鬼「もちろん細工なんてつまんねえ真似はしねえ! 外せばオレの負け、当たれば──」
※落下。コインが床スレスレまで迫る。
※ジャック、ハッと正気づく
J「(舌打ち) オモテッ!」
鬼「オレはウラだッ! さあッ!」
※コイン、キンッ、と高い音、転がる。チャリン。
J「(眉を寄せる)」
※鬼柳、ニマリ
鬼「裏だ! ギャンブルはオレの勝ちだな、ジャック!」
※鬼柳、手札を勢いよく補充
鬼「手札が5枚になるまでドロー‼︎ オレの手札は0枚、フルで5枚ドローだ!」
鬼「やりい!」
※ジャック、呑まれて愕然
J(この俺が、翻弄されただと?スタジアムで観客と相手を翻弄してきた、このジャックアトラスともあろうものが?)
※鬼柳、見せつけるように唇を舐める。指をゆっくりと銃の形に構える。
鬼「バァン!」※ジャックに片目をつぶってみせる
鬼「さあ、これで『弾』が出来たぜ。どうした、遠慮なくかかって来いよ、ジャック!」
J「ッちい! 相手の場にのみモンスターが存在するとき、攻撃力と守備力を半分にして、このモンスターを特殊召喚する! 現れろ、バイス・ドラゴン!」
鬼「バイス・ドラゴンか…!」※鬼柳、すごく楽しそう。余裕の態度。
※ジャック、顔をしかめる
J(認めん、この俺が、魅せられたなど!)
J「手札からチューナーモンスター、ドレッド・ドラゴンを召喚! レベル5のバイス・ドラゴンに、レベル2のドレッド・ドラゴンをチューニング! 王者の叫びがこだまする! 勝利の鉄槌よ、大地を砕け! シンクロ召喚!」
J「はばたけ、エクスプロード・ウィング・ドラゴン!」
※鬼柳、ゆっくりと微笑、まるで懐かしむように。優しい声
鬼「エクスプロード・ウィング・ドラゴン、か。不思議だな、初めて見た気がしねえ」
J「くらえ、ブラッド・ヴォルスに攻撃! こいつは自分の攻撃力以下のモンスターを攻撃するとき、ダメージ計算を行わずに破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!」
鬼「なぁーるほどなあ、ジャック。こっちの攻撃力は1900、次のターン、ダイレクトアタックを決めちまえば、合計4200でお前の勝ちだ。ギャンブルに勝てなくて残念だったな、ジャックよお!」
※鬼柳、腕を真っ直ぐ突き出す
鬼「だがなあ、甘ぇ! 永続トラップ発動、《デプス・アミュレット》ォ! コイツは、手札を一枚墓地に送ることで、一ターンに何回でも攻撃を無効にする!」
J「チィ。カードを一枚セットして、ターンエンド」
※鬼柳、挑発
鬼「どうした、もう終わりか?」
※ジャック、警戒。静かに口を開く
J「なぜだ」
鬼「ああ?」
J「手札だ。オモテが出れば負けていた。そんなリスクを負わずとも、手札を一枚温存しておけば、安全に守りを固め、その上で《ギャンブル》の発動も出来たはずだ」
鬼「だが、それじゃ引けるカードが一枚減る」
※鬼柳、ニィ
鬼「そんな小細工じゃ満足できねえ」
※鬼柳、バッ、と両手を大きく広げる、親しい友にハグするように、底抜けに明るくジャックに笑いかける。
鬼「見た瞬間わかったぜ、ジャック、お前は強いってな! なあ、お前もそうだろ!」
※ジャック、武者震い。頭が痺れる。感じた懐かしさを言い当てられた気がする
J(そうだ、俺も感じていた。この男は強い、俺が倒すに値するデュエリストだと)
鬼「だったらオレも出し惜しみなんかしてられねえ! そんなつまんねえやり方じゃ満足できねえ! 痺れるようなデュエルをしようぜ。オレたちのデュエルは、ギリギリのスリルと駆け引きであるべきだ! そうだろ、ジャックよぉ!」
※鬼柳、ガッと前に手。
※ジャック、興奮が伝染して、熱くなる
J「……ッ‼︎」
鬼「もっと本気出せよ、ジャック! 行儀(ぎょうぎ)よく様子見なんてしてねえで、お前の最強のドラゴンをみせてみろ! そうじゃねえと───」
※鬼柳、ゆっくりと。キスするようにカードを顔の前に掲げる
鬼「このターンで、オレがお前を潰しちまうぜ?」
─── ターン3 ───
鬼「……ドローッ‼︎」
※カードの軌跡、キラッ
鬼「来い、トリック・デーモン! 一気に行くぜ、手札一枚をデッキの上に戻すことで、さあ、墓地から蘇れ、ゾンビキャリア!」
※鬼柳、にいっ、と腕を掲げる
鬼「(笑い声) もういっちょ! こいつの出番だ! ライフ半分を差し出して、コイツを墓地から復活させる! 蘇れ、亡龍の戦慄―『デストルドー』!」
※鬼柳 LP 4000 → 2000
※ジャック、警戒に目を細める
J「デストルドー…ライフを半分捨てたか。仕掛ける気だな」
鬼「亡龍の戦慄―デストルドーは、場にレベル6以下のモンスターがいるとき、そのモンスターのレベル分のだけレベルを下げて墓地から特殊召喚できる。デストルドーのレベルは5になるぜ」
※鬼柳、恐ろしい怪物を、犬のように撫でる
※ジャック、記憶を辿って顔をしかめる
J「コイツら、最初の手札断殺で」
鬼「その通り! レベル4のブラッド・ヴォルスに、レベル2のゾンビキャリアをチューニング!」
※鬼柳、両手を掲げる
鬼「地獄より来たりて悪魔は蘇る! 招き来る災いよ、オレに勝利を寄越せ! シンクロ召喚! レベル6、デーモンの招来!」
※カッと落雷、リングの中から悪魔の腕がぬっ。デーモン登場
鬼「奇しくもデーモン対決になったなあ、ジャック」
※鬼柳、いたずらっぽくウィンク。
鬼「お前はレッドデーモンズを使うんだろ? どっちが真のデーモン使いか、ケリ付けるのも面白そうだと思わねえか」
※鬼柳、ビッとカードを前に突き出して、笑う
鬼「ふさわしい舞台を用意してやるよ! フィールド魔法、デーモンパレス─悪魔の迷宮―を発動だ!」
※周囲に、次々と塔が立つ
鬼「コイツがある限り、オレの可愛い悪魔たちは攻撃力アップ! トリック・デーモンとデーモンの招来の攻撃力を500アップだ!」
J「攻撃力3000か…‼︎」
鬼「いいだろう? 群雄割拠! 悪魔はびこるオレの城だ」
J「ふん、仮初の城など、すぐに滅びる。この俺が蹴散らしてくれる!」
※鬼柳の目が、すう、と凪ぐ。騒がしい気配が消えていく。
※ジャックは妙に思う
鬼「仮初の城、か…」
J「鬼柳……?」
※鬼柳、俯く。静かな声
鬼「なあ、ジャック。ここは地獄みてえだと思わねえか」
J「……なに?」
鬼「道を歩けば飢えたガキがゴロゴロいて、どっちを見ても奪い合い。生きるために毎日が骨肉のあらそいだ」
※鬼柳、顔を歪めて、両手を広げる
鬼「どこへ逃げたって変わらねえ。少し前まで、オレはこの地獄で、ただ奪い奪われる側だった。つまんねえ生き方だった」
※鬼柳、吐き捨てるように
鬼「奪って奪って、一時(いっとき)は辺りを牛耳(ぎゅうじ)って、まさに一城(いちじょう)の主(あるじ)だったこともあったさ。けど、お前の言う通り、しょせんはかりそめで空っぽだった。危ねえ橋を渡って、いつ死んだって構わねえって、スリルで誤魔化して満足しようとしてた。……若かったな」
※鬼柳、苦く片眉を落として、自嘲。静かに肩を竦める。顔を上げる。
鬼「けどな。そんなんじゃ一生オレは満足できねえって、命がけで教えてくれた奴がいたのさ」
ウェスト『鬼柳にいちゃん!』
ニコ『鬼柳さん』
※鬼柳の目線、ふわりと緩む。誰もいない傍らに、優しい視線を送る。そこにはニコとウェストの幻。鬼柳の裾を握っている。
※ジャックはそれに気付いて目をみはる。
J「鬼柳、貴様は…」
鬼「あいつらと出会って、オレは変わった。オレはもう、生きる意味を知ってる。戦い抜く意味も、この手の中にある」
※鬼柳、拳を胸に当てる。
鬼「この街で、かつてオレは一度死んだ。古いオレは死んで、生まれ変わったんだ。だから今ここにいる。なあ、ジャック。お前はどうだ? コモンズを飛び出して、何を見つけた?」
J「なに?」
※鬼柳、目がキラリ。試すように見据える。
鬼「ジャックアトラス。コモンズに生まれ、コモンズを飛び出し、頂点に立ったコモンズの王。このコモンズを誇りに思えるか?」
J「んだと?」※ジャック、耳を疑う。
J「このドブ溜めの町に、誇り?」※ジャック、耳を疑う。
鬼「信じられねえこと聞いた、ってツラだなぁ、だが、オレは本気だぜ、ジャック」鬼「信じられねえ、ってツラだな、ジャック。だが、オレは大真面目だぜ」
※、高らかに謳ってみせる。
鬼「オレはコモンズの鬼柳京介。この町で生き、コモンズを誰もが誇れる町に変えてやる。それが!」※鬼柳、両腕を大きく広げて、晴れやかに笑う
鬼「コモンズに再誕した鬼柳京介の、新しく見つけた生き様だ!」
◇ ◇ ◇
※ジャック、じりっ、と冷や汗。
J(オレのライフはまだ4000残っている。ヤツはライフを半分捨て、大きく隙を作った。状況は不利ではないはずだ……だが、これはなんだ。追い詰めているはずが、逆に追い詰められているようなプレッシャー…)
※鬼柳の足元で、じり、と割れたガラスが踏みしめられる。
※ジャック、無意識にわずかに足を引く。
J(気圧されている、だと……この俺が? ばかな)
鬼「デストルドーってのは、『破滅したがる衝動』のことでな。ライフを半分支払う召喚方法が、破滅や死へ加速する『命知らず』って意味だろうな」
※鬼柳、肩をすくめる。デストルドーを犬にするように親しげに撫でる。
鬼「オレはよ、このカードのそんなトコが気に入ってた。強力だがリスクが大きくて、一歩間違えたら破滅へまっしぐら。コイツでずいぶん破滅的なデュエルをしたもんさ。……だが、もうオレは呑まれねえ」
鬼「このターンでケリつけようか、ジャック」
J「世迷言(よまいごと)を。デーモンの招来で俺のエクスプロード・ウィング・ドラゴンを突破し、デーモンパレスで底上げした攻撃力で総攻撃をかける気か? それでは、俺のライフを削り切るには足りな───」
鬼「それは、どうかな?」
※ジャック、ぞわっ。
J「なんだと…!」
鬼「カードを交わせば分かるんだよ、お前はオレと似てるぜ、ジャック」
※鬼柳、本心を隠すように目許に手札を掲げ、ニィッと口許だけで笑う。
鬼「このドブ溜めみたいな腐ったセカイで、『なにか』を求めてあがいてる!」
※ジャック、ゾクッ。
※鬼柳、楽しそうに、高らかに笑う
鬼「なあ、ジャック。オレたちはコモンズだ! トップスの連中とはちげえ。生まれたときから『手札が違う』!」
※鬼柳、声音一つで場を席巻。天性の才、底なしの魔力。引きずり込まれる。
鬼「だがジャック、お前も知ってるはずだ。コモンズでも、いやコモンズだからこそ! 爆発的に力を発揮する瞬間があることを!」
※鬼柳、バッと、手札の尽きた両手を、高らかに広げる。
※ジャック、ハッとする。いつの間にか、鬼柳の手札は全て伏せられていた。
J「っ!手札を全て伏せた…⁉︎ いつの間に…!」
鬼「オレはコモンズだ! 手に何もないからこそ、強くなれることを知ってる!だからこそ掴めるモンがある!」
※鬼柳の両手に、ニコとウェストの幻。鬼柳が笑う。
鬼「手札があることは、強さじゃねえ! オレは、オレのデッキは! 『手札がゼロ』の時こそ力を発揮する‼︎」
J「なんだと⁉︎」
鬼「見せてやるぜ、ジャックアトラス! これがオレの、オレたちのチームサティスファクションの力だッ! デストルドー!」
※デストルドー、光に変化
J「なに、チューナーだと⁉︎ ッしまった! デーモンパレスは注意を逸らすおとりか!」
鬼「もう遅い! オレはレベル3のトリック・デーモンに、レベル5となったデストルドーをチューニング!」
※闇から、龍の咆哮
鬼「死者と生者、ゼロにて交わりし時、永劫の檻より魔の竜は放たれるッ! シンクロ召喚ッ‼︎」
※雷、カッ
鬼「いでよ、インフェルニティ・デス・ドラゴン!」
※竜、咆哮
※ジャック、目を見開く
J「馬鹿な、インフェルニティだと⁉︎」
鬼「さあ、ジャック!」
※鬼柳、舌なめずり。圧倒的覇気
鬼「満足、させてくれよッ‼︎」
※鬼柳、獰猛に瞳孔を開く。腕を振り上げる。
鬼「ハンドレスで効果発動! インフェルニティ・デス・ドラゴン!」
鬼「1ターンに一度、相手モンスターを破壊して、そいつの攻撃力の半分のダメージを相手に与える!」
J「なんだと⁉︎」
※デスドラ、カッと開いた顎を開く。無防備なエクスプロード・ウィングに、黒炎が迫る。
鬼「くらえ! インフェルニティ・デス・ブレス!」
J「ぐあああ!」
ジャックLP 4000 → 2800
鬼「言っただろ? このターンで潰しちまうぜってな! さあ行け、デーモンの招来! ジャックにダイレクトアタックだ!」
※デーモン、腕を天に伸ばす。カッと空から落雷が迸る。
鬼「てめえの残りライフは2800! 攻撃力3000のダイレクトアタックで、終わりだ!」
J「そうはさせん! 手札から効果発動ッ、来い、バトルフェーダー‼︎」
※ぶおん、鐘の音。バトルフェーダー、ジャックを守るように立ち塞がる。
J「こいつを特殊召喚し、バトルフェイズを強制終了する!」
※デーモンの落雷を受け止めるバリア。ジャックの裾が舞う。
J「くっ」
鬼「上手く防いだじゃねえか、ジャック。そぉこなくっちゃなあ!」
※鬼柳、興奮で瞳孔が開いている。鬼柳、高笑う。
鬼「オレの場には、お前の攻撃を無効化する《デプス・アミュレット》がある。油断なく行かせてもらうぜ、リバースカードオープン、《悪夢再び》!」
※鬼柳、地面にかざす。魔法カードが立ち上がる。悪霊が墓から湧き出るイラスト
※鬼柳、目元を歪めて笑ってみせる。
鬼「墓地から守備力0の闇属性モンスター二体を手札に加えるぜ。オレが選ぶのはデーモンの騎兵、トリック・デーモン!」
※鬼柳、ひゅん、と飛んできたカードを、パシッと受け取る。
J(デプス・アミュレットで捨てたデーモンの騎兵を回収したか。無駄がない…強い…! だが、俺には成さねばならぬことがある。こんなところで止まるわけにはいかん!)
鬼「さあ来い、ジャック! ターンエンド!」
J「俺の、タァァァン!」
─── ターン4 ───
※ドローカード、カン☆コーン
J「鬼柳、認めよう。貴様は確かに俺の予想を超えるデュエリストだった。だが、だからこそ、俺は止まるわけにはいかん!」
※室内で、風がぶわり。ジャックの白の裾が舞い上がる。
J「俺はチューナーモンスター、トップ・ランナーを召喚! レベル1のバトルフェーダーに、レベル4のトップ・ランナーをチューニング!」
J「破邪開闢、輪廻転生! 巡れ、命の鼓動よ! シンクロ召喚!」
※カッ。廃墟が照らされる。ジャック、腕を掲げる。
J「レベル5、転生竜サンサーラ!」
※神々しい竜
※鬼柳、まるで意表を突かれたように見やる。
鬼「転生竜、だと…?」
(注:ゴッズでチーム満足時代使っていたカードはエクスプロードウィング。こいつは居ない。裏設定、実は鬼柳はジャックよりさらに記憶持ち)
※鬼柳、気を取り直す
鬼「サンサーラ、か。確か……生まれ変わり、とかって意味だったな。粋なカード使うじゃねえか、ジャック」
※鬼柳の空気が変わる
鬼「……なあジャック。生まれ変わりを信じるか」
J「生まれ変わり、だと?」※ジャック、静かに
※ジャック、答えない。だが、笑い飛ばしもしない。
J「……知らんな。俺の領分ではない。だが」
※ジャック、カードを掲げて、見つめる。掲げたカードは、ひどく指先に馴染んだ。
J(昔から、既視感を感じていた。ある時は育ての母に。ある時はオレンジ頭の同胞に。あるいは、手に取ったカードに。この世には、セカイを越えて、魂で繋がる絆があるのだと、聞いた)
※回想
カーリー『童話なの。世界の向こうには別の自分が居て、魂は繋がってる』
ジャック『別の世界の、別の自分…?』
※回想終了
J「…そうだな。だが、ひとつだけ言おう。貴様はこの町で生まれ変わったと言ったな。オレもまた、変わった。このドブだめの町に生まれ、トップスで────いや、ひとつの出会いによって、変わった。オレは惑(まど)わん」
※ジャック、まなじりを決する
J「シンクロ召喚に成功したとき、手札からチューナー、『シンクロ・マグネーター』を特殊召喚!レベル5の転生竜サンサーラに、レベル3のシンクロ・マグネーターをチューニング!」
※スカーライト、光の中から、再誕
J「鬼柳京介。貴様が生まれ変わるというのなら! 俺は、貴様の目指す先へ行く!スカーライトォ!」
※スカーライト咆哮
J「効果発動! このカードの攻撃力以下のモンスターをすべて破壊し、破壊したモンスター一体につき、500のダメージを与える!」
※燃える炎、振り上げた拳
J「アブソリュート・パワー・フレイム!」
鬼「ぐ、ああ!」
※デスドラ、デーモンの招来、破壊。鬼柳 LP 2000 → 1000
※鬼柳、吹っ飛ばされる。埃っぽい廃墟を派手に転がる。サッと立ち上がって埃を払う。
鬼「いいダメージだぁ! だが、これじゃ終わらねえ! デーモンの招来が墓地へ送られたとき、デッキから悪魔は蘇る!」
J「なに⁉︎」
鬼「来い、デーモンの召喚!」
※カッ。雷が城に落ちる。巨大な悪魔の手が伸びる。
鬼「デーモンの召喚も、デーモンパレスの効果で攻撃力が3000にアップ! さあどうする!」
J「このまま攻撃しろ、スカーライト!」
鬼「なにっ⁉︎」
※ゴウッ。スカーライトが腕を振りかざす。
鬼「相打ち狙いか…⁉︎」
※鬼柳、一瞬手を止める
鬼(このまま引くか? いや…‼︎)
鬼「発動、《デプス・アミュレット》! 手札を墓地へ送って、攻撃を無効にする!」
※ドーン!と轟音が響き渡って、シン……と廃墟に静寂が落ちる。
※デーモンの鼻先で、スカーライトの一撃は止まっていた。
※ジャック、静かに口角を上げる
※鬼柳、目をパチクリ
鬼「おっと、乗せられちまったか? 手札を消費させられたか」
J「さてな」
鬼「だが、墓地へ送ったトリック・デーモンの効果! デッキから、トリック・デーモン以外の『デーモン』を手札に加える! オレはデーモン・ソルジャーを選択!」
J(また手札を補充してきたか。奥の手をどれだけ隠している。今の手札に、ヤツを破れるカードは無い。ここは、この一手に賭ける…!)
J「俺は、カードを一枚伏せてターンエンド!」
─── ターン5 ───
鬼「オレのターン! 来い、デーモン・ソルジャー! デーモンパレスの効果で、攻撃力は2400にアップ! さらに魔法カード《デビルズ・サンクチュアリ》を発動! 自分のフィールドに、『メタルデビル・トークン』を特殊召喚。このトークンは攻撃できねえ、だが」
※鬼柳、にっ、と笑ってみせる。
※ジャック、ゾワッ
鬼「デーモンパレスの隠されたもう一つの効果! 悪魔族モンスターを除外することで、場の『デーモン』と同じレベルの『デーモン』をデッキから特殊召喚する! オレはメタルデビル・トークンを犠牲に───来い、迅雷の魔王―スカル・デーモン!」
※激しい雷。最後のデーモンが、鬼柳の場に降臨。
J「二体目の、攻撃力3000のデーモン…‼︎」
鬼「正真正銘、最後の小細工なしの真っ向勝負だ。デーモンの召喚で、レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトを攻撃! 蹴散らせ、魔降雷ッ‼︎」
※雷が落下。激突。悪魔と悪魔。雷と炎が廃墟を覆い、破裂。
鬼「くっ」
J「ぐあっ」
※鬼柳のデーモンも破壊され、互いに吹き飛ばされる。鬼柳が埃だらけの床に片手をついて、ザッと体勢低くこらえる。
※片膝をついたジャックの場は、無防備
J「スカーライトッ!」※ここ数年、破壊されたことすら無かった
鬼「これでてめえの場はガラ空きだ! デーモン・ソルジャーで、ダイレクトアタック!」
J「ぐあああああああああ」
※ジャック、吹っ飛ぶ。体勢を立て直す。目の前には、攻撃力3000のデーモン
J「くっ…! 残りライフ、400…!」
鬼「行け、スカルデーモン! これで仕舞いだ、ジャック! ダイレクトアタック‼︎」
※ゴウッと、一撃が迫る。
J「ッまだだ! トラップ発動! 《デモンズ・チェーン》‼︎ スカル・デーモンを対象とし、攻撃と効果を封殺する!」
※ジャックの背後から、鎖が飛び出す。
※デーモンの爪を、鎖がギチッ、と拘束。
鬼「おおっと、そいつぁ困るな、スカル・デーモンのモンスター効果! このカードが相手の効果の対象になった瞬間、効果を発動する!」
※鎖、バリンッと振り解かれ、デーモンが吠える。
※膝をついたジャックの背後には、鎖が守るように幾重にも飛び出している。睨み合う悪魔と、悪魔の鎖。
鬼「サイコロを振って、1・3・6が出た場合、効果を無効にして、破壊だ!」
J(無効にされた瞬間、ダイレクトアタックで俺の負け…‼︎)
※ジャックの背を、冷たい汗が伝う。
J(確率は、二分の一…‼︎)
鬼「陽が落ちてきたな」※静かな声
※鬼柳、ふっと。崩れかけたビルの向こうに目をやる。
※ここはゴッズでチーム満足がアジトにしていたあの半分崩れたビル。外が見える。
※傾き始めた夕陽は、廃墟の中に茜色の光を差し込み始めていた。
鬼「そろそろケリ、付けようか」
鬼「そ、らっ!」※鬼柳、足でコインを踏んで、ピンッ!と高く跳ね上がる。
鬼「よっ(※コインをキャッチ)」
※鬼柳、ゆっくり手を開く。
※そこには、硬貨の替わりに、ダイス。弾いたダイスが人差し指で回る。
J「キャッチしたコインがダイスに…手品か、よくやる」
鬼「遊び心だよ。おまえ流に言やぁ、エンターテイメント、ってヤツさ」
鬼「……だってよ、こんな面白えデュエルが、もう、終わっちまうんだぜ」
鬼「名残惜しくも、なるってもんだろ…」
J「鬼柳……」
※鬼柳、瞳の色を濁して、目を伏せる。
※ジャックはしばし、無言だった。
J「……くだらんな」
※鬼柳、顔を上げる。
※ジャックのアメジストの目が、夕陽の中で煌々と、鬼柳を射抜く。
鬼「ジャック…」
J「デュエルに果てなど無い。俺はキングだ。挑戦は何度でも、何万回でも受けて立つ! それが俺のデュエルだ!」
鬼「そうか。……それが、オレには無いお前の強さなのかもしれねえな」
※ピンッ、と宙に、運命のダイスが舞う。
鬼「ダイスロール!」
※この瞬間、運命が動く
※舞ったダイス、ゆっくりとコンクリに着地。埃をわずかに舞い上げて、コトリ。
※傾いたダイスの目は、いま回転して、6を
J(まずい……!)
鬼「ダイスの目は、ろく(※言いかけ)うわっ!」
J「……っ⁉︎ 風がッ」
※風が、ぶわりと。壁の崩れた外から、舞い上がった。
ジャックは見た。
夕陽を。眩しいほどの、橙を。
※真っ赤に染まった海の果て。
美しい夕焼けの先から舞い込んだ
吹き荒れる風の中に潜む
赤い風。竜の息吹
J(夕陽が……風が、燃えている)
J(感じる。赤い海の向こうから舞い込んだ、この風の中に。赤い風、竜のいぶきを)
J(風が、)
J(俺に、この先に行けと言っている)
※パタン、と風がやむ
鬼「っ、すげえ突風だったな。ダイスは……。…ッ!!」※鬼柳、驚愕
鬼「風で、ダイスが…」
※そこにあったダイスは
ひとつ、転がって
「五」の目を、示していた。
鬼「ダイスの目は…」※鬼柳、目をみはる
J「ファイブ!」※ジャック、叫ぶ
J「デモンズ・チェーンの効果は、有効! スカル・デーモンを封印だ!」
※飛び出した鎖が、デーモンを縛り上げる。
※ジャック、首の皮一枚繋がる。
鬼「……ふ、ははははははははは!」
※鬼柳は顔に手をやって、耐えきれないように高笑う。
鬼「やるじゃねえか、この土壇場(どたんば)で! たまらねえ、最高だぜ、ジャック!」
※鬼柳、笑う。笑う。
鬼「ターンエンド!見せてくれ、ジャックアトラス! お前の目指す未来を!」
J「俺の……タァァァァァァアアン!」
※赤い夕陽を、ドローが引き裂く。ラストターン
─── ターン6 ───
J(来たか!)
※うなじを撫でていくビル風。白のコートが、ぶわりと高く舞い上がる。
J「王者の魂は滅びぬ! 魔法発動《死者蘇生》ッ! 甦れ、レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!」
※スカーライト、咆哮。ガアアアア
※世界は赤々と燃え、廃墟は夕陽で真っ赤だった。
鬼「この局面で引きやがったか!」
J「行くぞ、スカーライトの効果‼︎ フィールドの特殊召喚されたモンスター、迅雷の魔王―スカル・デーモンを破壊する!」
鬼「二度も同じ手を食うかよ!」
※鬼柳、ビシッと指を差す。
鬼「ジャック、お前は強い‼︎ だからこそ、致命的な弱点がある!」
J「この俺に弱点だと⁉︎」
鬼「そうさ、それは───自分より強いデュエリストを、知らねえってことだ‼︎ トラップカードオープン《ライジング・エナジー》!」 ※訳:自分より強いデュエリスト=自分が、てめえを倒す!
※ぐぐん、と突如スカル・デーモンが巨大化
J「スカル・デーモンが巨大化しただと⁉︎」
鬼「手札を一枚捨て、スカル・デーモンの攻撃力は、1500アップ!」
J「攻撃力、4500…!」
鬼「スカーライトは自分より攻撃力の低いモンスターしか破壊できねえ、そうだろ⁉︎」
「くっ…!」
※ジャック、足を引く。白のコートが舞う。
J「いや、まだだ‼︎ 俺は負けん! この瞬間、トラップ発動ッ! 《リバイバル・ギフト》ッ‼︎」
※バンッ、と叩きつけるように手のひらを突き出す。踏み締めた足が、廃墟のガラスを踏み割る。
J「自分の墓地に存在するチューナー一体を選択し、特殊召喚する! オレは『トップ・ランナー』を選択! そして相手フィールド上に、『ギフト・デモン・トークン』二体を特殊召喚する!」
鬼「なに⁉︎ オレの場にトークン⁉︎」
※鬼柳、はっ
鬼「しまった、これは、バーンコンボ…‼︎」
J「そうだ! 俺のモンスター、貴様の場のトークン、全てを破壊する! さあ焼き尽くせ、スカーライト! 三体のモンスターを破壊しろ!」
※スカーライト、ゴウ、と廃墟を焼き払う。
J「貴様のライフは残り1000! 1500ダメージで、終わりだ‼︎ アブソリュート・パワー・フレイム!」
鬼「ぐ、あああああ!」
※灼熱の暴風
※鬼柳、吹き飛ぶ。廃墟の壁に背を打ち付ける。腕だけ前に突き出して、座り込んだまま叫ぶ。
鬼「こんな、ところで、終わってたまっかよ! リバースカードオープン、《ダメージ・トランスレーション》! オレが受ける効果ダメージを、半分にする!」
※鬼柳 LP 1000 → 250
鬼「防いだぜ、ジャック…! 次のターンで、オレの勝ちだ…!」
J「いいや、お前の負けだ、鬼柳京介! 俺にはまだ、攻撃が残っている!」
鬼「……!」
鬼「しまった、デーモン・ソルジャーが…!」
J「行けッ!」
鬼「くっ、デプス・アミュレットで、……っ! 手札切れ!?」
※回想
J「このまま攻撃しろ、スカーライト!」
鬼「相打ち狙いか…⁉︎」
※回想終了
鬼「しまった、さっきの…!」
J「これで最後だ! レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトッ! 灼熱の、クリムゾン・ヘル・バァァァァニング‼︎」
鬼「ぐ、あああああ!」
鬼柳 LP 250 → 0
◇ ◇ ◇