途中経過は勝ってます。穢れを追うと致命傷になるので
皆さん気を付けてネ☆
一連の出来事があった時、巴先輩は待っていた。
ようやく念願の仲間ができる!そう思っていた。
ケーキもお茶も用意した。駅前の有名店に並んで買ったケーキだ。高かった!
お茶もデパ地下で買った英国産の本場の茶葉だ。勿論、高かった!
この日の為に大掃除もした。杏子もまた住むかもしれないと思い、セミダブルサイズのベッドも購入した。二段ベッドにするか売り場で2時間も悩んだ!
彼女は待った。翌日も、そのまた翌日も。昼になっても呼ばれない。夜になって魔女探索に出掛けても誰とも出くわさない。もしかしたら今までの出来事は寂しがり屋の自分が生み出した幻なのかもしれない。そう思った。
「あ、キュウべえに聞いてみたらいいんじゃないかしら」
そういえば、ここ最近全くキュウべえを見なかった事を思い出す。それだけ彼女の中での割合が他の少女達に寄っていたのだろう。
気付いた途端に寂しさが溢れ出す。
「私…ひとりぼっちね…」
巴先輩はボッチを拗らせ過ぎて、こちらから連絡をするということを失念していた。
場面は変わり、とあるカフェに移る。
さやか、まどか、杏子、ほむらはお茶をしていた。ガールズトークの話題は、なんとさやかの恋バナであった。クラスの皆には内緒だよ?と、まどかが言ってたが、もう既に全員が知っている周知の事実である。
「にしてもよぉ、なんで早く告らねえんだ?」
「まどかは、佐倉杏子のようになっては駄目よ。デリカシーのない質問は時に人を傷つけるから」
「あぁん!誰がデリカシーがないだって?殺すゾ!」
「けど…ほむらちゃん。私も聞いてみたいなって」
「ほら、美樹さやか。さっさと理由を話しなさい!」
好き勝手に人の恋路に土足で踏み込む。話を聞いてくれるだけありがたいのかもしれない。今回はそうポジティブに考えることにした。そこで、さやかは事の経緯をざっくり話すことにした。
三只眼になったから人間じゃなくなった。けれど、いつか必ず人間に戻るつもりだ。じゃあ恋してもいいんじゃね?そこで仁美が出てきて玉砕ざまぁw
けど仁美で駄目だったなら私も駄目なんじゃね?←今ここ
「で、断られるのが怖くて言えないのね。貴女らしいわね」
「あーもーうっさいなー!そもそもアンタ達も経験とかないんでしょ?」
ギクッ!となった二人と悟った顔の一人。
まどかはまだ恋を知らない。せいぜいお父さん大好きぐらいである。ほむらはまどか大好きぐらいである。杏子だけ少し大人の顔みたいな色気を見せる。
「そーだよなー。あんなの痛いだけだもんナ」
「ところでさー、告白するならどんな場所がいいかなー?さやかちゃんはシチュにこだわるのだよ」
杏子の発言をサラッと流すことにした。色んな意味にとれるが、杏子は生きるために大体なんでもやってきた。これ以上は聞かないほうがいい。精神衛生的になんとなく。杏子は横で勝手に語ってる。誰も親父の話を聞いてくれなくてさ、そんときに信者の一人がさ…
みんな聞き耳を立てたいが、全力でスルーして話題を変えにいった。
「わたしは夜景とかがいいかなって」
「ほら、まどかがこう言ってるのよ。夜景の綺麗な高級ホテルを予約しておくわ。感謝なさい」
「いやいや、普通に考えて中学生には無理でしょ」
まだまだ彼女らのガールズトークは続く。かと思いきや、後ろからガサッという何かを落とす音が聞こえてきた。何だろうと皆がそちらに振り向くと、凄い悲しそうな顔をした巴先輩がいた。何かショックなことでもあって買い物袋を床に落としたのだろうか?
「貴女たち何をしているの?」
震える声で巴先輩が聞いてきた。もしかして混ぜてほしいのだろうか?
「あ、巴先輩もお時間あるならお茶でもどうですか?」
気を利かせたさやかの一声に途端に機嫌を良くして、お邪魔させてもらうわねと席に座りだした。その際に声がワントーン高くなってた。ちょっとウザイなと思いつつも目上に対する礼儀はある程度は守れるのだ。
ちなみに話はどんどん脱線していき、巴先輩の恋愛経験の話になっていた。全員が嘘臭いと思いながらも仕方なく聞くことになった。向かいで杏子が眠そうにアクビをしていた。
お開きにいい時間になってきたので、巴先輩に解散の旨を告げると、この世の終わりみたいな顔をされた。
いや、永遠の別れじゃないでしょ?と言いたいのをグッと我慢して、後で夜に一緒に魔女探索に出掛けませんか?とお茶を濁す。
すると花が咲いたかのように、パァと明るい顔になった。子供か。横から転校生がメールしてくる。
『巴マミは人に飢えているわ』
いや、わかるよ。と言いたいところだが、そんな話を聞かされた後に、はいサヨナラはしづらいでしょ。とりあえず巻き込み事故で、転校生も誘っておいたから大丈夫。ちなみにまどかはお留守番になります。
その晩、4人で初めて街に探索に出掛ける。何気に探索は初めてのさやか。先輩面したいマミ。早く帰りたいほむら。戦いたいだけの杏子。実に個性的なメンバーが揃う。
さやかが移動に初見にはキツい飞腭を呼び出すと、巴先輩はビビってた。それに乗っての空を飛ぶ事にも、体のサイズを変更出来ることにも驚いていた。けれど、周りを見渡せば夜の見滝原市はとても綺麗だった。
こんな1日もたまにはいいなと、それぞれ思うのであった。
ちなみに魔女はさやかの探知の術でアッサリ見つかり、杏子に狩られた。
翌日、本格的に話を煮詰める為に、巴先輩の家に皆で行く事となった。部屋に入るとクラッカーや賞味期限の過ぎたケーキが見つかった。巴先輩は恥ずかしそうに器用にそれらをリボンで隠すと、何事もなかったかのように振る舞ってた。
黙っておいてあげるのも優しさだと知った。
ちなみにお茶は美味しかったという。