歌詞がなんか良かった。
とあるお嬢様学校に通う女の子がいた。その女の子は恵まれた環境にあったが、あるとき彼女は不幸に襲われた。その日を境に、彼女の人生は一変した。
彼女の周りの環境は変わり、良くしてくれた人々も手のひらを返したように蔑むようになる。そんな彼女の人生の転機となったのは、魔法少女になることだった。
彼女には、たった一人だけだが、何よりも信頼出来る仲間がいた。相棒も魔法少女だ。お互いに支え合いながら、1つの目的に向かって進んでいく。世界を破滅から救う為に。
場面は変わり、巴先輩宅に全員集合。
転校生宅でもいいのだが、あそこはよく解らないギロチンっぽいのとか、機能性が感じられないインテリアばかりで落ち着かない。なので消去法で巴先輩宅となった。
最近全く見かけなかったキュウべえが居たけど、未だ巴先輩には真実を話せていないので、表面上はよくしておこうと思う。転校生は殺意を隠す気もないけど。
今回の議題は、魔法少女狩りというものが流行ってるらしいので、その対策と対処方法を話し合う事となった。キュウべえ曰く、勿体ないことをしてるとかなんとか。
転校生がしかめっ面をしてるのが気になるが、キュウべえに対してなのか、魔法少女狩りに対してなのかは不明だ。
「魔法少女狩りの犯人は、もうわかってるんだけどね」
oh…なんともう犯人は判っているらしい。
犯人は二人組の魔法少女で、美国織莉子と呉キリカというらしい。普通に考えて連続殺人犯である。ここで初めてまどかが事の大きさに気付いて震え出す。
巴先輩も転校生も杏子も、ある程度は他の魔法少女とかち合ってバトルはしてきたらしい。だが、人の形をした者を壊したり殺したことはあるのだろうか?
聞いてみると、巴先輩は撃退まではしたらしい。杏子も撃退までだが、もう既に真実を知っている。その上で魔女も殺している。もう割り切れているのだろう。だが、人の形をしたものは別物だと思う。自分も経験はないけれど、いつかはくる事だと覚悟はしてきた。だから私達はきっと乗り切れる大丈夫だと思う。実際に経験しないとわかんないけど。
転校生は落ち着いたもので、あれは何人か殺している顔をしていると考えていると、転校生に睨まれた。あの子ってエスパーなの?
「今回は魔女ではなく、人なのよ。貴女たちは相手の魔法少女を撃つことができる?」
転校生からの、嫌味だが真っ当な正論に黙り込む巴先輩。殴ってわからねーバカは殺してしまえの杏子。まどかは感受性の強い慈悲深い女の子だ。横を見ると、もう既に泣いていた。
「そんなの…あんまりだよぉ…」
「まどか、貴女は優しすぎる。でもそこが好き」
転校生って最近は特に壊れてきてる気がする。
巴先輩は一晩考えさせてほしいという。ホラーとかサスペンスだと、このセリフを言った人物は翌朝死体になってたりすると言うと、泣きながらポカポカされた。この人もかなり幼児化してきたな。
「アイツらには借りがあるからな。思い知らせてやらねーとな」
「佐倉さんが知っている人なのね?」
あの日、さやかが魔法少女になったときだ。
杏子はこの二人組の魔法少女狩りに襲われていたのだ。命からがら逃げ仰せた杏子も、力尽き倒れてしまう。そこでさやかが偶然通りかかったらしいのだ。
転校生はこの二人組の事も知っているらしく、二人の固有魔法や戦闘スタイルについて教えてくれた。
美国織莉子は中遠距離の頭脳派で、更には予知能力まであるという。水晶を使って攻撃してくるそうだ。
呉キリカは超接近戦闘特化型で、鍵爪のような武装で、固有魔法のディレイ系統の魔法を使うらしく、かなり素早く感じるという。
転校生の情報はかなり深いところまで、詳細を知っているようだ。まるで見てきたかのように。今なら異世界帰りの鑑定スキル持ちだと言われても信じてしまいそうだ。
(にしては、時期がおかしいわね。こいつが何かしたのかしら)
転校生はキュウべえを睨み付ける。今は巴マミの頭の上に乗ってるので、至近距離ならショットガンで頭を狙えばまとめて…
そこまで物騒な事を考えていたら杏子から声をかけられる。
「そこまでわかってるなら、こっちから仕掛けりゃいいんじゃねーか?」
「…問題があるのよ。どこまで予知できているのか?よ。今この瞬間に襲撃があっても不思議はないわ」
流石に魔法少女が四人も一同に会している場所には来ないだろうけどと、一言付け加える転校生。狙うなら各個撃破だろう。狙い所は巴先輩か転校生になる。どちらも独り暮らしだ。非常に危ないといえる。
とりあえずの対処法として、暫くはチームでの行動を義務づけることにした。巴先輩と転校生が一緒に住むという話になった。巴先輩は若干怯えていたが、転校生に怯えたのか魔法少女狩りに怯えたのか判断に苦しむところだ。
巴先輩宅にお泊まりすることに決まった。転校生事情になるが、部屋によっては見られるとマズイ資料等もおり、正体や真実がバレてしまう恐れがあるからだろう。
ひとまず解散の流れになって、何かあれば直ぐに全員に連絡をすることにして家に帰ることとなった。そしてその日の夜に、巴先輩宅が何者かに襲撃された。寝ずの番を言い付けられていたキュウべえは、「マミ!敵襲だよ!おき…」とまで話したところで、真っ二つに裂かれていた。
しかし、ほむらは事前の対応策として、巴マミの手首と自分の手首にリボンを括りつけていた。これにより、時間停止をしても二人とも動けるようになるのだ。
この行動も予知で読まれているかもしれない。が、そうするよりは手がないのも事実。
「予定通りね、行きましょう」
「美樹さんたちとの合流地点ね、急ぎましょう」
事前に幾つかの想定を立てていたので、二人は時間を止めて部屋から脱出した。離れた場所まで来ると時間停止を解除する。速やかに連絡を送るが、解除して五秒後には部屋は爆発を起こしていた。
「わ、わ、私の家が…」
「呆けてないで行くわよ?」
他人事のように放心しかかっている巴マミを引っ張っていくほむら。実際に他人事なのだ。対岸の火事というやつである。行き先も予知されているかもしれない。だからされても問題の無い場所にしてある。
例の特撮に使われそうな場所である。
今回は見晴らしのいい人気のない、港の倉庫での合流となる。既にさやか達は所定の場所に着いている。恐らく伏兵は意味を成さないだろう。それを理解した上で追跡している気がする。
港に着いたら、何やらマミが港にある足を乗っけてポーズをとるやつを見てやりたがっていた。無視していると、追跡者は追い付いたようで二人の前に対峙する。
いつの間に出したのか、巴マミが紅茶を飲みながら追跡者に話し掛けていた。
「あなた達が魔法少女狩りね?」
「私たちを知っているのかい?それなら話が早い!私たちの愛のために死んでくれたまへ!」
頭が悪いキャラとの会話に辟易とするほむら。
話し掛けたものの、会話がサイコっぽいので戸惑う巴マミ。恐らく、サイコ野郎は呉キリカだろう。こちらとの相性は最悪である。システマも習っておくべきだったと、少し後悔だけした。
「美国織莉子と呉キリカ。いったい何をしに来たの?」
「世界の…救済…」
直後、無数の水晶が転校生に迫る。
話し合いはやはり無駄かとばかりに、転校生は下がりながらも手榴弾を二人の足元に転がす。爆発が起きて距離をあけることに成功したと思いきや、煙の中からキリカが姿を現した。
すぐにキリカに向けてマミのマスケット銃が火を吹く。なんなく避けながら迫るキリカがマミに肉薄しかけた時、キリカを三本爪の何かが斬り飛ばす。
「よぉ、こないだの借りを返しにきたぜ?」
ご存知、我らが佐倉杏子と美樹さやかの登場である。ここに四対二の構図が出来上がったのである。