魔法少女三只眼☆吽迦羅   作:世間で言うジョージさん

18 / 23
本当はもっと早く結末を迎える予定でしたが、
少し長目に頑張ってみよーかなーと。


第18話 魔道士の子孫

 

 

 

まどかの家は四人家族だ。

家族構成は、父、母、弟、まどかだ。

どこにでもある平凡な家庭だ。他のご家庭との違いは、父が主夫で、母が大黒柱ということぐらいだろう。

平穏な家庭を襲ったのは、まどかが失踪するという悲劇だった。帰りが最近遅くなってる事が多くなってるのは知ってた。まどかはちゃんと両親に連絡を入れる子だからだ。

友達のさやか、杏子、ほむら、巴先輩と良く遊んでるという話を聞いていた。母親の詢子は、今日も先輩の家に行ってるのだと思った。まどかに電話したが繋がらなかった。電話に気付かないのかと思い、友達のさやかちゃんにかけてみると知らないと言う。

 

 

 

そこで初めて恐怖した。世間での事故や行方不明など、対岸の家事ぐらいに感じていた。まどかの命が危ないのでは?誘拐?家出?わからない。

最近、まどかが何を考えているのか解らなくなっていた。自分の娘だっていうのに解ってやれない自分に苛立ちが募る。

話は大きくなっていた。警察に通報し、家には数人の警官と刑事が詰めていた。事件ならば犯人からの電話があるのが定石だ。逆探知のために専用の機材が鹿目家に持ち込まれていた。

 

 

初日は何も進展がなかった。犯人側からの連絡が無かったからだ。家出や事故の線も考えながら、明日は対策本部を設立し、見滝原で起きた未曾有の大事件になると、警察関係者の誰もが考え始めていた。

 

 

が、翌日より対策本部は解散。実質、捜査も打ちきり。あとは数人の警官による、まどかの関係者への事情聴取のみとなる。

これに異を唱えたのは、まどかの両親だ。

明らかにおかしい。昨日の捜査員の方々に面会を求めるも、皆一様に拒否。なんとか一人を外で掴まえて話を聞いても、後ろめたい顔しかしてくれないのだ。詢子は理解した。これは会社でも実家でも見たことがある。

これは、上から圧力をかけられた現場の顔だったからだ。

 

 

 

 

ここで話を戻そう。

鹿目家はどこにでもある家庭だ。

ただし、母の詢子は事情が違う。彼女は仕事も出来るし、男勝りのキップのいい性格だ。これは彼女の生まれに関係する。

詢子の旧名は、ジュンコ=コネリー。

結婚して名前が鹿目詢子に変わった。母親は日本人だったが、父親は外国人でロクデナシだったらしい。らしいと言うのは、実際に小さい頃に数回会っただけだったからだ。

父は世界中に女を作ってるような奴だが、母親は箱入り娘だったからワルに憧れていたのだろう。そんな父にベタ惚れだったそうだ。小学校以来、ずっと会ってなかった。もう会うことは無いと思ってた。金策に困って苦しい時でも頼らなかった。

 

 

こういう時になって、初めて父に頼ることになるとは思わなかった。詢子は携帯を手に取ると、誰もいない場所で静かに電話をかけるのであった。

 

 

 

「もしもし、日本語の解る人いるかい?アタシかい?娘がパパに電話かけんのに許可がいるか?さっさと代わりやがれ!」

 

 

 

そう彼女は父を頼った。

イギリスの裏社会でその人物を知らない者は、翌日にはセーヌ川に沈んでいるという。

彼女の父親は、イギリスマフィアの最大勢力の首領である。

名は、ショーン=コネリーという。映画俳優ではない。父親のコネを使えば探せないものはない。それが異国の地日本であってもだ。

だが、詢子は二つほど勘違いをしていた。

 

 

一つ目は、まどかは失踪したのでも誘拐されたのでもない。自分で望んだことだったこと。

そして二つ目は、父親はただの裏社会のマフィアのボス程度ではなかったということだ。

 

 

しかし、コネリー氏には弱点があった。

彼は女性にすこぶる弱かったのだ。お願いをされると断れない。娘に頼まれては仕方がない。普段の彼なら二つ返事で受けていたかもしれない。しかし、先にお願いしたのが女性でなければの話だ。

彼は先にまどかにお願いを受けていたのだ。可愛い孫娘の頼みである。しかも初めてのお願いである。お願いの内容は、友達の力になりたいというものだった。

 

 

出会いは偶然であった。彼は日本にビジネスで来ていた。勿論、彼には普段なら護衛がついている。しかし、日本の治安を知っているのと、この界隈の裏社会のものはこちらの下請けのようなもの。跳ねっ返りすらいないのが現状であった。

彼は一人で散歩したいと言い、見滝原の街並みを散策していたのだった。彼の日本での女は箱入り娘だった。そんな彼女との思い出がこの街には詰まっていたのだ。

思い出に耽っていると、最近暇をもて余してるまどかが歩いてきた。どこか愛した女の面影が残る少女を見ていると、まどかは道に困っているのかと思い、話し掛けていたのであった。

 

 

 

「めい、あい、へるぷゆー?」

 

 

「日本の美しいお嬢さん。儂は日本語を話せるよ。お嬢さんはこの街の人かな?」

 

 

 

紳士な格好で、本場のジェントルマンを感じさせるおじいさんに、まどかは意気投合していった。そしてお互いの事を話してる内に、自分の孫だと判明したのだった。

そこからは話が早く、人生初のお爺ちゃんに甘えて、友達のことをぼかしながら話し出すのであった。聡明なコネリー氏はそれは裏社会とも違う、闇の存在の臭いを嗅ぎ付ける。

 

 

これも運命かと感じたコネリー氏は、まどかに戦う力がほしいかい?と尋ねる。それに対してまどかの答えは、守るための力がほしいだった。

コネリー氏の名前は偽名だ。今では正式な名前だが、違う名前がある。

昔の名前は、ベム=マドゥライ。

齢5000年を生きる、魔道士であった。

 

 

 

そして新たに運命の歯車は動き出す。

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。