魔法少女三只眼☆吽迦羅   作:世間で言うジョージさん

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完全フィーリング型打法。
これで君もワルプルギスの夜に突入だー!
(個人差がありますので、完全に保証できるものではありません)


第4話 巴先輩とキュウべえ

 

翌日、いつもの登校風景。

しかし、さやかは調子が悪そうだ。

それに気付いた仁美が声をかける。

 

 

 

「さやかさん、どこかお体の具合でもわるいのでしょうか?」

 

 

「あーははは…いや、まぁね。ちょっと夜更かししちゃって」

 

 

 

さやかは帰ってから興奮して眠れなかったのである。さながら小学生みたいな反応だが、どうか彼女の気持ちを解ってやってほしい。人生で初めての人ならざる者とのバトルを目の前で見てしまったのだ。それこそSS席のアリーナでの観戦以上の迫力である。別にそういう席に座った経験はないが、モノの例えである。

そして眠れないので、今日の出来事を思い出していた。杏子との出会い、魔女の使い魔との遭遇、コスプレイヤーによるセリフの掛け合い、そこで当初の目的であったお見舞いの品を思い出した。全40巻はあったのだが、さすがに中学生のお小遣いのキャパをオーバーしていたので数巻だけ購入したのであった。残りは古本屋で少しずつ買い足せば、お見舞いの品として立派に機能するだろうと考えたのだ。

 

 

「恭介……喜ぶかなぁ」

 

 

部屋で独り、ふと呟いた。

ふと、さやかの脳に天啓が舞い降りる。

お試しに一度読んでみよう!と。

結果。クッッッソ面白かった!

 

気付けば結構遅くまでかかってしまった。まだまだ夜更かしをすれば眠くなる中学生。そして後日、続きを購入したとかなんとか。まぁそんなわけで、朝から眠たくて仕方がない。そんなさやかに仁美は苦笑すると、もうあっという間に学校である。

 

昨日の出来事もあり、転校生と何かしらのトラブルになるのでは?と考えていた。その対応策として、巴先輩が何かあれば駆け付けるようにスタンバってくれていたのだが、特に何事もなく時間は過ぎていった。

そして無事に迎えた放課後、約束していたこともあり巴先輩の家へと向かうことになる。三人は他愛ない会話をしながら歩いていると、目的地に到着した。まぁまぁ良さげなマンション。これが巴先輩の家だという。そして一人暮らしだという。少し羨ましかったが、家事や炊事などを考えればメリットとデメリットが中々釣り合わなかったように感じた。

 

 

「いらっしゃい!紅茶とケーキでいいかしら?」

 

 

巴先輩は意外とお茶目らしい。美味しそうな紅茶とケーキを用意されて喜ぶまどか。勿論、さやかも大いに喜んだ。

そのあとはお茶をしながら昨日の続きを聞くことなったのだが……

 

 

「はいはいーい!質問があります!」

 

「はい、美樹さんどうぞ」

 

「昨日の白い猫?はどうなったんですか?」

 

 

せっかくまどかが命を張ってまで助けたのだ。当然まどかも安否を気にしていたので、先に明るい回答がほしかったのだ。すると思いもよらないところから回答が返ってきた。

 

 

「僕のことを呼んだかい?」

 

 

テーブルの上にちょこんと乗る白い生物が現れた。間違いなくあの生物だ。

 

「しゃ、喋った!」

 

「先日は危ないところを助けてくれてありがとう。君たちには僕の姿が見えるみたいだね」

 

 

 

キュウべえという白い生物は、あのあと巴先輩が治してくれたそうだ。一先ずの安心を得ると、巴先輩から色々なことを教えてもらった。

どうやら魔法少女の素質がないとキュウべえが見えないらしい。そして巴先生の魔法少女講座はまだまだ続くのであった。

それから少しの時間が経った頃には、外はもうすっかり夕暮れ時となっていた。

粗方知っていることを伝えられたと巴先生は魔法少女講座の終了をお知らせした。最後に、魔法少女には無理やりなるものじゃない。何を願い事にして魔法少女になるか?この2点の回答を求められる事になる。昨日は運が良かっただけで、死んでしまうこともあるらしい。まさに命懸けである。ならば命の対価として相応の願い事を叶えてもらうべきである。そこで質問タイムである。

 

 

「ねぇキュウべえ。願い事を他の人のために使うことって出来るの?例えば誰かの怪我や病気を治したり…とかさ」

 

 

「もちろん叶えられるよ。君が本当にそれを望むならね」

 

 

(恭介……)

 

 

 

さやかの事情に聡いまどかは、それが幼馴染みの少年のことだと思い至る。さやかのこういった一面も、まどかは友達として誇らしかった。そこで巴先輩からアドバイスが入る。

 

 

「それが悪いとは言わないわ。けどね、たった一度きりの奇跡の対価として命を懸けることになるのよ?自分のために使うか、他人のために使うかは良く考えてちょうだい」

 

 

 

 

 

そこで話はお開きなり、二人は帰宅の路につく。

巴先輩が言うには、魔女退治体験コースを経験してみない?とのこと。

新しい化粧品や美容サプリみたいなことを言われて、つい心が動いてしまった。次の機会に体験させてもらえるそうだ。とりあえず、まどかと二人分申し込んでおいたので、次回は何を持っていくか考えながら家に帰った。

 

 

 

家に帰ると久し振りに父親が帰ってきていた。

さやかの父は民俗学教授である。名前は美樹一。ハジメと読む。ちなみに婿養子である。旧姓は藤井一。普段は世界中を飛び回っている。毎回帰ってくるたびに、おかしな出土品等を持ってきており、それを家族に見せびらかすのが趣味みたいな人だった。今回も変わった物を幾つか取り出すと、夕飯と共に食卓に並べていった。さやかは父親の影響を大きく受けて育った。そんな父親とさやかはとても仲が良いのである。

 

 

「ただいま、さやか。今回も面白いモノをたくさん見つけてきたんだ」

 

 

そう父は優しく語りかけると、少年のような笑みを浮かべた。ちなみに母親はこの笑顔にノックアウトされたらしい。

 

 

「おかえりなさい、お父さん。探してた人達には会えたの?」

 

 

「いいや、やっぱりいなかったよ。勿論、まだあきらめてないけどね」

 

 

 

さやか父は、とある民族の調査をしていた。伝承によると怪しげな秘術を使い、不老不死を司り、怪奇な生き物を操り、一族は総じて三つ目であったという。額には第三の眼と呼ばれるものがあったとか。現代社会では見かけないので、いるわけがないと思うかもしれない。だが、やはりそこはロマンである。さやか父はロマンを追い求めて生きているのだ。

 

 

「実物の確認は出来なかったけど、三つ目のミイラや、祭事に使ったとされるニンゲンの像とか色々と見つけてきたんだよ」

 

 

「え~!見たい、見たい!やっぱりお父さんはすごいよ!」

 

 

 

このあと父と娘による、とある民族の話が夜更けまで続けられた。母親はそれを微笑ましく見ている。そんな風景が美樹家の日常だ。後に父親から聞かされたこの話が、さやかの命運を分けていったのである。

 

 

 

 

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