魔法少女三只眼☆吽迦羅   作:世間で言うジョージさん

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とろとろ書いてたら展開が遅くなった。
少し反省。


第6話 他人のための自分の願い

 

倒れていた少女は杏子であった。

鮮明にデパートでの記憶が甦ってくる。

平時であればオロオロと狼狽えていたかもしれない。だが、ここ最近の経験から少しはシチュエーション慣れしているのかもしれない。

 

 

「そうだ!110番…いや、119番!」

 

 

さやかは自身の携帯を取り出して電話をかけようとするが、指が震えてしまい上手くいかない。

すると、杏子がさやかの手を掴み通報の邪魔をする。

 

 

「警察はダメだ…救急車もだ……」

 

 

何を言ってるのだろうか?非力な中学生がなんとか出来るレベルのイベントではない。闇医者などの話は聞いたことがあるが、無論そんな伝手などはない。

杏子を抱える腕に違和感を感じ見てみると、血でベットリとした自分の手があった。良く目を凝らすと地面にも血溜まりができている。最早、一刻の猶予もないのは明白だ。

何も出来ないさせてもらえない無力感を感じていると、ふと握られている杏子の指に見覚えのある物があることに気付いた。

 

 

「ソウル、ジェム?」

 

 

「…ッ!さやか、お前…知って」

 

 

そこで杏子は意識を失ったようで、体から力が抜けたからか妙に重く感じた。

そしてあの反応で、杏子も魔法少女だったと確信した。おおよその予想はつく。魔女関連で負った怪我なのだろう。ならば医者に見せることができないという理由も納得できる。

ただ納得出来ない事があるとすれば自分の行動だ。理由を理解したからって何も出来ないのは違う。私には今、杏子を救う手立てはある。さやかはそう思考する。意を決したさやかは、深く深呼吸をすると大声で叫ぶ。

 

 

 

「キュウべえぇぇぇぇっ!!!!」

 

 

 

すると闇夜の中から、ひょっこりと姿を現す白い生物が現れる。タイミング良すぎだろと思いながらも、目的を達成する為には助かったと思うことにした。

 

 

「僕を呼んだかい?美樹さやか」

 

 

「叶えたい願い事を見つけた。だからそれを叶えて!」

 

 

「君はどんな祈りで魔法少女になるのかい?」

 

 

 

魔法少女の話を巴先輩から聞いた時に色々と、本当に色々と考えた。部屋にいるときも、体験コースの時も、学校での授業中も考えていた。

巴先輩のアドバイスもちゃんと聞いた上で考えた。けどやっぱり自分のことよりも、他人を優先している自分が一番しっくりくる。何故ならそれが美樹さやかという人間だからだ。

だから、この願いは他人のためじゃない。

『他人のために使う自分のための願い』なのだから。

 

 

「私の願いは…私を、三只眼吽迦羅にして!」

 

 

「…よくわからないけど、君のその祈りはエントロピーを凌駕したよ」

 

 

 

目映い光がさやかを包み込む。

光が収まるとさやかの額には、切れ込みのようなものがあった。その切れ込みのようなものが開くと、そこには『第三の眼』と呼ばれるものが現れていた。

さやかは直ぐに自分が何者かを理解した。

鳥が飛び方を知ってるように、魚が泳ぎ方を知ってるように、自分が何が出来るかを知っていたのだ。

 

 

 

「今、助けてあげるからね。杏子…!」

 

 

 

何かしら聞き取れない呪文のようなものを唱えると、杏子のソウルジェムから光の玉のようなものが出てきたかと思えば、光の玉はそのままさやかの額にある第三の眼に吸い込まれていった。

 

 

 

杏子が眼を覚ますと、そこは見慣れない部屋だった。病院でもなかった。一見すると女の子の部屋っぽい。微かにベッドからは女の子らしい匂いがする。変態ではない。この状況になる前の最後の記憶を頑張って思い出そうとする。

 

 

(そうだ…確かアタシはアイツらに不意打ちを喰らって…それから…)

 

 

少しずつ順序立てて思い出していこうとする。

そして最後にさやかに抱き起こされた記憶が甦る。

 

 

(確かに言った。ソウルジェムって…)

 

 

そこから先は記憶がない。

不覚にも意識を失っていたのだろう。ということは、ここはさやかの部屋、さやかの家という予測をたてた。部屋を見渡してみると、優しそうな両親や、友達と写っているさやかの写真が棚にいくつか置いてあるのを発見する。

それを見て少しの安心感を得ることができた。ようやく確信が持てた。ここはさやかの家で間違いはないだろう。そう結論する。

 

確か自分は重傷だったはずだ。傷が回復するまでは時間もかかるだろう。治す魔法は苦手だが、やらないよりは大分マシ。そうして魔法を使おうと傷を見てみることにした。

 

 

 

(あれ?どこも痛くない?)

 

 

 

それどころか傷痕の1つも見付からなかった。そこで1つの仮説を思い付く。もしかすると、さやかは魔法少女なのかもしれないと。治癒系統の魔法を使うエキスパートかもしれないと。一般人だと何者でも大丈夫だ。それは脅威ではないから。但し、魔法少女だった場合は別だ。所謂、御同業はヤバい。一般人とは有している力に差がありすぎる。

もしかすると危険かもしれないが、少しはさやかという人物を知っている。それに邪魔ならあの時に見捨てるか殺されていただろう。もしかしたら情報を得るために生かされてるのかも知れないが、それならば拘束されるなり、見張りを付けたりするだろう。

現状は考えても仕方ないので、流れに任せて待つことにしようと思った。外はまだ暗く、部屋の時計を見るとまだ深夜の3時だった。

 

 

そしてベッドで横になりながら、うつらうつらと眠気が襲ってきた頃にドアの開く音が聞こえた。

 

 

 

「おぉ!目が覚めた~?アナタのお宅に、さやかちゃん登場~☆」

 

 

「…何言ってんだ。ここはお前んちじゃねーか」

 

 

 

元気付けようとするが、どうやら元気だったみたいだ。杏子はあれからどうなったのか経緯を聞くことにした。

 

 

 

「や~あはは、ちょっとゴメンというか、なんというか。怒らないで聞いてくれる?」

 

 

 

さやかは語り出す。

あの時、何が起こったのかを。

比較的、簡潔に話した。

 

 

 

杏子を助けたいが、病院も警察もダメ。じゃあ不思議パワーでいこう的な?そしてキュウべえを呼び出して、願い事を叶えてもらった。

結果→杏子は怪我が治って不死身になった。

 

 

 

「おい、コラ。もっと詳しく話せ。色々とはしょり過ぎてんじゃねーゾ」

 

 

 

ドスの効いた声ですごまれてしまい、さやかは渋々と事情を話すことに決めた。

まずは願い事の内容から話すことにした。

 

 

 

「私はさ、三只眼吽迦羅になりたい!って願ったんだ…」

 

 

「……ハァ?」

 

 

 

杏子は初めて聞く単語の意味が解らなかった。大丈夫!キュウべえもわからなかったから。しかし、そこは願い事として叶った。ご都合主義である。

賢明な諸君の為に、三只眼吽迦羅(サンジヤンウンカラ)について説明したい。ザックリ説明すると三つ目の妖怪である。

但し、

めちゃくちゃ妖力が強い。

豊富な知識があり様々な秘術等を使える。

不老不死の生物を一人作れる。

第三の眼を閉じたら見た目は人間と変わらない。

まとめると大体こんな感じである。

 

 

さやかは不老不死の術を使い、杏子を无(ウー)へと変えた。なので杏子は自動高速再生により怪我はしっかりと完治。そして歳もとらない。見た目が変わらなくなるといった特典を得る。特典かどうかは人それぞれである。これらの詳しい内容はwikiを参考にしてほしい。

 

 

「アタシが不老不死の化け物にねぇ…どうやら嘘は言ってねーようだナ」

 

 

まだ杏子に黙っていることがある。

言うかどうか迷っていたが、やっぱりバカ正直に話すことにした。

 

 

「あ~あのさ、まだ言ってなかったことがあるんだけど…怒らないで聞いてもらえると嬉しいっていうか~」

 

 

「これ以上まだ何か怒ることがあるのかよ?」

 

 

「実は……杏子のご主人様になっちゃった!」

 

 

 

衝撃のカミングアウトに意味がわからない杏子。

簡単に説明すると、さやかと杏子の間でパスが通っており、三只眼を主として无を守護者とする。无は主の危機には無限の力が出るのだ。またもや予期せぬ展開により、物語に大きな影響を及ぼすのであった、

 

 

 

 

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