魔法少女三只眼☆吽迦羅   作:世間で言うジョージさん

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話をまとめるのって難しいよね。
今さらだけど、主人公はさやかです。


第7話 新たな力、獣魔術

 

衝撃の展開から翌朝。なんとか自身の実情を飲み込んだ杏子を連れて、美樹家での朝食に招待する。

 

昨夜はコッソリ連れ込んだところを両親にガッツリ見られたが、そこは必死の言い訳でなんとか隠した。血塗れではあるが、怪我はない。これは血糊だと説明。疲れてるから泊めてあげてというストーリーだ。

 

皆で食卓を囲んでの朝食は、杏子を借りてきた猫みたいな存在にした。大人相手だとおしとやか?にするみたいだ。行儀はとても良かったと言っておこう。

さやかは父母を紹介する。さやか父が、自分は民俗学の教授をやっていると告げると、杏子は民俗学を知らないらしい。火が点いたさやか父は、初対面の杏子を相手にロマンを語り出す。

 

 

和やかな朝食も終わり、さやかは学校へと向かうために杏子と家を出るのであった。

昨夜のうちに杏子は学校に通っていないことを聞いていたので、今日は近くに居てもらうことにした。終わってから色々とやることが出来たからだ。

 

授業中は杏子とテレパシーで色々と話した。

杏子は死なないけど、さやかが死ねば杏子も死ぬというデメリットがあるということ。お互いの魔法少女の知り合いが、ほむらと巴先輩という共通の知り合いだったこと。そして、ほむらと杏子の目的も聞いた。杏子が誰に襲われたのかもだ。

どうやら魔女ではなかったらしく、余所の魔法少女二人組だったそうな。悔しそうな顔を浮かべ次回へのリベンジに燃える杏子に、さやかは今度強くなるための方法を教えるという。魔法少女1日目のさやかが何を教えてくれるつもりなのか気になったが、急に先生に当てられたさやかは、変な回答をして怒られていた。

 

 

 

昼休みに屋上へと、巴先輩と転校生を呼び出すことに成功。ネゴシエーターはまどかを起用した。アッサリと付いてくる転校生。頼られて嬉しそうな巴先輩。二人はチョロかった。

 

 

「美樹さん。あなたが私と暁美さんを呼び出したの?」

 

 

「まどかを使って私を呼び出すなんて…美樹さやかの癖になんてしたたかなの!」

 

 

「巴先輩と転校生を呼んだのには理由があるんっすよ~。その前に、スペシャルゲストの登場で~す!ジャジャン!!」

 

 

 

 

さやかがいつものノリで呼び出すと、物陰からスッと杏子が出てきていた。その反応は三者三様であった。巴先輩はどこか哀しそうな顔を見せ、転校生は驚愕し、まどかは微笑んでいた。新しい友達が出来ると思っている顔だ。

 

 

 

「まさか、ほむらとマミもいるなんてな。おっと!アタシは争いに来たんじゃねーからな?」

 

 

「久しぶりね、佐倉さん…」

 

 

「貴女…居ないと思ってたらこんなところで何をしているの?」

 

 

 

 

積もる話もありそうな展開だったが、さやかは顔合わせだけを済ませると、放課後に誰かの家に集まらないかと提案する。昼休みは思ってるよりも短いのだ。結局、転校生の家に行くことに決まり、皆でお弁当を食べて妙な空気のまま解散した。ちなみに杏子はさやか母にお弁当を作ってもらっていた。

 

 

 

時は過ぎて放課後、皆でぞろぞろと転校生の家に向かう。家に着くと勝手知ったる我が家のように杏子はスタスタと入っていった。慌てて皆で着いていくと、転校生が一人後ろでため息をついていたのが印象的だった。

 

 

「好きに座ってもらってかまわないわ。お茶を用意するから」

 

 

そう告げると転校生はお茶を用意して皆の前に置いていった。周りを見ると殺風景な部屋で、女子力が皆無だなと素直な感想を抱いた。

皆の視線を浴びながら周りに向かって、さやかは話し掛ける。

 

 

 

「さぁて、何から話ましょうかね~」

 

 

「勿論、全部よ。美樹さやか、貴女には聞きたいことが山ほどあるわ」

 

 

「もう巴先輩も転校生も気付いてるかもしれないけど、魔法少女になっちゃいました☆」

 

 

 

さやかの話を遮るように、ほむらは怒りの表情を作ると詰めよってきた。そんなに怒られることなのだろうか?なのだろうね、きっと。けどまだ話はこれからなのだ。

 

 

「ちょっと待った、転校生!私は『絶望』したりなんかしないからさ」

 

 

 

現段階では、ほむらしか知らない真実がある。ほむらだけが、その言葉にピクリと大きく反応する。

 

 

さやかは語った。願い事は、三只眼と呼ばれる者になること。民俗学のさやか父からの受け売りを披露する。三只眼は長命種で知識も豊富にある。勿論、過去の歴史と密接に関係する魔法少女のことも知ることになったのだ。そして魔法少女の真実のシステムについても理解している。何故ならば、三只眼の知識には魂や精神体等といったアストラル的な秘術も多く存在するのだから。

 

 

しかし杏子に不老不死の術をかけたことは黙っていた。そこまではまだ手放しに情報を与える気にはならなかったからだ。あとでコッソリとまどかにだけは打ち明けることになっている。

ほむらはある程度納得いったのか、さやかに対しての怒りは発散されたようだ。

 

 

 

「貴女の事情は理解したわ。それで今後どうするつもりなの?」

 

 

 

ほむらは魔法少女として、やっていくつもりなのか聞きたかった。三只眼が何かはわからない。もしかしたら強力な戦力として協力してくれるかもしれない。ワルプルギスの夜を倒せるかもしれないのだから。ほむらは全員生存ルートを諦めていた訳ではないのだから。

 

 

「今後は皆で一緒に魔法少女として協力していきたいって思っているよ。私と杏子は一緒にやるって決めてるからさ」

 

 

「ッ!本当なの?佐倉さん!」

 

 

「佐倉杏子!貴女が!?」

 

 

 

巴先輩と過去に決別した経緯は知っている。だから巴先輩の驚きようはすごかった。だからそのあとの嬉しそうな顔もさやかは見逃さない。

転校生はどんなマジックを使って杏子を手懐けたのか驚いていた。本当は一蓮托生の仲なのだが、ここではそれを明かさない。

杏子は独り照れ臭そうにそっぽを向いていた。

 

 

お互いの確執もあり、どうやらすぐには決まらないようなので考える時間が欲しいと言われた。巴先輩は賛成派のようで、嬉しそうに笑顔を浮かべていた。これにて解散の流れになり、転校生は明日さやかと話がしたいと伝えると、その日はお開きとなった。

家に帰るさやかと杏子。もう杏子は美樹家での居候のポジションを獲得していた。元々が放任主義な父親を説得するのは簡単だった。そこはご都合主義である。

夕飯を食べた後に、杏子を連れて少し出掛けることとなる。これは杏子にも言われてたのだが、さやかの魔法少女としての能力等の検証だ。

杏子には言ってないが、実は杏子の能力の検証がメインになる。それと強化実験といったところか。

 

 

 

手頃な廃工場が近くにあるのでそこを目指して出発した。

 

 

 

廃工場内は特撮に使われそうな雰囲気だったが、今回はどうやら魔女はいないみたいだ。手頃な広さのある場所に、さやかは地面に陣を描き始める。杏子は何をしているのかよく解っていないので黙って見ていた。描き終わったようで、杏子にグリーフシードを出すように要求する。

 

 

「何に使うんだよ。これはオモチャじゃねーぞ?」

 

 

「まぁ見てなさいっての!これをちょいちょいと…パラスヴィダーヒ☆」

 

 

 

さやかはグリーフシードを陣の真ん中にセットすると、何かしらの術をかけていた。するとグリーフシードは何かの卵?みたいな形になっていた。さやかは杏子にナイフ的なものがないか尋ねる。仕方なく魔法で槍を形成しようとするが上手くいかない。あれ?と思っていると、満足そうにニッコリ笑ったさやかが小型の剣を出してくれる。

 

 

「うんうん、それじゃあ次いってみよー!」

 

 

 

杏子を陣に入れると、剣を手渡してきた。

自分の血を卵にかけろという。よくわからないが、軽く指先を切って血を卵に垂らす。すぐさま杏子の指先は煙を出しながら傷口を再生した。自分の再生をグロいと思いながら見ていた杏子は、目線を卵に戻すと…なんと卵が開いていた。

辺りを見渡すが、何もいなかった。直後、何かの風切り音が聴こえたかと思うと、杏子の体を何かが切り裂いた。

 

 

「クッ!な、なんだ!?」

 

 

長年の魔法少女としての経験から致命傷は避けたが、先程から何かが素早く動き回る気配がする。背後から迫る気配の元に、先程受け取った剣を振り抜く。

 

 

『ギャアァッ!』

 

 

手応えがあった!薄暗がりの中でよく眼を凝らして見ると、三本爪の怪物が地面に転がっていた。さやかが杏子に近寄ってきて、杏子の手のひらに何やら書き記す。そして先程の怪物と契約するように言われる。訳がわからず言われるまま怪物の体に手を当てて、さやかに教わった契約の詠唱を行う。すると、怪物の名前が頭に浮かんできた。

 

『土爪』

 

トウチャオと読むらしい。さやかが、おめでとうと声をかける。これが今後の杏子の新しい力らしい。

この力は、獣魔術という。

他にも様々な術に応じた獣魔がいるという。

試しにそこの廃材を切ってみるように言われるので、厨二病っぽい恥ずかしさがあるが試してみる。

 

 

 

「佐倉杏子の名において命ずる。出でよ、土爪!」

 

 

 

目の前の廃材に三本の爪痕が走り、スパッと切れてしまう。あらやだ便利だわ、奥さん。さやかはそんなことをボケーっと考えていた。

杏子は新しい力に震える。これはすごいと。今後の課題も出来た。果たして魔女に通用するのだろうか?ワクワクする気持ちが溢れてくる。ポロリとさやかが水を差す。

 

 

 

 

「あ、もう魔法少女の力は使えないからね。魔力とかもうないから」

 

 

 

 

 

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