魔法少女三只眼☆吽迦羅   作:世間で言うジョージさん

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ちなみにストーリーは原作どおりにはあまり進まないかも。
作品が勝手に歩き出す。
カッコいいこと言ってみたかっただけ。


第8話 恭介とさやか

 

 

「イマ、ナンテイッタ?」

 

 

杏子は固まったロボットのようにカタコトで喋り出す。どうやらショックを受けているみたいだ。さやかは仕方がないなーとばかりに説明を始める。

 

 

杏子の魂は、さやかの中にある。

なので肉の器だけである身体は不死身となるのだ。何故かソウルジェムに魂が入ってたから、さやかに移す形になったと告げる。

どうやらソウルジェムに魂を移すことで魔法を使えるようになるらしい。だから心の形が固有魔法や武器といった形状にあらわれる。

 

 

もうソウルジェムに魂が無いので、魔法を使うこともなくなれば、穢れて魔女になることもない。さらりと告げられる。真実は常に1つなのだ。

いきなりの情報過多により、頭からプスプスと煙をあげる杏子は、とりあえず良くなったことだけを理解した。さやかに感謝である。

 

 

 

「さぁーこの調子で次いってみよ~!」

 

 

「ファッ!?まだやるのかよ?」

 

 

「死ぬことはないから、ファイト☆」

 

 

 

 

そそくさと出されたグリーフシードを次々に獣魔の卵に変えていく。中には狂暴な獣魔も簡単な獣魔もいる。始めは戦闘狂のような顔を浮かべるが、次第に顔が引きつっていった。杏子のレベルアップは深夜まで続くのであった。

翌日、杏子は家でグッタリと寝ていた。

さやかは杏子を家に置いて登校する。

今日は幼馴染みの少年に会う日となる。既にまどかも誘ってあるので、見舞い品を渡すのが楽しみである。

 

 

時は経ち、昼休みに転校生に呼び出されたので向かうことにする。今回は一人で来てほしいそうだ。まどかと仁美には断りを入れておいたので大丈夫だ。屋上に着くと、転校生が一人で待っていた。

 

 

 

「来たわね、美樹さやか。貴女にだけは話しておきたいことがあるわ」

 

 

「お弁当食べながらでもいい?私も話しておきたいことあるしね」

 

 

 

転校生は語った。いずれこの街に最大級の規模を誇るワルプルギスの夜という魔女が来ることを。そして数人の魔法少女で当たっても勝てないほどに強力な魔女であると。

 

 

さやかは真剣な表情で聞いていた。その情報も知っていた。決してワルプルギスの夜は、さやか達にとって他人事ではないのだから。

転校生はまだ何かを隠してるようだが、こちらも隠してるしお互い様だろうと考える。さやかは1つのカードを切ることにした。

 

 

 

「私はさ、ソウルジェムの真実を知ってるんだ。転校生はさ、その秘密を簡単に打ち明けるべきじゃないって思ってるでしょ?」

 

 

「…貴女はどこまで知ってるというの?」

 

 

「もっちろん、全部知ってるってば。魂の入れ物にしたり、穢れたら魔女になるんでしょ?」

 

 

 

転校生は驚きの顔をしているが、今のさやかには裏の世界のことでわからないことなどあまりないのである。何でもは知らない。知ってることだけ。

 

 

 

「アンタだから言えるけど、私と杏子は魔女にはならない。心構え的なことじゃない。ならない方法があるんだよ」

 

 

「な!何よそれ、本当にそんなことが可能なの?」

 

 

「もっちろん可能だよ。このさやかちゃんに不可能という文字はないのだ~!」

 

 

 

 

ほむらは考えた。今回のルートはイレギュラーばかりだ。もしかしたら全てを話してもいいのかもしれない。そして皆で協力すればワルプルギスの夜を越えれるかもしれない。だが懸念はまだ晴れない。まださやかが絶望し魔女化する時期を越えていない。それを乗り切ったなら全てを話してもいいかもしれない。

今はまだお互いに隠し事があるくらいで丁度いいのかもしれない。慎重に事を運ばねばならない。

 

 

 

二人の話を遮るように、昼休み終了のチャイムが鳴る。収穫はあったのだ。そして時間は放課後へと移る。

 

 

 

 

下校時間になると、やはり仁美はお稽古で忙しいらしく、まどかと二人で病院に行くことになった。後で杏子も合流する事になっていたのだが、いつ起きるかわからないので待つことになるかもしれない。お見舞い品は杏子に持ってくるように頼んでおいたからだ。

病院に着くと、受付のおねーさんに一声かけて一直線に部屋へと目指す。病室前に着くと慣れた手つきでドアをノックした。

 

 

 

「どうぞ、開いてるよ」

 

 

 

病室に入ると、幼馴染みの少年が居た。

彼の名前は上条恭介。バイオリンの名手で、さやかの想い人でもある。周りは全員知っている。知らないのは当人同士だけというのが、クラスの常識であった。

そしてもう1つ見覚えのある後ろ姿が映った。赤い髪色にポニーテールの少女。先程から見舞いのフルーツをしゃりしゃりと食べていた。彼女は振り返ってこう言った。

 

 

 

「喰うかい?」

 

 

 

丁重にお断りして、どういった状況なのか説明を求めると、恭介の口から説明がなされた。杏子は昼過ぎには目覚めて、暇なので病院を目指す。そこで恭介の病室に入り、さやかの友達と告げる。恭介は暇らしいので色々と話していたそうだ。さやかの黒歴史もシッカリ聞いておいたので、どこかで杏子は暴露するだろう。そしてお昼を食べ損ねたというのでフルーツを食べさせていたという。そんな感じ。

 

 

 

「そうだったんだ。わざわざ杏子のお世話ありがとね」

 

 

 

確かにお世話されたので何も言えない杏子。

そこで、さやかがお土産があることを告げる。一瞬、恭介の顔が曇ったようになるが、見舞い品の漫画を見ると嬉しそうに礼を言っていた。杏子はその一瞬の挙動を見逃さなかった。後でさやかに教えてやろうと覚えておくことにした。

 

 

まどか、杏子、さやかに囲まれてちょっとハーレムを感じていながらも気恥ずかしい恭介。そんな彼も思春期の男の子である。本当はエロ本も持ってくるよていだったことを話すと、目に見えてガッカリしていた。杏子スゴいと思う反面、恭介に対して怒りが湧くさやか。

 

 

(なによ、私だって脱いだらそれなりに…)

 

 

さやかは暴走しかけて持ち直した。危なかった。

そろそろ時間みたいなので、おいとまする事にした。また明日も来るので大人しく帰ることにした。

まどかを送った後に、またもや廃工場で特訓が始まる。今回は无の戦い方を学んでもらうためだ。そして深夜にまでその時間は及んだ。

 

 

翌日、杏子はまた昼までグッタリコースのようだった。仕方ないので、また先に学校に行くことにした。そして時間は飛んで放課後へと移る。

今日は誰も来れなかったみたいで、一人でお見舞いに来ていた。ちゃんと続きの漫画も買ってきている。他愛もない話をしていたら、何やら恭介の様子が変だったので聞いてみることにした。

…どうやらもうバイオリンを弾けないそうだ。担当の主治医から、現代の医療技術では不可能ですと宣告されたそうだ。自虐的になる恭介。どうしようかとオロオロしてしまうさやか。

 

 

 

 

少しの静寂が流れたあと、おもむろに恭介は果物ナイフを手に取り、自分の手を思い切り突き刺した。何度も、何度も、何度も突き刺した。手が血塗れのボロボロになっている。

 

 

 

「この手は何をしても、もう何も感じないんだ!もうバイオリンを弾くことなんて出来ないんだよ!ならいっそこの手なんて無くなってしまえば…!」

 

 

「ちょ!やめて、恭介!」

 

 

突然の出来事に狼狽するさやか。

恭介を止めようと腕を掴んで止めようとするが、恭介に振り払われてしまう。振り払った時に偶然当たった果物ナイフが、さやかの肩を少しばかり引き裂いた。

さやかは裂かれた肩が痛いのか、苦痛に顔を歪めながらもナースコールのボタンを探すが、ボタンは恭介の後ろにあった。このまま部屋を出れば恭介は何をするか解らない。進退極まったところで、恭介を眠らせる為に術を使うことを思い付く。

 

 

その時、窓ガラスが割れる音が室内に響いた。割れた窓からの闖入者は何かスケボーのような生物に乗っていた。何を隠そう杏子であった。

 

 

 

「さやかぁ!無事か!」

 

 

 

どうやら三只眼であるさやかが危機に陥ったため、無限の力が湧いてきたようである。病院に向かう最中に危機感が溢れ、身体中に力が溢れ出したので、移動用の獣魔である走鱗(ツオウリン)を召喚して急いで来たらしい。

 

 

そこでさやかに閃きが舞い降りる。

 

 

 

「ねぇ、恭介はもしも願い事が叶うなら、その手を治したいと思う?」

 

 

「当たり前じゃないか!バイオリンは僕の全てだ。それが出来ないなら…もう…」

 

 

 

恭介は果物ナイフをジッと見つめる。

 

 

 

「今までの自分じゃなくなっても?それでも治したいと思う?」

 

 

「もちろんだよ!さやかはそんな質問ばかりをして、僕を苛めているのかい?そんな奇跡あるわけないだろ!」

 

 

「それがね、恭介…奇跡も魔法もあるんだよ」

 

 

 

さやかが手をかざすと光が溢れ、恭介は眠ってしまう。眠らせる術を使ったのだろう。さやかは優しい笑みを浮かべると、仰向けで寝転がっている恭介に向かって術を使う。

 

 

「風牙(フオンヤア)」

 

 

「え!?」

 

 

 

いきなり攻撃の術を使った。風の刃が恭介の肩から先を吹っ飛ばしたので、杏子は驚きのあまり声をあげる。さやかはニッコリ微笑むと、杏子に頼み事をする。意味を理解した杏子はヤレヤレと言わんばかりに、それを承諾した。

 

 

 

「佐倉杏子の名において命ずる。いでよ、假肢蠱(チイアチークウ)」

 

 

 

そこには新品同様の恭介の新しい腕が生えていた。假肢蠱は欠損した体の部位を補う獣魔である。ちなみにその横にはボロボロになったグロテスクな恭介の腕が落ちていた。後程、その腕は学校の焼却炉で焼き払うのだが、中学生くらいの男の子の人骨が出てきたということで大騒ぎになる。行方不明者などがいないことから、見滝原中七不思議に数えられることとなる。

 

 

 

 

 

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