あの日から1週間も経ってしまった。
「あら?はぐみ元気がないわね?」
こころんが話しかける。そういえば今はハロハピの練習中だった。
「トランペットさんのことが気になるのかしら?」
トランペットさん...つまりカイくんのことだ。
ライブの日、つまりカイくんがはぐみから拒絶した日から会っていない。
さーやのところも来てなければ、Circleにも来てないとまりなさんは言っていた。
「はぐみはさ、どうしたいの?」
「どうしたいって?」
みーくんが聞いてきた。
「そのカイくん?っていう人。そこまで気になるなら何かしたいことでもあるんじゃないの?」
みーくんは優しい。でもその優しさは今は苦しめるだけだよ。
「分からない...どうしたらいいの〜」
「はぐみちゃんはなんでカイくんのことが気になるの?」
そういえばなんで気になるんだろう?
カイくんと出会ったのは、カイくんのトランペットを初めて聴いた日だ。
単純に吹いているだけならそこまで気にならなかったと思う...
「トランペットを吹いているカイくんがなんか楽しくなさそうだった......違う、何か苦しくて怯えているようだった。」
「そうね。トランペットさんは笑顔じゃなかったわ。」
あの時一緒にいたこころんも彼の様子を分かっている。
「じゃあはぐみは彼を笑顔にしたいんだね。」
「薫くん...うん!はぐみカイくんを笑顔にしたい!」
「と言ってもどうすればいいんだろう?」
かのちゃん先輩が首を捻る。確かに笑顔にするにはどうすればいいんだろう?
「はぐみカイくんがなんで自分の音を否定するのか分からないな...」
「それは彼に聞けばいいじゃない!」
「いや、こころ。それはやめた方がいい。」
「どうしてかしら?」
「多分誰にも言いたくないほど忘れたい過去があるんじゃないのかな?ただでさえ結構怒っているのに、そんなことやったら激怒じゃ済まないと思うな。」
「ならばはぐみとセッションをするのはどうだろうか?」
『セッション?』
カイくんと一緒に演奏するってこと?
「そうさ。シェイクスピア曰く、楽しいことは教えろと。」
みーくんが「シェイクスピアはそんなこと言いません」と突っ込んでいる。
そうか...
「はぐみが楽しいと思わせればいいんだ!」
「つまらないと思うのは、その逆を知らないから。そのため一緒に演奏か...うん、いいと思う。」
「そしたらトランペットが楽しいと思うようになる。」
「それでトランペットが笑顔になって解決だわ!」
上手くいくかわからないけど、このままモヤモヤするよりかはやってみる方がいい!
「だけどカイくんの家なんて知らないよ?」
「多分誰も知ってないと思う、けど...」
「北沢様。こちら神戸様の家の地図でございます。」
「ありがとう黒服さん!」
善は急げだ!今からカイくんの家に行こう!待っててね...
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「ッチ使えねーな!」
俺は新しいライブハウスを探している。
だけどどこもトランペットの演奏はお断りだ。
「これじゃ撮影が出来んじゃねーか!」
じゃあCircleに戻れ?自分から拒絶したのに近づくのは違う。
拒絶したなら自分から離れるべき。さすがの俺もそこまでは配慮してるさ。
「最悪活動休止だな。仕送りでも飯は食えるからな。」
プライドとしては許せないが、家で演奏して近所から苦情を入れられるのもごめんだ。
「しゃーねぇ。ゴロゴロスっか。」
その時インターホンがなる。
「宅急便なんて頼んでねーぞ?誰だいったい...」
しかも連打しやがるし...
「うるさいなぁ...はいはい今行きますよ!」
セールスか?この部屋にはモニターがないので、わざわざ玄関に行かないと誰が来たのかが分からない。
唯一分かるのはせっかちな人間なぐらいだ。
「はい......ってなんでてめぇがここにいるんだ?」
今回短くてすみません。
それにしても3話連続で投稿すると話すことがなくて困ります笑
それでは次回もお楽しみ