「お腹空いたんで何か食べて良いですか?」
「構いませんよ。」
俺はフリフリポテトを買いに行った。あんま漫画とかだと描写されないが、タイラーメン、フリフリポテトは夏祭りあるあるなものだと思う。もしかしたらこの街が異常なのかもしれないが、それはないと思いたい。
「コンソメ1つください。」
「はいよー!」
この祭りの人たちパッションありすぎでしょ。もう少しクールになってもいいんじゃないか…?
「ありがとうございます。」
「まいどありぃ!」
なんだこれうめえ。初めてコンソメを食べたけどこれは美味しいわ。うすしお至上主義はもうやめだな。
「うっま…」「…」
文香さんがポテトをたべたそうにこちらをみている。ポテトをあげますか?
「どうぞ。」
「…!ありがとうございます。」
とても美味しそうに食べている。この表情を300円のポテトの中の一本で見れたんだから超格安だろ。
「翔さん口についてますよ。」
「あ、ありがとうございます…。」
おいおい、自分の魅力をどこまで誇示するんだよ…。ただでさえくっつかれてんだから心臓もたないわ。
「あ…、ここ行きましょう。」
「わかりました。」
綿菓子を買いに向かい、その後、食べながら花火をどこで見るか検討することにした。
「ここはどうすか?」
「あっちの方が高いとこでよくないですか…?」
「あー。いいっすね。」
こんな調子で30分経った。後20分しか時間がない。
「ここはどこでしょうか…?」
「あ、神社ですね。ここよくないですか?」
「そうですね。ここにしましょう。」
この神社はここの祭りなのに近くにないせいで全く人が来ない。祭りとはこれいかに…。まあ、おかげさまですごくいい雰囲気だし感謝しよう。
「とてもいい場所ですね。月が海に反射して、宝石が光を放つようです…。」
「綺麗な表現ですね。憧れます。」
「翔さんは国語は苦手なんですか?」
「あまり本を読まなくて。」
「…。じゃあ、前言ったことはわからなかったですか?」
「えっと、そのことで…!」
一輪の花火が夜空に咲いた。
「綺麗…、ですね。」
「ほんとですよね…。」
こんなに綺麗だと思ったものは今までの人生でない。彼女の笑顔はそれほど綺麗に咲いていた。
「お祭り、楽しかったですね…。」
「はい、楽しかったです。」
お互いに家への帰路につき、文香さんの家の前に着いた。今しかない!
「それでは、また」
「文香さん!」
「…っ?なんでしょう?」
文香さんは困惑した表情で俺を見た。
「今夜の月は綺麗ですね?」
「死んでもいいわ。」
「知っていたんですね?この意味を。」
「いや、今日知りました。」
文香さんは少しがっかりした表情を浮かべ。
「今日は私の家には誰もいませんよ?」
「おじゃましまーす!」
今夜はお楽しみになりそうだ。
一応付き合う、ことになったみたいですね。高校一年でこんな方と付き合ったらすごいことになりそうな気がします。
「今夜の月は綺麗ですね。」
「死んでもいいわ。」
のふたつはどちらもI love you.の意訳です。夏目漱石の訳を聞き、二葉亭四迷が後者の訳をしたとも言われているそうです。すこしかっこをつけた表現ですが、僕はこういうのが好きなので、初めての小説に使わせて頂きました。では、また付き合ってからのストーリーで会いましょう。