「ただいまー。」
「おかえりー。」「おかえりなさい。」
「あ、文香も来てたんだ。」
付き合ってから文香にも迎えられることが多くなった気がする。杏と文香におかえりを言われるとかファンが聞いたら怒り狂うだろうなー…。
「ごはんにしますか?お風呂にしますか?それとも…」
「私がいるのにやめてくれない?」
「すみませんでした…。」
期待してしまったが、杏がいるんだった。杏の前でイチャイチャするのはさすがに鬱陶しいこの上ないだろ。反省反省。
「じゃ、ご飯で。」「わかりました。」
普通に俺超幸せじゃね?アイドルの妹と彼女いるんだろ?で、二人が迎えてくれて、彼女が晩飯作ってくれるとか理想じゃん。ユートピアじゃん。
「文香さんのことかんがえた?」
「ん、んなわけないだろ。というか呼び捨てじゃなかったっけ?」
「これから親戚になるから一応ね。」
杏もいろいろ考えてるんだな。いつものぐーたら妖精とは真逆だ。というか、いつもそれだったら超ハイスペックなはずなんだけどなー…。じゃなくて、前提がおかしいだろ。おいおい。
ーーーーー
「ごはんできましたよ。」「「はーい。」」
文香さんのご飯はいつも美味しい。本当にイメージ通りの女性という感じだ。まあ、これで料理が下手だったとしてもそれはそれでギャップがあっていいな。他の世界線の文香さんに期待しよう。
「「「いただきます!」」」
今日のご飯は麻婆豆腐。食べる前からわかる。これはうまい。
「うっま。」「うま。」
「ありがとうございます。」
やっぱりうまかった。マジで完璧な彼女じゃん。料理ができて、知的で、包容力もある。やっぱり理想郷ですわ。
「私に失望しないでよ…?」
「お、おう。」
妹だからといって心を平気で読んではいけないし、兄の袖を掴んで言っていい言葉じゃないからなそれ。問題が起こるぞ?
「大丈夫だよ。妹のことをないがしろになんてするわけないだろ?」
「ありがとうー。」
「…私の前でイチャイチャしないでくれませんか?」
「「…ごめんなさい。」」
みんなお互い様みたいだ…。
ーーーーー
「あ、ごめん。夜、駆と卓球する予定があるから行ってくる。」
「…?わかりました。」「いってらー。」
なぜ文香さんがいるのに家を出るなどのようなことをしたか。それは至極単純なことで、杏が文香さんと二人で話したいらしいからだ。まあ、女子トークに花を咲かせるのもたまにはいいだろ。仕方がないし、ラケットめっちゃ振ろ。
ーーーーー
「翔くん行ってしまいました…。」
「そんな残念がることかなー…。」
「もっと一緒に居たかったです。」
文香さんもお兄ちゃんの前では全くデレを隠さないな。ツンデレはたまに見るが、クーデレは初めて見たよ。
「ごめんねー。私が文香さんと二人で話したいって言ったんだ。」
「そうだったんですか?」
「うん。」
そう言ったらお兄ちゃんはすごい葛藤した後に卓球行くことに決めてくれた。なんだかんだ優しい。ま、本題にいくか。
「で、文香さん。」
「どうしましたか?」
「あいつのどこが好きになったん?」
「えー、と。ですね。」
考え込むような素振りを見せ、少し時間が経って文香さんは口を開いた。
「優しいとこと、真面目でかっこいいところ。でしょうか…。」
「なるほど。」
「私のハンカチを拾ってくださった時のあの純粋な笑顔と、部活動に打ち込んでいる時の彼の表情のギャップで、ただでさえ揺らいでた心が一気に傾いたのだと思います。」
文香さんもお兄ちゃんのことを色々考えてくれてるんだな。よかった。
「じゃ、お兄ちゃんのいいとこ言い合う?」
「いいですね。受けてたちましょう!」
「クシュン!」「大丈夫か?!」
「なんか寒気がした。」
彼女二人の話は、翔が帰宅するまで続いた…。
あましぐれという名前でTwitterやってます。ゲームの投稿が主ですが、良ければよろしくお願いします。