「ただいまー!」「おかえりなさい。」
私の名前は鷺沢文香。最近からアイドルとして活動している者です。大学生で、趣味は読書。私には駆という弟がいます。駆は私とは真逆の性格で、弟ながら憧れます。
「あ、これから遊びに行ってくる。駅前集合だから急がないと!」
「私も駅前の本屋に行くから一緒に行く?」
「おう!」
私は両親と弟としか敬語を使わずに話せません…他人相手だと気を遣ってしまいます。もう少し気を遣いすぎないようにすれば友人もできるのでしょうか…
「今日は誰と遊ぶの?」
「翔ってやつ。高校からの付き合いだけど、卓球が上手くてさ。一緒に道具買いに行く約束したんだ!」
「そうなの。楽しんできなよ?」
「うん。楽しむよ!」
そんなことを話していたら、駅前に到着した。
「いってきまーす!」「いってらっしゃい。」
駆を見送り、本屋へと入ろうとしました。そのとき、
「すみません!ハンカチ落としましたよ。」
私の顔色を伺うように彼は話しかけてきました。
「あ。ありがとうございます。」
「いえ、お気遣いなく。」
笑顔を浮かべた彼は駆のところへと走っていきました。
…なにあの人かっこかわいい。体に電流が走る感覚とはこういうことなんだと思いました。きっと、彼の人生の中ではなんでもない、ただの日常の一部にすぎないでしょう。しかし、私にとっては一つの宝物となりそうです。…懸念点があるとすれば。なぜ、くまさんのハンカチを持ってきてしまったんでしょうか…!
本屋に今度こそ入り、小説を見ようとしました。すると、
「あ、文香さん。」「あ、杏さん。」
彼女は双葉杏さん。同じ事務所のアイドルの方です。
「今日は何しにここへ来たんですか?」
「んー?あー、漫画を探しにね。お、あったあった。」
「漫画、ですか。」
本はよく読みますが、漫画には手を出したことがあまりありません。自分をモチーフにして描かれた漫画を確認として読んだ程度でしょうか…でも、同じ本なら少し気になります…!
「…文香さんは顔に出やすいタイプなんだねー。」
「え?どうしてですか?」
「目がキラキラしてるよ?」
「あ…」
恥ずかしいところを後輩に見せてしまいました…
「そんなに読みたいなら杏の家に来る?たくさんあるよ。」
「いいんですか…?」
「いいよー。来週の金曜日の午後でいい?」
「はい…!よろしくおねがいします。」
やりました!自分の読んだことのない新ジャンルの本が読めると思うとわくわくが止まりません…!読み方を調べて来なければ…
あの一件のあと、仕事でご一緒する機会があり、杏さんとはとても仲良くなりました。杏さんにはお兄さんがいるそうです。そして例の金曜日となり、杏さんの家にお邪魔しました。
「どうぞー。上がってー。」
…え?いや。なんで彼が?いや、ここは平常心をタモチマショウ…
「お邪魔します。あなたが杏さんのお兄さんで間違えないでしょうか?」
「はい、双葉翔です。杏はリビングにいますよ。」
現実は小説よりも奇なりとはこのようなことを指すのでしょうか…
初めての文香さん視点です。杏をタメ語にさせるか敬語にさせるか一瞬迷いましたが、そういえば一話からタメ語でした。まず杏の敬語をあまり見ません。
ここから構成が全く思い付かないので、考えておきまっす。