元ホテルマンですが妖精メイドに転生してメイド長に一目置かれてます   作:微 不利袖

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それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


9話 宴会と書いて〝たたかい〟と読む#2

 

 

時間で言うと午後5時辺りを過ぎた頃。私たち、紅魔館の一同は宴会の開かれる神社へと向かっている真っ只中だ。フラン様やあーちゃんのはしゃぐ声や、談笑するお嬢様とメイド長と、それぞれ久々の、初めての宴会を楽しみにしているみたいだ

 

...いやいや、あくまでお手伝いなんだから、なんて言うのは野暮だろうか。まあ、作業が一区切りしたら、あーちゃん達には宴会を楽しんで貰おうと思っていたし、たまには労ってあげたいしね...

 

 

「やっほ、妖精長。楽しみだねー、宴会!」

 

「あ、フラン様。...そうですね、私は参加するのは初めてですけど...しっかりお手伝い、頑張りますね」

 

 

ぼんやりとそんなことを考えていると、フラン様に声をかけられた。私は宴会が初めてなので勿論楽しみではあるけれど、久々に参加するフラン様も、とても愉しげだ

 

 

「あ、そっかー...妖精長達はお仕事だもんね。残念」

 

「いえ、誰かの為にお手伝いするのは楽しいですし...好きですから」

 

「...今日は起こしてくれなかったね」

 

「うぐっ?!...いや、あの、め、メイド長に他の仕事を頼まれてですね...」

 

 

意識の外からの切り返しに動揺を隠せずわたわたする私。返す言葉もどもり、簡素な言い訳しか出てこない。いわゆるジト目で睨まれてうまく言い返せない...

 

 

「お、やっほーフラン。これから神社にいくのかー?」

 

「あ、チルノちゃん!そうだよー。チルノちゃん達も?」

 

「はい、魔理沙さんにお呼ばれして...こんばんは、フランさん!」

 

「大ちゃんこんばんはー!」

 

 

フラン様を呼ぶ声。目をやると、青髪の妖精さんと緑髪の妖精さんがふわふわと飛んでいた。フラン様の応答から、良く遊んでいるというお話を聞くチルノさんと大妖精さんだろう

 

 

「ん?フラン、この妖精メイドの子はー?初めて見るけど...」

 

「あれ?...あ、そっか。皆とは初めましてだねー」

 

「そうですね...初めまして、大妖精です。皆からは大ちゃんって呼ばれてます」

 

「へ...あ、えーと初めまして。私は妖精長といいます。フラン様がいつもお世話になっております」

 

「あたいはチルノ!よろしくね!」

 

 

フラン様から聞いた通り、おしとやかな大妖精さんにおてんばなチルノさん、自己紹介だけでもその片鱗が伺える。二人とも頭にリボンを着けているのが印象的だ

 

...名前に大がつく、ということは凄い妖精さんなんだろうか。全ての妖精の母、みたいな。...流石にそんなことは無いだろうか

 

 

「妖精長ね、じゃあ...妖ちゃん!」

 

「はえ?」

 

「よろしくお願いしますね、妖ちゃん!」

 

「へー、良いね。妖ちゃん、私もそう呼ぼっと!」

 

「え、ちょっ、フラン様!?」

 

 

自己紹介もおしまい、と思った矢先、チルノさんからそう言われて気の抜けたような声が出てしまった。何か言い返す間もなく、大妖精さんがそう続けて言う。

 

なんというか、ネーミングセンスというか。まあ、赤いからあーちゃん!なんて言ってた私が言えることじゃないけれど...ってフラン様まで!

 

 

「あーちゃんもいいと思うー!よーちゃん!」

「よーちゃん」

 

「可愛らしいですね~、よーちゃん」

 

 

続けざまにあーちゃんとしーちゃん、そしてきーちゃんまでも、賛成!と言わんばかりにそう言ってくる。なんで皆まで...

 

 

「妖精長ってなんか可愛くないし、妖ちゃんのほうがよっぽど良いと思うよ!」

 

「フ、フラン様ぁ...」

 

「流石はあたい!ナイスあいであね!」

 

「えへへ、お揃いですね」

 

 

新しく妖ちゃん、またはよーちゃんに呼び名が決まってしまった。...自分の名前、考えとけば良かったなぁ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中、霧の湖の近くでよくフランと遊んでいる妖精達と出会った。どうやら妖精長のことを気に入ったらしく、フランや妖精メイド達と愉しげに話しているようだ。

 

 

「なんとも微笑ましいわね、ねぇ咲夜」

 

「よー、よーちゃん...ッハ!?...そ、そうですねお嬢様」

 

 

...可愛いなこの従者は、まったく。なんでそんな乙女全開の面を鉄仮面半開きで隠した気になってるんだ。そりゃあ側にも置きたくなる

 

 

「...レミィ、あんまりのろけオーラは出さないで頂戴」

 

「あら、ごめんねパチェ。...それより聞いたわよ、魔理沙にお姫様抱っこされて気を失っちゃったんでしょ?ホントに奥手ねぇ...そんなだと、人形使いやら紅白やらに取られちゃうわよ?」

 

「あ、ちょパチュリー様?え、いや帰るって、何言って...あ、ちょっとパチュリー様ぁー!!」

 

 

顔を真っ赤にしてそう言い踵を返すパチェとそれを引き戻そうとする小悪魔...コイツも脈ありだろうか。くくっ、親友と言えど意地悪するのが楽しいのは吸血鬼の性だろうか

 

 

「あぁ、ちなみにソイツから聞いたのよ」

 

 

あ、小悪魔が燃えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...はぁ」

 

「あら、どうしたの~妖夢?ため息なんかついちゃって」

 

 

主の数歩後ろ足について歩く私は一つ息を吐いた。悪戯っぽくそう聞いてくる幽々子様には、貴女のせいです、なんて言えるはずもなく、本音をごくりと飲み下した

 

...憂鬱である。宴会に行く度にそうだ。お家ではそこまで大量に食べる訳ではない...それでも普通の5~6倍は召し上がるのだけれど

 

催し物やら宴会やらになるとタガが外れてしまうのだろうか、いつもの比ではない。毎度毎度、宴会に甚大な被害を与えてしまうのだ

 

もう一度、息を吐く。ほんとに霊夢さんに申し訳ないし他の参加者の方々にも謝ることになるしでもう...宴会が嫌いになりそうだ

 

霊体でいくら食べても太らないのを良いことにめちゃくちゃに食べるし...この前紫様が遊びにいらしたときには体重を気にする紫様をおちょくっていたし...酷くお庭を荒らされてしまった、お二人の喧嘩は規模が...

 

 

「お酒なんて久々だわ~」

 

 

そう、それだ。ご飯だけならまだしも、お酒もとんでもない量を飲まれるのだ。鬼と飲み比べされるなんてもう、胃がもたない。やめて欲しい

 

半霊が私を慰めるように顔の付近をふよふよと漂っている。...抱き締めておこう、私の一部だけど...。それにしても、と幽々子様が続ける

 

 

「宴会なんて久しぶりね~、ね、妖夢」

 

「...そうですね、幽々子様」

 

 

...うどんげさんに胃薬貰おう

 

 

 





きーちゃん

黄色いメイド服の妖精メイド。お昼寝好きでよく門番さんとすやすや寝息を立てていることも...お料理がとてつもなく得意で、よくお菓子を作ったりしている

ここまで読んでいただき感謝です。それでは、また

シリアスパートですが、読まなくてもある程度お話に支障が出ないように書いているつもりです。因みに、そのシリアスな部分は読まれているでしょうか。

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