元ホテルマンですが妖精メイドに転生してメイド長に一目置かれてます   作:微 不利袖

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15話になります。さて、サブタイからお察しでしょうかね...お気に入り評価、感想栞等々、ありがとうございます。誤字報告の方も助かってます。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


15話 亡霊さんは生き生きとしている

 

 

ぱちり

 

 

今日は宴会を終えた明くる日。どうやら私は昨日の手伝いで少し張り切り過ぎてしまい、いつの間にか寝てしまったらしい。...恥ずかしながらぐっすり朝までコースでした

 

 

ぱちり

 

 

最後、記憶に残っているのはあの...お名前を幽々子さんと言うらしいお方の満足げな寝顔、そしてまだ残っていた洗い物たち。後片付けに参加できなかったのが心残りですね...

 

 

ぱちり

 

 

ちなみに幽々子さん、亡霊さんらしいです。今思い返してみると、館を発つ前にメイド長がおっしゃっていた気がします。怖がっていた理由は今なら分かりますね...

 

 

ぱちり

 

 

そんな訳で今、私は紅魔館にていつも通りメイド長の務めを果た......してはいないんですよねぇ。あ、そこ置かれちゃいますか...流石に厳しいですね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「王手!...あら~、詰みかしらね~」

 

「むぅ、ありませんね...参りました」

 

 

さて、何で私は知らないお屋敷で亡霊さんと将棋指してるんでしょうか...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、もうこんな時間ですね...」

 

「む、もう帰るのか?」

 

 

うっすらと明るくなって来た空を見上げてそう呟く。今は宴会の一波乱を乗り越え、いつもの面々でお酒を飲みながら楽しく談笑をしてるところです...ですが

 

 

「はい、余り冥界を空けておくのも良くありませんから...幽々子様が起きられ次第、戻ることになりそうですね」

 

「そう...今日もありがとうね、妖夢。助かったわ」

 

「もう行っちゃうんですか~?よーむさん~」

 

 

亡霊の管理も立派なお仕事ですし、何かあっては閻魔様に何を言われるか...なんて言っていると、名残惜しそうに私の名前を呼ぶ声がする

 

 

「はい、今日は本当に助かりました。またお話しましょうね、きーちゃんさん」

 

「!...はい~、またご一緒させて下さいね~」

 

 

手際の凄かった妖精さんの一人、きーちゃんさん。色々とためになるお話もありながら、楽しくお話ができました。また新たに従者仲間が増えたのは嬉しいですね...さん付けは変ですかね?...私としては、見習うべき方ですので

 

 

「おーい、妖夢ー...お、いたいた」

 

「はいっ、て萃香さん、どうかされましたか?...まさか幽々子様がまた...」

 

「半分正解、幽々子から言伝てだよ」

 

 

皆さんとの別れを惜しんでいると、本殿の方から声...萃香さんですね。幽々子様が目を覚ましでもしたんでしょうか...なにやら伝言があるらしいようで

 

 

「先に帰るわ~、だそうだよ。伝えたかんなー」

 

「へ?...ちょっ、幽々子様ー!?」

 

 

なんで!?帰る時は一言くださいって...いや、伝言とかじゃなくて!...あぁ、もうっ!

 

 

「えっと、そんな訳ですので、今日はありがとうございました!またお願いしますね!」

 

「ふふっ...えぇ、またね」

 

「あぁ、また次の宴会でな」

 

「ばいば~い、よーむさ~ん」

 

 

だっ、と地を蹴り走り出す。ふと、そう言えばあの青い妖精さんとも少しお話したかったなぁ...なんて後ろ髪を引かれる。またいつか、お話しできるだろうか...いや、それはともかく

 

 

「待ってください!幽々子さまー!!」

 

 

今は白玉楼のお饅頭たちが無事であることを祈ろう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんっとーにスミマセンッ!」

 

「いやっ、それはもう大丈夫ですから流石に土下座は...」

 

 

お話できましたね!初手謝罪ですけどっ!...もう、どうしてうちの主人は...

 

畳におでこを擦り付け、主人の失態、横暴についての謝罪の意を身体全体で表現する。あぁ、第一印象が土下座の人になってしまうぅ...

 

 

「こんな誘拐紛いなことを...」

 

 

そう、うちのお馬鹿主人は宴会のお手伝いで疲れて寝てしまっていた青い妖精さんを、あろうことかお持ち帰りしたのです...いや、なんでですか!?思えば帰って来た時に...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、お帰りなさい妖夢~」

 

「ただいま戻りました...じゃ無いですよ幽々子様!なんで先に一人で帰っちゃうんですか!?」

 

 

萃香さんの伝言を聞き、脱兎の如く白玉楼に帰り着いた私を呑気に迎える奔放な主人。心配した私の心中いざ知らず、縁側にて日向ぼっこをしている

 

 

「妖夢~お腹空いたわ~。朝ごはんお願いね~」

 

「あ、はい直ぐに...ってまだ食べるんですか!?というか質問に答えて下さいよ!」

 

 

首だけこちらを向き、いつもの調子でそう言われる。いえ、朝ごはんは別に構いませんけど...いや幽々子様、ノリツッコミの切れ、増したわねぇ~...じゃ無いですよ嫌でも増しますよこんなの

 

 

「あ、そうそう...」

 

「ぜーっ、ぜーっ...今度はなんなんですか?」

 

 

ツッコミ疲れて肩で息をする私...いや、もう何が来てもツッコミませんからね、フリじゃないですから!

 

 

「この子の分もお願いね~」

 

「...はえっ?」

 

 

振り返りながらそう言う幽々子様のお膝には、件の青い妖精さんが寝息を立てて気持ちよさそうに眠って...いや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、そこまで狭くはない冥界全土に響き渡るほどに大きな、『なんでやねんっ?!』がこだましたそうな...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いえ...大丈夫ですから。それに、明日には帰れるようにして頂けるそうですし...」

 

「それでもです!こんなこと、許されて良いことではありません!」

 

 

要点をまとめると、私は幽々子さんのお宅に...まぁ、ご招待された、と...それにしても、ここまで頭を下げられてしまうと、なんだかこちらが申し訳なくなってしまう

 

先ほどから何度も大丈夫、という旨は伝えているんですが...強情というかなんというか、変に芯が通っている方なのか一向に顔を上げてくれそうにない

 

 

「お願いしますから、土下座はこの辺りでもう...」

 

「はっ!...そうですよね、分かりました...」

 

 

どうやらようやく聞き入れて頂けたようで、顔を上げてくれた。ふう...これでなんとか

 

 

「主人の失態は従者の失態、腹を斬ってお詫びするのが礼儀ですよね!これ、お願いします!」

 

「わっ...って、はい?」

 

 

どこからともなく短刀を取り出したと思えば、腰に刺していた刀を一つ押し付けられる...ちょ、あの

 

 

「失礼ですが介錯をお願いします!それでは...」

 

「いや、ちょっと待ってくださいって、早まらないでください!」

 

「止めないで下さい!こうでもしないと示しがつきません!」

 

「妖夢~、ご飯まだかしら~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......」

 

 

宴会を終え、お嬢様たちと館へと帰った私。流石に頑張っていた妖精たちはお昼まで休ませることにし、いましがたお嬢様と妹様を寝かしつけたところ

 

 

「...何かしら」

 

 

ふと口を突くその言葉...なにを根拠に口走ってしまったのか、言い放った私が分からない。少し興が乗って飲み過ぎたのかしら...

 

何かが抜けている。例えば、一つ足りないパズルのピース、ワンセット足りないティーカップとスプーン...例えば...

 

 

「あの~、メイド長~?」

 

「!...あら、どうかしたのかしら?お昼まではお休みの筈だけど...」

 

 

考え事の最中、少し下からそう私を呼ぶ声が聞こえた。目を向けると、昨日頑張ってくれていた妖精メイドの一人、黄色い子...何か用かしら

 

 

「メイド長~、よーちゃん見てませんか~?」

 

「妖精ちょ...う......」

 

 

最後のピースが嵌まった音がした。刹那、世界の色が失われる。私だけの世界...直ぐ様動く

 

 

ここは...いない、次...ここにも...いない、次ッ

 

いない、いない、いないいないいないいないいないいない...館全てを探した。これ以上の時間停止は厳しい...

世界に色が戻る

 

 

「きーちゃん、だったかしら?」

 

「へ?...は、はい~...」

 

「貴女を信頼している妖精長を信頼して、館のことを任せるわ」

 

「え?あの...」

 

 

答えも聞かずに走り出す...両の手にナイフを握り締めて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妖夢さん、全然、悪くない...はい」

 

「ぐすんっ...私、悪い、ハラキリ...」

 

「違いますって?!ハラ、切る、良くない...はい」

 

「あーむっ...二人とも~、ご飯冷めちゃうわよ~?」

 

 




よーちゃんカウンセリングもできるんですね...あはは。そんな訳でお持ち帰り回です、次もそうなりそうかな?それでは、ここまで読んでいただき感謝です。良ければ他作品もどうぞ...それでは、また

シリアスパートですが、読まなくてもある程度お話に支障が出ないように書いているつもりです。因みに、そのシリアスな部分は読まれているでしょうか。

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