元ホテルマンですが妖精メイドに転生してメイド長に一目置かれてます 作:微 不利袖
『大宴会にて、無限の胃袋ノックアウト!?立役者は紅魔の妖精メイドだった!?』
つい先日、普通の魔法使いこと霧雨魔理沙主導のもと行われた大宴会にて、暴食の化身とも呼ばれる白玉楼の主、西行寺幽々子の襲来が確認された。
宴会にて数々の料理達を瞬く間に平らげていく姿は、さながら災害と言ったところか。今までの宴会でも、幾度と無く調理を担当する従者達を絶望に落として来た...
しかし、この度は違った。そう、この写真である(上、写真1、倒れ伏す西行寺幽々子)。誰かが毒でも盛ったのか...?否、信じがたいことではあるが、満腹により倒れ伏しているのだ。
そしてこの日、厨房にはいつもは見ない面々が居た。そう、紅魔の妖精メイドである。ここで一つ、前提として覆しておくべき常識がある。それは、妖精メイドは使えない、という文言。
幻想郷縁起に目を通したことのある者や、紅魔のメイド長と面識のある者ならば知っているであろう前提、常識...敢えて言い切ろう。それはもう、時代に置いていかれた過去の認識であると。
実際に目にし、更には写真(左、写真2、調理をする妖精メイド達)にも収めてある。静止画であるものの、それでも彼女らの手際の良さが伝わってくる...特に目立つのがこの青いメイド服の妖精。見聞きした限りでは、他の妖精達に指示をしたうえで、調理を平行して行っていた。
しかしながら謎に包まれた青き妖精メイド。私は情報を得るべく、館の関係者達や同僚とおぼしき妖精メイド達に情報提供を仰いだ。
館の主、Rさん
そうね、カリスマであるこの私が雇った一流の妖精メイドよ。他の妖精メイド達を惹き付けるような、そんなカリスマ性を感じるわね...ま、私には及ばないけれど。そもそも私の思うカリスマっていうのは...以下略
主の妹、Fさん
よーちゃんのことー?うん、スッゴい良い子だよ!私の朝のお世話もしてくれるしー、お願いしたら何でも聞いてくれるのー!お料理も上手だしー、あとねあとねー!...以下略
居候、Pさん
青い妖精メイド...妖精長のことね。えぇ、彼女はとっても優秀な子よ。良く気配りのできる子ね...なんなら、こぁよりも優秀なんじゃないかしら...
門番、Mさん
妖精長ですか?はい、とっても優しい方ですよ!...そう言えばこの前咲夜さんに聞いたんですけど、私の上司に当たる役職らしいですね...あの仕事ぶりなら納得ですけど
司書、Kさん
とっても優秀な方ですね。本の整理なんかもまだ私の方が早いですけど...いつ追い抜かれるか心配です。...えっ、パチュリー様がそんな事を!?うぅ、否定できないのが余計辛いですぅ...
同僚、Aちゃん
よーちゃんのことー?うーん、厳しいけど優しいよ!怒られてもナイフとか飛んで来ないしね...あ、しーっ!...これ、メイド長には内緒ね?
同僚、Kちゃん
よーちゃんですか~?う~ん...とっても頑張り屋さん、ですかね~。それにお料理以外も得意なんですよ~?掃除洗濯とか~、凄いですよ~
◯月X日、文々。新聞夕刊より、一部抜粋
「えーっと...ここ、ですかね?凄い...」
幽々子さんのお世話になった明くる日、私はメイド長からおつかいを頼まれとある場所へと足を運んでいた。...因みに昨日の夜はメイド長のお説教が館に鳴り響いてました。あーちゃん、痛そうだったなぁ...ナイフ
さて、それはともかくとしておつかいですね。頼まれたのはパチュリー様の喘息のお薬。普段から服用されているんですが少々減りが早く、明日の分も危ういとのこと
「迷いの竹林、ですか...」
天を貫くほどに長く、そして高く伸びる竹を見上げそう漏らす。メイド長からいただいた簡単な地図を頼りにここまで来たんですが...ホントにここに病院があるんですかね...あ
「そうだ、案内人さんを見つけないと」
思い出したかのようにそう呟く。迷いの竹林という名の通り、この中は迷路のように道が要り組んでいるらしく、この場所に精通している方に案内を頼まないと目的地に着くどころか、出ることさえできないそうな。それこそ、何度か足を運んでいるメイド長でさえ、まだ迷ってしまわれるとか...
どうやら案内をしてくれる方はお二人いるらしく、一人は白い髪の女性、もう一人は兎の耳を生やした女性だそうな...もしかしなくても後者は妖怪さんですかね?いや、もしかするとお二人とも...?
「すみませーん、どなたかいらっしゃいませんかー?」
ひとまずはそのお二人のどちらかを見つけようと、私は大きめの声で竹林に向かい呼び掛ける......返事は返って来なかった。もう一度
「すみませーん!......ダメかなぁ...ん?」
特に返事もなくどうしたものかなぁ、なんて考えていると、視界の端に何かが写る。竹林の陰から顔を覗かせる誰か...こちらに気づいたようで、近づいてくる
「ふーん...妖精、ね。この竹林に何か用?」
そう声を掛けてきたのは背格好は私と遜色ないような少女。ただ、目を惹くのはその頭部。二つのうさみみ...おそらく、メイド長の言っていた案内人さんの内の一人ですかね。首からはニンジンを模した装飾品がぶら下がっている
「はい、この中にある病院の方に用がありまして...」
「そう......なら、案内したげる。着いてきて」
それだけ言うと、背を向けて竹林の奥へと歩いて行く。この方が案内人さんで間違いないでしょう。それにしてもこんな幼い子が...いやいや、多分妖怪さんですからね、背格好だけで判断はできないです。宴会でも、萃香さんの一件がありましたし
「ありがとうございます。私は...」
案内人さんの方へ着いて行きながら感謝と自分の名前を告げ...ようとしたその時、言葉が途切れる。理由は簡単
「ふぇっ?!」
突如として踏み締めていた地面が消え去ったからでした
「あはは、引っ掛かった引っ掛かった!」
いつの間にか日課となった竹林の巡回をこなしていた昼下がり、いくつかある出入口の近くから聞きなれない声がした。声の主は少し変わった格好の妖精、話を聞いてみるに永遠亭に用があるそうな...
ふふん、やっぱり私は運が良い。丁度暇してる時にこんな絶好のカモが来てくれるなんてね...案内してあげる素振りを見せればすぐにのこのこ着いてきて、やっぱり妖精はチョロいモンさね。さて、と
「ま、悔しかったら捕まえてみなよ?じゃあねー」
久々の遊び相手が落ちていった穴にそう投げ掛ける。妖精みたいな単細胞はこうやって煽ればすぐに怒って追っかけてくるからねー
特に返答も聞かず穴に背を向けてそのまま永遠亭の方へと向かう。ちゃーんと案内はしてあげようかね...ま、張り巡らした罠をくぐり抜けて私を見失わなければの話だけどねー
「あいたた...これは、落とし穴?」
突然のことに少し困惑しながらそう呟く。ここは穴の中、あの兎さんに騙されたみたいですかね...うぅ、腰打っちゃった、痛い...
穴の外から兎さんの声がするものの何を言っているか、内容は分からなかった。それもその筈、この穴かなり深い。パッと見、3~4メートル位はあるだろうか。辛うじて聞こえる足音は遠ざかって行った...
「...えっと」
しばらく今の状況に呆然とした後に、一度頭の中で整理してみる。ここは迷いの竹林、落とし穴の中。地上までの高さは私3人分程度...あれ?これって...
「出られない...?」
そう、私にとってこの羽根は飾りも同然。飛べないということはつまり...そういうことである。凹凸もなく綺麗に掘られた縦穴、よじ登れそうにもない
「......」
色々と考えた結果、自分の中で一つの答えが出た。さて、やることが決まったならば実行に移すのみ。すぅっと息を吸い込み、そして...
「誰かいませんかー!?助けてくださーい!!」
慟哭にも似たメーデーが竹林に木霊した
「ん?...今、なんか聞こえたような...」
少し野暮用があり、慧音の住まい...もとい人里まで顔を出して来た帰り道。もう迷いの竹林まで目と鼻の先といった辺りで誰かの声がした...気がする。また誰か迷いでもしたんだろうか
「...取り敢えず行ってみようか」
まあ、この場所では良くあることだしな...なんて考えつつ、声がしたであろう場所へと向かう。この竹林には出入りできる道がいくつかある。ここから一番近いのは、と
「この辺りか?」
着いたのは一番使われている出入口。しばしば訪れる永遠亭への客は基本ここを使っている。そのせいなのか、わりと綺麗に舗装されている
「誰か居るのかー?」
ひとまず近くに人が居ないか、適当に呼び掛けてみる。すると、直ぐにさっきと同じように声が聞こえてきた。気のせいでは無かったらしい
「...かー......けて...さいー...」
「ん?まだちょっと遠いのか...?」
聞こえたは良いものの、まだ少し遠いのか何を言っているかは分からなかった。それでもどの辺りからかはわかる。こっちの方か...よし、もう一回
「大丈夫かー?」
「...こですー!...た!...た...てくだ...い!」
さっきよりも鮮明に聞こえる。方角はこのままかな、先に進んで行くと何を言っているかがやっと聞こえた。えーっと?
「ここですー!下!助けて下さーい!」
「は?下?」
声のする方、目線を下げるとそこには深い穴の中で声を上げて助けを求めている少女の姿があった
こんな感じですね。うーん...やっぱりちょっと短い気がする。投稿小説について、少しお知らせが活動報告にありますので、気になる方はご覧になって下さい。ここまで読んでいただき感謝です。それでは、また
シリアスパートですが、読まなくてもある程度お話に支障が出ないように書いているつもりです。因みに、そのシリアスな部分は読まれているでしょうか。
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