元ホテルマンですが妖精メイドに転生してメイド長に一目置かれてます   作:微 不利袖

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キリが良いですね、20話です。感想お気に入り、評価栞等々本当にありがとうございます。誤字報告もとても助かってます。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


20話 兎さんは怒ると怖い

 

 

「...暇ね」

 

 

自室に籠り、畳の上をごろごろしながら天井を眺めてそう呟く。むー...今日は妹紅とやり合う日でもないし、いつもてゐが遊びにくる時間も過ぎてるし...あー、退屈で死んじゃいそうねー

 

最近は...まぁ、一昨日に大宴会があったばかりだけど、それ以外あんまり面白いことは起こってないのよね。また異変でも起こそうかしら?ま、あれは不可抗力って感じだったけれど

 

 

「...鈴仙にちょっかいでも掛けようかしら」

 

 

鈴仙ったら、毎回反応が面白いから飽きないのよね...永琳には程々にしてあげなさい、なんて言われてるけど...だって仕方ないじゃない、面白いんだもの

 

さ、そうと決まったら早速行こうかしら。上体を起こし、立ち上がる。んー、今日は何して困らせてあげようかしらね...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あとどれくらいで着きますかね、妹紅さん」

 

「んー?...まぁ、10分も掛からないかな」

 

 

いつまでもおんなじ景色、並び立つ竹林を眺めながらそう問い掛ける。歩き始めてから30分程だろうか...となると往復で一時間半程度。道順さえ間違えなければ案外近いようだ

 

今は...もう夕暮れ前ですね。鬱蒼と生い茂っている竹の葉っぱに覆われ、少し分かりづらいけれど日が傾いて来ていて、視界が利きづらい。それもあり、辺りを照らすために妹紅さんが...えっと、妖術で人魂のようなものを周りに漂わせている。便利ですね、妖術...

 

 

「ま、急がなくても永遠亭は逃げないよ......ん?...ちょっと静かにしてくれるか」

 

「?...どうされたんですか?」

 

 

そんなふうに話していると、急に妹紅さんの足が止まる。鼻先に人差し指を当て、静かにするように促される...?どうしたんだろうか

 

 

「...なんか来るな」

 

「なんか、ですか?......あ、確かにちょっとなにか聞こえてくるような...」

 

 

何かが来る。そう聞いて耳を澄ませてみると確かに聞こえる。向かって正面から、こちらに声?足音?が微かに...少しずつ近づいて来る

 

 

「...こだー!?よ...いー!!」

 

「?何か言ってますね。というか、ちょっと聞き覚えがあるような無いような...」

 

 

何かを叫んでいる声が少しずつ鮮明になっていく。あれ、この声どこかで聞いたような...?

 

 

「...へぇ、あちらさんから出向いてくれるとはね。探す手間が省けたよあの野郎」

 

「えっ?と言うと...」

 

 

どうやら妹紅さんはこの声の主が誰なのか見当がついているらしい。お知り合いですかね?なん考えていると、

 

 

「どこだー!?妖精ー!!って、いたー!!!」

 

「あっ、あの兎さんはさっきの...」

 

 

はっきりと聞こえた声と共にその声の主が姿を現す。うさみみを生やした少女...通りで聞き覚えがあると思ったら...こちらに気が付き、そのまま進路を変えずに猛進してくる兎さんは

 

 

「やーっと見つけたあああああっ?!」

 

「え、あのちょっと!大丈夫ですか!?ってやっぱり深っ!」

 

「かー...なーにやってんだよ、てゐ」

 

 

勢いそのままに落とし穴に引っ掛かった。えっ、なにごと?

 

 

「ったく...ほれ、掴まりなよ...って、うおぉ!?」

 

「はー、はー...み、見つけた。妖精のメイド...」

 

「...え、私ですか?」

 

 

仕方なさそうに穴に手を伸ばす妹紅さんが飛び退く。それもそのはず、突然穴から兎さんが飛び出してきたのだ。流石の跳躍力というか...って、見つけた?...一体どういう...

 

 

「おい、ちょっとてゐ「アンタうちのお客さんなんだって!?しかもあの館の使いなんだったら早く言いなよ!ちゃんと案内すんのにさ!ほらもう永遠亭も目と鼻の先だからさっさと行グエッ?!」

 

「...人の話はちゃんと聞けよこの馬鹿兎」

 

 

妹紅さんの言葉を遮り、捲し立てる兎さん...てゐさんと言うらしい少女の脳天に手刀が鋭く落ちる。うわっ、鈍い音...頭のてっぺんにはそれこそ漫画みたいな大きいたんこぶが拵えられていた。というか意識無いんじゃ...?

 

 

「ひとまずコイツは鈴仙に突き出すか。さ、言ってた通りだし、行こうか」

 

「きゅー...」

 

「あ、え...え?は、はい...」

 

 

すっかり目を回しているてゐさんを肩に担ぎ上げ、道を進もうとする妹紅さん。えっと...まぁ、いっか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「到着っと。おい、そろそろ起きろって」

 

「はぅあっ?!ここはどこ!?私はてゐ!!」

 

「永遠亭だよこの馬鹿兎」

 

「あだっ?!」

 

「へぇ...ここが......」

 

 

私たちが足を止めたのは古風な日本家屋...周りを塀に囲まれ、全貌はイマイチ掴めないけど、かなり大きい。いわゆるお屋敷というやつですかね。どことなく白玉楼に似ている気もする。あ、てゐさん起きたみたいですね、良かった...って、また痛そう

 

 

「おーい、鈴せーん。お客さん連れてきたぞー......あれ、居ないのか?」

 

「いてて...?私が出た時は居たし、特に出かける素振りも無かったけど」

 

「お仕事してるんですかね、お医者さんですし」

 

「...まぁ、入っても大丈夫だろ。コイツも居るし」

 

「ん、構わないと思うよ」

 

 

恐らくお医者さんのお名前だろうか、妹紅さんが呼び掛ける...けれど、特に中から返事は無かった。今は手が離せないとかかな。ただ、てゐさんがここの住民ということもあり、そのまま引き戸に手を伸ばす

 

 

「お邪魔し「ちょっ、輝夜様!誰か来たみたいですからいい加減に降りてください!早く応対しないと...」

 

「えー、このまま永琳のとこまで行きましょうよ。ほら、鈴仙号しゅっぱーつ!」

 

 

扉を開いた先では、なぜかうさみみを携えた女性の上に和装の女性が馬乗りになっていた。...はい?

 

 

「そんな我が儘ばっかり言わないでください!いつもいつも「おーい、鈴せーん」ちょっと待ってて下さい!いま輝夜様にお説教...を......?」

 

「ただいまー、鈴仙。ほれ、お客さん」

 

「あら、もこたんいらっしゃい」

 

「その呼び方やめろお前」

 

「あ、お邪魔してます...」

 

「あ...あうぅ......」

 

言葉を詰まらせたうさみみの女性...鈴仙さんは顔を真っ赤にして動かなくなってしまった......四つん這いで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、えーっと...貴女が紅魔館の?」

 

「はい。いつものお薬を受け取りに行くように、とメイド長から...」

 

 

鈴仙さんも立ち上がり、そのまま玄関にて要件を話す。あちら側にもメイド長が伝書を送っていたらしくそのままスムーズに快諾してもらえた...まだほんのり顔が赤いけど

 

既に料金は支払われているらしい。定期購入のようなものですかね...他の方々、妹紅さんにてゐさん、輝夜さんは近くで談笑している

 

 

「それにしても遅かったですね。伝書ではもう少し早く着く、とあったんですが...」

 

「あぁ、実はちょっと落とし穴に、ですね...」

 

「落とし穴...ちょっと、てゐ」

 

「やばっ!...三十六計逃げるに如かぐえっ?!」

 

「逃がさんよ、馬鹿兎」

 

 

落とし穴について話したところ、鈴仙さんが少しばかり怒気を孕んだ声でその名前を呼ぶ。それを耳にして危険を察知したのか、即座に逃げようとしたてゐさん...の首根っこを掴んだ妹紅さん。てゐさんからは潰れたカエルみたいな声が漏れる

 

 

「ちょ!?あんたには関係無「踏んだら縄で宙ぶらりんになる罠」あー、それ新作なんだよ...ね......え?」

 

「そういうこと、観念しな」

 

「あら、てゐったらまた悪戯したの?懲りないのね」

 

「ほい、鈴仙」

 

 

そのまま首根っこを掴まれたまま、鈴仙さんの目の前に突き出された。...ちょっと泣きそうになってません?

 

 

「いや、あの...違「てゐ?」......はぃ」

 

「私、夕飯まだ決めてないって...言ったわよね?」

 

「えっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お鍋の具材になりたいの?」

 

「ごめんなさーいっ!!!」

 

 

涙ながらの謝罪が永遠亭に響き渡った

 

 




どこが幸運の兎さんやねん

んー、色々と安定しない...こっちの話ですが。次回ももしかすると水曜かも、です。ここまで読んでいただき感謝です。それでは、また

シリアスパートですが、読まなくてもある程度お話に支障が出ないように書いているつもりです。因みに、そのシリアスな部分は読まれているでしょうか。

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