元ホテルマンですが妖精メイドに転生してメイド長に一目置かれてます   作:微 不利袖

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33話です。さて、週一に戻してみましたが...今のところはなんとかなってますね。続けれると良いなぁ...頑張ります。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


33話 片付けはしっかりと

 

 

「さてと...あ、ユウガさん。何を作るかってもう決まってますか?」

 

「ん?そうだなぁ...まぁ、大体決まってるけど。えっと...」

 

 

軽く袖を捲り手を洗ってから、あ、そう言えば...と一つ疑問を口にする。お昼の献立は...うん、どうやら考える必要は無さそうですかね。あくまで今回はユウガさんのお手伝いですし...という訳でメニューの説明を聞く

 

 

「ま、こんなところだな」

 

「ふむ...分かりました。それじゃ早速...」

 

「っと、タンマ。ちょっと待ってな、確か...」

 

 

あらかた概要を聞き、調理を...と気を急いているとユウガさんから制止の声が掛けられる。そのまま調理場の隅の方へ...何かを探しているんでしょうか?

 

 

「んー、これで良いか...しょっ、と」

 

「...木箱、ですか?」

 

 

間もなくユウガさんが手にしたのは...空の木箱、ですかね。何か、調理に関係が...

 

 

「ん、これ台にすれば丁度良いか?」

 

「台...あっ」

 

「飛びながらだと、包丁とかちょっと危なそうだしな」

 

 

そう言うとユウガさんは木箱をひっくり返し、調理台の側へ...どうやら私用の踏み台代わりにこれを...ありがたいですね。刃物云々関係なく、飛べないんですが...

 

 

「そんじゃ、取り掛かろうか。まずは、と...」

 

 

まな板の側に積まれた食材...よし、最初は下準備ですね。えーっと...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしましたー、お紅茶ですよー」

 

「ありがとう、お燐。下がっても良いですよ」

 

「はーい!ごゆっくりー」

 

 

がちゃりと扉のノブが回り、ティーセットを一式抱えた飼い猫が鼻歌混じりに客間へと足を踏み入れる。カップが二つにポットが一つ。お茶菓子は...昼食前ですし無くても良いですかね。テーブルに置かれたそれらを見て、お燐には退室を促す

 

 

「久し振りね、この部屋に来るのも」

 

「そうですね...私もここに誰かを招くのは、前にレミリアさんが来られた時以来ですから」

 

 

私はさとり。会話なんて読めば良い、そんな無粋なことは言わない。話すこと自体は好きですからね、私。そうやって、他愛もない言葉を交わすのはとても楽しい...勿論、相手がレミリアさんだからというのもありますが

 

 

「今日は咲夜さん、来られなかったんですね。何か私用でも?」

 

「ん?あぁ、フランがどうしても妖精長を連れて行きたいからって。今日は代わりに館の留守を任せてるのよ」

 

 

普段はいつも付き添って来られてたんですが...そういう訳でしたか。温泉で合った時には既にこいしとも仲良くしてましたし...

 

 

「あの子...妖精長さん、でしたか。いつから館に...?」

 

「んー...ウチは妖精メイドに対して、出るもの拒まず、だから...詳しくは分からないわね」

 

 

かなり緩い職場ですね...従者の管理はどうなってるのやら。まぁ、ウチも余り言えたものではありませんけど...

 

 

「ただ、妖精長と言うだけあって仕事は出来るわ。咲夜も一目置いてるくらいなのよ?」

 

「羨ましい限りですね。ウチも最近また一人増えたんですが...それでも他のペットたちのお世話で手一杯みたいですから」

 

「猫の手も借りたい、ってところかしら?」

 

「お燐は十分頑張ってますよ」

 

 

会話も一つ落ちたところでティーセットに手を伸ばす。さてと...

 

 

「冷める前に淹れましょうか...お砂糖はいつも通り三つで?」

 

「む、何時までも子供扱いしないで欲しいわね......二つ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウガさん、一通り切り終わって下準備も済みました」

 

「な、早っ!?あー、っと...悪い。今ちょっと手が離せないんだ」

 

 

忙しなく調理を進める私たち。分担は私が切る、ユウガさんが作る、と至ってシンプル。今は食材を切り終え、ユウガさんに次の指示を仰いでいるところですが...お忙しいみたいですね

 

 

「そこの...上の棚に寸胴があるから、引っ張り出して調理進めててくれるか?」

 

「分かりました!...あ」

 

 

意気揚々と新たな仕事に取り掛かろうとして思い出す。私は飛べない。棚の上、というのは...少し既視感がありますが、それでもやるしかないですね

 

私はもう幾つか、部屋の隅から空の木箱を拝借して積み重ねる。しょっ、と...よし、これでなんとか手は届きますかね。ふぬっ!

 

 

「開いた...って、うぇっ!?」

 

 

かぱっと開いた扉...その瞬間、銀色の濁流が押し寄せてくる。その勢いに圧されてバランスを崩してしまい、積まれた木箱と棚へすし詰めにされていた調理器具たちが大きな音を立てて崩れ落ちた

 

 

「なっ!だ、大丈夫か!?頭とか、打ってないか?」

 

「は、はい...なんとか...」

 

 

ぐわんぐわんと床を転がるボウルやら鍋...木箱の崩れた向きが幸いしたのか、頭上から迫りくるそれらに飲み込まれることはなく、少し腰を打つ程度で助かった...あいたた

 

ん、頭上から...?あ、これって、さっきお嬢様が言っていたことなんじゃ...

 

 

「そうか、なら良かったよ。悪いな...片付けちょっと苦手でさ...あはは」

 

「...あ、いえいえ、大丈夫ですよ。こうやって無事なんですから...って、あ!ユウガさん!お料理!火!」

 

「ん?...あー!?ヤバッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃー...なんとかなったな。...って、まだこんな時間なのか!?」

 

「12時前...もうそんなに経ってましたか」

 

「もう!?...あんた、見掛けによらず凄いんだな...」

 

 

色々とハプニングが有りながらも、なんとか昼食の時間に間に合わせることが出来た。少しもたついてしまいましたけど...さて、あとは運ぶだけですね

 

 

「ユウガさん、お食事はいつもどこで...?」

 

「あぁ、案内するよ...と、その前に...」

 

 

行き先までの道をお聞きすると、徐に窓の方へと歩いて行くユウガさん。...?換気、ですかね。調理中、何度か火柱立ってましたからね...

 

 

「よっ、と。おーい!お空ー!こいしー!ご飯出来たぞー!」

 

 

おぉ、すごい声量ですね...しかし、少ししても応答はない。あの声で聞こえてないんでしょ...ん?

 

 

「よし。あー、持ってくのは私らがやるから、妖精さんはゆっくりしてて良いよ」

 

「え、あの...」

 

 

どこからか音が聞こえてくる...二つ、三つ...?後は任せてくれて良い、という旨の言葉は右から左へと通り抜けてしまった...いや、これって足音「お腹空いたー!!わっ、良い匂いー!!豪華ー!!」ってお空さん!?

 

 

「あんまり埃立てるなよー。ほら、手ぇ洗ってさっさと運ぶ」

 

「分かった!!これ食べて良い!?」

 

「今食ったら晩飯抜きな」

 

「持ってく!!」

 

 

ばひゅんと音が聞こえそうな程、目にも留まらぬ速さで入退室していったお空さん。そんな光景に唖然としていると、遅れて二人がまた調理場へとやってくる

 

 

「お空ー、待ってよー...って、凄ーい!ご馳走だー!それに何時もよりはやーい!」

 

「妖精さんのおかげだよ。ほら、こいしも手伝ってくれるか?」

 

「良いよー!ほら、フランも一緒に持っていきましょ!」

 

「うん!」

 

 

おそらくは客人...私たちが来たことで、幾分かお料理も豪華なんでしょう。こいしさんは目をキラキラさせてフラン様とご一緒に料理を携えて走っていった

 

 

「こいし様ー!廊下走っちゃ危ないですよー!...って、もう聞こえてないや...ん?おー、もう出来たんだね。持ってくんでしょ?あたいも手伝うよ」

 

「ん、頼む。そんじゃ、妖精さん、行こうか」

 

「は...はい...」

 

 

走り去って行ったお二人を追うように出入口前にお燐さんが...最後に残った料理をユウガさんたちで持ち、調理場はもぬけの殻に。なんと言うか...嵐のようなお家ですね...ここ

 

 

 




片付けは大事ですからねー。これで妖精長は危機回避かな?運命に抗え、妖精長!...はい。ここまで読んでいただいて感謝です。それでは、また

シリアスパートですが、読まなくてもある程度お話に支障が出ないように書いているつもりです。因みに、そのシリアスな部分は読まれているでしょうか。

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