とあるオタク女の受難(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか編)。   作:SUN'S

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第13話

▼月∋日

 

ベルは午前の修行を終えた瞬間、ヘスティアの座っている縁側へと倒れるように寝そべっている。

 

そろそろ体力を作るのも「マグボルト君」だけでは無理そうだな。午後は一周してもらうとしよう。そんなことを倒れているベルに言えば「に、にわをですか?」と問い掛けてきた。

 

まったく何を言ってるんだ?そんなの庭ではなくオラリオ一周に決まってるだろう。ベルの背中へ「超安定座席スワル君Ⅰ世」を取り付け、ヘスティアをベルの背中へ乗せながら固定する。

 

オラリオの道はデコボコしているため、タイヤだと怪我する危険性がある。なによりヘスティアを連れていればサボることはないだろう?

 

しかし、リリルカの帰りが遅いな。買い出しも兼ねた鍛練のはずなんだが、商店街と梁山泊は往復に三十分も掛かる距離ではない。まさか、アイズのように別の道場へ出入りしているのか?梁山泊の修行では物足りないのか、もう少しばかり修行内容を改善するとしよう。

 

なにより、そろそろ梁山泊を建て替えるのもありだな。釘はヴェルフのところから買うとしよう。骨組みは木材を組み合わせて作ればいいな。

 

▼月⇔日

 

うむ、頑張りすぎてしまった。

 

母屋を修繕するつもりだったのに、離屋や修行道具を作ってしまうとは集中しすぎるのも難点だな。とりあえず、破壊し尽くした周囲の建物は梁山泊の一部としよう。瓦を作るのは後回し、今は看板を作って終わるとするか。

 

しかし、ヘスティア達は改築を行っている間も寝続けるのは胆が据わっているというより緊張感を持っていないのか?なんてことを考えながら母屋の畳を押し上げ、ヘスティア達が出てきた。

 

改築したばかりの梁山泊の感想を聞けば「やりすぎだよ!?」と言われ、この梁山泊は仮屋だったことを告げられた。そのことならば心配する必要はないぞ?ここは私名義の土地となっている。

 

ヘスティアは「ベル君、リリルカ君、僕は頭が痛くなってきたよ」と言いながら隠し部屋に帰ろうとしていたため、朝食を食べてから帰るように言えば「君の料理は美味しいな、もう!」とリリルカ達より食べ始め、昼食の分まで食べ尽くされてしまった。

 

午前の修行を始めようかと思ったが、修行ばかりでは気が滅入ることだってある。今日と明日だけ休日を与えることにした。ベルは「本当ですか!?それじゃあ、防具を見てきます!!」と出ていこうとしたため、リリルカとヘスティアを同行させることにした。

 

あの性格と容姿だからな、品質より高い値段で売ろうとする輩だっている。未然に防いでくれると助かるんだが、話を聞く前に三人とも言ってしまった。

 

私は修行道具でも作るとするか……。

 

▼月ゑ日

 

ベルは休日を満喫するため、ヘスティア達と遊ぶことにしたそうだ。私はアイズの住まう道場へ見学も兼ねた「制空圏強化マシーン"オウルヒット君"」の修理を行うために向かうことにした。

 

当然と言えば当然なのだろうが、歓迎するような雰囲気ではなかった。ロキは多少は和ませようと話しているが、チンピラを放り投げたことは許していないという感じだな。

 

中庭にて大きく手を振るうアイズの元へと向かう途中、わざと足を伸ばしてきた者を気当たりで吹き飛ばし、そのままアイズの指差すオウルヒット君を見れば木剣を叩き付けた傷跡が無数に出来ており、内部の配線は千切れていないが、外部の損傷の激しさで動きが鈍くなっているようだ。

 

一応、念のために持って来ていた「疲労回復マッサージチェア"サセバケンザンモドレババッチン君"」を降ろし、じーーっと興味深そうに此方を見てくるロキを椅子に座らせる。

 

ロキは「この出っ張りの下に肩置けばええんやな?」と言いながら座り、その後ろには動力源となるアイズには「前進」と「刺突」を同時に鍛えるキャタピラ式強制ダッシュ装置を装着する。

 

アイズの「刺突」と「前進」によりロキの肩へとマッサージチェアの肩叩き部分がトントントンとリズミカルに落とされ、重りを足せばアイズの負荷を掛けることになり、アイズの敏捷性を引き上げるには最適の道具となる。

 

アイズは自分の後ろから聴こえてくるロキの「ああぁあ…」という声が気になっているのか、五分ほど経過した頃から「ししょう、的をロキに替えよう」と言い出している。

 

それでは修行の意味をなさないぞ?これはロキの疲労回復を兼ねた修行なんだ。先日なんてオウルヒット君との修行ばかりでロキとは会話すらしていなかったんだろ?

 

良い機会なんだ、このままロキと二人っきりで話してみるのも良いかもしれんぞ?

 

 

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