とあるオタク女の受難(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか編)。 作:SUN'S
*月∴日
ダンジョン出入口前、五時間ほど潜ろうと考えているとダンジョン内で助けた大きなカバンを背負った少女に話し掛けられていた。なぜか「冒険者様、はじめまして」と言われたが、情報を得るためには話を合わせる方が良さそうだな。
そんなことを考えながら少女の提示してきた情報を頼りにダンジョン散策を行うことになった。石の回収は任せて欲しいと言われたが、石などウシを抉れば幾らでも出てくるではないか?
そんなことを言えば「冒険者様、ミノタウロスはやめましょう。リリが死んでしまいます」と懇願されてしまった。そうか、ウシは嫌なのか。ダンジョン第5階層、小鬼や犬面のアホを貫手のみで倒しながら歩いていると巨大な腕が通路の端から伸びてきた。
おお、ウシが会いに来てくれたぞ。
少女は卒倒したような奇声を放ち、出口へと逃げてしまった。なんと言えば良いのか、お前にも良いところはあると思うぞ?例えば良品質の石を落とすところとかな。
さっさと死んでしまえば楽なんだが、ウシの癖に無駄な足掻きばかり行うのは生存本能のせいか?ウシの左胸をねじり貫手で穿ち、霧散していくウシを見ながら考える。
*月.日
翌日、ダンジョン出入口前にて少女は「申し訳御座いません」と言いながら頭を下げてきた。とりあえず、少女の取り分を手渡しながら「また、頼めるか?」と言えばビックリしたような表情を見せてきた。
やはり、爺の誘拐する年齢層は子供が多いのか?そんなことを考えながら少女の出してきた地図を見詰める。化け物の巣窟らしき場所はマーキングしており、そこを避けるのは冒険者の鉄則だと言われた。
私は冒険者ではなく武術家だが?
そんなことを思いながら少女の言っていた化け物の巣窟へ向かって歩き出すと少女は諦めたような表情を浮かべた。
それなりに賢明な判断だと思うが、そこまで行きたくないものなのか?等と考えていると「前、前見てください!!」と言われ、顔を持ち上げると見事なまでにウシやアリの群れに囲まれていた。
ざっと見渡してみたが数百程度の軍勢であり、その程度の数では私の首を取ることは出来ない。
恐怖ゆえにガタガタと震えている少女を上空へと放り投げ、ダンジョンの天井を穿つように「不動砂塵爆」を放つ。少しばかり不格好な物見場所となったが、見物するには丁度良いだろう?
地面を見れば待ち構えるように化け物が群がっており、我先にと腕や牙を突き出しているが、私の「滅掌雷轟貫手」の前では無意味だ。口内や喉元を突き刺し、あらゆる部位を貫手で切り落とす。
*月+日
少女から増殖するとは聞いていたが殲滅するのに一日を使うとは思わなかった。コキコキと首の骨を鳴らし、ハローワークの受付にて換金してもらう。流石の私も台車の上に乗った袋詰めの金貨を渡されると驚くぞ?
ふと横を見れば少女は金貨の山を見ているが受け取ろうとしない。フード越しに頭を撫でながら「好きなだけ持っていけ、昨日は苦労させた」と言えば「えっ、でも…」等と見上げてきた。
はあ、溜め息を吐き出しながら少女の暮らしている場所へ案内するように言えば「えっ、ソーマ・ファミリアまで来るんですか!?」とドン引きされた。
さながらサンタクロースのように金貨の袋を背負いつつ、少女の後ろを歩いているとヘスティアを見掛けたため、帰宅の挨拶とダンジョンで手助けされた少女の家へ感謝の言葉を告げてくると言えば「僕も行くよぉー!!」と言いながら飛び付いてきた。
お前はバイトを放置するのか?等と考えていると「ただの売り子だからね、問題ないのさ」と言われた。ヘスティアはすごいな、考えていることを見透かされるのは思わなかった。
おお、少女の家は酒倉のような場所だな。なにやら偉そうな男が現れ、少女のことを罵倒しようとしたため、手加減せずに殴り飛ばしておいた。女だと侮り、私たちへ威張り散らそうとする男には気当たりを叩き込んだら失禁していた。
ずいぶんと不潔なヤツだな。そんなことを考えながら少女の言っているソーマという男が出てきたが、そのとなりに立っていた男から「この酒を飲め」と言われた。
うん、クソ不味い。
私の趣味が熱燗や冷酒だからか?