無能提督の苦悩   作:EGOGAMI

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能督
ネットに顔を晒されるのが大嫌い。
サバゲで使っていた般若のハーフフェイスガードと溶接ゴーグルを付けて参加。

爆督
ネットに晒されようがお構い無し。
寧ろ俺の勇姿を撮れ。

空督
一応白いマスクはしてる。(風邪予防)



#12 ✕公開演習 〇後悔怨讐

2月6日 10:00 演習会場

 

「ではッ!2月6日ッ!ヒトマルマルヒトッ!公開演習を開始するッ!!!!」

 

一々うっせぇな、コイツ。はーめんどくさ....

 

「へーい、よろしゅーお願いしま〜す....」

 

どこにも観客が居ない。居るのは複数のドローンだ。艦の演習となれば敷地面積(海上面積?)も必然と大きくなる。大きくなればその分客席は遠くなる。

だったら客席を作るよりかはドローンを使いネット配信する方がコスト面でも、見る側としても都合が良い。

一応、スマホの持ち込みは許可されてるので公開演習LIVEを見ながら演習をしている。

待てよ、爆督の横に居る金髪パーマショート女の子は誰だ?しかも提督服も着てやがる!

1対2なの?アンフェアマッチ?

ふっざけんなよ....こちとら昨日1日勉強しただけのズブのド素人やぞ?

それに対して根っからの軍人+提督クラスのサポート要員とかズルじゃんいい加減にしろよ....

でもなぁ、もう輪形陣で陣形展開してるからなぁ、今更帰るとか出来ねぇしなぁ....

はぁ....(クソデカ溜息)

 

「やってやろうじゃあねぇかよォ!!!!」

 

◆ ◇ ◇

 

2月6日 10:06 演習会場

 

開始から僅か5分しか経過してないが既に押されている。所謂ピンチだ。

この国にはこんな言葉がある。

 

「ピンチはチャンスだ」

 

「諦めたらそこで試合終了ですよ」

 

いや、負けイベントとかあるからね!?

ウチの編成は榛名改二を旗艦に、時雨改二、山風改、愛宕改、千歳航改二、日向改で編成している。

一方爆督は

 

「え〜と....」

 

霧島姉に無理矢理持たされた艦娘図鑑のページを捲る(めくる)

大和改、翔鶴改二、瑞鶴改二、鹿島改、雷改、電改

旗艦は大和と見て間違い無いだろう。

確かに劣勢だが昼戦は30分ある。残りの25分の間にチャンスは必ず訪れる。

それを見極め相手旗艦に集中砲火を放てば勝機はある。・・・と、思う。・・・多分。

 

◇ ◆ ◇

 

1月26日 09:54 元帥執務室

 

「予定より少し早いな」

 

「あ、はい....スイませェん・・・」

 

集合時間は10時だったけど元帥にとって6分前は少し早過ぎたみたい。

 

「怒っている訳では無いのだがな・・・では改めて貴殿 須藤歩美、階級 准将を加藤龍介の提督補佐に任命する。加藤....爆督の鎮守府への派遣日程は追って伝える」

 

あの地獄みたいな訓練がやっと終わったと思ったら今度は提督補佐として先輩提督から、こき使われんだと思うと憂鬱でならない。

 

小学校6年生の時、妖精さんが見え始めそれを聞き付けた海軍に半ば強制的に士官学校へ入学させられた。

仲の良かった友達とも離ればなれになり青春を謳歌する事なく軍の為に、国の為に精一杯頑張ってきた。

それなのに士官学校は襲撃され練習巡洋艦である先生に庇って貰い何とか生き延びた。

そしたら今度はスタンド?っていうのが見え始め士官学校の同期とも隔離され1人で訓練をする羽目になった。

2度も孤独を経験し、その結果が准将という中途半端な階級と提督補佐という体のいい使いパシリとか冗談にもならない。

挙句、元帥の孫で妖精さんとスタンドが見えるだけで士官学校を卒業する事なく少将の階級を与えられ鎮守府1つを丸々任せられた新米提督も現れる始末。

私は一体何処で人生の選択を誤ったんだろう。

 

◇ ◆ ◇

 

2月6日 10:08 演習会場

 

「部隊へ連絡、警戒陣に変更。相手の艦載機に注意し回避に力を注げ。昼戦は逃げ切る事に専念しろ。オーバー」

 

この演習は昼戦30分、夜戦30分で行われる。

 

演習会場には照明設備があるので昼に擬似夜戦を行う事が出来る大本営きっての超大型設備だ。

突如無線から馬鹿みたいに五月蝿い(うるさい)声が響く。

 

「おーい!!能督ーッ!!!!聞こえるかぁぁぁぁああああ!!!!」

 

コイツ無線の使い方知らねェんじゃあないの?

 

「そんな大声じゃなくても聞こえてるっつーの....で、何ィ?オーバー」

 

そうか。と一言置き爆督は信じられん事を言い放つ。

 

「一応言っておくがこの演習では俺は艦娘達に一切指示しない。助言もしない。俺の隣に居るこの空督、須藤歩美が全指揮権を持っている」

 

嘘だね、絶対嘘だ。

この間、 ”この山風を艦隊に加え次の公開演習に勝利しろ” なーんて言いやがった癖に。

するとか細い声で

 

「あ、あのー....宜しく御願いしますね」

 

爆督が言った空督とやらが、”私、弱いので手加減して下さいねぇ” と言わんばかりの挨拶をしてきた。

 

「俺が降りるとその時点で不戦敗になるからな。だからこうやって空督と2人で居るっつー訳だ!わかったか!?」

 

「分かったから一々叫ぶな。うっさいなぁ....オーバー...」

 

ハーハッハッハと笑うと向こうの方から無線を切りやがった。

 

◇ ◇ ◆

 

2月6日 10:10 演習会場

 

「夜戦まで持ち込めれば俺達の勝ちだ。それ迄頑張って逃げ切ってくれ」

 

「アキk....提督、どうしてですか?」

 

おい今アキくんって呼ぼうとしただろ。

 

「この無線が相手に盗聴されている可能性があるから話せないが、俺を信じてくれ」

 

榛名は数秒間の沈黙を置き ”分かりました” と、一言告げ無線を閉じた。

 





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