無能提督の苦悩   作:EGOGAMI

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能督
研究員をボコった後の事は考えてない。

田中
能督をボコったらドラム缶に詰め海に沈める予定。



#17 一人の研究員と四人のスタンド

2月8日 11:14 執務室

 

「ワタクシも全力でいきます」

 

口の中が軽く溶かされた筈だが、何故かコイツは意外とピンピンしていた。

 

「もしもし、3人お願いします」

 

どこからともなく取り出したカラフルなダイヤル式電話の受話器を耳に当て何か言っているが、意味は理解出来ない。

 

「え〜?なァに言ってるんでぇすかァ〜」

 

全力で煽っていると上から ニュイ〜ンと音と共に大きな配管が生えてきた。

 

「ウィアーナンバーワン!」

 

田中のスタンドと全く同じ・・・いや、限りなく似た見た目をしたスタンドがボトボトと配管から3人落ちてきた。

 

Hey!welcome my friends(ようこそ!わがともよ!)!」

 

最初から居た身長が高いピエロが両手を広げ再会を喜んでいる、様に見える。

 

Is this an enemy(コイツが俺たちの敵なんか)?」

 

少しばかりしゃくれたピエロがコッチを指差してノッポピエロに質問してる、様に見える。だから人を指さすな。

 

There is no mistake(そうに決まってんじゃん)!」

 

今度は小太りなピエロが手を叩き笑いながらシャクレピエロの質問に対して答えている、様に見える。

 

Come on, defeat this man(さ、とっととコイツぶっ飛ばそうぜ!)!」

 

他のピエロより一回り小さいピエロが首を鳴らしファイティングポーズをとる。

ふむ、こんな自我があるスタンドもいるのか、似たようなスタンドが談合している。

パッと見、面白い茶番でもしているように感じるが俺を攻撃する事に間違いないだろう。英語が得意という訳では無いがなんとなくのニュアンスで分かってしまう。

 

「やれっ!」

 

情けない雄叫びと共に4体のスタンドが襲いかかる。

 

「邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔ッ!!!何人に増えようが俺の方が強ぇ!!」

 

などと考えた俺が馬鹿だった。

確かにパワーもスピードもA.スペースの方が上だ。だが、それは1対1の状況であったからだ。

正面のwe're No1を対処しても2.3.4の拳がA.スペースの背中、脇腹、顔面に飛んでくる。

 

スタンドのルール、その2

スタンドが受けたダメージはスタンドマスターにフィードバックされる。

 

シルヴァの時とはまた違う痛み、鈍痛が俺の肢体を襲う。

 

「ずりぃだろ、それ....チートじゃんかよォ・・・」

 

HAHAHA!It's not too loose(ハッハッハ!ズルなんかじゃあないぜ!)!」

 

ノッポピエロが右手で指さし左手で腹を抱え笑っている。だから人を指さすな。

・・・だがコッチだって、唐変木ではない。

一旦距離をとる。この技は相手との距離が必要だからだ。

懐からアルミニウム板を取り出しA.スペースに投げ渡す。

俺は悟られない様にベルトの内側に付けたホルスターに収納された回転式拳銃に手をかける。

以前行ったデパート(#7を参照)でガスガンの玩具を購入していた。それを明石に頼み込み実銃に改造してもらっていたのだ。

いやー、明石の説得には骨が折れたよ。

 

I will give you a quiz now(今からクイズを出します).」

 

4人のスタンドが阿呆面引っ提げてお互いに顔を合わせ頭上には?マークが浮かんでる様だ。

 

「アルミニウムに水銀が接触すると、どーなるでしょーか?」

 

A.スペースはアルミニウム板を両手で挟み込む様に握り、どこかの金髪チビ錬金術と同じ様な神に祈るように胸の前に持ってくる。

 

What are you doing(コイツは一体何をしてんだ?)?」

 

答えは簡単。アマルガムという物体を生成する。

アマルガムは白いふわふわした合成金属で、中は空洞。空洞ということはドロドロにとかした金属をそのアマルガムの中に充たすことが出来る。

融点が低い金属を数種類、アマルガムの中に充たせば次第に固まり即席の槍を作る事が出来る。

液体だった高温の金属を冷水で硬化させ槍にするには時間がかかる。

その間に突っ込んでこられたら回転式拳銃で応戦するつもりだったが、田中のスタンドは自律式故に頭が弱かった様だ。

馬鹿のように槍が完成するまで棒立ちだった。

 

「これが現代の錬金術だ・・・」

 

俺がカッチョイイ決めゼリフを言うとそれを合図に4体のスタンドが再び襲いかかる。

だが、舐めるなよ。

学生時代は厨二病拗らせまくって棍術用の棍棒を買い、動画で研究しまくった俺の棍スキルを舐めんなよッ!

正面のNo.1に一撃、背面のNo.2に一撃、顔面狙いのNo.3と脇腹狙いのNo.4に二撃づつ棍をお見舞する。見たかァ、俺の華麗過ぎる棍捌きをよォ。我ながら今の動きは完璧(perfect)だった。

やはりこのスタンドは頭が悪い。同じ所を同じ様にしか攻撃してこない。

そして、A.スペースが4体の相手をしている間に拳銃をホルスターから抜き両手で丁寧に研究員 田中進夢......ではなく奴が手にしているダイヤル式電話に狙いを定める。

改造した回転式拳銃は22口径。反動は市販のガスガンと同程度。殺傷能力は低いがあの電話を壊す程度は威力がある。

 

ガァーンンッ!!ガァーンンッ!!

 

「うわっ!当たって・・・ない!やーいやーいハズレですよ〜!」

 

4体のスタンドの動きが完全に止まり、俺は静かに電話の方を指差す。

 

綺麗に命中し電話には2つの風穴が空いていた。

 

「あぁ!!ピエロフォンがっ!」

 

スタンドの本体は最初から居たノッポピエロじゃあなく電話の方だった。

 

スタンドのルール その3

スタンドはスタンドでしか攻撃出来ない。

しかし、物体依存型はこれに該当しない。

 

奴のスタンドの能力は人型スタンドを呼び出す事ではなく、人型スタンドを呼び出す機能を普通の電話に付与する能力だったのだ。

というか、そのやけにカラフルなダイヤル式電話、ピエロフォンというのか。だせぇな。

 

「あぁ....な、なんて事してくれるんですか・・・」

 

田中は大事そうに壊れかけの電話を抱きかかえて涙を流す。

だが同情する気もない。同情の余地も無い。

この国を守る艦娘を、命を只のモルモットとしか見てないクソ野郎に生きる資格なんてない。

そしてこんな奴から、此処の艦娘達を守ってみせる。

 

「再起不能になってもらうッ!」

 

今度は俺が奴に飛び掛かりを叩き込む。

 

「これは正規空母の分ッ!」顎に1発。

「これは軽空母の分ッ!」鳩尾に1発。

「これは戦艦の分ッ!」腕に1発。

「これは駆逐艦ッ!重巡洋艦ッ!軽巡洋艦ッ!海防艦ッ!潜水艦ッ!」

 

スピードB、パワーBの拳の雨をクソ野郎の全身に叩き込む。

 

「これも これも これも これも これも これも これも これも これも これも これも これも これもこれもこれもッ!!!!」

 

大きく力を溜める。このクソ野郎をぶちのめす為に。

 

「艦娘のォ分だぁぁぁああああ!!!!」

 

ドゴッ!バキッ!グチャ!と肉を叩く音が加速する。力任せに、疲労でうでが上がらなくなるまで・・・ぶちかますぜッ!

 

Gyaryyyyyyyーーーーッ(ギャリィィィィィィィ)!!!!」

 

気が付いた頃には白衣を着た男の関節はあらぬ方向に曲がり、歯は所々無くなり、顔は痣だらけだった。

これで良かった。そう、これで良かったのだ。

俺が傷害罪で豚箱に入れられようとこのクソ野郎から少なくともこの鎮守府の艦娘を守る事が出来ただろう。

そう、信じたい。

だが犯罪は犯罪だ、そこは甘んじて罰を受け入れよう。

あーあ、ついさっき艦娘達を守るって決めたのによォ....豚箱の中にいたら艦娘達を守れねぇじゃんかよォ。

 




stand name:ウィアーナンバーワン(We're.No.1)
stand master:田中進夢(大本営 艦娘艤装研究所代表取締)
stand spec ピエロフォン本体
パワー E
スピード E
射程距離 A
持続力 A
精密動作性 E
成長性 D

電話にスタンド能力を宿らせる能力。ピエロフォンで電話をかける事で人型スタンドを呼び出す事が可能。
最大四人同時に呼び出す事が出来るが元々のスペックが低いので四人で一人をタコ殴りにするスタイル。
遠隔操作型だが田中が能督と接触する必要があった為敗北。

遂に能督の初勝利です。ぉめでと。
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