無能提督の苦悩   作:EGOGAMI

2 / 29
能督
やだ、提督サボりたい。てか、辞めたい。

元帥
何とか孫に元帥を継がせたい。


兄ウザい。でもいなくなるのはちょっと寂しい。



#1 孫と爺の微笑ましい喧嘩

1月25日 10:14 元帥執務室

「てめぇジジイ!このヤロォォォォ!」

 

叫びながら力強く、だが扉を壊さない様に元帥がいる部屋の扉を開ける。

 

「ジジィと言うな、元帥と呼ばんか。この愚か者め」

 

綺麗な白髪に威厳のある髭、左胸には大量の勲章が飾られているこの元帥こそ何を隠そう、俺(能督)の祖父なのだ。

 

「ジジィはジジィだろォ?このクソジジィがッ!初めて顔合わせて”提督になってもらう”ってなんだよ!勘弁しろよォ!」

 

感情昂った俺に冷静に反論する。

 

「お前も久し振り会った祖父であり、元帥でもある儂に ”誰?このジジィ?” 等と抜かしおったでは無いか」

 

ジジィとの思い出なんざほとんどなかった。

だが、母方の祖母が大事にしていたモノクロの写真を見た事があった為、祖父に会った時に一目で理解した。

 

周りには沢山の妖精さん、そして偉そうに座っている元帥の後ろには体中に矢印が刻まれた亡霊、もといスタンドがこちらを睨んでいた。

 

「そうだ、要らん事思い付いた。」

 

このジジィは元帥だ、そして俺は提督。

詰りこのジジィを殴ることは上司を殴る事となる。

 

上司を殴る→解雇 。

 

カンペキな作戦っスね〜。

元帥が暫くの間、再起不能になるって事に目を瞑ればよォ。

 

「アクアスペーーーース!!!!」

 

自分のスタンドネームを叫びながらジジィに殴り掛かる。

 

「馬鹿者、お前の考えなんざスタンドを使わずとも簡単に読めるわい」

 

何故だ、ちっとも元帥の元にたどり着けない。元帥の執務室は確かに広いが、少し走ればジジィに辿り着く。

 

筈なのに。

 

「相手の力も理解せぬ者に勝利などない」

 

一々癪に障るジジィだな。

 

「・・・ッ、クソッ!」

 

前に進めないと理解した俺は左手を床に付け弾く様に元帥の右に飛ぶ、手と床の間の閉ざされた空間(スペース)に液体窒素を生成する。

冷たい様な熱い様な痛みを伴う。液体窒素は常温で白色の煙を出す、簡単に言うとドライアイスなのだ。その煙で目くらまし位にでもなれば十分だった。

 

少しでも俺を見失えばA.スペースがジジィの右手を叩き折るだろう。ジジィの場所は解っている。

 

死ね!クソジジィ!心の中で叫びながら低姿勢からの右ストレートを繰り出す。

 

「だから読めていると言っただろう、人の話はちゃあんと聞けぃ」

 

液体窒素の煙が晴れると、そこにはA.スペースの渾身の右ストレートを片手で受け止めるジジィのスタンドが居た。

 

「おいおいおい、勘弁してよォ...」

 

こいつ軽々と防ぎやがった、と思わせる暇もくれず元帥のスタンドはA.スペースの右腕を持ち上げた。

つられて俺の体も持ち上がる。

 

だったらよォ....

 

「っしゃオラァァァアアア!!!!!」

 

両足で元帥の顔めがけ、ラッシュをかける。

持ち上げられてるなら俺の両足はクソジジィ(元帥)の目の前だ。

 

殺さないでやろうと思っていたが、そんな手加減は無用だったようだ。

 

◆ ◇ ◇

 

1月25日 10:16 元帥執務室

 

おかしい、やはりおかしい。俺は何故壁に叩き付けられ、陸に打ち上げられた魚の様にもがき苦しんでいるのだろうか。

 

「ぅおぇっ...ぁがぁっ...」

 

コヒュー コヒューと情けない音を出しているのは俺の口だった。

 

「愚かな孫に1つ教えてやろう。儂のスタンド”アローズインハー”は少し先の未来を予見し、触れた相手を任意の方向に飛ばす能力だ。」

 

蹲る俺を見下しながらジジィは淡々と喋る。

ホント癪に障るジジィだな。

 

「...ったくよォ...勘...弁...しろよォ...」

 

完膚無きまでボコられ意識が遠のく。

 

扉が開いたと思ったら、程なくして可愛いらしい声がする。

 

「提督!提督!大丈夫ですか?! しっかりして下さい!提督!」

 

誰だ、俺を提督とか呼ぶ奴は。俺は提督業なんかしねぇ。文句を言ってやりたかったが、顔を見るまでもなく意識を失った。

 

◇ ◆ ◇

 

1月25日 19:38 自宅

 

部活が終わり、友達と喋りながら家に帰ると学校から自宅までの30分などあっという間だ。

 

そしていつもの通りに玄関を開け、家族がいるリビングに、ただいまと呟き、兄ちゃんに「今日も遅かったなぁ、彼氏でもできたのかァ?」

などと茶化されながら荷物を下ろす。

 

そんな日常が今日も来ると思っていた。

兄ちゃんが居ない。どうせ私を驚かす為に隠れているのだろう。

 

居ない、いくら探しても居ない。

母に 何うろちょろしてるの? と聞かれ 兄ちゃんが何処に居るのか尋ねる。

 

「兄ちゃんはね、お国の為に海軍に行ったのよ...暫くは帰ってこないって...」

 

母は俯き、静かに答える。

 

お国?海軍?帰ってこない?訳が分からない。頭が真っ白になった。あの事なかれ主義のサボり魔が国の為に海軍へ?

 

そんな訳がない、誰かが無理矢理連れて行ったに違いない。兄ちゃんは私が助けなきゃ。

 

兄ちゃんは私が居ないとダメなんだから。




stand name:アクア・スペース (A.スペース)
stand master:野上彰成(能督)
stand spec
パワー:B
スピード:A
射程距離:C
持続力:D
精密動作性:A
成長性:C
魚人の様な見た目をした近距離パワー型スタンド。閉ざされた空間を液体で満たす能力。

名前の由来
アクア(液体)スペース(空間)
捻り一切無し。


てか、ジョジョと艦これって詰め込みすぎじゃあない?大丈夫?みんなついて来れてる?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。