機械苦手。10本指タイピング練習中。
元帥
基本直筆。最近ちょっと高い万年筆買った。
爆督
ワープロ検定2級所持。Enterだけでなく、普通のキーを打つ時も喧しい。
恐督
資格は持ってないけどめっちゃ達筆。右手で書いてるけど実は左利き。
2月14日 11:58 能督執務室
極めて静かな空間にカタカタとタイピング音とチッ、チッという秒針の音が虚しく反響する。
─────────
「・・・んッ、......ふぅ」
やっと終わった。
そもそも
「お疲れ様です!提t....空督は珈琲じゃあなくて紅茶でしたよね、ご用意してますよ♪」
睦月型駆逐艦 一番艦 睦月が一日秘書艦としてついてくれる事になった。
ここに来る前は爆督鎮守府の艦娘寮に住まわせてもらっていたが、択捉の配備の付き添いとして能督鎮守府に来て襲撃の事もあり1度も帰宅していない。
重巡の娘達の協力(主に衣と住)もありそこまで不便をしてなかったが、私物が全く無いのは少し心地悪い。
風呂も毎日入れさせてもらっている。風呂での駆逐艦の娘達からの質問攻めは、申し訳無いが少し辛い。そんなにスタンドの事、気になる?
USBに報告書のデータを移しパソコンの電源を入れ落とし背もたれに身体を預けると机の傍らに置かれた紅茶の芳醇な香りが鼻腔を撫でる。
「あー、ありがとう睦月。で、あの薄ら笑いチビ.....じゃあなかった能督は今どこ?」
「提督なら自室にいらっしゃるみたいですよ!」
ニコッっと太陽の様な眩しい笑顔を見せる。
こんな可愛い笑顔を見せられたら ”私も一応提督(見習い)だよ?” なんて意地悪言えないな。
ありがとうね、と紅茶を飲み干し立ち上がると腰にヴァイブレーションの感触が。
「およ?どうされました、空督〜?」
海軍から貰ったiPh〇ne ─ 通称 海phoneの通知画面を開くと睦月が背伸びをして覗いてきた。
通知が2件来てる。元帥→空督、大本営への車を用意した、12:00過ぎには着くはずだ。恐督も乗っている、彼と情報共有せよ。
やっと帰られる、そんな喜びよりも負の感情が勝ってしまった。
恐督、本名は確か冨樫侑斗。
彼の艦娘が戦うと演習相手だろうが深海棲艦だろうが突如降ってくる赤い雨により艤装が故障し動かなくなる。難関海域も恐督の指示により突破し齢28にして大将まで上り詰めた強者。
聞いたところによると、かなりの性格破綻者であり彼の暴走を止めようとした何人もの憲兵を病院送りにしたとか.....海軍に身を置いている以上、いつかは関わりを持つ事になると覚悟していたがこんなにも早くだとは思いもしなかった。
2件目、元帥→空督、もう恐督とは合流したかね。彼は少し気難しい性格だが決して悪い人間では無い。宜しく頼む。
ん、12:00とか言っていたけど今何時かなぁ・・・
やばい。
海phoneの左上に目をやると12:09の字を示していた。急いでポッケに突っ込み執務室を飛び出す。
「ごめん睦月、用事が出来た!紅茶美味しかったよ、ありがとッ!」
◆ ◇ ◇
2月14日 12:12 鎮守府正門前
「はぁ、はぁ....遅れて....スイませぇん....」
肩で息をするこの女、元帥の話によると空督とか言ったか。別に集合時刻が決まってなかったから遅れて来たとは言えないのだが。
「乗れ、話は車の中だ」
失礼しますと一礼をし、キャデラック・ワン、提督専用車に乗り込む。金髪パーマの癖に礼儀は弁えている様だ。
「初めまして、須藤歩美、階級准将、スタンド G.マシーン、二つ名は空督です。改めて宜しくお願いします」
隣に座り軽く会釈をしながらの自己紹介か、その程度の情報なら元帥から聞かされている。コイツも俺の情報を元帥から聞かされているだろうが、此方も挨拶するのが礼儀だな。
「冨樫侑斗、階級大将、スタンド
忘れない内に元帥からの任務を果たさねば。
先ずは先日あった深海棲艦襲撃の報告書を回収しなけr....
「なぜ大将なる恐督が直々に来られたのですか?」
面倒臭いな、コイツ。
「報告書の回収と面談だとよ、スタンド使いの提督同士親睦を深めろだとか。そんな事はどうでもいいさっさと報告書を渡せ」
あ!と気付いた様にポッケからUSBを取り出した。まさかコイツ報告書はデータで提出しようとしているのか?本当に面倒臭い奴だな。
「はぁ...確かに受けとった。だが俺は他の提督と親睦を深めるつもりは毛頭ない、大本営に着くまで黙っていてくれ」
空督は借りて来た猫のようにシュンと縮こまり黙り込んだ。これでいいんだ、これで。俺達提督はいつ死ぬか分からない仲が良くなればその分別れが辛くなる、別れを悲しむくらいなら最初から馴れ合わないほうが良い。艦娘に対してもそうだ。
俺が大将まで上り詰めるのにかなりの犠牲を要したから言える事だが。
別に艦娘は兵器だからとぞんざいに扱うつもりは無い。あくまでこの国を守る艦と提督、それ以上もそれ以下でもない。
ただ、それだけだ。
◇ ◆ ◇
2月14日 12:30 大本営 元帥執務室
「相変わらず時間通りだな、爆督」
「はッ!それで元帥、御用とはッ?例のマニラの件だろうかッ!」
何回も大本営に呼び出して悪いと思ったが爆督の口振りからして一刻も早く爆督鎮守府に帰りたいと見える、いや只せっかちなだけか。以前読んだ”良い上司になるには” という本には長話をしてはいけないと書いてあった。
「察しが良いな...その通り謎のスタンド使いの事だ。彼女について新しい情報が入った」
爆督から笑顔がスッと消え動きが止まる。
「マニラが深海棲艦だということですね」
着用していた衣服は違えど外見が深海棲艦の戦艦レ級に酷似していた事から他の深海棲艦のDNA鑑定を進めていた。
「うむ、その通りだ。マニラと深海棲艦のDNAがほぼ一致した。という事は必然的に深海棲艦が陸からも侵略してくる事の証明になる。」
いつも喧しい爆督がこんなに静かになるのは初めてかもしれない。
「今の所スタンド使いは爆督、空督、恐督、測督、列督そして新しく着任した能督しか居ない。」
爆督は帽子を深くかぶり口を開く。
「今までの提督達の失踪はやはりスタンド持ちの深海棲艦が原因と見て間違い無い・・・ですね...」
今まではスタンド使いではない提督も数人在籍していた。しかし一人、また一人と謎の失踪を遂げスタンド提督を各鎮守府へ派遣し、生き残ったスタンドを持たない提督は大本営で執務を担当して貰っている。
そして奇妙な事にスタンドを使える提督の出現と提督の失踪時期が被っている・・・
だが、
生きている保証は無いがどの提督も何かを残して消えている。珈琲が入ったマグカップやハンカチ、革靴や提督帽など何かを残してぱったりと消えてしまったとの報告があった。
「爆督、君たちにはこれからも苦労をかけるがスタンドを持たない提督の代わりに頑張ってくれ」
「無論だッ!この加藤龍介ッ!全身全霊でこの国を守ってみせますッ!!」
爆督の眼には火が灯り敬礼ははいつもの数倍頼もしく見えた。
よく大本営に呼び出されお忘れかもしれませんが爆督は鎮守府を1つ任されており、空督が補佐官として運営しております。
空督は地毛で金髪ロングですがショート金髪パーマのウィッグで生活してます。理由は