犬派。やたらと懐かれる。スタンド G.マシーンact1が犬っぽい
恐督
犬派。ドーベルマンとかシベリアンハスキーとかデカい犬好き。
元帥
猫派。引退した後は縁側で猫を撫でながらお茶を啜るのが夢。
能督
圧倒的猫派。家で二匹飼ってた。
2月14日 16:30 大本営 元帥執務室
「階級 大将、恐督 冨樫侑斗及び・・・」
「階級 准将、空督 須藤歩美です、ただいま参りました」
恐督は大将、私は准将。口に出してみて改めて思い知らされる私の立場。
昇進欲がある!とは言えないが、どうしても惨めに感じてしまうのは何故だろう。
「入り給え」
私を
開けた扉がいつもより重かったのは気持ちの問題だろう。リフォームした訳でもないだろうし。
「最近の若者はちゃあんと時間を守れて立派だな」
手を後ろで組み窓の外を眺めながらそん言葉を
「猿渡元帥、そんなくだらん事は憲兵にでも言ってくれ。俺達スタンド使いに用があって呼んだんじゃあないのか?」
大将よりも上の階級、元帥。そして年上でもある猿渡元帥に対して
「そんな事を言わんでくれ恐督、年寄りの雑談に少し付き合ってくれてもバチは当たらんだろう?」
振り向きながら話す声色は少し優しくなったがそれでも元帥の表情は硬いままだ。横目で恐督を見ると拳を強く握り込みぷるぷると震えている。
「元帥、お言葉だがこんな悠長な事を言っている場合じゃあ無いだろ!
そう言う恐督の目は血走り握り込む拳からは鮮血が零れていた。皮膚を・・・肉を抉るほど強く拳を握っていた恐督のオーラは今にも元帥に殴りかかりそうだった。
「落ち着け、スタンドを使う深海棲艦は一般人には危害を加えてない上に同時に来るスタンドを使わない深海棲艦は強いと言えるものでもない。・・・恐督、君の心中も分からん訳では無いが、一旦立ち止まって冷静に物事を見る事が大事と言えるだろう。違うかね?」
元帥の
「それでだが、要件は二つだ。一つ目は空督、君を准将から少将に昇進させる事、そして二つ目は・・・
◆ ◇ ◇
2月16日 09:23 第一ダイニングルーム
「能督さん、能督さんは
この
それに
・・・てか俺は別に美容師を目指して訳では無い、元々はネイリストを目指していたがそれだけでは食べていけないという至極現実的な理由から美容学校に通っていた。
うん、ホント世の中、世知辛いのじゃーーーー!
「別に美容師を目指してた訳じゃあ無いんだけど...まぁいいや、1年しか行ってないからホントに毛先整えるくらいしか出来んけど良いの?」
鹿島ちゃんは大きく頷いた。それでいいのか。・・・まぁ良いか。
いや良くねぇーよ!!
何故なら!日本国憲法で
[美容師は「美容を業とする者」といい、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない]
と、明記してある。
つまり1年しか行っておらず免許を持っていない俺は鹿島ちゃんを相手に髪を切る事を許されていない。
※
「俺免許持ってないから出来んよ?それにシザーズも無いし...」
すると鹿島ちゃんは紙袋から黒のジッパー式見開きポーチを取り出した。
俺はこのポーチを知っている!いや!この中身のその使い方を知っている!
「こんな事もあろうかと能督さんの御実家から取り寄せていただいてます♪あとついでにケープとカットコーム、シザーポーチも!」
ポーチのジッパーを開くと間違いなく美容学生時代(3週間前)に使っていた正真正銘
「びっくりするくらい用意周到だねぇ・・・」
ちょっと意地悪ともとれるこの言葉を褒め言葉ととったのかニコっと眩しい笑顔を向ける。可愛い。・・・って違う違う、そうじゃ、そうじゃあない。
「じゃあシザーズの準備するから椅子に座って・・・」
と、言い終わる前に着席しケープを巻き
「そう言えば能督、先程免許が無いから違法と仰ってましたが・・・」
香取姉に続き鹿島ちゃんも口を開く。
「私達は人間ではなくて艦なのでギリギリセーフじゃあないですか?」
香取姉と鹿島ちゃんのその言葉を聞きシザーズを
「えぇ!?の、能督さんどうしてですか?なんで片付けちゃうんですか!?髪、切ってくれないんですか?」
俺がここに来て3週間。無理やり
「俺は艦娘の事を兵器という前に一個人と考えている。確かに艦娘は人間じゃあ無いし我儘と言われるかもしれんが艦娘を人間じゃあ無いと言う奴と仲良くするつもりも
鹿島ちゃんは俯いて黙り込んでしまった。決して悪い娘では無いと思うし、そう言い切れる。だが本人達にも
「・・・能督さん、ごめんなさい。そうですよね、私みたいな艦とは仲良くしたくないですよね...勝手な事してごめんなさい。私もう爆督の所に帰りますね...」
ん?この娘は何か勘違いをしてるじゃあねぇの?俺は誤解と言う言葉が大っ嫌いだ。極めて無駄だし、その上変な噂が立つこともある。だからしっかりと、きっちりと、きっぱりと誤解を解かにゃならん。
荷物を纏め扉へと向かう鹿島ちゃんの腕を掴む。止めてでも誤解を解かにゃならん。
「俺は君達に自分を大切にして欲しいだけだよ、鹿島ちゃんの事が嫌いっていう事じゃあない」
振り返る鹿島ちゃんの目からは落涙し、鼻は赤く・・・うぐっ、えぐっ...っと嗚咽を漏らしていた。手袋は涙で濡れ色が変わっている。
俺の言葉はそんなにまで重かったのか、ウザかったのか、心を傷付けてしまったのか。
なんか悪い事をした気分・・・というか男が女の子を泣かせちゃ駄目じゃあねェか!!
「あ、えっと...あの、、その...俺こそゴメンな。ちょいと言い過ぎた・・・かもしれん...だから泣かないでくれ、鹿島ちゃん。」
掴んでいた腕を離すと今度は鹿島ちゃんの方から俺の手を握ってきた。俺の右手に鹿島ちゃんの柔らかい左手と硬い鋼の右手の感触がつたわる。
「では、能督さん。私に泣き止んで欲しければ鹿島ちゃんではなく、鹿島と呼んで下さい」
この台詞を聞いて分かった。この娘強いな!
まさかとは思うが泣いたのは演技で帰る振りをしたのか?・・・俺の考え過ぎか?
「あー・・・分かったからさぁ...あのォ、恥ずいから手を離してくれんかね、鹿島さん...」
「能督さんったらお茶目さんなんだからぁ、鹿島さんではなく、
手を握る力が強くなる。やっぱ強いなこの娘!
「分かったさぁ...か、鹿島ちゃ...鹿島?手を離してもらっても・・・ね?駄目?」
「今私は少し怒っているのです!手を繋いで一緒に酒保に行ってくれないと、私を泣かせたことをこの鎮守府中に言いふらしますよ♪」
手を握る力がより強くなる。やっぱ強いなこの娘!色々とッ!
香取姉ぇ、助けてくれぇとアイコンタクトでサインを送る。気付いてくれぇ、この娘をどうにかしてくれぇ。
だが香取姉は手指で口を隠し、ふふっと笑うだけだ。しまった、ちゃんと香取姉の授業を聞いてよゐこにしておくんだった、と今になって思う。後悔先に立た・・・なんちゃらかんちゃら、とやらだな。ちくしょうめ。
改めて鹿島の方に目をやると鼻は赤くしているが泣き止み、あの笑顔を浮かべている。可愛い。
「分かったから先にこの道具を
「酒保でのデートですよ、能督さん?」
何処かで聞いた事がある、鹿島はサキュバスと例えられ程の艦娘だと。鹿島の薄く開いた瞳からその
何処かっていうか大本営の憲兵さん達だけどねぇ。
◇ ◆ ◇
2月15日 14:24 元帥執務室
「ほう、交換留学にレクリエーションか・・・悪くないな」
儂は提督達の申請書類に目を通していた。その中の一つ、先日来た爆督からの要請書。鎮守府間での親睦親交を深める為の交換留学、及びレクリエーション。
恐督の言う通りもっと深海棲艦に対する警戒を強めた方が良いという考えも尤もだと儂は考える。だが、過去に二度あったスタンド使いの深海棲艦の襲撃時はスタンドを使わない深海棲艦の援護が極めて薄かったのもまた事実。
この推測が正しければ今現在、深海棲艦達は海からの侵略を薄くし、 陸からの侵略にシフトチェンジしているのかもしれん。
艦による鎮守府への襲撃が減れば艦娘の消耗は軽くなる、しかし反比例するように提督への危険性が極めて高くなる。
スタンドを使う深海棲艦。スタンドはスタンドでしか倒せない。このルールが有る以上、普通の提督は文字通り手も足も出ない。
ただでさえ少ない提督を減らされこれ以上減らされるとなると艦隊司令部の運営も怪しくなってくる。
そこでスタンドを使える提督の出番という訳だが、そう簡単にはいかない。
元帥である儂の要請も
熱血漢が故に反抗、熱血漢が故にスタンド使いの深海棲艦の捕縛に対して疑問を持つ爆督。
先日見事エルトという深海棲艦を撃破したが能督と犬猿の仲である空督。
スタンド使いとしても有能、提督としても有能だが他の提督と協力を拒む恐督。
性格は問題なし、提督としてはこのうえ無い程頼もしいが艦娘への指揮によるもの故に個人だけでは少々力不足な測督。
対スタンド使いとしては申し分ないが艦娘に対する過度の性的好意を含んだ言動等の為、鎮守府の運営が危ぶまれている蝋督。
どれをとっても一癖も二癖も三癖もある連中ばかりだ。個人の性格にとやかく言うつもりは無いが、ここまで出る杭ばかりだと心配なのが複数で襲撃された時だ。1vs1だったら爆督も空督も勝てた。だがもしもスタンドを使う深海棲艦が複数で襲撃して来たら・・・多勢に無勢。スタンド使いの提督達ですら、この儂ですら敗れてしまうやもしれん。
その時を考慮して提督間、鎮守府間でのコミュニケーションを取りやすくする事は何より大事だと儂は考える。
そう考えてた矢先にこの申請、爆督も内心この危機を分かっていたのだろう。なんと頼もしい事か。
若者達のこれからの奮闘に期待を込め元帥の認証印を申請書に押した。
◇ ◇ ◆
2月20日 15:08 能督鎮守府 中庭
「ふぅ〜...なぁんであの娘達は俺に
今の鎮守府は軽く
一方渦中の俺はと言うと中庭にある植木の影で葉巻を一服していた。
酒と煙草はしないが葉巻は吸う、厳密に言うと”くゆらす”だが。確かに葉巻の種類はかなりあるがギャングやマフィアのボスがやってるような割かし太めのモノを想像して頂けるとそれだ。
ここに来て1ヶ月・・・は、まだか。うん、1ヶ月は言い過ぎた。だが、長い事我慢した。そこは褒めてくれてもいいと思う。
緑の植木に白の提督服は目立ち過ぎる、カムフラージュ率だだ下がりだ。
そんな時に買っててよかった迷彩服!!ウッドランドタイプの迷彩服上下+タクティカルベルト3点セット(税込み7238円)を高雄姉と愛宕姉にバレないように買っておいたのだ。
流石、俺!!策士、俺ッ!!!
バンダナと迷彩服を着、隠れながら葉巻をふかせば何処かの蛇になった気分だ。
まぁ副流煙に気を使う半分、見つかってしまったら半分の理由だが。
葉巻の今にも落ちそうな灰を携帯灰皿におさめる。環境に気を使う半分、痕跡を残してしまったら半分の理由だか。
以前、葉巻は灰を無闇に落とさずに吸う様にしていたが、うっかり落としてしまうこともあるかもしれない。それは駄目だ、あってはならない。
「ぷふぁ〜...良きだぁ...全くこの銘柄を売っている酒保は・・・良い、センスだ」
ゆったりとした時間が流れる、心地が良い。とても良い。サバゲを趣味にしていた者にとって低姿勢はあまり苦ではない。それにかの有名な
パシャ!っというシャッター音が鳴った。
「司令官、青葉、見ちゃいました♪」
カメラを手にしたグレイッシュピンクの髪に青い瞳の少女がニコッと・・・違うなこの笑顔はニヤリだ。今撮った写真で俺をゆするつもりだろう、そうに違いない。だがここで少女に飛びかかりカメラを奪うような事はしない。数少ない葉巻をパァにはしたくないし、そもそも飛びかかろうとした日には榛名姉や山風ちゃん達からなんと言われるか分かったものじゃあない。
「あれれっ?意外と冷静なんですね。なんかもっと、こぅ...アクア・スペースッ!そのカメラを奪えええッ!!とか言うと思いましたよ?」
「そんな野蛮な事は
おちゃらけながらそう言うと青葉ちゃんはフフっと笑って見せた。良かった、今度の笑顔はニヤリじゃあなかった。
「司令官は前任と同じで柔和なんですね。じゃあこの事、艦隊新聞に使わせていただいて良いですか?」
カッチーン、今のは頭に来ました。
「今俺の事なんつった?」
不意に出してしまった低い声に驚いたのか青葉はひぃっと飛び上がり2〜3歩下がった。
「や、やっぱり艦隊新聞は駄目・・・ですよね、ゴメンなさい!謝るから許してぇ!」
早口で謝りながら頭を下げる。だが・・・違う。
俺が怒っているのはそこじゃあない。
「青葉ちゃん?ちょっと今から俺、口悪くなるけど許してね。・・・すぅ、ふぅ...今、俺とクソジジィが同じとか言っただろ。そっちだ、そっちを撤回しろ。その発言を撤回しろ、今すぐにだ」
「は、はぃ!撤回します!ゴメンなさぁい!撤回しますからぁ許してくださぃ!」
目の前の深々と頭を下げる
「ゴメン、青葉ちゃん。ちょいと言い過ぎた・・・でもあのクソジジィとだけは一緒にしないでくれよォ?」
は、はぃ...と頬を搔く青葉ちゃん。おでこは軽く汗ばんでいた、そんなにも俺が怒ったように見えたのか?すると近くから聞き慣れない声がした。
「青葉ー、どこー?どこ行ったのー?おやつにするよー?」
青葉ちゃんが声の方を一瞬向いた好きに
茂みの隙間からさっきの所を観ると青葉ちゃんと同じ髪色をしたツインテール少女が青葉ちゃんと話していた。
今いる隠れ場所からそこそこの距離があったが、この俺の聴力を舐めるなよォ...
「青葉、こんなトコでなにしてたの?」
「ああ、司令官とお話してたの!・・・ってあれ?司令官ッ?どこー?」
青葉ちゃんがキョロキョロと辺りを見回すが俺を見つける事は出来ないようだ。へへッ、どーだ?凄いだろォ!
「何言ってるの?青葉、能督なんてどこにもいないじゃあない。それよりも早くしないとクッキーなくなっちゃうよ?」
「クッキーは欲しいけどガサも新しい司令官の事、気にならない?」
ガサ・・・?ガサって誰?このツインテールちゃんの事?するとそのガサっという娘も辺りを見回した、さてバレるのは不味い。葉巻をステンレス葉巻ケースに入れ、第四匍匐から第五匍匐へ体勢を変える。葉巻はちゃんとしたケースに入れれば、そのケースの中の酸素が無くなり自然に火は消える。地面にピッタリと全身をつけ・・・いや、俺は地面だ。
「しれいかーん!どこですかぁ?」
ハッハッハー!どうだ!俺のカムフラージュは!!隠密行動は!!凄いだろう、凄いだろうッ!
「あ、いました。司令官、みーつけちゃいましたよ?出てきて頂ければこの写真削除しますけどぉ?」
カマだな、カマをかけてるだろォ?俺のカムフラージュは完璧だ、見つかる訳ない。少しずつ後退しよう、バレる訳ない。
タッタッタッタッと足音がコッチに向かって真っ直ぐ近づいてくる、後退していた自身を止める。
「トントン、司令官?一緒にお茶しません?」
顔は真下に向けているから俺から見えるのは青々とした芝生、葉っぱで青葉・・・ゆーとる場合か!肩をトントンされた、気分はぐる〇イの自腹・・・ゆーとる場合かァ!!聞いてみるか。あ、顔は上げないよ?
「な、なぜ・・・分かったん?」
「ふっふっふー、女の子のおめめは2つじゃあないんですよ、司令官?」
「いや、隠しカメラ見れるのは青葉だけでしょ?」
な、何ィィイイ!!か、、隠しカメラだとォ!!??そのカメラで俺の位置を見たのかぁ...ズリぃ・・・それはずりぃよォ...
「ガサ、それに司令官、小さい事は気にしてはいけないのですよ・・・」
いや気にするし青葉ちゃんのその台詞、何処のBig Bossだよ、俺は黒人エンジニアかよ。
はぁ・・・俺も根負けだよォ。さてそろそろ顔上げて話すか。
「分かったよ、どこでおやつにする?着替えてくるからLINEで場所送っといてちょ」
そう言いながら立ち上がり迷彩服に少し付いた土をはたき落とす。まぁ行くとは言ってませんがァ。
「逃げるかもだからこの衣笠さんがお供するよっ!」
ほう、この娘は衣笠さん?ちゃん?と言うのか。・・・俺の信用ZE ⤴︎ RO ⤵︎ ︎(ニュース風)だね。おかしいな、目から汗が出てきた。
パクリが多い?違います、オマージュです、リスペクトです。はい。
能「てか、
青「いやー、青葉たちはねぇ・・・」
衣「硝煙とか燃料とかで慣れてるからねぇ」
能「なるへそ」
青&衣「いや、へそが気になるんよ」