無能提督の苦悩   作:EGOGAMI

5 / 29
能督
みんなでワイワイとか嫌い。

榛名
パーティとか積極的に参加する系艦娘。

大淀
大体司会を任される系艦娘。

長門
いつの間に幹事にされてる系艦娘。



#4 歓迎会に出たくない主役と逃がさない艦娘

1月28日 11:33 鎮守府1階廊下

 

「ねぇさぁ、やっぱり歓迎会なんてしなくて良くない?あくまで臨時だしさぁ...」

 

まるで足枷が付いた様な重い足取りで歓迎会の会場である中庭に向かう。

 

榛名姉とおててを繋いで。

 

俺が逃げ出さない様にだろう。

もうね、半ば諦めてるからね。

この状況他の艦娘が見たらなんて思うのかな?まぁ、上司(提督)部下(艦娘)じゃあないね。

どうせ姉と弟だろうね。

 

.....ハァ、身長ほしぃ.....

 

◆ ◇ ◇

 

1月28日 11:30 執務室

 

身体の傷が治る2日間、足枷(物理)をされた状態で金剛型4姉妹がずっと看病(監視)してくれた。その間に艦娘型録とやらで此処(鎮守府)駐在の艦娘の顔と名前などを叩き込まれた。

 

それから、さぁ本格的に仕事をしなきゃならなくなった。と思った矢先、大淀から歓迎会開催の報告があった。

 

大淀から歓迎会の話をされた瞬間に廊下に出て逃げようとしたら、恐らく待ち構えていたであろう長門に捕まった。

 

捕まった挙句、片手で持ち上げられたからね。

足、床に着いてなかったからね。

手、めちゃ痛かったからね。

 

あれ?何かこの状況、前にもあった気がするぞ?これがデジャブというものなのか。(違います)

 

大淀は執務室から小走りで長門に近寄り感謝を述べる。

 

「長門さん有難う御座います。危うく逃げられる所でした」

 

いや俺を持ち上げて会話すんな。

 

「この提督には首輪でもした方がいいんじゃあないか?」

 

長門姉が狂気じみた事を口走る。

 

不本意だけど仮にも提督だからね、俺。

 

「勘弁してよ長門姉、貴女が言うと冗談に聞こえないんだけどォ....」

 

「冗談では無いのだが」

 

それマジ?

 

「え?...ほ、本当に言ってるんです...か?」

 

ほら、大淀もちょっと引いてんじゃん。

ちょっと可哀想すぎるよ、俺。

 

「提督!歓迎会の準備が出来ました!さぁ一緒に行きましょう!」

 

榛名がたわわに実った2つの果実を大きく振りながら走ってくる。

 

「あのぉ...欠席とかって出来n...」

 

「だめです!」

「論外だ」

「有り得ません」

 

そんな同時に言わなくても良いじゃんかよォ。てか長門姉、早く下ろして。腕、超痛いから。

 

◇ ◆ ◇

 

1月28日 11:35 鎮守府1階廊下

 

「俺さ、未成年なのよォ」

 

「知ってます」

 

榛名姉は俺の手をしっかりと握り引っ張る様に歩く。

 

「お酒とか飲めないのよォ」

 

「ジュース等も用意してあります」

 

ニコニコはしている、俺も榛名も。

だが、俺の手を離す気は全く持ってないらしい。

 

「提督、もう諦めたらどうです?榛名もサポートしますので...」

 

そう言う榛名は何処か寂しそうだ。

何故そんなに俺に固執する?幼い頃に一緒に遊んだから?元帥の孫だから?

 

「次辞めたいとか言ったらみんなの前で ”アキくん” って呼びますからね」

 

「勘弁して下さい」

 

そんな茶番をしていると、後ろから元気な声が廊下に響く。

 

「て、提督が若返ってるっぽいー!」

 

元気な声で抜かした事を言う彼女は.....そう、確か夕立とかいったかな。

 

「いや、若返ってn...」

 

きっちり否定しようと振り向く頃には夕立、もとい ”狂犬” が俺に飛び掛っていた。

 

______

 

 

「...嗚呼ぁぁ...気持ち悪ぃぃ...勘弁してくれェ...」

 

気づいた時は狂犬に覆いかぶさられ、俺は顔面から倒れる衝撃を何とか両手で吸収した。

 

...ったく、いったいなぁ...と一言、言ってやろうと思う頃には既に肩甲骨辺り迄ある自慢の黒髪を噛み始めた。

 

「夕立さん、離れて下さいぃ....」

 

榛名は必死に俺から夕立を剥がそうとしてるが夕立はビクともしない。

夕立半端ないって、戦艦が駆逐艦に力負けする事なんてある?

そんなん出来んやろ、普通....

 

「そ、そうです!提督、彼女の事を ”ぽいぬ” と呼んでみて下さい!」

 

ん?どゆこと?ぽいぬって何?

いや、考えるのは後だ。兎に角髪を食べられる不快感から抜け出せるなら何でも良い。

 

「ぽいぬ!」

 

「ぽい!」

 

夕立はすぐさま上体を起こし俺の背中に

”お座り” している。

 

よぉし、ぽいぬと呼べばこの狂犬は言うことを聞くらしい。

 

「ぽいぬ!俺の上から降りなさい!」

 

ぽい!と返事(?)すると驚く程素直に俺から降りてくれた。

 

でも何故?Why?

 

「夕立さんは前任から ”ぽいぬ” と呼ばれていました。それで...」

 

そんな俺の心情を読んだ様に榛名が口を開く。榛名はエスパーか何かなの?

 

だが納得した。納得は全てに優先するからな。いや、スルーしようとしたが待てよ。艦娘をペット扱いして躾けるとかどんな変態だよ(誤解です)

今度会ったら説教の一つでもしてやろうか。

 

「よォし!ぽいぬ!歓迎会へと向かう俺に同行しろ!」

 

「ぽいっ!」

 

夕立はちゃあんとリードを握ってやれば言うことを聞く良い娘という事が分かった。

そして俺の後ろ姿は若かりし頃の前任者に瓜二つだったらしい。

 

でも、若返りはしないだろう。若返りは。

 

夕立の言動に首を傾げながら1歩、又1歩と歓迎会(行きたくないけど提督は強制参加)に向かうのであった。

 

__________

 

 

後から榛名から聞いた事だが、この鎮守府は以前、俺のジジィが提督を務めていたらしい。

それから大手柄を上げ元帥へと成り上がった為、俺が来るまでの2週間、提督が居ない鎮守府、不在鎮守府となっていたらしい。

 

いや、ジジィかよ。艦娘をペット扱いしてる変態は....(誤解です)

 




ぽいぬこと、夕立の登場です。

改二のぴょこぴょこした耳毛好き。
てか白露型 総じて好き。まだ全員お迎え出来てないけど。

誤字点検してくれるリア友、マジ感謝やで。ほんま。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。