武昭が教室に入り自分の席に座ると同時に慌てたキンジが入ってきた。
「よっ、ツギ 大丈夫だったか?」
「あぁ、何とかな……俺もだけど、アキの方は大丈夫だったのか?」
「大丈夫だから、ここにいるだろ……それよりも何か疲れてるな」
「あ、あぁ、ちょっとな……おっ先生が来たな」
そう言うとキンジは自分の席に座った。
先生がHRを終えると転入生がいると言うので教室に入る様に促すと、その相手を見たキンジが顔を青くした。
その相手は
「先生!私あいつの隣に座りたいわ!!」
「おい!キンジ!良かったな!なんかお前にも春が来たみたいだな!先生!俺、転入生さんと席を変わります!!」
キンジの隣にいた武藤と言う男子生徒が席を交換した。
そして席に座った時だった……
「あっ、キンジこれ、さっきのベルト」
アリアがポケットからベルトを出したのを見たクラスメイト達は軽く固まっていた。
そんな中、金髪のツインテールにフリルが着いた制服を来た女子生徒
「理子分かっちゃった!これってフラグがバッキバキに立っちゃってるよ!!」
(あぁ……そういや理子は、そんなゲームが好きだったっけ……)
「キーくんは彼女の前でベルトを取る様な行為に及んだ……そして2人は、そのまま恋愛関係に……」
理子の言葉にクラスメイト達が騒ぎ出した。
「な、何が恋愛関係よ!そんなのくだらないんだから!!」
(そうだろうなぁ……まぁ、ツギの奴がそう言う事に嫌悪感を持ってるからなぁ……)
「全員良いかしら!そんなバカな事を言う奴は……風穴開けるんだから!!」
そう言いながらアリアは二丁拳銃を発射して座った。
(ツギ……放課後にでも事情を聞かせてもらうぞ?……)
(あぁ、分かってるよアキ……)
武昭とキンジは目で会話をしていた。
その日の昼休み、屋上で武昭は白雪とお弁当を食べていた。
「俺も料理は作るけど、やっぱりユキの方が上手だな」
「褒めてくれてありがとう、アッちゃん……ほら、一気に食べると喉に詰まらせちゃうよ?」
「おぉ、ありがとうなユキ……それにしてもいつも悪いなこんなに沢山作ってくれて」
武昭の前には5段重ねの重箱が置いてあった。
「気にしなくて良いよ、これは私が好きでやってるんだし……それにアッちゃんは美味しそうに食べてくれるから……」
「そうか……フゥご馳走さん……それにしても今朝の事件だけど……何か気になるな」
昼食を終えた武昭は手を枕にして横になった。
「アッちゃんは、どう考えてるの?」
「そうだなぁ……多分だけど、あの事件は何かの始まりみたいに思えるんだ……フワァ……」
「アッちゃん?……やっぱり朝のアレで疲れてたんだ……このままなら頭が痛いよね?……」
白雪は昼食を終えると武昭に膝枕をした。
昼休みの間、白雪は顔が綻んでいた。