武人勇者の戦闘記 ~最強殺人剣の継承者、勇者に選ばれたので、異世界で死合を謳歌する~   作:カゲムチャ(虎馬チキン)

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23 奥底に潜む者

「あら~ん、本当に狩ってきたのねぇん! あなた達凄いわ!」

 

 冒険者ギルドを出た後、まずは当初の予定通り、胴体を解体して取り出してもらったジャイアントスパイダーの糸をヴィオラ殿の店へと持ち込んだ。

 そして、改めて道着の作成を依頼。

 ヴィオラ殿は「任せなさぁい!」と鼻息荒く宣言し、早速仕事に取り掛かってくれた。

 明日には一着目を仕上げるそうだ。

 心強い。

 

 

 そして、それから一週間程の時が過ぎた。

 その間、ヴィオラ殿が道着を四着程仕上げてくれたが、斎藤関連は驚く程に進展がない。

 エドワルド殿曰く、斎藤はあの日から今日まで冒険者ギルドを訪れていないそうだ。

 街の門を出た形跡はないらしいので、恐らくは私の脅しに臆して引きこもっているのではないかと思われる。

 それでは手が出せん。

 斎藤の居場所などわからんのだから、向こうから現れなければ話し合いなどできる筈もなし。

 せっかく、ナナと共に交渉の手段を色々と考えたというのに、今のところ全く活かす機会がない。

 

 仕方がないので、斎藤が現れるのを待ちつつ、この一週間はずっと修行をしていた。

 毎日ダンジョンへと赴き、誰にも迷惑がかからない場所で身に付けたアーツを使い、それを使いこなす練習をする。

 ダンジョンでは次から次へと魔物という名の練習相手が現れる為、実に効率的な修行ができた。

 そうして犠牲となった魔物達のおかげで、完璧には程遠いながらも、実戦で使い物になるくらいにはアーツを物にする事に成功した。

 いくつかのアーツは、死条一刀流の型に組み込む事もできた程だ。

 技の習得が異様に早い。

 恐らく、この数日で更にLvを上げた武器スキルの影響であろうな。

 

 それに伴い、アーツを繰り出す為に必要となるMPを底上げするスキル『MP増強』を取得。

 超回復によるMP回復効果を含めれば、私の少ないMPで、なおかつMPブースト発動中ですら、消費の少ない弱いアーツならば乱発する事ができる。

 だが、やはりと言うべきか、私はMPだの魔法だのといったスキルとは相性が悪いらしく、かなりのスキルポイントを持っていかれたがな。

 その代わり、技の幅が随分と広がった。

 

 他にした修行と言えば、滝行だな。

 毎日、地下19階層で見つけた例の滝に打たれ、耐久力を鍛える。

 それによって、HP、防御のステータスと『水耐性』『衝撃耐性』『超回復』などのスキルLvが凄まじい勢いで上がっていく。

 嬉しい誤算だったのは、滝の流れの中に時折岩石が交ざっており、それに打たれる事によって『打撃耐性』が上がり、鋭利に尖った岩石を食らう事で『斬撃耐性』まで上がったという事だ。

 

 滝以外にも、ダンジョンのあちこちに仕掛けてある罠をあえて作動させ、食らったりもした。

 特に、魔法と思われる罠は積極的に作動させ、最大の隙であった魔耐のステータスを上げる事に成功。

 その際、せっかく作って頂いた道着が傷むのも嫌だったので、半裸で行った。

 ナナにはドン引きされたが、確実に強くなれたのだから問題はない。

 

ーーー

 

 異世界人 Lv50

 名前 シジョウイン・リュウマ

 

 状態 強化中

 

 HP 7508/7508

 MP 420/420

 SP 7444/7444

 

 攻撃 6680(+500)

 防御 7821(+500)

 魔力 144(+500)

 魔耐 6229(+500)

 速度 6376(+500)

 

 スキル

 

 『超回復:Lv23』『成長補正:Lv━━』『鑑定:Lv極』『アイテムボックス:Lv18』『刀:Lv28』『体術:Lv15』『気配感知:Lv19』『危険感知:Lv19』『罠感知:Lv20』『暗視:Lv10』『MPブースト:Lv20』『SPブースト:20』『HP増強:Lv30』『MP増強:Lv5』『SP増強:Lv20』『攻撃強化:Lv22』『防御強化:Lv40』『魔耐強化:Lv22』『速度強化:Lv20』『斬撃強化:Lv28』『打撃強化:Lv15』『衝撃強化:Lv15』『斬撃耐性:Lv21』『打撃耐性:Lv23』『衝撃耐性:Lv45』『火耐性:Lv24』『水耐性:Lv55』『風耐性:Lv22』『土耐性:Lv21』『雷耐性:Lv20』『氷耐性:Lv20』『光耐性:Lv20』『闇耐性:Lv20』『毒耐性:Lv20』『麻痺耐性:Lv20』『酸耐性:Lv20』『呪い耐性:Lv20』『魅了耐性:Lv20』『石化耐性:Lv20』『混乱耐性:Lv20』『幻覚耐性Lv20』『恐怖耐性:Lv20』『睡眠耐性:Lv20』『気絶耐性:Lv35』『飢餓耐性:Lv20』『痛覚耐性:Lv41』

 

 スキルポイント 80

 

ーーー

 

 これが一週間の修行を経た、今の私のステータスだ。

 ステータスは鍛えれば鍛える程に上昇し、鍛えている項目程Lvアップ時の上昇値も高い。

 故に、全く鍛えていない魔力以外のステータスはどれも凄まじく上昇し、エドワルド殿に匹敵する程にまで高まっている。

 たったの一週間でこれなのだから、勇者の成長力は本当に凄まじいのだなと再認識した。

 同時に、斎藤が如何に鍛練を疎かにしていたのかもな。

 聞くところによると、斎藤があの街へとやって来たのは一年程前の事らしい。

 一年も鍛える時間があったにも関わらず、あの程度。

 あれで、よく大きな顔ができたものだ。

 

 そんな事を考えながら、今日も修行をするべく、ダンジョンを進んで行く。

 ちなみに、今はナナが近くにいない。

 私の修行中はやる事がなくて暇だと言い出したので、ナナはその間に街で斎藤やサクヤの情報を調べてくるという事になった。

 ナナが二人の居場所を突き止めた暁には、こちらから出向く予定だ。

 

 そして、サクヤの一件が解決し、ガルドン殿に依頼した刀が出来次第、私達は魔王軍が攻め込んでいるという最前線の国へ向けて旅立つ。

 もう、ステータス的には最前線で戦う精鋭に匹敵すると、ナナやエドワルド殿にお墨付きを貰っているのだ。

 ならば、この力をいつまでも遊ばせておく事は許されぬ。

 それでは斎藤と同類になってしまう。

 

 だが、どうやら、この街を発つ前にやっておかねばならん事が、もう一つあったようだ。

 

「そこにいるのはわかっている。出て参れ」

 

 私は刀を手に持ったまま、ある場所へと声をかけた。

 ここは、以前ジャイアントスパイダーと戦った場所から少し進んだ辺り。

 下層への入り口が目に見える場所。

 その下層への入り口の奥から私を見詰める、否、睨み付ける視線を感じた。

 

 そして、私の呼び掛けに反応したのか、視線の主が姿を現す。

 

 見た目は、齢10にも満たぬ幼い少年に見えた。

 額から二本の小さな角を生やしているが、この世界には様々な人種がいる為、そういう種族の子供なのだと言われれば納得できる見た目だ。

 そう、見た目だけならば。

 

 だが、これは人の子供などでは断じてない。

 中身は全く別の得体の知れぬナニカなのだと、私の勘が言っていた。

 いや、勘になど頼らずとも、この少年が普通ではない事など見ればわかるか。

 何せ、この少年は全身を血で染め上げ、手には明らかに何かを殺傷した形跡のあるボロボロの剣を握っているのだから。

 

 私はこの少年に向けて、鑑定を使った。

 

ーーー

 

 魔族|(オーガ) Lv100

 

 HP 20090/20090

 MP 500/500

 SP 21222/21222

 

 攻撃 20000

 防御 21880

 魔力 104

 魔耐 18453

 速度 15876

 

 スキル

 

 『HP自動回復:Lv3』『MP自動回復:Lv2』『SP自動回復:Lv5』『剣:Lv5』『体術:Lv6』『HP増強:Lv2』『MP増強:Lv2』『SP増強:Lv2』『攻撃強化:Lv3』『防御強化:Lv3』『魔力強化:Lv1』『魔耐強化:Lv1』『速度強化:Lv1』『斬撃強化:Lv3』『打撃強化:Lv2』『衝撃強化:Lv1』

 

 スキルポイント 480

 

ーーー

 

「やはりな」

 

 やはり、魔族か。

 前にナナの言っていた、Lv100へと至り、人型へと至る進化を果たした魔物。

 知能を獲得し、スキルポイントの使い方を覚えた魔物。

 オーガやジャイアントスパイダーが、縄張りである下層を離れた理由がわかった。

 奴らはこの化け物から逃げる為に、縄張りを離れざるを得なかったのだろう。

 

「ニンゲン、コロス」

 

 魔族は片言のようにそう呟き、殺意を迸らせて私に向かって来た。

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