ライオットブラッドは、なぜこんなにも効くのだろうか?
無印(日)を飲みながらふと思う。
よく効くとはいえ、これはエナジードリンクの範疇を越えてないか?
カレンダーを見る。
思えば宇宙探索船の搭乗クルーになれたのも、搭乗試験直前にリボルブランタン(米)を飲んだお陰かもしれない。出発は来週だ。
試験前後の薬物検査には一切異常は無かった。当然だ。
合法なのだから。
そう、合法なのだ。
基準値を越えるようなカフェインは含まれていない。だが、他のエナジードリンクと比べても非常によく効く。
何が入っているんだ?
もう一口含んで成分表をみるが、やはりおかしなところは何もない。
きっと、「成分表にはない何か」が入っているのだ。でなければ説明がつかない。
気になる。
だが、私は知っている。ライオットブラッドの秘密を探ろうとしたものがどうなるか。
危険すぎる。
それでも気になる。
要するに、ガトリングドラム社に見つからなければ良いのだ。
見つからない場所。
いや、見つかっても、捕まらない場所。
「…宇宙」
つい、言葉が漏れる。
探索船。宇宙をかける乗り物。地から切り離された監獄。1週間後の私の住み処。
研究機材はある。惑星探索用の簡易設備だが、飲み物の成分分析程度なら可能だろう。
時間はある。往復1週間の旅だ。
ライオットブラッドもある。飲料兼非常用栄養源として私が要望した。
…気付けば手元の缶が軽くなっている。
冷蔵庫からバックドラフト(日)を取り出し、1口飲む。いや、米版の方が効くんだが、入手難度で言えば日版安定なんだよ。
因みに探索船に積み込まれるのは全て米版だ。素晴らしいね。
話を戻そう。
さしものガトリングドラム社といえども、空のその先には流石に手は届かないだろう。
「…完璧では?」
やはりライオットブラッドは最高だ。飲む度に頭が活性化される様を実感できる。
宇宙航海中にライオットブラッドに調べ尽くし、帰還直前にネットへレポートを公開する。
確か地球近辺なら航海中でも地上のサーバーへ接続が可能だったはずだ。
完璧な計画を立てた私は、来たる日に備えて準備を始めるのだった…
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【ライオットブラッド研究レポート】
実験1:成分解析
|方法:無印を遠心分離機及びスペクトラム解析機にかけ、含まれる成分並びにその比率を解析する。
|結果:ガトリングドラム社の公表値に同じ。
|補意:特に異常は見られず、合法であることが確認された。機械に移すときに少しこぼしてしまった。無重力空間でたべるライオットブラッドもおいしいことが分かった。
実験2~4は、検出不可能な未知の成分の発見を目的として行った。
実験2:加熱実験
|方法:無印を沸騰させ、少し冷ました後に飲む。
|結果:大きな変化は見られない。道の成分は加熱変成しないようだ。
|補意:蒸気吸入も中々良い。今度保湿機にでも混ぜようか。
実験3:冷凍実験
|方法:無印を冷凍し、シャーベットにして食す。
|結果:特に変化無し。
|補意:デザートの最適解。今日の実験はこれで終了とする。
実験4:合成実験
|方法:無印を遠心分離機で分離する。分離した成分を混ぜ直して飲む。
|結果:■■■■■■■■■。
|補意:これは■■■■■■■■。すごい発見をしたかもしれない。
実験5:体内合成実験
|方法:無印の分離成分を個別に口にいれ、胃の中で混ぜ合わせる。
|結果:ただのライオットブラッド。
|補意:どういうことだ?■■■■■■■■場合は■■■■■■だったのに。これは詳しく調べる必要がある。
実験6:比率操作実験
|方法:無印の分離成分を分離前とは異なる割合で混ぜ合わせて飲む。
|結果:いずれの場合も、一般的なエナジードリンク程度の効果しか得られなかった。
|補意:比率は重要であるらしい。因みに無印の成分比率は[-- 削除済み --]だ。無重力にまだ慣れていないのか気持ちが悪い。続きは明日にしよう。
実験7:胃液混合実験
|方法:無印の分離成分に胃液を加えて混ぜ合わせて飲む。
|結果:■■■■。それ以外は普通のライオットブラッド。
|補意:たまには無印以外も飲みたい。空中で混ぜて飲むのも面白そうだ。
アンデッドとバックドラフトのミックスを飲むことで無重力の気持ち悪さを解消できることが分かった。
実験8:通電実験
|方法:クァンタムに電気を流してから飲む。
|結果:電気を流すとクァンタムが光った。通電を止めると光らなくなった。
|補意:流石に飲むのは止めた。今日は残りのクァンタムを飲んで寝よう。
実験9:夢中実験
|方法:枕の下にライオットブラッドを入れて寝てみた。
|結果:宇宙が見えた。
|補意:宇宙空間で宇宙の夢を見てもあまり面白くないな。あと枕がゴツゴツして寝にくくなるので、次にやる場合は枕の選定が必要だろう。
次の日に見てみたら通電クァンタムがゼリー状に固まっていた。
実験10:食用試験
|方法:ゼリー状の通電クァンタムを食べる。
|結果:米版クァンタムにしては効きが弱い気がする。
|補意:実験用にもう1缶分作ることにする。
実験11:通電実験2
|方法:9と同様の実験を行い、経過を観察する。
|結果:N/A
|補意:実験後3時間までは変化が無かった。その後寝落ちしてしまい、5時間後に起きたときにはもうゼリー状に固まっていた。トゥナイトを飲んでいた筈なんだが…
実験12:通電実験3
|方法:ゼリークァンタムに電気を流す。
|結果:発光しなかった。途中で煙が出始めたため、実験は中断。
|補意:液体に通電したときだけ発光するらしい。
実験13:成分解析2
|方法:クァンタムとゼリークァンタムをそれぞれ解析機にかけ、成分の変化を確認する。
|結果:変化無し。
|補意:意味が分からない。
実験14:加熱実験2
|方法:ゼリークァンタムを加熱し、液体に戻るか確認する。
|結果:昇華した。
|補意:クァンタムの蒸気もうまい。今頃トゥナイトの効果が出たのか、頭が冴えてきた。
実験15:冷凍実験2
|方法:ゼリークァンタムを凍らせて食べる。
|結果:おいしい。
|補意:おいしい。クァンタムゼリーアイスを食べながら飲むアンデッドもおいしい。
実験16:■■■■実験
|方法:クァンタムゼリーアイスを食べ終わって横を見たら[-- 削除済み --]。
|結果:N/A
|補意:無重力空間では表面張力などの影響でほぼ球形にならなければならないはずだ。ところがこいつは球形にならないどころか[-- クァンタムゼリーアイスおいしかった。 --]。
実験17:■■■■実験
|方法:■■■■■■■■に話しかける。
|結果:反応無し。
実験18:■■■■実験2
|方法:モールス信号を送ってみる。
|結果:反応無し。
実験19:■■■■実験3
|方法:筆談。
|結果:反応無し。
実験20:■■■■実験4
|方法:ライオットブラッドの空き缶を振る。
|結果:[-- 削除済み --]。
|補意:ライオットブラッドは世界の真理。もちろん合法。
もちろん合法。
実験21:■■■■実験5
|方法:リボルブランタン■■%にアンデット■■%とバックドラフト■■%を加えたタブーを飲み、■■■■秒後にクァンタム■■%と無印■■%を加えたミックスをジョイントし、最後に[-- 削除済み --]する。
|結果:完全に理解した。
|補意:間違いなく合法。
まとめ:合法でない筈がなかった。
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