メ ン タ ル ヘ ル ス 秒 読 み ド ク タ ー   作:pilot

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第3話

肉を割く。

 

内臓を抉る。

とりだし、発生している鉱物へ直接触れる。

 

絶叫。悲鳴、おぞましい。

叫ぶな。

手が震えるだろうが。

まだまだ私には見地が必要なのだ。

そのためには、死にかけていたお前を治療して、そのまま実験台にしても問題ないだろう。

 

「____!!!_____!!!」

 

口を塞いでいてもうるさい。

 

やめろ。そんな目で私を見るな。

私が怖いか?私も怖い。人が怖い。

だからどうした?怖くてもやらなくてはならないことも多いんだぞ。

 

生きた鉱石組織に、さまざまな実験を施していく。

面白い。とても面白い。面白いが、頭がいたい。

一番オリパシーの影響が出るとされる脳は後回しだ。

今すぐにでも切開して、中を覗いて、実験して、ぐちゃぐちゃにしたい欲に負けそうになるが、あまり都合のよい体は早々手に入らない。

 

死体の山からやっと見つけ出した、生きた組織なのだ。

まったくオペレーターたちは、頼もしいが殺意が高い。

 

「私は人くらいいくらでも、殺して、騙して、そして進まなければならないんだ......」

 

だから、許せとは言わない。

レユニオンの一般兵、ありがとう。

反応を片っ端から画像データに残し、多種多様な試薬で化学変化を記録し、そして物理的性質も平行して調べる。

アーミヤだって頑張ってるんだ、私も進まなければならない。

徹底的な効率化で、無駄なく、美しい手順で、こいつの体は余すところなく感染者の未来のために利用される。

 

前の私も、こうやって実験していたのだろうか。

 

不思議と、罪悪感よりも高揚感の方が大きかった。

しかし、自分という存在への不安と、嫌悪感は増大する一方であった。

 

こいつ、鳥の形質持ってるのか。

嫌なことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやし......」

 

精神的に疲れたときはこの手に限る。

 

実験で精神的に疲れた私はいつもいつもこうしている。

レッドの頭を撫でるのだ。

 

「えぇ......ドクター、血生臭い......」

 

風呂には入ったんだけどな。

まあそうそう取れもしないか。

 

「すこしだけ、作業をしていたんだ。殺さずに捕獲してこいっていったって、殺しに来る相手を殺さず捕らえることは難しい。

やっと手に入った、珍しい検体だったから、新鮮な内に作業したかったんだ。」

 

なんともまあ、醜い人間だな、私は。

片手間に感染者を殺し、その中の生き残りを漁り、苦しませて殺す。

その一方で、こうやって普通に、レユニオンのような影とは離れた普通の生活も送っている。

躁鬱だ。

実験中の高揚も、後から見れば自己嫌悪に陥る物でしかない。

 

肉を裂くその手でまた別の肉を裂き、レッドと一緒にご飯も食べている。

この前の鶏肉と、きょう引き裂いた鳥っぽいやつの肉が思い出で重なり、すこしばかり吐き気を覚える。

 

いつか、割りきれればいいな。

 

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