メ ン タ ル ヘ ル ス 秒 読 み ド ク タ ー 作:pilot
第7話
「SoCなんで使ったらなくなるの???情報なんだからそのままもう一度使えば良くないか???」
「機密保護の観点から再生後は自動的に爆発するようになっている。残念だが使い回しは出来ないらしい。」
なんで?
どうして??
今更機密保護とは......?
私の部屋は最高機密満載なのに勝手に入ってきて勝手にソファーで寝てるシージが言うのか?
そもそも爆発ってなんだよ。何が悲しくて爆発させねばならんのだ。
「それなら私の機密保護も徹底してくれ......」
「公然の秘密というのもあるだろ?ドクターはそれだ。」
なんで???
私公然の秘密扱いなの???酷くないのか???
それをいいながらシージはゴロゴロ喉を鳴らしながらソファーで寝るのを止めない。
コイツ万獣の王とかいいながらただの猫じゃないのか?種族詐称か?
「ドクター、入るぞ。」
エアロックのドアが開く音。
空気の抜ける音だ。
ギョッとしてそちらをみやると、まあ見知った顔がそこに佇んでいた。
流れるような銀髪、きまってる黒いコート、間違いない、シルバーアッシュだ。
とても強く、頼りになる上に何故かコイツは距離が近い。
記憶喪失前の私に疑惑が増えていく一方だ。
そんなことより。
だからなんで皆そんな当たり前のようにキー持ってるの???
「シルバーアッシュ!?君もどうやって入ったんだ!?」
「鍵で開けた。当たり前だろう?」
そ う じ ゃ な く て
「どうして鍵持ってるんだ???」
必死な私。
しかしシルバーアッシュはそうではない。
フッ、そんな擬音が聞こえてきそうなほど不敵に笑う。
「私と盟友の仲であれば、これくらい当然だ。」
輝くほどの笑顔と美声でそう言い放ったのだ。
はいかっこいい~!好き~!
もういいや。私のプライバシーは多分クロージャあたりが99%オフで売り捌いてると考えるのが妥当だ。
「おっ、珍しいな、こんなにドクターの部屋が騒がしいなんて。俺も混ぜてくれよ。」
ノイルホォォォォン!!!お前も?お前もなのか?
別にしたくて騒がしくしているわけではないのだが???
「是非くつろいでいってくれ。」
シルバーアッシュ???いい声で仕切るのやめて???
いつも隣で戦ってるからってそんなに仲良いのか君ら???というかここ私の部屋。私のテリトリーだぞ!
「ちょっくら何時もの仲間も呼んでくるわ。今空いてる奴は、確かあと6人!」
呼ばなくていいから。
ああどうしてここまで人が押し寄せるのだろうか。
私がそこまで信用ならないのだろうか......?
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数刻前。ドクター直属部隊。
「ドクターの状態は?」
「この前のレッドの件で大分マシにはなったが、何時どこでまた精神を病むかわからん。」
「まあ記憶喪失でアーミヤ社長並みの激務、覚悟強要されるからなぁ。」
「アーミヤにも気を配っておいた方が良さそうだな......盟友の悲しむ様は見たくはない。」
アーミヤ、レッドを除くエリート部隊員が円状になってドクターやその関連する人物の会議をしている。
「わしはケルシーも中々に危ういと思うんじゃが。」
白い特徴的なサヴラの弓兵、レンジャーが口を開く。
彼の助言は的確且つ分かりやすい。
人を見る目もある。
戦闘の実力は年により落ちたとは言え、同じく年により洗練されていく能力もあるということだろう。
「「「確かに......」」」
「基本これからも何時如何なる時間帯でも一人はドクターの周りにいる、何か悩んでいるだとかあったら直ぐにそれの解消に向かう、それでいいな?」
「「「了解」」」
「ドクターから受けた恩はこの短い期間でも、私にとっては大きいからな。居なくなられると困る。」
「わしもじゃ。折角見つけた安寧の地を守らねばな。」
「わたしもドクターが居なくなるとBSWに戻らなくちゃいけなくなるので......もう少しロドスに居たいです。」
それぞれがそれぞれ、様々な想いを持ってその後の部屋での騒ぎに繋がるのだった。
なお後半は皆当初の目的を忘れただひたすら仲間やドクターと共に遊ぶのが楽しかったようだ。
もちろんあとで皆アーミヤに怒られた。