未定   作:proto

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第1話

大きな揺れ、もはや日常茶飯事となった。空を見上げれば機械の巨人が跋扈している。みんなそんな日常に慣れていった。そして、人の命が消えゆくさまにも……。

 

西暦2615年。人々はより良い生活を求めて巨大な宇宙空間作業用ロボット『スペースワーカー(仮)』を作り上げた。もちろんこれによって宇宙開発は大幅に進んだ。しかし、宇宙開発が進むにつれ、覇権をめぐる戦いが勃発した。最初こそ水面下で行われていたが、次第に表舞台で、そして戦争へと至った。

次第に人々はスペースワーカーのことを『キリングマシン(仮)』と呼ぶようになった

 

 

第一章 第一話 「始まり」

 

 戦争は様々なモノを変えた。人々の暮らし、外交関係、人間の生き死に。

現状、国という組織は消えた。国から独立していった軍が世界の覇権を争っている。

そんな状況に嫌気がさした僕【紫電・ドラッドヴルム】は、どの軍にも所属しない、いわゆる流れ者だ。レジスタンスに入ろうかとも考えたんだけど、一度協力した時に上層部の裏の顔が見えて以来かかわりを絶った。

 そんな僕が今いる場所はある軍の基地。ここで新型量産機の演習が行われるとの情報を得た僕は、その奪取に来た。単独での(まあ、そもそも仲間なんていないが)潜入だ。バレたら死ぬ、そんなのはこの世界においては常識だ。でもやるしかない、自分自身の目的のために。

 

 

 

軍のハンガーへと潜入する。新型機が約30機ほど直立で並んでいた。そのうちの一機のコクピットハッチを開き、勝手に起動システムを起動する。

「システム……オールグリーン。武装チェック……右手にフルオートアサルトライフル、高周波ブレードが左腰にマウントされてるっと。左の盾は……うん、新品だ。さて、壊せるだけ壊して立ち去るとするか。」

 操縦桿を握り、機体を動かす。目の前の足場を破壊するとアラートがハンガー内に鳴り響く。

 「オートバランサー正常。さて、破壊できるだけ破壊しますか。」

 ライフルを腰部にマウントし、左腰のブレードを抜く。抜いた瞬間に高周波が発生し、地上の資材が吹き飛ぶ。そのまま適当に振り回し、周りの機体を切り裂く。少しすると、旧型の量産機が現れる。

 「さてと、そろそろお暇しますか。」

ブレードを腰にマウントし直し、スラスターを吹かして、ハンガー天井を破壊し軍基地から離脱する。地上からライフルによる射撃を受けるが、当たる気配もしないので強行突破する。が、後ろから2機による追撃があった。

「意外としつこいな。」

 地上に着地し、ライフルを持つ。敵機は空中から射撃するが、シールドが弾丸をはじく。

 「ふむ、なかなかの物理防御力だ。」

シールドを構えたまま、ライフルでヘッドを狙う。カメラさえ破壊できればこちらのものだ。敵機も地上に着地する、その瞬間を狙って2発,…胴体を守るように構えていた盾は、その役割を果たすことはなかった。

 「命中精度も悪くない。」

頭部を失った2機はコクピットハッチを開いて視界を確保する、が……そんなこと自殺行為でしかない。銃口を向け警告する。

「機体を捨て、さっさと基地に帰れ。そうすれば命までは奪わん。」

向こうからの返答はない。しかし、特攻を仕掛けてくる様子もない。

(……援軍要請でもしたか。)

そう思ったのも束の間、向こうから返事があった。

「わかった、君の言葉を信じよう。」

コクピットから出てきたパイロットたちは、機体をしゃがませ地上に降りる。そのまま走り去る。そう思ったがそう簡単な世界ではない。

「……なんて言うか馬鹿め!」

突如、しゃがんでいた2機がこちらめがけて走ってくる。おそらく自爆する気だろう。

「はぁ……ま、そんなこったろうと思ったよ。」

再びライフルからブレードに持ち替え、スラスターで急接近し、回転斬りで二体同時に切断する。

 「ふむ、援軍来てもめんどいし……さっさと帰るか。」

再びスラスターを吹かし、アジトへ向けて飛ぶのだった。

 

 

第二話「アジト」

 

 僕、紫電・ドラッドヴルムは流れ者だ。そう名乗ったのは嘘ではない……が、何もホームレスではない。もちろん隠れ家……アジトは存在する。

 「ふぅ、3日ぶりの我が家だ。」

 3日前に掴んだ新型量産機の情報入手が演習日ギリギリだったため、即時現地に赴き調査・準備で3日も帰ってこれなかった。

 「ふぅ、とりあえず風呂にでも入ろう。解析改造は後回しっと。」

 湯船にお湯を張り、温度を調整する。

「うむ、42度。やはり丁度いい温度だ。」

 服を洗濯機に放り投げ、シャワーを浴び風呂へダイブする。広すぎず狭すぎず。大人1,5人分ほどの浴槽で体を伸ばしリラックスする。

 「ふぅ~~。…やっぱ、風呂はいいねぇ。魂を洗濯してるような感じがする。……半分でも日本人の血が入ってりゃ、そう感じるのかねぇ。」

 しっかり肩まで湯船につかり、疲れを取る。肩を揉み、首を回す。十分に温まった感じがしたので、最後に軽くシャワーを浴び風呂から上がる。

タオルで体を拭き、ラフな部屋着に着替え自前のハンガー兼作業場へと向かう。

 

 

 

 ハンガーに着くと、作業用具箱を片手に強奪してきた機体のコクピットハッチを開く。

 「さてと……まずは機体解析から始めようか。」

 そう呟くと、コクピットディスプレイ付近にあると推測されるシステムメンテナンス用のケーブルポートを探す。

 「おっ!あったあった。さぁ~て、今回はどんな構造かなぁ~。」

 ポートにタブレット型端末と繋がったケーブルを刺し、機体構造などのデータを端末にインストールする。

 「……ほほう、いいねいいね!大分メンテナンス・チューニングしやすい機体になってる!さて、今回はどこから弄ろうか!」

 紫電がこのような手法を取るのには訳がある。一つは、金がないという点だ。軍にもレジスタンスにも所属してない紫電にはそこまで資金がない。それ故、軍もしくはレジスタンスから機体を強奪している。二つ目にロマンだ。仮に資金があったとして1から作るとワンオフ機になってしまう。それだとロマンがない。量産機から派生させることで、量産機を自分色に染め上げるというロマンが生まれる(と思っている)。三つ目にどんな技術が生み出されたのかというのを見れるというのがある。ここで言われそうなのが「なら試作機を奪えばいいじゃないか」というものだが、試作機に使われている技術は正式採用前の物で使い物にならない場合がある。だから新型量産機を奪うのだ。量産機にはリスキーな新技術は使わない。安心安全な信頼を得た新技術が使われる。その実績がなきゃ量産されない。故に量産機を狙うのだ。

 「うーむ、ヘッドカメラはセンサー型か。範囲を狭くして少しスタイリッシュな感じにして……胴体と腰部スカートは……まぁ感覚と美的センスで調整して、肩回りと脚部はそんなに弄らないで良さげだな。」

 こんな感じで紫電の機体が改造は進んでいく。

 

……2時間後

 「よしっと。パーツ換装と各部反応速度調整完了。機体の動作テストしたらいつものカラーリングに塗装して終了と。」

こうして紫電の新たな相棒は出来上がっていくのだった。

 

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