カズマ「アクシオ! ヴォルデモートの杖! 」 作:たけのこ
あれはそう、ある日の昼下がりのことだった。
バニルにまた新たな商品開発の依頼を受けた俺はいつものメンバーでウィズの魔法店へ遊びにいっていた。
「小僧して、その物はいったいなんなのだ? 」
「これは、俺たちの世界に伝わるサッカーというゲームをするために使うサッカーボールだ。俺たちの国ではこれを蹴って遊ぶんだ。」
そんなこんなで俺は日本のスポーツ関連の品物を今回作ってきたのだった。
「ふむ、最近パーティーメンバーにモヤモヤしている小僧よ暫しまちたまえこの商品の価値にを定めよう。」
バニルにそういわれた俺は店内の品物を物色することにした。
「ちょっとウィズ、この神聖なるアクア様が来てやったのにお茶の一つもでないわけ? そんなんじゃこの先やっていけないわよ。」
アクアにチョップをいれつつだが。
「って痛いわねカズマさん、私はウィズに商売のなんたるかを教えてあげてるのに、なんてことするのよ。」
「お前に商売の何がわかるんだよ。」
「いえ別にいいんですよカズマさん。アクア様のいうことも一理ありますので。」
「ほらね、ウィズもこういってるわ。」
「取り敢えずそのドヤ顔やめろ。ウィズもあんまりコイツ甘やかすなよ。すーぐ調子に乗るから。」
「そうだぞ、ウィズあまりアクアを甘やかさないでやってくれ。最近はなりを潜めてるが、アクアが調子に乗るとろくなことにならないからな。」
「ダクネスまでー、私をなんだと思ってんのよ。私はあの素晴らしいアクシズ教の御神体にして水の女神にアクア様よ。」
「分かってる、分かってる。」
「ダクネス、その反応信じてない反応だってことぐらいアクア様にもわかるわよ」
ダクネスとアクアの会話を聞きつつ歩き回っているとふと目の前の棚にある物体に目が止まった。惹かれるまま手に取って見てみると、金色の野球ボールサイズの丸い物体があった。そのピンポン玉ぐらいの大きさのものをみていると横からめぐみんがのぞきこんできた。
「カズマ、どうかしましたか?」
「いやこれが気になって、なんかどっかで見たことある気がするんだよなぁ。」
そういうとめぐみんは俺が持っている金のたまを凝視した。
「ウィズ、これはなんですか?この私でも見たことのない材質でできていますが?」
とめぐみんがウィズに尋ねた。その様子を見たダクネスやアクアもこっちによって来る。
「あれ?そんな商品私は入荷した覚えはありませんが……。それより、あの、カズマさんあんまりそこらへんの商品にさわらないでいただけると助かります。そこの棚は爆発物の棚ですから。」
危うく手に持っているものを落としそうになるのをこらえつつ、
「すまなかったな、ウィズ。次から気を付けるよ。」
といいピンポン玉状のものを棚に戻そうとすると、その手を誰かに掴まれた。バッと掴まれた方みるとアクアだった。
「ちょっとそれかしなさい。すべてを見通す素晴らしい私はその物体からなにか神々しいオーラをムンムン感じるわ。」
そういうと返事も聞かずに俺の手から金色の物体を奪い取った。しっかし何かに似てるんだよなぁあの形。そうあれは、某世界的魔法小説の……。
「ここをこうして、あれをこうして。ここに魔力を流し込めば。よし起動したわね。」
「おいまてアクア、今お前何したんだ? 」
「何ってカズマさん私はこの神器を起動してあげただけよ感謝しなさい。」
おい、まて今神器って言わなかったか?アクアが俺から強引に奪った金のたまはどうやら神器らしい。しかも起動って……。起動!?俺の直感が何かヤバイと警鐘をならしている。今までの経験上こういうときのアクアはやらかす。
俺がアクアの持っている金のたまから距離をとろうとしたとき目の前が急にまばゆい光に包まれた。そのまま俺は意識を失ってしまった。
「Mrサ……サ……、Mrサトウ、起きなさい。約束の時間はもうとっくに過ぎていますよ。」
靄がかかった思考がクリアになっていく、目を開けるとそこは知らない天井だった。頭を振りながら身体を起こす。その時ふと体に違和感を覚えた。なんだかいつもよりも視点が低いような……。ふと声のした方みると見たことのない顔の深い緑色のローブを着たいかにも賢そうな女性がいた。呆れた表情をする女性の後ろに鏡があり、吸い込まれるように視線を向けるとそこには十歳ぐらいの男の子の姿が。
「ってなんじゃこりゃあ! 」
いつもより少し甲高い俺の声が部屋に響いた。
「一体いつまで寝ぼけているのですか?Mrサトウ。今日は私と一緒にダイアゴン横丁に買い物に行くと事前にいっていたではありませんか。一時間立っても出てこないのでトムに鍵を借りてなかにはいる羽目になったではありませんか。いいですか、ホグワーツに入学したらそういう所はしっかり直してもらいますからね。」
いやいやちょっと待て。一体何がおこってるんだ?何故か見知らぬところにいるわ、見たことない女の人と見たことない部屋にいるわ。そして何より体が明らかに縮んでいるわ。くそ脳が追い付かないぜ。
待てよ、この女性がいってたホグワーツやダイアゴン横丁って言葉どっかで聞いたことがあるような。
「本当に大丈夫ですか?Mrサトウ、もしかして初めて見た魔法の世界に興奮して夜眠れなかったのですか?」
ボケッとしたまま動かない俺を緑色のローブを着た女性が顔をのぞきこんでくる。
「とにもかくにも早くベッドから出てきなさいMrサトウ。あなたは取り敢えず朝食をとるべきです。」
俺はその女性に言われるがままに連れられ、部屋を出て、下の階へと降りた。
下の階では、いつものアクセルの酒場の日常風景によく似ていた。違うところをあげるとするならば、客が全員俺の手を無理矢理引っ張ってつれてきた女性と同じようなローブを着ている、いかにも魔法使いっぽいという格好しているもののみということだろうか。
緑色のローブを着た女性は辺りを見渡すと、空いてる席を探し、見つけると、そのまま俺をつれていき席に座らせた。そして俺を席につかせるとそのまま緑色のローブの女性はカウンターの方へと向かっていった。
一人なった俺は取り敢えず現状を理解するために辺りを観察してみることにした。
「えっと、使えるかな? スキル読唇術。」
スキル読唇術は文字通り話している人の口の形から話している内容を理解するスキルだが、果たして使えるだろうか。
「よかった、スキルは使えるみたいだ。」
俺はそう一人呟き、酒を飲んでいるいかにも魔法使いっぽい奴らの唇に注目した。
『いやー、ついにあの子もホグワーツですか、感慨深いものがありますね』
『また腕をあげたなトム。この料理うめぇぜ。』
『もう暫しお待ちをわが君。』
『ハリーポッターに乾杯を。』
『トム、軽食をお願いできますか?未来の生徒が朝食時に起きれなかったみたいで。』
うーん。やっぱりこのスキルは便利だな。ここは宿屋かなんかみたいだな。それで今年有名な人が何かに入ると。
情報をまとめつつ、手を組みつつうーんうーん唸っていると、入り口から軽く二メートルは越えてる体格のいい男が入ってきた。
男はこの部屋を見渡すと、なにかを見つけたようで一直線に向かっていった。その方向をみると、俺を引っ張ってきた女性のもとへと向かっているようだ。男は女性に軽く挨拶すると、女性の前へと誰かの背中を押しやった。今まで男の姿に隠れていただろう誰かはガリガリの丸い眼鏡をかけた十歳ぐらいの少年だった。
『マクゴナガル先生、ハリーをつれてきやした。』
『うまくいったようでよかったです、ハグリッド。こんにちは、ハリー・ポッター。私はホグワーツで変身術の教鞭をとっています。ミネルバ・マクゴナガルといいます。つまりはあなたの先生ということです。これからよろしくお願いしますね、ポッター。』
女性、マクゴナガルはそういうと押しやられた少年、ハリー・ポッターと握手を交わした。
拝啓、父さん母さんへ。どうもカズマです。父さんや母さんはいかがお過ごしでしょうか。俺はなんだかんだいって楽しく、異世界でうまくやっていた