メダロット5? すすたけ村の転生者   作:ザマーメダロット

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攻略本が届きましたが、イラスト系の情報がいまいち足りず。いやパーツのリストのために買ったんですけれども。設定資料買おうかと思ったらメダ5には存在しないとのことで、諦めるほかないようです。

攻略本、ゲーム中になかった地味な新情報(版元のミスかもしれませんが)もあったので、そのうち本編に反映しようと思います。
あとメダリンクの順位とか見てると面白い。

今回のアンケート内容もちょっと離れます。近場で変更する箇所が思いつかず……


14.オバケが3体、白い布は4枚

デパートを出てまっすぐ進めばほどなくして、普通サイズのオフィスビルがそこここに置かれた場所に出る。イルカが描かれた"Marine Blue"の広告看板が上部の壁に掛けられたビルの入口では、スーツの男と作業服の男が終わらない口論を続けている。ゲームでは没マップだから道を塞がれていたわけだが、まさか本当にいるとは。折角だから、ゲームでは出てこなかった口論の内容を聞いてみよう。

 

「――から、あの――地盤改良――を聞いて――」

 

「――は――の方から――でしょう――」

 

あまりうまく聞き取れなかったが、地盤改良工事の話らしい。地盤改良というと、家を建てた後に地盤のせいで悪いことが起きないように事前に調査と改善をしておこうという工事のことだったはず。なんてことない普通の工事の話か。

オレには関係なさそうなので、そのビルの前を横切って進み、数分と経たないうちに歩道の右側が広くなる。その歩道の途中が、車が出入りするための道になっていて、その道の元を目で辿った先には観音開きタイプの大きな金属の門がある。"学院前"のバス停、そして幅5メートルはある"せいどう学院"の石碑と合わせて、ここがせいどう学院であることがとてもよくわかる。日曜だからか、校門の先から元気な声が聞こえてきたりはしない。

バス停の時刻表を確認すると、村はずれ行きのバスまでは少し時間があるようなので、オレは鞄から本を1冊取り出して開いた。

 

「それ、何の本?」

 

「歴史の本」

 

「面白い?」

 

「まあ、そこそこ」

 

ルートの質問に答えつつ、1ページずつ読み進める。ゴミ漁りをしていた頃に、ポリプロピレンロープ(荷造りに使う白いビニール紐)で束ねて捨ててあった高校教科書セットから拝借したものだ。

この世界の歴史は前世とそう変わらないが、メダロットが普及するにつれ科学技術の進歩度合いが前世からどんどん離れて行っている。マーブラーの影響なのか何なのか、はっきりしたことはわからないが、恐らくメダロットと無関係ではないだろう。それに、同じ近代でもメダロットが現れる前まではたまにあった恐慌や不況が、メダロットが現れてからはぱたりと止んでいる。おかげで民度も高く生きやすい世の中なのは結構だが、少々不気味だ。

 

そうして本を読み始めてしばらくすると、大型車両特有の低いエンジン音が道の先から聞こえ、見ればバスがこちらに来ていた。

生憎村はずれ方面のバスではないなと思って見ていると、バスから白い影が3つ降りてきて、オレはまた一つ重要なポイントを抑えることができて安心した。

降りてきた白い影、というかオバケメダロットたちは、横の方に突っ立っているオレに気付かないままふよふよゆらゆらしながら学院の方へと向かっていく。その後を遅れてついて行くと、オバケメダロットたちは偶然門から出てきていたらしい女生徒――制服を着ているのでそのはず――を取り囲んだ。

 

「ちょ、ちょっと何よあなたたち!や、やめて!」

 

オバケメダロットたちはメダロッチを奪おうとしているように見える。女生徒としては咄嗟のことだからか、メダロットを転送して反撃するという判断ができないらしい。

とりあえず、息を大きく吸う。

 

 

「おはようございまああーーす!!」

 

 

オレ渾身の挨拶に、その場にいるオレ以外全員がびくっとした後硬直し、そしてオレを見た。その内オバケメダロットたちはオレの姿を認めると、女生徒から少し離れてこちらに一歩(?)近づく。

 

「ま、またお前かだぞ~」

 

「挨拶も返せないのか?かわいそうに、ここの出来がよくないんだな」

 

自分のこめかみを人差し指でトントンと叩きながらそう言うと、ボウゾウは――顔も手元も見えないので分からないが、多分――怒った。

 

「邪魔するなだぞ~!!」

 

「メダロット転送」

 

ボウゾウ以下3体がターゲットを変えてこちらに向かって来るのを確認し、ベーデンとルートを転送。構成はそれぞれジャングルギボン一式とクロトジル一式。

 

「邪魔して欲しくなければ真剣ロボトルだ。まさか逃げないよな?」

 

「望むところよ~ん」

 

「合意と見てよろしいですね!?」

 

いつものように、そして当然のように、カバシラが現れた。

 

「それでは、ロボトルー……ファイッ!!」

 

このロボトル、勝つだけなら簡単だ。テキトーに瞬殺してもいい。だがそうすると、今そこで突っ立っている女生徒に与える印象がどうなるか不安だし、ルートの成長の機会を奪うことになる。だから、真面目にやる。

 

「ひらけ!」

 

「ルート、できるだけ撃ち落として残りは避けてみろ。ベーデンは2-3番の近い方を叩け」

 

ボウゾウの号令で残り2体がその場から左右に散開。ボウゾウだけは右腕を上げて、既にルートへ向けて撃つ充填に入っている。こちらはベーデンが向かって右へ移動した3番機の方へ走り出し、ルートは両腕を腰だめに構えて動かない。

 

「でりゃ~!」

 

ボウゾウが若干間延びした気合とともにプレス発射。

 

「こっち!」

 

ルートは発射された弾丸を見て、右腕を伸ばしてライフル発射。発射された弾丸はプレスに命中し、何もないところに重力フィールドが展開されてすぐ消える。

 

「ルート、横も見ろ!」

 

「え、うわあっ!!」

 

振り向いた時にはインフィスの放ったガトリングが眼前に迫っており、回避できず弾を浴び、全身まばらにダメージを受ける。大したことはないが、この調子で続けられると危ない。

 

「今回は1対1じゃないぞ、ほら右」

 

「わっ!?……いてて」

 

ボウゾウのプレスが飛んできてルートに命中。重力に引かれて倒れ、地面を転がる。そこへインフィスから追加のプレスが飛ぶ。

 

「また左だぞ」

 

「今度は大丈夫!」

 

寝たままの姿勢で左腕を構え、ガトリングを連射。プレスに1発、2発と命中し、起爆に成功する。

 

「ぐぬぬ……2対1なのに押し切れないのよん」

 

そして、メダルが地面に落ちる音がした。

 

「コイシマル、こっちは?」

 

3番機を仕留めた無傷のベーデンが、余裕そうにゆっくりオレの方を向いて質問する。

 

「そろそろフォローに入ってくれ」

 

「了解」

 

そこから切り替えて素早く走り出し、インフィスに突撃。

 

「そ、そっちはやばいんだぞ~!」

 

ボウゾウとインフィスがプレスを発射。ベーデンは直撃を避けつつ、勢いで重力フィールドを駆け抜ける。

 

「えっと、えっと」

 

マークから外れたルートは、どちらを狙うか迷っているようだ。

 

「ルート、自由にやってみろ。大丈夫だから」

 

「じゃーー……こっち!」

 

ルートが左腕を向けた先で、ベーデンが右ストレートを放ち、左腕でガードしたインフィスを吹っ飛ばす。ふっ飛ばされたインフィスにガトリングが浴びせかけられ、白い布に次々穴が開く。

 

「い、インフィス!」

 

「まだやっていい?」

 

「ご自由にどうぞ」

 

「わかった!」

 

再度オレに確認してきたルートはまたもインフィスに向かって左腕を構え……

 

「させないだぞ~!」

 

そのルートに向かってボウゾウが右腕を構えて撃ち……

 

「コイシマルが言ったでしょ、フォローするって」

 

そしてそれをベーデンが両腕でガードし、結局攻撃が届かなかったルートのガトリングがインフィスの全身を何度も叩き、頭部の装甲を0にした。

 

「ルート、ミサイルはいいのか?」

 

「あっ忘れてた、やってみる!」

 

「ひ~~~!!」

 

「いっけー!!」

 

たまらないという様子で突然背中を向けたボウゾウに2×3発のミサイルが殺到し、爆発の後に残ったのは機能停止したカンガルー型メダロットと、焦げてバラバラになった白い布だった。

 

「リーダー機能停止!コイシマルの勝利!」

 

 

……

 

 

カバシラは事後処理を終えて去っていった。ベーデンとルートをストレージに戻したオレの手にはチェネッツの左腕パーツ。そして、ボウゾウは白い布だけでなく左腕パーツも失っていた。

 

「く~っ、また負けてやったんだぞ~」

 

「わけのわからないことを言ってないでそこの子に謝れ」

 

「うるさいだぞ~!!」

 

「あっかんべーっ!」

 

ボウゾウと、舌もないのにあっかんべーと言うインフィスと、名も知らぬ3番機は道沿いに去っていった。

一段落したところで、ロボトルを見学する形になっていた女生徒がオレの方にツカツカとキレのいい歩きで近づいて来た。目つきがキツく、怒っている風にも見える表情だ。

 

「助けてなんて言った覚えはないわよ」

 

「"今助けるぞ"なんて言った覚えはないんだけどなあ?自意識過剰じゃねえのか」

 

「……ふん。一応、お礼は言っとく。ありがとう」

 

平坦で気持ちのこもっていなさそうな感謝の言葉を口にして、近づいてきた時以上に足早に去っていった。そして急いだ余りになのか、制服のどこかから白い布が一枚すっと落ちた。

 

「挨拶を返せない奴は感謝の言葉も薄っぺらいな」

 

「言いすぎじゃない?」

 

「あんなのにちゃんと返事しろというのは理不尽だと思う」

 

ルートとベーデンが続けてオレの言葉に反論するので、本気ではないと伝えよう。

 

「両方とも全面的に認める」

 

「ええー……」

 

伝えた結果ルートに呆れられた。

 

話しながら拾った白い布はレースがついた無地のハンカチで、隅に赤い"T.K"の刺繍がある。イニシャル書く時に苗字を先に置く人ってなんなんだろうな。そもそもこれじゃ拾っても持ち主の名前わからないと思う。

閑話休題、校門を見るとしっかり閉まっていて、到底入れそうにはない。今すぐ返すわけにはいかないようだ。大人しく帰ろう。

 

 

……

 

 

次第に夕日が差してくるのを感じながらバスを降り、そして家に着いた。

 

「ただいまー」

 

「おかえりなさい」

 

母はもう帰ったかなと玄関から声をかけると、リビングから返事が返ってきた。夕飯の支度をしている母に、オレは鞄からトマトの種を取り出して手渡す。夕飯の支度ができるということは、予定通り買い物ロボトルルールはなくなったようだ。

 

「はい」

 

「ありがとう、お釣りは取っておきなさい」

 

「ありがとう。お父さんどうしてた?」

 

「お父さんのことは晩ごはんを食べながら話してあげる」

 

「やっぱりあのルールダメになったか」

 

「ええ。帰ってきてニュースを見ていたらね――」

 

 

……

 

 

その後、洗濯カゴに件のハンカチを入れておいたら母に詰問された。迂闊だった。




※アンケ設置予定

ウスモン先生は……

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