メダロット5? すすたけ村の転生者   作:ザマーメダロット

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ここに来て初の犯人視点シーンです。


21'.タマヤス邸にて

コノハがメダロット部に加入した後、日が傾き始めた頃。タマヤス邸、正門すぐの広い庭の中。

 

村長が直々に手入れしている盆栽から少し離れた地面の上で、大きな焚き火が燃えている。

そのそばにいる執事は、焚き火の熱気で汗を流しながら、積み上げられた本をせっせと焚き火にくべている。本の種類は様々だ。

切ったりせずにそのまま燃やしているため、全体が燃えカスになるのには時間がかかる。ハードカバーのものなどは、特に遅い。

 

「ふう……たいへん」

 

屋敷の玄関の引き戸が開く音が聞こえ、執事は振り返る。村長の"タマヤス デンスケ"と、その秘書の"アラクネ イト"が、正門に続く石畳を歩いている。

イトは石畳から外れ、積み上げられた本に近づく。村長は作業に勤しんでいた執事の姿を見て、順調であろうことに感心して、執事に声をかけた。

 

「調子はどうだ?」

 

「本、なかなか、燃えない……」

 

「わしが帰ってくるまでに、全部燃やしておくんだぞ」

 

そして、そうでもなさそうと知るや眉根を寄せ、執事に釘を刺す。

やりとりの外で、イトは本の山の表紙や背表紙に目を走らせている。

 

(あの本はまだ持ち出せていないのか?誰かがあの記述に注目して、先を越されたりしないように、事前に回収しておきたいのだが……)

 

「イトくん!」

 

イトは、急に呼ばれて肩を()()()と震わせた。村長の方へゆっくり振り返る。

 

「手伝う必要はないぞ」

 

「え、ええ……」

 

「ソリフギくんが待っている。そいつは()っておけ。行くぞ」

 

先程の執事に対する態度とは違い、その声は明るい。村長はイトを伴って、正門から出ていった。

 

(村長、わがまま。奥様、村長のどこがいいんだろう?)

 

執事が二人の背中を見送ると、塀を飛び越えて近づく影が3つ、視界の端に映る。白い布を被った、オバケメダロットたちだ。

 

「お前たち……」

 

オバケメダロットたちは積まれた本のそばまで行くと、それぞれが持っている手提げ袋を逆さにする。いっぱいに入っていた本が、山の上にどさどさと、更に積まれた。

 

(これじゃ、終わらない)

 

執事は、焚き火の中で燃え残っている本と、追加され大きくなった本の山を交互に見て、心のなかで嘆いた。そして、一つ思いついた。

 

「いいところに、来た。この本、どこかに捨ててこい。わ、分かったな」

 

執事は、オバケメダロットに顔だけ向けて指図して、屋敷に戻っていく。

 

丸投げされたオバケメダロットたちは、互いに顔を見合わせて、ため息を付いた。

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