メダロット5? すすたけ村の転生者 作:ザマーメダロット
コノハがメダロット部に加入した後、日が傾き始めた頃。タマヤス邸、正門すぐの広い庭の中。
村長が直々に手入れしている盆栽から少し離れた地面の上で、大きな焚き火が燃えている。
そのそばにいる執事は、焚き火の熱気で汗を流しながら、積み上げられた本をせっせと焚き火にくべている。本の種類は様々だ。
切ったりせずにそのまま燃やしているため、全体が燃えカスになるのには時間がかかる。ハードカバーのものなどは、特に遅い。
「ふう……たいへん」
屋敷の玄関の引き戸が開く音が聞こえ、執事は振り返る。村長の"タマヤス デンスケ"と、その秘書の"アラクネ イト"が、正門に続く石畳を歩いている。
イトは石畳から外れ、積み上げられた本に近づく。村長は作業に勤しんでいた執事の姿を見て、順調であろうことに感心して、執事に声をかけた。
「調子はどうだ?」
「本、なかなか、燃えない……」
「わしが帰ってくるまでに、全部燃やしておくんだぞ」
そして、そうでもなさそうと知るや眉根を寄せ、執事に釘を刺す。
やりとりの外で、イトは本の山の表紙や背表紙に目を走らせている。
(あの本はまだ持ち出せていないのか?誰かがあの記述に注目して、先を越されたりしないように、事前に回収しておきたいのだが……)
「イトくん!」
イトは、急に呼ばれて肩を
「手伝う必要はないぞ」
「え、ええ……」
「ソリフギくんが待っている。そいつは
先程の執事に対する態度とは違い、その声は明るい。村長はイトを伴って、正門から出ていった。
(村長、わがまま。奥様、村長のどこがいいんだろう?)
執事が二人の背中を見送ると、塀を飛び越えて近づく影が3つ、視界の端に映る。白い布を被った、オバケメダロットたちだ。
「お前たち……」
オバケメダロットたちは積まれた本のそばまで行くと、それぞれが持っている手提げ袋を逆さにする。いっぱいに入っていた本が、山の上にどさどさと、更に積まれた。
(これじゃ、終わらない)
執事は、焚き火の中で燃え残っている本と、追加され大きくなった本の山を交互に見て、心のなかで嘆いた。そして、一つ思いついた。
「いいところに、来た。この本、どこかに捨ててこい。わ、分かったな」
執事は、オバケメダロットに顔だけ向けて指図して、屋敷に戻っていく。
丸投げされたオバケメダロットたちは、互いに顔を見合わせて、ため息を付いた。