メダロット5? すすたけ村の転生者   作:ザマーメダロット

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今更ですが、複数対複数のロボトルは、あっち行ったりこっち行ったりするし長いしで、読む方が面倒ではないかと思わずにおれません。
どうなんでしょう。


22.はーい二人組作ってー

「ここが部室?体育倉庫じゃない」

 

体育館1階。部室の前まで案内されたコノハの、第一声はそれだった。

 

「跳び箱とかボールとか入ったままじゃダメでしょう。部室として使うなら他のところに移して、掃除もしないと」

 

「きれい好きもいいけど、別の日にしてくれ。今日はサメハダとタテハの実力を見ておきたいんだ」

 

コノハがじっとオレの顔を見る。

 

「……なんだよ?」

 

「部長みたいなこと言うのね」

 

「そりゃ部長だからな」

 

「ふふ、わかってるわよ」

 

ドアを開けて中に入ると、ヤマト、アサヒ、オサムの三人が地べたに座って待っていた。積み上げられたマットの上で、仰向けのミヤマがいびきをかいている。

 

「ロボトルやるぞー」

 

「5人じゃ1人余っちゃうね。ぼくが抜けようか?」

 

「いや、ヤマトはヒョウモンと。サメハダとタテハはチームを組んでオレと対戦してくれ」

 

「パーツのやりとりは?」

 

「もちろん、ありじゃ!」

 

アサヒがルールについて確認すると、オレより先にミヤマが答えた。寝転がったまま。

 

「いつの間に起きたんだ?」

 

「かかかっ、勝負は非情なもんじゃよ。緊張感のないロボトルをしても、練習にならんからな」

 

振り返ったアサヒ他に、視線も向けずに笑って答える。

 

アサヒと組まされた上、パーツのやりとりもアリということになって、ヤマトが嫌な顔をするかと思ったが、そうでもないらしい。

まともに部活ができて嬉しいからか?

 

「コイシマル、流石に5人だと狭くないか?」

 

ヤマトの方を見ていると、横からオサムに声をかけられた。

 

「あー……じゃあオレらはグラウンド出るか。メダロッターが2人いると廊下でもちょっと狭いし」

 

 

……

 

 

体育館入口からやや離れた場所に、オレたちは立っている。

10メートルほど前方にオサムとコノハ。

 

「アッちゃんにハンデつきで勝った相手だ。油断はしないぜ」

 

「あら、そうなの?ちょっと自信ないかも。今回は2対2だし」

 

オサムが意気込み、コノハはその様子に口だけ気後れしながら、各々のメダロットを転送する。

 

リーダーのオサム機は男・多脚・タマムシ型のヴェイグマン。

瓜のような、緑色に縦筋が入った細長い形で体が構成されている、四本脚のメダロットだ。目を含む要所要所に仕込まれた赤色が映える。

頭部と両腕は全て格闘攻撃"ウェーブ"。成功が高く、威力も低くない。ゲームでは難敵となる機体で、アサヒより強かった。

 

コノハ機は女・浮遊・ウサギ型のピンクラビー。ボディカラーは赤っぽいピンクと薄いピンクの二色で、普通のピンクがない。

頭部パーツはウサギの頭なのだが、脚部パーツも雪うさぎから前足だけ生えた形になっているので、耳は4本ある。

頭部と両腕は全てガトリング。

 

「あれ、オリビアじゃないの?」

 

後から転送されたピンクラビーを見て、ヴェイグマンが意外そうに言う。

 

「攻撃パーツ持ってるのが1人だけじゃだめでしょ」

 

「そっか」

 

コノハが説明し、ヴェイグマンは納得した様子を見せる。ピンクラビーはじっとしたまま何も言わない。

 

「よし、オレもメダロット転送!」

 

転送するのはジャングルギボンにエルヘッドの左腕を着けたベーデンと、クロトジル一式のルート。

分厚く長い、茶色に塗装されたイノシシの牙が、テナガザル型たるジャングルギボンの左肩から生えている。本来こういうことをすると重量バランスが崩れてよくないのだが、ベーデンなら大丈夫。

 

しかし、普通は大丈夫じゃないことをしているだけあって、オサムが細い目を更に険しくした。本来守られる側のリーダー機が、他の機体のダメージを肩代わりする援護パーツをつけているから、というのもあるだろう。

 

「5秒前!4、3」

 

オレが右腕を頭上で振ってカウントダウンを始めると、メダロッターとメダロット、それぞれが身構える。

ベーデンは今回、左腕で胸を庇うように構えている。流石に部活では、サキやウスモン相手にやったようなロボトルはできない。

 

「2、1、0!」

 

「タマサブロウ、行けーっ!」

 

「カロチーヌ、味方に当てちゃダメよ」

 

ヴェイグマンのタマサブロウが、4本脚をシャカシャカ動かして駆ける。狙いはベーデンか。

後方ではピンクラビーのカロチーヌがスーッと横にスライドしながら、同じくベーデンに銃口を向けた。

 

「1対1を作るぞ。ルート、とにかく2番機を撃て!」

 

「りょーかい!」

 

ベーデンの方は前を向いたまま頷き、タマサブロウに向かって走る。

リーダー同士が格闘レンジに入る前に、ルートとカロチーヌが同時に射撃。カロチーヌの左腕ガトリングを、ベーデンは真横に方向転換して回避。ルートの右腕ライフルがカロチーヌの左腕を破壊し、連射が途中で止まった。

 

「避けるの!?」

 

互いの銃撃音の終わり際に、コノハの声が聞こえた。

ピンクラビーの頭と腕は、充填冷却も成功も高い代わりが、脆い。その成功も、ベーデン相手では発揮できなかった形だ。

撃たれて左半身をのけぞらせたカロチーヌが、ルートの方に視線を向ける。

 

ここで、正面衝突する勢いで向かっていたベーデンが、タマサブロウの間合いに入った。

左腕を盾と構えたままのベーデンに対して、タマサブロウは右腕を引いてから突き出す。

 

「そりゃあっ!」

 

太く長い腕でありながら、その動作は素早い。

だが、ベーデンは走るスピードを落としつつ、上半身をのけぞらせて避けた。そのままタマサブロウの背後へ抜ける。

タマサブロウは振り向いて、後ろへ離れていくベーデンを見ると、そのまま追いかけていく。

 

「タマサブロウ、そのまま追い込め!」

 

「カロチーヌ、もっと離れるわよ!」

 

ベーデンとルートの板挟みになるのを嫌っての指示だろう。カロチーヌもルートを見たまま頷き、横へスライドしていく。

分断完了だ。

 

「よし。ルート、ここからはガトリングの撃ち合いで行こう。壊れるまで左腕だけで攻撃」

 

「防御は?」

 

「する。あくまで、壊れるまでだ」

 

「りょーかい!」

 

ルートとカロチーヌが互いにガトリングを浴びせ合う。カロチーヌ側は頭パーツも使い、ルート相手には性能を発揮して装甲をどんどん削っていく。すぐに互いの両腕が破壊され、頭パーツでの撃ち合いになった。

 

「ミサイルはダメよ!迎撃して!」

 

弧を描きつつも対象に自己誘導するルートのミサイルが、迎撃を試みるカロチーヌの弾幕をすり抜けて、その足元で炸裂する。爆風で浮き上がったカロチーヌに、更にミサイルが殺到。カロチーヌの背中からメダルが排出された。

 

「ああっ」

 

「やった!次はあっちに……あっ、弾がないや」

 

「げっ、もうやられたの!?タマサブロウ、早く攻撃しろ!」

 

「追いつけないんだって!」

 

その間ベーデンはひたすら走り回り、タマサブロウから逃げ続けていた。距離は離しすぎずにキープしている。

 

「ルート、メダフォースチャージ!」

 

「おっけー!」

 

踏ん張って力を溜め始めるルートを見て、オサムが()()と声を上げる。

 

「一旦あっちを機能停止させ――」

 

「行かせると思うか?」

 

「うわっ!」

 

反転して急接近したベーデンが、オサムの指示を遮るかのように、タマサブロウの脳天めがけてテナガザルの右腕を振るう。

そこを庇った左腕は一撃で破壊され、のけぞったタマサブロウは倒れないように数歩後退した。

 

「いっ……この!」

 

タマサブロウが反撃し、ベーデンがかわす。無視してルートの方へ向かおうとして、回り込まれる。また攻撃して、かわされる。

そうこうしている内に、ルートは準備を終えた。

 

「コイシマル、行けるよ!」

 

「よし!一斉射撃だ!」

 

「うん!」

 

ルートはタマサブロウの方に向き直り、両拳を握って前に突き出す。光が全身の装甲から滲み出し、弾切れした頭パーツの銃口に光が満ちる。

 

「やあああああ!!」

 

銃口から光線が放たれ、曲がり、タマサブロウの脚を撃ち抜く。脚部装甲を0にはできなかったものの、動きが止まった。

 

「ベーデン、もういいぞ!」

 

「ってことで、これで決着だよ」

 

ベーデンの右腕がタマサブロウに迫る。

 

「ひーっ!」

 

右腕、脚部、頭部を順番に殴打し、いずれも一撃で破壊。タマサブロウは機能停止した。

 

「うわあ……こりゃアッちゃんも負けちゃうわけだよ」

 

「新部長は随分と容赦ないのね……」

 

「お前ら、もうちょっと好意的な感想は出てこないのか?」

 

2人してため息をつかれて、オレまでため息をつきたくなった。

 

 

……

 

 

部室に戻ると、ヤマト対オサムも決着がついていたらしい。マットにあぐらをかいているミヤマを交えて、反省会をしているようだ。

オレたちが入ると、ミヤマがこっちを向いた。

 

「おう、お疲れさん。無事に練習試合もできて、いい感じに部がまとまって来たな。明日の期限を待たずして、公式試合に出られる6人まで揃えるとは大したもんだ」

 

「公式試合?オレたちが?」

 

アサヒが素っ頓狂な声を上げた。

 

「そりゃあ、部活なんじゃから、目標は対外試合で勝つことじゃろうが」

 

「あー、オレ部活なんて初めてだから、すっかり頭から抜けてたわ」

 

「いや、そうじゃなきゃ部活の意味ほとんどないでしょ」

 

アサヒが笑い、同じ身上であろうオサムがツッコむ。

 

「今日はもう遅い。みんな帰りなさい」

 

ミヤマにそう言われて、今日は解散することになった。

 

 

……

 

 

部活中大人しくしているように見えたヤマトだったが、帰り道では廃部回避について随分はしゃいでいた。

それにつられてテンションを上げて、神社前で別れた後、どっと疲れが出た。すぐに家につき、ドアを開ける。

 

「ただいまー」

 

「おかえりなさい」

 

母はちょうど夕飯の支度をしているようだった。振り向いて、首をかしげる。

 

「コイシマル、何かあったの?疲れるみたいだけど」

 

「部活でちょっと……ご飯できてる?お腹すいた」

 

「そうね、食べながら話しましょうか」

 

 

……

 

 

食卓に着いて、学校での近況を話した。母は食事をゆっくり食べながら、オレの目を見て話を聞いていた。

 

「そう、廃部にならなくてよかったわね」

 

「うん。ようやく一息つけそう」

 

「いつかコイシマルたちが、ロボトルの大会に出たりもするのかしら?」

 

「そのうちあると思うけど……先生に聞いとく。ごちそうさま」

 

「はい、お粗末さま。疲れたなら、お風呂に入って夜ふかしせずに寝るのよ」

 

「はーい」

 

言われた通り、オレは早めに床についた。

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