メダロット5? すすたけ村の転生者   作:ザマーメダロット

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 恥を忍んで帰って参りました。
 決して「思いつきで頭ベレトの続き書いちゃったけど本体のメダ5更新してないじゃん! ヤバ~~」となったわけではありません。違うんです。許してください。


28.せいどうクラス替え大会・1回戦前に

「1回戦第5試合の前に、フィールド整備を行います。1回戦第5試合は、20分後となります」

 

 1回戦第4試合までが見どころなく終わった後、前触れなくインターバルがアナウンスされた。

 

「へっ?」

「適宜実施、とは書いてあったわね」

 

 アサヒがそれ以上口を開く前に、コノハがプリントの一点を示した。確かに、状況に応じて適宜フィールド整備を実施、とある。

 

「20分も座りっぱなしもなんだし、せっかくだから、教会を見に行こうかしらね」

「よし、行くぞオサム!」

「おう!」

 

 コノハが席を立つより早く、アサヒとオサムが飛び出して行くのを、呆れた顔のサキとやや引き気味のヤマトが見送った。

 

「行くってどこによ? 教会に? あいつらが?」

「まさか。探検……とかじゃない? 他校だし」

「そんなところでしょうね」

 

 とため息まじりに言って、コノハがこちらを見た。

 

「……で、いいの? 部長」

「何が?」

「自由行動でいいの?」

「いいよ。行ってらっしゃい」

「はい、行ってきます」

 

 よくできました、とでも言いたげに微笑んでから、コノハがゆっくり歩いて行った。

 その姿が遠くなってから、オレはサキを見た。

 

「部長って、遠足の引率の先生みたいなことまでしなきゃいけないのか?」

「少なくとも、このまま試合の時間まであいつらが帰ってこなかったら、あんたの責任ね」

「うえ」

 

 嫌な顔をしてみせたら、サキに鼻で笑われた。

 

「やっぱ要るんだなあ、顧問って。アキ先生が受けてくれなきゃ相当ヤバかったんじゃないか」

「コイシマルくん、それはちょっと……」

「言い過ぎじゃないだろ? 流石に本人の前では控えるけど……いや控える必要あるか?」

「ミヤマ先生の辞書に責任の文字なんてあるのかしらねぇ」

 

 暇するかと思ったが、3人もいればそれなりに雑談ができるもので、それからもオレたちはとりとめもない話に花を咲かせた。

 

 5分経ち、10分経ち、15分経ち。

 アサヒとオサムについて、"あいつら本当に時間ギリギリまで戻ってこないんじゃないか"などと話していたところで当人たちが戻り、コノハを若干心配しつつも5人で雑談を続けていると、とうとう1回戦第5試合が始まってしまった。

 グラウンドでは互いに前のめりな射撃戦が展開されており、銃撃・爆発・光線などなどの音がやかましく響いている。が、オレたちは観戦どころではなかった。

 

「……なあ、外でタテハ見た?」

「いや、見てないぜ」

「オレも。ずっとアッちゃんと一緒にいたし」

 

 何せ、真面目が服を着ているようなコノハが事前連絡もなく遅刻しているので、誰でも心配しようというものなのだが、中でも付き合いの長いアサヒとオサムこそ、いっとう、気まずさと焦りを混ぜたような顔をしていた。

 遠慮がちにヤマトが口を開く。

 

「みんなで探しに行く?」

「非公開の大会とはいえ、他校で目立つのはよくないと思うんだけど……」

「教会に行くとは言ってたんだし、常駐してる人とかに訊けば何か分かると思うから、オレが行ってくる。もし誰か来たらありのまま説明してくれ。いいか?」

 

 言い終わり、アサヒとオサムも含めて見回したところ、全員異議はないらしかった。

 

「じゃ、よろしく」

 

 オレは小さく手を上げてから席を立ち、そっとグラウンドの外へ歩き出した。

 

 

……

 

 

 教会があるのはグラウンドから出て後者も横切って更に東。そこまで行ったところで、若干の違和感を覚えた。

 

「でっ」

 

 近付いて、教会に入ろうとしてみたところで、思わず声が出た。

 非公開のロボトル大会を理由に、教会を閉める旨を記した張り紙があった。

 

 となると、目的を果たせなかったコノハは戻ってくるのが自然なはずだが、そうはなっていない。

 見知った流れの中のはずが、覚えのない展開に直面し、オレはにわかに胸が締め付けられた。

 

(いらねえんだよこんなの)

 

 服の上から胸に爪を立てて握るように力を込め、拳でドンドンと叩き、歯の間から空気を漏らすようにシーと息を吐いた。落ち着いて気が楽になったような、ただ苛立ちが勝ったような気分になった。

 

(非公開の大会中だけあって敷地内に人は多くないけど、だからって外部の誰かがコノハをターゲットに誘拐をやらかす理由も特に思いつかねえ。

 せいどう生徒じゃないからヤクモの強メダル狩りの対象じゃないし、そもそもそれはわざわざ合法的にやれるよう手の込んだ仕組をこうやって作ってる)

 

 ほぼないだろうが、入れ違いの可能性も込み、大事になりつつあるので流石にせいどう学院側に伝えようかと思い始めた時、砂を踏んで歩く音がした。周囲に人がいないだけあり、よく聞こえる。

 すわ誘拐犯かとメダロッチを構え息を吸いながら振り返ると、そこにいたのは女生徒だった。思い切りこちらを見ているので、ついでに声をかけることにした。

 

「あ、すいません。三編みで私服着てる女子見ませんでした? うちの部員なんですけど、戻ってこなくて」

「知ってるわよ。一回戦の対戦相手だもの」

「いやそうじゃなくて」

 

 足踏みしそうになるのを意識して抑える。

 

「席に戻ってこないんですよ。見かけませんでした?」

「知ってるってば。あの子とお話したもの」

「へっ、どこで!?」

 

 思わぬ返答に、頭の重しがポンと飛んで、声が大きくなった。何がおかしいのか、せいどう4軍メンバーらしい女生徒がくすくすと笑うので、オレの腹の中がまた熱くなった。

 

「何笑ってるんですか」

「なんでもぉ。随分必死ね、部長さん」

「そりゃ必死にもなるでしょう。というかどこで話したのかさっさと教えてくださいよ、試合もあれば単純に心配でもあるんで」

「つい? ちょおっと長く話し込んじゃって? 今さっき戻っていったところなのよ」

「……」

 

 音を立てず、ゆっくり息を吸う。

 こいつが何を言おうが、手がかりがない以上、元々そう思っていたように、戻るしかないのは確かだ。

 

「そうですか。ありがとうございます」

 

 癪ではあるが、捨て台詞なんてのは何の意味もないので、オレは気持ちを飲み込んでグラウンドへ戻ることにした。

 

 

……

 

 

 果たして、席に戻ればコノハはいた。他のメンバーも含めて、観戦モードに入っている。

 横から控え目に声をかけると、こちらを見たコノハが心底申し訳無さそうに眉を八の字にした。

 

「本当にごめんなさいね、心配かけて」

「いやいいよ。4軍の人と喋ったって聞いてるけど、何もなかったか?」

 

 他の4人がこちらを見る。

 

「……コイシマルくんは一度この学院に来てたわよね。この大会に関するせいどう生の規則のことは詳しく聞いたの?」

 

 コノハは少々口ごもった後、囁くような声で言った。

 

「生徒から聞いたけど。……ああ、そういう」

 

 恐らく、同情なり混乱なり、こちらの思考にノイズを混ぜたかった、といったところらしい。長話に付き合っていたり、今のコノハの様子を見た感じでも、多少効果があったのだろうか?

 こすい連中だ。心配して損したというか、無用な心配をさせられてムカついたというか。

 

「いいのね?」

「決めたのが本人なら結果も本人のものだろ。ただの三味線だよ」

「三味線? なんだよ三味線って?」

「アッちゃんは黙ってて」

 

 三味線という言葉を文字通りに受け取ったらしいアサヒは容赦なく黙らされてオサムを見たが、オサムは黙って肩をすくめた。こちらも分かっていないらしい。

 それはそれとして、コノハは胸を撫で下ろしていた。他のメンバーに話していなかったり、オレとの会話でも具体的な内容は避けた辺り、言うべきか否か迷っていたんだろう。

 

「部長さんがそう言ってくれて、わたしも気が楽になったわ。頑張ってちょうだい」

「はいよ」

 

 それからは全員観戦モードに戻り、釈然としない顔のアサヒも、やがてそちらに集中し始めた。




 せいどう4軍の存在やこすいことをしているのはボツ戦闘メッセージより。
 戦闘開始メッセージと負けメッセージが微妙に噛み合ってない気がするのと、4軍側が学校等の目をかいくぐって悪さをする方法をマネーパワー以外に特に思いつかなかったので、半端な感じにしました。
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