メダロット5? すすたけ村の転生者   作:ザマーメダロット

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発掘メダルのラインナップ、強さとしては
B>エレメンタル>ネコ≧ボーイ>はてな
くらいのイメージです。まあどれ選んでも鍛え上げるのであまり関係ありませんが。

修行回はここまで。
原作で行けないおみこし町周辺の話なんてだらだら続けても仕方ないし……


4.予期せぬ出会い

それからもオレとベーデンは毎日ロボトルを繰り返し、ベーデンのレベルと熟練度はどんどん上がった。

たまに親切な対戦相手がロボトル後にパーツを分けてくれたりして、思わぬ戦力アップもあった。

 

 

……

 

 

時は過ぎ、小学三年生の冬休み。

オレがロボトルを始めてからすすたけ村に来るまでの、ちょうど真ん中の頃。

 

ひたすら鍛えたオレたちはその辺で声をかけたテキトーな相手程度は難なく倒せるようになっていた。

隣町で少し噂になっているらしく、歩いているとたまに挑戦者がやって来る。

その噂というのが、"何度こっぴどく負けようがお構いなしにひたすらロボトルし続ける少年メダロッター"という内容なので、挑戦者というのもたいていは勝てると踏んでパーツをカツアゲしに来るしょうもない連中だった。

そう、勝てるようになったオレは真剣ロボトルを始めたのだ。手持ちパーツはどんどん増え、多少負けてもお先真っ暗ということはなくなっていた。

しょうもない連中は返り討ちにしてパーツを巻き上げてやったら、同じ奴は二度と声をかけて来なくなった。

(ちなみに、真剣ロボトルは合意が必要なので、一対三の勝負とかになったりはしない)

 

ありがたいことに、たまに本当に強いメダロッターもやって来る。

あの日もそうだったが、いつもと違うのはオレが知っている相手だったということだ。

 

「ちょっといいですか?」

 

「はい?」

 

そろそろ帰ろうかと思っていた時。

道で声をかけられて振り向くと、赤毛の男の子と女の子がいた。見るからに外国人。女の子の方が同い年くらいで、男の子がもうちょっと小さい。二人への第一印象は"どっかで見たような"だった。

 

「この辺りで、コイシマル、いう人見ませんでしたか?」

声をかけてきたのは女の子の方か。日本語がたどたどしい。

 

「コイシマルはオレだけど」

 

と答えながら顔を見ていると、唐突に思い出した。

 

(ヘンゼルとグレーテルだ!なんでこんなところに!?)

 

メダロット5には出番が極端に少ないネームドメダロッターがいる。

オーストリアからやってきた双子のヘンゼルとグレーテル、あとメダロットの誘拐に手を貸してしまうツグオ。

ネームドなので強いのは当然なのだが、この三人は共通して設定上も強い。

ツグオはヒコオに次ぐ実力を持っていて、グレーテルはオーストリアのトップ10に名を連ねている。ヘンゼルはグレーテルより一段劣る程度か。

 

「わたし、グレーテル」

 

「ボクはヘンゼル。あなたがこの辺りで一番強いメダロッターって本当ですか?」

ヘンゼルが比較的流暢な日本語で言う。

二人が日本語話せるのは祖父が日本人だからで、ヘンゼルの方が流暢なのはおじいちゃんっ子だから、だったか。

 

「"滅多に勝てない"から"たまに負ける"くらいにはなってきたけど、一番かは知らないなあ」

 

「へえ、じゃあやっぱり強いんですね。ボクたちとロボトルしてくれませんか?」

 

「いいけど、オレはメダロット一体しか持ってないぞ」

 

「ワッツ!?アンビリーバボー!」

グレーテルが大声で言う。道行く人の視線が痛い。

ところでオーストリアってドイツ語圏だと思うんだけど、なんで出てくるのが英語なの?

 

「どうしてですか?」

対して冷静なヘンゼル。

 

「今は一体で手一杯なの」

 

「なるほど、だから一対一のロボトルしかしないんですね。わかりました」

「ボクとグレーテルと、一回ずつロボトルしてくれませんか?」

 

「いいよ」

 

「ありがとうございます」

 

「それじゃわたしからデス。カモン、ベル!」

 

グレーテルが転送したのはスズラン型メダロット・キミシャドー。女型。

頭部は動きを止める格闘攻撃「フリーズ」、両腕は動きを止める格闘攻撃「サンダー」。

フリーズとサンダーの違いはパーツ性能の傾向くらいなので気にしなくてよし。

本来脚部は多脚だが、車両パーツに付け替えてあるな。まあ強いメダロッターならやってて当然か。

 

「メダロット転送!」

 

そしてベーデン。射撃は充分鍛えたと思って最近は格闘重視にしていたが、相手が相手。本気構成だ。

頭パーツはイルカ型メダロット・ドルドルフィンのアミノリンク。治す行動「回復」でパーツを修復する。回数4。

右腕パーツは女子学生型メダロット・ラストセーラーのクレンマイト。素早い撃つ攻撃「ライフル」。

左腕パーツはヴァルキュリア型メダロット・プリティプラインのシャインシールド。他のメダロットを庇う、守る行動「援護」のパーツだが、それゆえ装甲が高く作られており、単に攻撃に耐える用途でも使える。

脚部パーツは家庭教師型メダロット・セットチューターのアチチュード。車両。

完全にキメラだが、それがメダロットだ。

 

「合意と見てよろしいですね?」

唐突に男の声が響く。

 

ロボトル監視衛星"テラカドくん"は様々な方法で地球(と月)で行われる真剣ロボトルを事前に察知し、そこへレフェリーを派遣する。

このシステム、一見めちゃくちゃだが、実際めちゃくちゃだ。どうやって実現しているのか誰も知らない。

 

「わたくし、ロボトル協会公認レフェリー、ミスターてまわしと申します」

白いシャツに赤い蝶ネクタイ。レフェリーはだいたいこういう服装だ。

 

「グレーテル、遠慮はいらない。真剣ロボトルだ」

 

「すごい自信ですネ。わたし、強いですヨ?オーストリアではトップ10入ってマス」

知ってる。

 

「なるほど、コイシマルが緊張するのもわかるかも」

 

「よろしくお願いしますね、ベーデンさん」

 

おれとグレーテル、ベーデンとベルが構える。

……メダロッチには「ベルナデッタ」って表示されてるな。縮めてベルだったか。

 

「それではロボトルゥウウーーー……」

ミスターてまわしが手を振り上げ、

 

「ファイッ!!」

振り下ろした。

 

「横に走りながら撃て!」

「右腕を狙ってキエロ!」

 

キエロはキミシャドーの頭部パーツの名称だ。

ベルが前傾姿勢で突っ込んでくる。頭部についた花の部分から冷気が漏れている。頭ごとあれを振り回すのか。

こちらの攻撃は当たっているが、充填冷却分動きが鈍り、接近を許してしまう。

 

「やーっ!」

 

素早く頭を振り上げ、振り下ろすベル。その場で左腕の盾を構えて受け止めるベーデン。

ダメージは盾で受けることができたが、フリーズ効果で動きがさらに鈍くなる。

 

「ベル、スズフラワー!」

 

電撃を纏った右腕での殴打が迫り、ベーデンはギリギリで盾を構えて受け止める。

 

「ワンスモア!」

 

もう一度殴打、そしてギリギリで防御。まだ盾は壊れないが、そろそろ装甲は限界。

 

「ムーッ、ベルフラワー!」

 

ベルが今度は高威力の左腕を振りかぶる。

ここで、腕が一番上がった頃にベーデンが再始動して……やっと右腕の冷却が終わった。

 

「回復しろベーデン!」

 

頭パーツから光の帯が伸びて盾を包み、盾の傷が塞がっていく。

頭パーツは回数制限がある代わりに、腕に比べて高性能。その例に漏れず、このパーツの回復量も多い。

なぜ、射撃と格闘を得意とするボーイメダルが治すパーツを使いこなせるのかというと、これも日々の成果だ。

所持熟練度外だろうと時間をかけて鍛えれば強くなる。

 

「そしたら避けられまセーン!」

得意げに笑うグレーテル。

 

まあその通り、今度は頭パーツの冷却のために距離を開けられず、盾で受け止めるはめになり、ベーデンはまた動けなくなる。

 

「ワンスモア!」

 

もう一度殴打、そしてギリギリで防御。まだ盾は壊れないが、そろそろ装甲は限界。

 

 

……

 

 

ということを、ベーデンの頭部パーツの回数が切れるまで繰り返した。

見ているだけのヘンゼルも疲れた様子だが、グレーテルは疲れより苛立ちが勝っているらしい。

 

「ヘイ、ユー!降参しなサイ!」

 

「なんで?」

 

「あなたのメダロット、もう回復できまセン!攻撃、避けられまセン!」

 

「そうかな?やってみないとわかんないよ」

 

「……ベル!キエロ!」

 

「は、はい!」

 

回数は数えてないが、頭部パーツでの攻撃が来る。

頭を振り上げ、そしてベーデンの冷却が終了。だが盾は上げない。

 

「データ操作!」

「もちろん!」

 

ベーデンがオレの指示に素早く応え、メダフォースを発動。その姿がノイズに包まれた後、半透明になる。

メダフォース・データ操作は、味方メダロットの攻撃の成功と、攻撃に対する回避率を上げる。

偶然この時使われたキエロが成功の低いパーツということもあって、ベーデンはサンフリループから抜け出した。

 

「ほら避けた」

 

「メダフォース!?溜めていなかったのに、ホワイ!?」

 

「メダロットは攻撃を受けるたびにちょっとずつメダフォースが溜まる。忘れてたみたいだな」

 

「ベルフラワー!!」

 

最も成功の高い右腕パーツが来る。当たるかもしれない。

 

「何回攻撃したか数えてないんだろ。熱くなりすぎだぞ」

 

「そして、これで作戦完了」

 

ベーデンが残るメダフォースでもう一度データ操作を発動。透明度が増し、ベルの右腕をひらりとかわす。

 

「それで当たり前だけど、こっちの攻撃は当たるぞ。撃て!」

 

「待ってました」

 

ようやくの反撃。ベーデンの右腕、制服の袖から覗く銃口から弾丸が発射され、冷却中のベルに当たる。データ操作で高められた成功から繰り出された攻撃が、「殴る」行動の直後で防御に移れないベルに。

その攻撃は頭部にクリティカルヒットし、ベルはしばらく頭をふらふら揺らした後、背中からメダルを排出した。

 

「ベル、機能停止!コイシマルくんの勝利!」

じっと見守っていたミスターてまわしが宣言した。

……額に汗が滲んでいる。長時間拘束して申し訳ない。

 

「よし……!」

ネームドキャラに勝てたことに、小さくガッツポーズする。ベーデンの経験値としても申し分ないだろう。嬉しい誤算だ。

あ、手汗すごい。

 

「オゥ……」

そしてグレーテルはがっくり膝と手をついている。テンション高い外人って感じのオーバーリアクションだ。

 

「ベーデン、まだやれるな?」

 

「コイシマル、門限」

 

「……あっ」

 

元々帰ろうかと思っていたところで、確実に勝つためとはいえ長期戦戦法を使ったおかげで、帰宅リミットがすぐそこへ迫っていた。

ヘンゼルとのロボトルは無理そうだ。

 

「ボクたちもそろそろ戻らないとパパが心配するネ」

 

「そっか、ごめんな。じゃあまた今度」

 

「うん、また今度」

 

「グレーテルもまたな」

 

「次はわたしが勝ちマース!」

そしてグレーテルの切り替えが早い。これもテンション高い外人って感じがする。

 

オレは二人と別れ、急いで帰宅した。

 

そしてそれから、隣町で二人に再会することはなかった。

 

 

……

 

 

冬休みが明け、一月は往き、二月は逃げ、三月は去る。春休みもあっという間に過ぎ、新学期。

 

そして四月の中旬。夏から始まった、半年ちょっとのロボトル漬け生活も終わる。

とうとう、すすたけ村に引っ越す日がやってきた。




※アンケ設置予定

冬まで鍛えてレベルが上がったのでメダフォースも使えました。
使ってるパーツがしょぼく見えた人もいるかもしれませんが、一般人のコイシマルくんに大それたパーツは手に入れられません。

肥溜めダイブ

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