「ふぅ」
ため息がはかれる。キレイに整理された本が並んでいた大図書館だったが、今は見るも無残に散らかってしまっていた。そんな大図書館には寝転がる少女とその近くに座る少女がいた。
「やはり強いな、パチュリー。体力もつければ完璧なのになぁ」
ぼやく魔理沙。パチュリーとの戦闘は魔理沙の勝利であった。パチュリーは身体能力の低さゆえ長めの戦闘ができないのである。
「あのねぇ! 何を勘違いしているのか知らないけどレミィは……」
「あ、もう起きたのか」
勢いよく飛び起きるパチュリーに声をかけながら上へ行く準備をする。何かを伝えようとしているようだが魔理沙は話半分に聞き流した。
「私はこれから上へ行くから。また今度来るぜ」
「来んな。……はぁ、もういいわ。行きなさいよ。どうせ何言ったって聞かないんでしょ」
「その通りだぜ!」
魔理沙の返事に呆れて何も言えないパチュリー。しかし人の話を聞かずに暴れるのが魔理沙である。もはや無意味と感じたパチュリーは止めることを諦めた。
そんなパチュリーの態度など露知らず笑いながら地下から出ようとする魔理沙。大図書館の奥にある階段を駆け上がり1階の玄関へ上がる。
「何を企んでようが私にはお見通しだ!」
上がった勢いでリビングの扉を勢いよく開ける。中にいたのは二人の少女。部屋にリボンなどの飾りをつけている少女とテーブルクロスを綺麗に整えているメイド服の少女だ。飾り付けをしていた少女が魔理沙に気づき驚く。メイド服の少女は魔理沙を見るや顔をしかめた。
「な……これはどういうことだぜ?」
状況整理ができてない魔理沙は、二人に聞く。しかし、聞かれた二人も困惑していた。飾りをつけていた少女が言葉を返す。
「どういうことって。こっちのセリフなんだけど……」
困り顔で答える少女。幼さは残るがハッキリとした声の主は、紅魔館の主である吸血鬼のレミリア・スカーレットだ。レミリアの問にさらにテーブルクロスを整え終えたメイド服の少女……十六夜咲夜が聞き加える。
「なにを思ってか知らないけど、邪魔しに来たのなら容赦しないわよ」
好線的な態度で刺激する咲夜。テーブルから離れ魔理沙の方を向き太ももに装備したナイフを構える。それを見たレミリアは危ういと感じたか魔理沙と咲夜の合間に飛び降りる。
「やめなさい、咲夜」
その言葉に「承知いたしました。お嬢様」と答えナイフをしまう。一方魔理沙は、二人の様子に呆気を食らい、何が起きているのかさっぱりであった。とりあえず、あの噂―チルノの盗み聞き―が真実なのか確認しようとした。
「霧の湖の妖精達からお前らが何が企んでるって聞いたから来た。本当か?」
「企みって……」
魔理沙の質問に二人は顔を合わせ苦笑する。心当たりがあったのだろう。
「説明してあげなさい、咲夜」
「いいんですか?」
「ええ、誤解を解かないと暴れそうだし」
「わかりました……」
二人にしか聞こえないほどの声で会話するレミリアと咲夜。魔理沙はその行動を怪しく感じるが特に何もせず待っていた。そして、短い会話が終わり咲夜が話し始めようとした瞬間。
ゴゴゴゴゴ!!!
雷のような轟音が紅魔館に響いた──