仮面の男と仮想世界   作:オンドゥル暇人

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なんか前のサブタイと似たような感じですけど気にしないで下さい。良案が思いつかなかっただけです。


第16話 新たな世界

《Welcome to ALFheim Online!》

 

 

二年前に見たものと似たようなロゴが表示されると、システムアナウンスが流れ出した。

 

 

『アルヴヘイム・オンラインへようこそ。最初に性別とキャラクターの名前を入力してください』

 

 

アバター名にPersona(ペルソナ)と入力。一瞬、《Ash(アッシュ)》にしようか迷ったが、キリトと合流する際に名前が違ったら色々と面倒なのでSAOの時と同じ名前にした。恐らくキリトの方も同じだろう。そして、もちろん性別は男。

 

 

入力し終わると、再びアナウンスが流れる。

 

 

『それでは種族を決めましょう。九つの種族から一つ、選択してください』

 

 

種族別に九つのアバターが出現する。

 

 

私は闇妖精族(インプ)を選択。

 

 

『インプですね。キャラクターの容姿はランダムで生成されます。よろしいですか?』

 

 

出来るだけ普通のアバターになる事を祈りながら、私は丸ボタンを押した。

 

 

『それではインプ領のホームタウンに転送します。幸運を祈ります』

 

 

 

私の体は光に包まれ、次に目を開けたとき、私の目には暗闇に輝く美しい街が広がっていた。

 

 

私は暫くその風景を堪能していたが、ここである事に気づく。

 

 

私が今いるのは領地の上空…このまま頭から落下していけば確実にHPが0になってしまうだろう。

 

 

その時だ。突然私の体は落下するのをやめ、まるでバグでも起こったのか、足元(正確には頭上だが)に穴が空き、私はその穴に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いたら、私は森の中にいた。

 

 

「ここは…どこだ……?」

 

 

本当なら私はインプ領のホームタウンに転送される筈だったのだが、私がいるのは森の中だ。

 

 

「うわぁああ‼︎」

 

 

と不意に真上から叫び声と共にプレイヤーが一人落下してきて、私は素早く横に避ける。

 

 

落下してきたプレイヤーは綺麗に顔が地面に突き刺さっており、なんとも居た堪れない姿だった。

 

 

「おい…大丈夫か?」

 

 

「ああ大丈夫だ……ってペルソナ!」

 

 

「キリトか?」

 

 

何と、落ちてきたプレイヤーはキリトだった。その容姿は耳がとんがっている事と、髪型がツンツン頭になった事以外はSAO時代とほぼ同じだ。

 

 

「君はSAOの時とあまり変わってないな」

 

 

「自分ではよく分からない」

 

 

「そこの川で見てくれば良いじゃないか」

 

 

キリトが指差す方には川が流れており、私は川の水面に自分の顔を映した。するとどうだろう。キリト同様、少しとんがった耳以外は現実世界の私と瓜二つの顔がそこにある。

 

 

「どう言う事だ……?」

 

 

私はその場で顎に手を当てて考えるが、いくら考えてもその答えは出てこない。

 

 

「なんだこれ⁉︎」

 

 

後ろでキリトが驚きの声を上げ、私が近くによると彼はステータス画面を私に見せてくる。

 

 

そのステータス画面を見たとき、私も自分の見たものが信じられず、驚いてしまった。

 

 

キリトのステータス画面に映し出されたパラメータは、全て異常な程に高かった。それはまるでコアなゲーマーが何ヶ月いや、何年もかけて積み上げたもののような……。

 

 

「これって……君のも見てみろよ!」

 

 

「あ、ああ」

 

 

私は動揺しながらも右手を振る。だが、いつもならすぐに出てくるウインドウが表示されない。

 

 

「ここでは左手を振るんだ」

 

 

キリトに言われた通りに左手を振る。すると今度はちゃんとウインドウが開かれた。

 

 

そしてステータス画面を見ると……

 

 

–––これは……SAOと同じパラメータ……。

 

 

「……だがこの《???》とは何だ?」

 

 

「多分ユニークスキルじゃないかな?俺の《二刀流》も《???》になってる」

 

 

キリトの言葉に私は納得する。そこで私はふと思い立ってアイテム欄を見ると、やはりと言うべきか、ほぼ全てのアイテムが名前の代わりに《???》と表示されており、どれが何のアイテムなのかがわからない。

 

 

 

私がアイテム欄を眺めていたら、突然キリトの方で眩い光が発生し、光の中から一人の少女が現れる。

 

 

「俺だよ。ユイ、分かるか?」

 

 

その少女はユイちゃんだった。彼女は目の前にいるのがキリトだと気付くと目にいっぱいの涙を溜めながらキリトに向かって思いっ切り抱きついた。

 

 

 

 

 

そして暫くしてから私たちはユイちゃんを真ん中にして、自然に出来た木の橋の上でこの世界についていくつかユイちゃんから話を聞いた。

 

 

この世界…ALOはSAOサーバーのコピーでセーブデータの形式(フォーマット)がほぼ同じだった為、私やキリトのアバターにはSAOとALOに共通する熟練度が上書きされたと言う。

 

 

「アイテムは……破損してしまってるようですね。エラー検出プログラムに引っかかる前に破棄したほうが良いです」

 

 

私とキリトはユイちゃんの言う通りにアイテム欄にある破損したアイテムを全て消去した。

 

 

ステータスの方は人間のGMが直接確認しない限り、アカウントを消される心配は無いらしい。

 

 

「これではもう《ビーター》じゃなく、ただの《チーター》だな」

 

 

「君も上手い事言うな……。ユイはこの世界でどういう扱いになってるんだ?」

 

 

「えっと、プレイヤーサポート用の擬似人格プログラム《ナビゲーションピクシー》に分類されています」

 

 

ユイちゃんがそう言った直後、彼女の体が強く発光したかと思うと、ユイちゃんは小さな妖精…ピクシーへと姿を変えた。

 

 

 

「そういえば、俺たちはなんでこんな何もない森にログインしたんだ?ホームタウンに転送される筈だったんだが……。君もそうだろう?」

 

 

「ああ」

 

 

「位置情報が破損したのか、或いは混信したのか……」

 

 

真相はユイちゃんにも分からないらしい。

 

 

「どうせなら世界樹の近くに落ちてくれれば良かったのになぁ……」

 

 

「例えゲームの中だとしても、そんな都合良くは行かないだろう」

 

 

私は悪態をつきながら立ち上がるキリトに向かって言う。

 

 

対して、立ち上がったキリトは翅を出現させてユイちゃんに簡単な飛び方を教わっている。

 

 

流石はSAOで《二刀流》を使いこなしていただけはあり、少し動くだけで飛び方をマスターしていた。

 

 

「取り敢えず近くの街まで飛んで行こう。ペルソナ、早く君も準備してくれ」

 

 

–––やれやれ。

 

 

私は立ち上がって翅を出す。そして補助コントローラーを手に持つと夜空に向かって飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森の中に落ちたシルフのリーファは追い詰められていた。

 

 

パーティメンバーは全滅、HPは残り僅か、翅も少し休ませる必要がある為、飛んで逃げる事も出来ない。

 

 

だがそんな絶望的状況下に於いても、彼女は諦めずにしっかりと剣を握りしめる。

 

 

「あと一人は絶対に道連れにするわ。デスペナルティが惜しくない人から掛かって来なさい!」

 

 

「気の強い子だな。仕方ない」

 

 

彼女を狙う三人のサラマンダーは空中で散解し、攻撃態勢を取る。

 

 

リーファとサラマンダー達の間を流れる緊張間、一触即発の状態で、お互いに警戒しているその時だった。

 

 

「うわぁああああ‼︎」

 

 

叫び声を上げながら、スプリガンの少年が落下してきて地面に頭をぶつけた。

 

 

「着陸がみそだな…これは……」

 

 

少年はそう呟きながら頭をさすっている

 

 

「足を下の方に向けて全身の力を抜くように降りれば、自然と着地できるぞ」

 

 

スプリガンの少年に続くように、今度はインプの青年が少年の隣に着地する。

 

 

「重戦士三人で女の子一人を襲うのは、ちょっとカッコよく無いな」

 

 

「何だとテメェ!」

 

 

「初心者がノコノコと出て来やがって!」

 

 

少年の言葉にカチンッときたサラマンダーの二人が、標的をリーファから少年に変える。だが、少年は依然として余裕の表情を崩さず、隣の青年はそんな少年に対し呆れた顔をしていた。

 

 

その様子に今度こそ堪忍袋の緒が切れたサラマンダーは、少年目掛けて突撃する。

 

 

リーファは一瞬だけ目を閉じる。そして閉じた目を開けてみると、何という事だろう、スプリガンの少年がサラマンダーのランスを片手で掴み取っているではないか。

 

 

それの光景にスプリガンの少年の隣に立っているインプの青年以外は驚愕する。

 

 

「よっと」

 

 

少年は軽い感じでやったのだろうが、少年にランスごと投げられたサラマンダーは勢いよく飛び、後ろに控えていた仲間の一人とぶつかって地面に落ちた。

 

 

「えっと…その人たち、斬っても良いのかな?」

 

 

「そ、そりゃ良いんじゃないかしら。少なくとも先方はそのつもりだと思うけど」

 

 

「じゃ、失礼して」

 

 

肩を回しながら聞いてくる少年に対し、リーファそう答えた。すると少年は背中の剣を抜き、目にも止まらぬ速さでサラマンダー二人の間を通り抜ける。

 

 

そしてサラマンダーの一人が赤い炎へと変わった。

 

 

「次は誰かな?」

 

 

 

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