仮面の男と仮想世界   作:オンドゥル暇人

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お待たせしました。第65話です。

いつも誤字修正、感想等ありがとうございます。



第65話 アークスとダーカー

 

アスナ達はアークスシップの市街地にある服屋に来ていた。

 

 

「こういう可愛い感じのやつなんか似合うんじゃない?」

 

 

リズベットがマトイに合わせた服はフリルの付いたメイド服のような物だった。

 

 

「リズさん。もう少しちゃんと選んでくださいよ!っていうか、どこにあったんですかその服!」

 

 

「そうだよー。これ見たいな意外とカッコいい系の方が似合うかもしれないじゃん」

 

 

そう言ってユウキが持ってきたのは、OLのスーツのような服だった。

 

 

「ユウキちゃんまで!」

 

 

「ええっと、わたしはみんなが選んでくれたのなら、どんなのでも大丈夫だよ?」

 

 

「こら、あなた達マトイを困らせないでちゃんと選びなさい。マトイ、これリーファとユイちゃんと一緒に選んだんだけど」

 

 

マトイが完全にユウキとリズベットの着せ替え人形となっている中、シノンが持ってきたのは、白を基調とし、所々に赤と黒のラインが入った服とズボンと髪飾りのセットだ。

 

 

「マトイちゃんは綺麗な銀髪をしてるから、それに合った色の服が良いんじゃないかなーって思ってね。ほとんどユイちゃんが選んだものだけど」

 

 

「はい!マトイさんに一番合った服をピックアップさせてもらいました!」

 

 

「ふふっ、ありがとうユイちゃん。それじゃあ早速だけど着替えてくるね」

 

 

シノン達から渡された服を持ってマトイは試着室に入る。

 

 

「なんて言うか、マトイちゃんもそうだけどこのゲームのNPCって、他のゲームのNPCとは雰囲気が全然違うね」

 

 

「そうですよね!実は本物の人間でしたって言われても納得しちゃいそうです」

 

 

「それはこの世界のNPCが全てAI搭載型だからだと考えられます。開発者インタビューによると、このゲームのコンセプトは『新たな形のMMORPGの先駆け』との事だそうです」

 

 

ユイちゃんがPSO2について説明していると、シノンは素朴な疑問を投げ掛けた。

 

 

「そう言えば、このゲームの開発者ってどんな人なの?」

 

 

「それが分からないんです。開発者どころか、どこの会社が運営している物なのかも公式には発表されていません。先程の開発者インタビューが公式サイトで唯一公開されていた情報でした」

 

 

「こんなに凄いゲームを作ってんのに勿体ない!さっさと正体明かしちゃえばもっと金儲け出来るかもしれないのに」

 

 

「確かに、変な話ね」

 

 

楽観的に話すリズベットとは対照的に、シノンは詳細不明の運営を不気味に感じていた。そんな中、丁度良いタイミングで試着室からシノン達の選んだ服を着たマトイが出てくる。

 

 

「ど、どうかな?」

 

 

「わぁー!すごく似合ってますよマトイさん!」

 

 

「そ、そう?えへへ、何かちょっぴり照れちゃうな」

 

 

ユイちゃんの見立て通り、その服は初めからマトイの為にあつらえられた物のようだった。

 

 

 

 

そんな皆をアスナは少し離れた場所から微笑ましそうな目で見ていた。

 

 

「アスナさん?どうかしましたか?」

 

 

アスナの様子がおかしいと感じたランが話しかけると、アスナは表情を変えずにランの方に向き直った。

 

 

「うん少し考え事。ねえ、ランは気付いた?マトイを見てた時のペルソナさんの目」

 

 

「あの人のですか?別に、いつも通りだったと思いますけど」

 

 

ランの回答にアスナは「そう」と呟きながら、マトイ達の方へと視線を戻す。

 

 

「ペルソナさん、マトイを見るとき、ランとユウキの相手をしてる時のみたいな優しい目をしてたんだけど、同時にすごく悲しそうな目をしていたの。彼とは長い付き合いのつもりだけど、あんな悲しそうな目は初めて見たわ」

 

 

「全然気づきませんでした」

 

 

「ランが気付かないのも無理ないよ。わたしもさっきまで気付かなかったから。キリト君は何か知ってそうな感じだったけど、多分話してはくれなさそうかも」

 

 

「戻ったら、お2人に問い詰めてみます?」

 

 

ランの提案にアスナは少し驚きつつもクスッと笑いながら首を横に振った。普段からしっかりした姉としてユウキの事を叱っているというイメージが強い分、彼女がそんな発言をするのが意外だったのだろう。

 

 

「何も話してくれないって事は、それなりの事情があるって事だろうし、2人が話してくれる気になるまで待つつもり。まあ、だいぶ先になりそうだけどね」

 

 

「そうですね。お2人とも、無茶しすぎなければ良いんですけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあペルソナ、本当にこの道で合ってるのか?」

 

 

「ああ。私の記憶通りならこの先に開けた場所でダーカーと遭遇し、戦闘になった筈だ。それに、マップをよく見てみろ」

 

 

「マップ?……これは⁉」

 

 

私の言葉に促されるまま、マップを開いたキリトは驚きの声を上げた。

 

 

私もマップを開いてみたが、本来そこにある筈のマップ情報が表示されていなかった。

 

 

「シオンの手引きなのか或いはこの体のせいか。いずれにせよ私達は知らぬ間に、本来プレイヤーが入ることの出来ないエリアを進んでいた。これには必ず意味がある筈だ」

 

 

草木を掻き分けて進んでいくと戦闘音が聞こえ、その方角へと急ぐと、アフィンとコハナがダガンの群れと交戦していた。

 

 

「加勢するか?」

 

 

「いや待て、少し様子を見るぞ」

 

 

出ていこうとするキリトを抑え、私はアフィンと共に戦っている女性アークスに注目する。

 

 

目にも留まらぬ身のこなしでダガンを一掃していくコハナ。返り血のように浴びたダーカー因子は彼女の体に沁みこむように消えていった。

 

 

ダガンが全滅した直後、どこからか飛んできた銃弾がコハナの頬をかすめた。

 

 

「今のは⁉」

 

 

「……彼女か」

 

 

「あらー?アークスでしたかー!」

 

 

そんな狂気じみた声と共にキャストの女性がその場に現れる。

 

 

「ごめんなさい。ダーカーかと思っちゃいましたよー!」

 

 

「ちょっと!危ないじゃないか⁉」

 

 

「銃って本当にいいですよね。感触は残らないし、ダーカーに触らなくても踊るように倒れていく。ゾクゾクしませんかぁ?!」

 

 

――《リサ》、相変わらず何を考えてるのか分からないな。

 

 

アフィンの批判も気に留めずリサは持っている愛銃に頬擦りしながら銃の良さについて語り始めた。あの狂人っぷりには流石の私もキリトも引かずにはいられなかった。

 

 

「リサ、またヤリたくなってきましたよ。それではごきげんよう。そちらの茂みで隠れてるお2人も、ごきげんよう」

 

 

「「っ‼」」

 

 

「相棒⁉それにキリトも!」

 

 

いつからバレていたのか。リサは不気味に笑いながらその場から離れていく。

 

 

――全て見透かされているあの感じ……やはり彼女には要注意だ。

 

 

「2人共どうしてここに?」

 

 

「あ、ああ。探索をしてたら偶然近くを通ってな。それより、彼女は大丈夫なのか?」

 

 

そう言ってキリトはコハナを指差す。彼女は膝をつき、肩で息をしている。明らかに様子がおかしい。

 

 

「コハナさん、大丈b」

 

 

アフィンが彼女を心配し、駆け寄ろうとしたと同時に、ダガンが一体コハナの前に現れる。が、コハナが即座にガンスラッシュの銃撃でダガンの頭を吹き飛ばした。

 

 

「やった!流石コハナさん!」

 

 

ダガンを倒した後も、コハナの様子は変わらず、いや寧ろ悪化したと言った方が正しいだろう。目には赤い光が怪しく灯り、廃人のように口から涎を垂らしながら、彼女は私達に刃を向ける。私は素早くアフィンとコハナの間に立ち、コハナの攻撃を受け止める。

 

 

――今の私にあの力が使えるか分からないが、やるしかない。

 

 

鍔迫り合いの状態から力を受け流し、体勢が崩れた彼女の体に触れる。だが、ダーカー因子を浄化する時のあの感覚はしなかった。

 

 

「ならっ!」

 

 

私はコハナの腹へと蹴りを入れる。気絶させるつもりだったのだが、上手く決まらなかったらしく、彼女はすぐに起き上がると、苦しそうな呻き声を上げながら走り去ってしまった。

 

 

「コハナさん!」

 

 

「アフィン、キリト、彼女を追うぞ!」

 

 

「「ああ!/分かった!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずいな……足跡が途切れた」

 

 

「それらしい人影もないぞ」

 

 

逃走したコハナの姿を見失い、唯一の手掛かりの足跡も途中で消えた。

 

 

――このままではコハナは"彼女"に殺される。

 

 

どこで殺されていたか場所は分かっている。だが当時、私達がその場所に着いた時点ではコハナは既に殺されていた。コハナを救うためには、コハナが彼女と鉢合わせる前にコハナを見つけなければならない。タイムリミットは日暮れまでだ。

 

 

――だが、辺り一帯を探すにしても人手が少なすぎる。

 

 

 

「はぁーい!」

 

 

コハナ捜索について解決策を練っていると、唐突に声を掛けられた。声の方に目を向けると、そこには緑と黄緑の戦闘服を着た双子の女性アークスが立っていた。

 

 

「ちょいとそこ行くアークスさん!お困りじゃないですか?」

 

 

「「「……。」」」

 

 

「ほら、パティちゃんがいきなり話しかけるからキョトンとしてるじゃない。不出来な姉がすみません。あ、わたし妹のティアって言います」

 

 

「君達は一体何なんだ?」

 

 

「あたしたちは『パティエンティア』。アークス1の情報屋だよ!!」

 

 

「勝手に言ってるだけですけど……」

 

 

パティの説明にティアが呆れた表情でそう付け足す。

 

 

「アナタが異世界から来た戦士だよねー!」

 

 

パティは1人興奮したようにキリトの事を観察し始めた。

 

 

「よせ。今はそれどころではない」

 

 

「知ってる。コハナさん探してるんでしょ?」

 

 

私の言葉にパティはキリトの観察を中断してそう返してきた。

 

 

「すみません。取り乱していたようなので、コハナさんがおかしくなった理由を知らないんじゃないかと思って……」

 

 

「アナタ達ルーキーさんみたいだし、"センパイ"アークスのあたしが教えてあげよう!ってね♪」

 

 

そこからパティは新人アークスでも分かるような事を得意気に話を進めていく。

 

 

「ズバリ!コハナさんがおかしくなったのは、《ダーカー因子浄化能力》のせいなのよ!」

 

 

「「ダーカー因子、浄化能力?」」

 

 

キリトと、何故かアフィンもパティの言葉に首を傾げた。

 

 

「そもそも、ダーカーを倒すとダーカー因子が飛び散る事は知ってるわよね?」

 

 

私とキリトは自然にアフィンの方を向く。

 

 

「オレ、座学苦手だったから……」

 

 

――そう言えばそうだったな。

 

 

「アークスは飛び散ったダーカー因子を吸収し、浄化することが出来ます。アークスの基本的な能力の1つです」

 

 

「その能力以上のダーカー因子を吸収すると?」

 

 

「さっきの彼女のようになるのか」

 

 

「その通り!」

 

 

「そのままダーカーになっちゃうかも……」

 

 

脅すようなパティの言葉にキリトは僅かに動揺し、ふざける姉にティアが冷たい視線を送りながらツッコミを入れる。

 

 

「パティちゃん、嘘はダメでしょ。今までダーカーになったアークスはいないんだから」

 

 

「おっかない事言わないでくれよ」

 

 

「今なら、メディカルセンターに連れて行けば治療できるかもしれません」

 

 

「だったら急いで彼女を見つけないと」

 

 

「ああ。そうだな」

 

 

「わたし達もお手伝いします」

 

 

ティアがマップを表示させる。私達はマップの北側、パティ達は南側に分かれて探すことにした。

 

 

「あ、コハナさんが無事見つかったら、あとでアナタ達のこと取材させてねー」

 

 

そう言い残し、2人はその場から去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は2人を連れ、コハナを探しながら、彼女が殺される現場に向かう。

 

 

――"彼女"がコハナを殺す前に、辿り着かなければ。

 

 

コハナが殺される場所は知っているが、その場所に着くまでの間も辺りを探しながら進んでいるため、次第に日も傾いてきた。

 

 

それでも私が以前体験した時よりも早く目的の場所に辿り着くことが出来た。

 

 

「……誰かいる。索敵に何か引っかかった」

 

 

最初に声を発したのはキリトだった。

 

 

「分かってる。2人は私の後をついて来てくれ」

 

 

私が先行すると、少し曲がった所で立ち尽くすコハナの姿を見つけた。

 

 

「あ、コハナs「待てアフィン、様子がおかしい」えっ?」

 

 

キリトはコハナの元へ駆け寄ろうとしたアフィンの肩を掴み、何かを探すように周囲を警戒し始めた。

 

 

――まさか彼女の気配を感じたのか?いや、キリトほど勘が鋭ければ不思議じゃないか。

 

 

そんな事を考えながら、再び視線をコハナの方に戻すと、コハナの背後から透明な何者かが近づいているのが見えた。……間違いない、彼女だ。

 

 

それがコハナに刃を向こうとした瞬間、私はコハナと見えない彼女との間に立ち、一撃必殺の刃を受け止める。

 

 

「っ!」

 

 

「君にっ……これ以上アークスを殺させはしない」

 

 

見えない筈の彼女は私が攻撃を止めた事に驚愕し、その場から撤退した。何とかギリギリの所で間に合ったようだ。

 

 

「うぅ…ああああああ‼」

 

 

「っと……やはり、まだ暴走したままか」

 

 

――まあ、そうでなければ彼女に狙われるはずがないか。

 

 

闇雲に武器を振り回すコハナの懐に入り込んだ私は彼女の腹に拳を叩き付ける。

 

 

流石に今度は耐えられなかったようで、コハナは意識を失い、崩れるように倒れた。

 

 

「相棒、無事か⁉」

 

 

「私は何ともない。彼女の方も今の所は大丈夫そうだ」

 

 

「良かったー」

 

 

ほっと胸を撫で下ろすアフィン。

 

 

「ひとまずアークスシップに戻るぞ。彼女をメディカルセンターに連れて行く。アフィン、管制とさっきの2人にも連絡を取ってくれ。キリト、悪いが反対側を持ってくれ」

 

 

「なあペルソナ、さっきのって……」

 

 

「やはり貴様も見えていたか。彼女の事」

 

 

コハナを2人で持ち上げ、私からの問いにキリトは頷く。

 

 

「彼女はコハナの様にダーカー化したアークスを始末する存在だ」

 

 

「え?いやでも、今までダーカーになったアークスは居ないんじゃないのか?」

 

 

思わず声が大きくなるキリトに対し、私は人差し指で静かにするようジェスチャーをしながら話を続ける。

 

 

「それはあくまで表向きの話だ。実際は今まで幾人ものアークスがダーカー化、或いはダーカー化しかけ、彼女の手によって始末されている」

 

 

「じゃあなんでその事を誰も知らないんだ?仲間が同じ仲間に殺されているのに」

 

 

「上層部の隠蔽工作だ。彼女に殺された者のほとんどが、ダーカーとの戦いによる戦死だと記録されている。真実を知られると都合の悪い奴が……いや今は止めておこう。まだ彼女が私達を監視しているかもしれない」

 

 

私の言葉にキリトは周囲を見渡す。だがいくら探しても彼女の姿は見えない。恐らく私にも認識できないほど強い認識阻害を掛けているのだろう。

 

 

「おーい2人共!もうすぐ迎えのキャンプシップが来るってよ!」

 

 

私達とは少し離れた場所で管制との通信を行っていたアフィンがこちらに声を掛ける。私達はそれぞれ空いている方の手でアフィンに応える。

 

 

「とにかく今は、コハナを救えただけでも一歩前進と考えておこう」

 

 

その後、メディカルセンターで精密検査してもらった結果、やはりコハナは限界以上のダーカー因子を吸収していたようだ。医者の話では安静に過ごしていればアークスとして復帰できるそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

その少女は森の中からペルソナ達の動向を監視していた。彼らがコハナを連れてキャンプシップへと乗り込むのを見届けた後、彼女は誰かに通信を入れる。

 

 

「報告です。対象のアークス(ターゲット)の始末に失敗。監視対象とされているプレイヤーの1人からの妨害を受けました。彼らはアークスシップへと帰還したようです」

 

 

『ご苦労。彼女を始末できなかったのは残念だが、想定の範囲内だ。もし彼女がアークスとして復帰できるのなら、まだ利用価値は残っている。何の支障もないさ。君は対象の監視に専念してくれたまえ』

 

 

「了解しました」

 

 

相手のまるで状況を楽しむかのような口調に苛立ちを感じながらも、彼女は冷静にそう返した。

 

 

通信を終え、自身のキャンプシップでアークスシップへと帰還した彼女は透明になり、自身のマイルームへと向かう。

 

 

「……」

 

 

道中、彼女の頭の中では先程任務を妨害したペルソナの言葉が響いていた。

 

 

『君に、これ以上アークスを殺させはしない』

 

 

彼の言葉は、まるで今まで彼女が何度もダーカー化しているアークスを始末している事を知っているような口ぶりだった。だがそれは有り得ない話だ。彼は偶然観測された別世界から"あの男"が実験のために呼び寄せただけの存在に過ぎないのだから。

 

 

ただそれだけの存在に何故あの男は執着するのか。彼女にはその真意が理解できなった。

 

 

だが、それだけの存在を意識しているのは彼女も同じだった。

 

 

――どうしてわたし、ホッとしているんだろう。

 

 

彼のせいで与えられた任務を果たすことが出来なかった。なのに、彼女はアークスを手に掛けずに済んだ事を安堵していた。 あの瞬間、自身の一撃を受け止めた彼の瞳が未だに彼女の脳裏に焼き付いている。

 

 

すぐに彼女は余計な考えを振り払うように頭を振り、ベッドに倒れるように横たわる。

 

 

――忘れよう。どうせすぐに彼もわたしを忘れる。いつかみんながわたしを忘れるみたいに……。

 

 

そう思いながら彼女は瞼を閉じ、一時の安息を得るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





今回はここまで、次回もまたよろしくお願いします。
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