RIDER TIME ZI-O Virtual YouTuber   作:Million01

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やっとアイドル部かけた(
めちゃくちゃ時間かかった。ちょっと、わかりにくいのは許してください(



馬・面・学・園

───私立ばあちゃる学園

 

新年度が始まりばあちゃる学園の体育館にて始業式が行われる。中高生合わせて600は超える生徒が体育館に並んで壇上の方を見ていた。

 

「えー本日も大変お日柄も良く……え、そういうのはいらない?あーはいはいはいはい。皆さん、春休みは如何お過ごしだったでしょうか。まぁ、皆さんがここに来ているということは元気だという証拠なんですけどね。はい」

 

その壇上の中心に立つ馬のマスクを被った青いスーツ姿の男。これが学校の関係者だと言うなら巫山戯てるとしか思えない。

 

「どーもー。私立ばあちゃる学園の学園長。ばあちゃるくんです。ハイハイハイハイ」

 

ばあちゃると名乗った男は両手を上げて体育館にいる生徒たちに手を振った。自らを学園長と名乗るその男は普通の学校ならばこのような態度は許されない。だが、この男はそのような行動を簡単に起こす。そんな学園長の行動を見て生徒達もクスクスと笑う。

何度も見た学園長の挨拶に笑い、怒る者は殆どいなくなった。もはやこれが恒例行事となっているのだ。

 

「はい。えーっとですね。ばあちゃるくんからの話はあんまりないんですけどまずはですねこちらに新しく赴任してきた先生を紹介しようと思います。それじゃあ、どうぞー!!」

 

ばあちゃるくんが声を張り上げて舞台裏にいる彼に手招きをする。手招きをされてやってきた人物の姿に目をギョッと開いた。

全生徒の視線がその人物の上へと吸い込まれる。昭和の不良がするリーゼントと呼ばれる髪型。本来であれば先生がするような形ではない。全生徒が彼の髪型を見て息を呑む。

 

「えっと、彼はですね。新天ノ川学園高等学校からこちらに赴任してきた如月 弦太郎先生です。皆さん仲良くしてくださいねー!」

 

はい、それじゃあ挨拶をお願いします。とばあちゃるが言うとマイクを彼に譲った。

 

「よっと、あー皆聞こえるか。マイクは問題なさそうだな。新天ノ川学園高等学校からこの私立ばあちゃる学園に赴任してきた如月 弦太郎!」

 

ニィっ、と弦太郎が笑う。

 

「この学校の皆と友達になる男だ!」

 

弦太郎がそう言って自身の左腕を軽く二回叩く。そしてそのままその腕を前へと伸ばした。ガチャン、と体育館のスピーカーから大きな音が聞こえる。

 

「あっ……」

 

生徒達がその音にビクッと驚く中、弦太郎はやっべと呟いた。彼の目の前ではマイクが倒れ机に転がっていた。

 

「学園長、すまねぇ!マイク倒しちまった!!」

 

弦太郎がばあちゃるの方に振り向いて両手をパン、と合わせて頭を下げる。

 

「ゲンゲンが謝ることじゃないっすよ。それはねそこに置いたばあちゃる君が悪いんですから」

 

「いや、悪いのは俺だ!俺はそこにマイクがあるのをわかってて腕を伸ばした。だから、悪いのは俺だ!!」

 

「じゃあ、そういうことにしておきましょう。次からは気を付けてくださいね」

 

「うっす。おっと、悪い自己紹介の最中だったな。まぁ、でももう話す事はないんだけどな。まぁ、俺は如月 弦太郎だ。覚えておいてくれ!」

 

弦太郎の言葉と一連の出来事に色んな生徒が笑いを飛ばした。よほど、今の出来事が面白かったようだ。

 

「はいはい、ゲンゲンありがとね。えー無事今学期が始まったんですが最近は何かと物騒な事件が多いんでね。えー特ににじさんじ学園さんとかホロライブさんの近くで現れた変な奴らがこのばあちゃる学園を襲ってくるかもしれないんでね。皆さん、帰りは気を付けてくださいねー」

 

ばあちゃるはメモを見ながら話を続ける。

 

「まぁ、長話はこれくらいにして皆さんちゃんと勉学に励んでくださいねー。あ、それとちゃんと遊ぶことも大事ですよ。勉学ばかり集中してぶっ倒れたら元も子もないんですからねー。以上、ばあちゃるくんの話は終わります。フゥー↑!!」

 

ばあちゃるが謎のテンションの上げ方をするとそのまま一礼をして壇上から降りようとする。そこであっ、と思いだしたかのように呟くとマイクに向かって一言。

 

「えー、始業式が終わったらですね。アイドル部の子達にはお話があるので体育館に残ってくださいね」

 

 

 

アイドル部。私立ばあちゃる学園に存在する部活の一つ。アイドル部に所属してる子は中高生合わせて12人が所属している。活動内容はその名の通り偶像(アイドル)を目指す部活動だ。

 

「それでばあちゃるさん、アイドル部は体育館に残りましたが……」

 

12人もいる少女達がいる中、長い黒髪の少女がばあちゃるを疑うような目で見る。隣の人物も一緒に。

 

「はいはいはーい。皆もね、隣にゲンゲンがいることで察した子もいるんじゃないでしょうかね。そうです!ゲンゲンにはねアイドル部の副顧問をやってもらいます!!」

 

「おう、よろしく!」

 

弦太郎が軽く右手を上げて挨拶する。そんな彼の挨拶を他所に殆どの少女達がばあちゃるの言葉に唖然とした。

 

「馬P、どういうこと!?」

 

ばあちゃるの言葉に巫女服を着た金髪ツインテールの少女が声を張り上げた。

 

「えっーと、ばあちゃるくんはですね。最近、変な事件が起きてるせいで忙しくなってんすよ。それでですね、今後アイドル部の活動に顔が出せなくなることが多いんすよね」

 

そんなばあちゃるの言葉に全員が殆ど顔を出してないだろ、と頭の中で訴えていた。

 

「それに最近、何かと物騒なんでね。みんなに危険な事に巻き込みたくないんすよ。そこでばあちゃるくんは念の為、アイドル部の副顧問をゲンゲンにお願いしたんですよ」

 

その言葉に巫女服の少女がなるほど、と納得する。

 

「その理屈はなんとなくわかるけど、馬P。如月先生で大丈夫なんですか?」

 

赤いドレスを着た銀髪の少し不満のある言い方をしながらばあちゃるに問いかけた。

 

「そこは安心して大丈夫ですよー。なぜならですね、ゲンゲンは前の学園ではなんか凄い部活の顧問だったらしいんでね」

 

「仮面ライダー部のことだな!」

 

ばあちゃるの言葉に弦太郎がニッと笑った

 

「かめん、ライダー……部?」

 

「おう!学園と地球と宇宙の平和を守る部活だ」

 

ドンドンカッ、と自身の胸を叩いて拳を前に突き出して自慢げに話す弦太郎に殆どの少女達が呆れたように彼を見つめた。

 

「まぁまぁまぁ、みんなそんなに不安がる必要はないでしょう。これでもゲンゲンは立派な先生なんですから」

 

そう言ってばあちゃるは弦太郎の前に立つと少女達を宥める。

 

「まぁ、それに話はこれだけじゃあないんすよ」

 

「最近の変な事件、のことですか……?」

 

そこで小柄な紫色の髪の少女がボソリと呟く。

 

「流石きそきそですね。正解です。実は言うとですね見たことない生命体が人を襲ってるようでですね。それでですねアイドル部の子たちには気を付けてほしいというかなんというか……」

 

「見たことない生命体?」

 

「まぁ、そうですね。どちらかといえば怪物(クリーチャー)に近いんすけど。とりあえずみんな気を付けてくださいよー!」

 

「なんで私達だけの話になるんです?他の生徒達にも言わないんですか?」

 

「あんまり言えないんすよ。全生徒を不安がらせてしまって不登校の生徒を増やしてしまったら学園側からしたら溜まったもんじゃないっすからね」

 

少女達の質問を返し終えた馬の動きが急に静かになると少し低めのトーンで再び口を開いた。

 

「まぁ、逆を言えばアイドル部の子たちには少し一仕事してほしいんすよね」

 

「一仕事……?」

 

「はい。もし、生徒が怪物に襲われていたら助けてほしいすよ。ただし無茶は禁物です。これはライバーであるアイドル部の子たちだから頼めるんすよ。それと同時にばあちゃる学園の一生徒なんでものすごい怪我なんてされたらばあちゃるくんやシロちゃんが悲しいんすよね」

 

先程のチャラい感じの雰囲気とは違い、真剣な眼差しでアイドル部の少女達を見つめる馬に全員が息を呑む。

 

「頼んでも大丈夫ですか?」

 

ばあちゃるの言葉を聞いて数秒後の沈黙が流れた後、全員か縦に首を頷かせた。

 

「それじゃあ、解散です。くれぐれも無茶はしないでくださいねー!!」

 

体育館の出ていく少女達を見守るばあちゃるは彼女達の姿が見えなくなったことを確認すると弦太郎の方へと降り向いた。

 

「それではゲンゲン、アイドル部の子たちの事頼みますよ」

 

「任せろ!俺はアイドル部の副顧問、如月 弦太郎だ。ばあちゃる学園の生徒は俺が守る」

 

クイッ、と弦太郎が左手でリーゼントの髪を撫でるとばあちゃるに笑った顔を見せた。その笑顔を見てばあちゃるはどこか安心感を覚えた。

 

 

 

 

 

「───最悪です……」

 

アイドル部の一人である長い黒髪の少女、八重沢 なとりが部室に入ってきて早々愚痴を零す。

 

「なとなと、どうしたの?」

 

先に部室に来ていた巫女服の少女、金剛 いろはが気にかけるように彼女に声をかけた。

 

「いろはさん、聞いてくださいよー。私のクラスの新しい担任、誰だと思いますぅ?」

 

いろはが座っている机に自身の上半身を寝転がすと少し悲しそうな声で喋りだす。

 

「う〜ん……誰だろ?」

 

頭にはてなマークを浮かべて考え込むいろは。だけど、どうやら答えが中々わからないようで言葉が詰まる。

 

「如月先生なんですよー」

 

少し嫌そうに答えるなとり。その言葉にいろははなるほどと納得した。

 

「確かに嫌なのはわかるけど、あの先生。怖そうだったり、悪そうな人には見えないよ」

 

髪型がリーゼントだけど、といろはか彼の第一印象を口にする。

 

「そうですけど、HRの時なんてあの先生。めちゃくちゃ言ってましたからね。青春がどうのとか……」

 

「青春って……昭和じゃないんだからww」

 

なとりの言葉を聞いていろはが自分特有の異様な笑い声をあげる。そんな様子を見てなとりがはぁ、と大きな溜め息を付く。

 

「にやっはろー!」

 

なとりが溜め息を付く中、部室の扉が開けられ複数の少女達が入ってくる。筆頭の猫耳が生えた金髪の少女、猫乃木 もちが元気な声で挨拶をした。

 

「あれ、お米お姉ちゃん。どうしたんですか?そんなごんごんお姉ちゃんの机で寝っ転がって……」

 

その様子を見てもちに続いて入って来た紫色がかかった白髪の少女、カルロ・ピノがひょっこりと首を傾げた。

 

「あーさては。あの噂の如月先生が新しい担任になったとか?」

 

「もちさん、エスパーか何かですか?」

 

「にゃははは、まさか当たるとは。にしてもあの先生、ウチのクラスではすごい話題になってるよ」

 

「あ。その先生、イオリのクラスでも話題になってる。リーゼントの髪型の先生だからかな?」

 

もちが自身の尻尾を振りながら話す。その話題に着物を着た青い髪の少女、ヤマト・イオリが話に入ってくる。

 

「確かにそれはあるかもねー。ちえりとしてはあの先生、アイドル部の副顧問で大丈夫なのか心配なんだけどなぁ」

 

そして茶色髪のツインテールの少女、花京院 ちえりも話に入ってきた。

 

「あー、それいろはもわかる気がする。なにせこの部員、個性が強すぎるもん」

 

能天気に話すいろはに全員の視線がいろはの方へと向けられる。お前もなと言わんばかりの鋭い視線がいろはに刺さる。

 

「うっーす。ここがアイドル部の部室か!!」

 

「お、噂をすればなんとやらだね」

 

そんな視線に気付かないいろはが元気よく入ってきた人物を見た。他の少女達も自然といろはが見ている人物へと視線が移る。

 

「よっ」

 

弦太郎が軽く右手を上げて挨拶する。だが、そんな彼の挨拶に反応する者はいない。

 

「どうした?」

 

不思議に感じて弦太郎が首を傾げる。殆どの者が怪しげな目で弦太郎を見ていた。

 

「先生。さすがにその挨拶はどう返せばいいかわかんないよ、皆」

 

いろはが弦太郎をフォローするようにアドバイスを送る。

 

「っと、すまねぇ。じゃあ、こんにちはでいいか?」

 

「それはどちらかとこっちがする挨拶なんですけどね」

 

「そうか?じゃあ……」

 

むむむ……と弦太郎が頭を悩ませる。そこで誰かが入ってくる。

 

「ん?」

 

と弦太郎がそちらの方を振り向く。彼の目に入ったのは複数の少女達だ。

 

「こ、こんにちは……」

 

緑色の髪の少女、神楽 すずが小さくして入ってくる。その挨拶に彼はおう、と答えた。それに続いてアルパカの耳が生えたキメラの少女、もこ田 めめめが小さく頭を下げる。そしてさらに最後にショートカットの金髪の少女、牛巻 りこが入ってきた。

 

「おー、集まってきたな。1、2、3……9。あれ、あと三人は?」

 

弦太郎が人数を数える。ばあちゃるからの話だと全員で12人いるらしい。だが、あと三人足りない様子だ。

 

「たまさん達は生徒会室に「生徒会室だな!」───って言っちゃった……」

 

ガラガラと扉を開けて弦太郎が部室を去って言った。

そんな光景にアイドル部の少女達は苦笑する。

 

「元気な先生だったねー」

 

「あんな先生っているんだ」

 

「あの先生ってどこから来たんだっけ?」

 

「確か、天ノ川学園……って言ってませんでしたっけ?」 

 

「聞いたことない学園ですね。ちょっと調べて見ませんか?」

 

部室はそんな彼のいた学校で盛りあがっていた。

 

 

 

 

 

「そういえばたまさん、あの新しい先生をどう思いで?」

 

どこか気怠そうな雰囲気を放つ紫色の髪の少女、木曽 あずきが赤いドレスを着た銀髪の少女、夜桜 たまにへと話しかけた。今日の生徒会の仕事を終え、アイドルでの部室へと向かうためにあずき、たま、そしてピンク色の髪のツインテールの少女、北上(きたかみ) 双葉の三人が歩いている。

 

「んーどうって言われてもなー。なんか変わった先生だなって。双葉ちゃんはどう?」

 

そう言ってたまから見てあずきの反対側を歩いている双葉に問いかけた。

 

「んー。元気な先生だなってぐらいだけかな。言い出したあずきちゃんはどうなの?」

 

「あすぎは皆さんがなんでそんなに話題にするのかわかんないなって思います。別にこの学園からしたらそういう人って普通、と思います」

 

確かに、とあずきの言葉に頷く二人。確かに自分の周りの者を思い返すと個性が強いものばかりでそんなに騒ぐほどでもない。

 

「───あのたまさん、双葉さん。少し部室まで競争しましょう。二位とビリはホラゲーやるって事で」

 

「「えっ!?」」

 

唐突のあずきの提案に二人は目を丸くしてあずきを見た

 

「あ、拒否権はないですよ。よーい……」

 

そんな二人の反応にあすぎは気にせず言葉を続ける。

 

「スタート!」

 

ダッ、とあずきの言葉にたまと双葉は二人は一斉に走り出した。そう、二人だけ。

 

「っ!」

 

言い始めたあすぎはと言うと背後へと振り返り、何かと対峙した。生徒会室を出てからずっと自分達を監視していた存在。

 

 いつの間にかあすぎの手には紫色の杖が握られておりその存在をこの目で確認する。

 

「なるほど。最近、例の噂の怪物(クリーチャー)ですか」

 

あすぎは天井を見上げる。そこには人サイズの竜が天井に張り付いていた。その姿形や体制からはどことなく蜥蜴(トカゲ)にも見える。

 

蜥蜴があすぎへと飛びつく。前足を振り上げそのまま彼女へと振り下ろした。

 

「!」

 

あずきが目を見開いてその攻撃を見切る。一歩後ろへと素早く下がって躱す。

 

「なるほど、人型の蜥蜴ですか。興味深いですね」

 

あずきの前で二足で着地する蜥蜴の怪物。少し彼女は怪物の姿に目を細めた。蜥蜴の顔に蜥蜴の肌。太い尻尾。巨大な爪。それだけ見れば本当に蜥蜴の怪物だ。だが、気になるところがある体のあちこちに青の丸いコアが複数ありそれを結ぶ線がある。あずきはそれをどこかで見たことがある。

 

「その紋様、確か……」

 

「!!」

 

あずきが言い終える前に怪物が動き出す。ものすごい脚力で走り込み、そのまま右手の爪を振り下ろす。

 

「!!」

 

あずきが目を再び見開いて両手で持つ杖を動かした。パシン、と杖を棍棒のようにして右手を弾くとそのまま杖を縦に一回転させるとそのまま怪物の右肩に杖を叩き込む。

 

「っ!」

 

怪物が痛みを感じてそのまま後ろへと飛ぶ。だが、感じただけで大したダメージが入ってるようにも見えなかった。

 

(これはまずいと思います)

 

あずきが怪物を眺めてそう感じた。ここは廊下だ。あずきの戦い方では杖を振り回す程の広さではないのだ。ましてや魔法を使おうとしてもまずは距離を取らなくてはならない。

 

(恐らく、スピードはあちらの方が上。あずきち、どうしましょうか)

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

「「っ!!?」」

 

そんな事を考えているあずきの背後から大きな影が飛び出す。その人物は大声をさびながら怪物の目の前で小さくジャンプした。

 

「おらぁっ!!」

 

その人物、如月 弦太郎が怪物に大きく頭を振り下ろした。ゴツン!と鈍い音と共に怪物が一歩仰け反った。

 

「大丈夫か!?」

 

よっ、と弦太郎が着地すると心配そうにあずきの方へと振り返った。

 

「えぇ、まぁ、はい」

 

「そうか。なら、早く夜桜の所に行け。俺はコイツの相手をする」

 

「え、ですが……」

 

「心配すんな。コイツは俺が倒すからよ!」

 

自身満々に彼は言った。その言葉になぜかあずきは納得してしまう。コクン、とあずきが頷いてそのまま如月が来た方向へと走った。

 

「!」

 

その光景を見て怪物が追いかけるように走り出した。そんな怪物を弦太郎が全身を使って受け止めると気合の入った掛け声と共に押し返した。

 

「その見た目、ゾディアーツだな。悪いがタイマン張らせてもらうぜ!」

 

ドンドンカッ、と胸を二回叩いて怪物を指差す弦太郎。

 

「…………」

 

だが、怪物は弦太郎の事をまるて相手にしていないかのように彼に背を向けて走りだした。

 

「っ。待てっ!」

 

弦太郎はそれを追うように走り出す。

 

「逃げ足の早いヤローだ」

 

後頭部を掻いて辺りを見渡す。だが、すぐに怪物の姿を見失った。

 

 

 

 

 

「あずきちゃん、遅いよ」

 

「心配したんだから」

 

あずきが部室へと入ると先程、先に行ったたまと双葉が心配した表情であずきを見ていた。

 

「すみません。ちょっと奇妙なものを見ちゃって……」

 

「奇妙なもの?」

 

その言葉にあずきが頷いた。

 

「あれ、そういえば如月先生は?確かあずきちゃんの様子を見にお願いしたんだけど……」

 

「えっと、実は……」

 

「おっ、ちゃんと無事に部室に着いたんだな!」

 

先程の出来事を喋ろうとした時、弦太郎が部室に入ってきた、

 

「如月先生、さっきのは……」 

 

「まぁ、待て。まずはお前らの事を知りたい、話はそれからにしよう。自己紹介してくれねぇか?」

 

あずきが言いかけるとそれを止めるように弦太郎が自己紹介を促した。

 

「はいはい!神社にごんごん!金剛 いろはでーす!!」

 

そんな弦太郎の言葉に待ってましたと言わんばかりに真っ先に名乗りだした。

 

「ヤマト イオリだよー!」

 

「もこ田 めめめだよ!」

 

「牛巻 りこです!」

 

「猫乃木 もちでーす!」

 

「花京院 ちえりだよっ!」

 

「カルロ・ピノと申しますわ」 

 

「八重沢 なとりです……」

 

「神楽 すずです」

 

「北上 双葉だよー」

 

「夜桜 すず」

 

「木曽 あすぎ……」

 

それぞれがテンポ良く短く自己紹介をする。

 

「えっと……とりあえずなんとなくわかった!これからよろしくな!」

 

少し覚えきれてないが弦太郎がニカッと笑う。

 

「それで如月先生。あの怪物はどうなったんですか?」

 

あずきの言葉を聞いた他の少女達が首を傾げた。

 

「ああ、そのことなんだがアイツ逃げちまった」

 

「え、ちょっと、二人だけで話すのやめよう?」

 

「あっと、わりぃ。実は……」

 

たまの割り込みでげんは彼女達に先程の出来事を話をし始めた。

 

「それ、本当ですか?」

 

「はい。見たことない。生命体でした。恐らく今朝言ってたばあちゃるさんの怪物かもしれないです」

 

「なるほど。蜥蜴の怪物。蜥蜴が進化したっていう可能性は?」

 

「あずき的にはその可能性は低いと思いますよ」

 

たま、なとり、あずきの三人で話が進んでいく。他の者達は付いていけず、ただ聞くことが精一杯だった。

 

「理由はあるの?」

 

「はい。その怪物、身体に青のコアが複数埋め込まれていました。そしてそれを繋ぐように線があるのも確認済みです」

 

「えっと、それがどうしたんですか?」

 

へぇ、と弦太郎はあずきの観察眼に感心する。一目でそれを見抜く奴はそうそういない。

 

「まぁ、ちょっと書いて見ますね」

 

あずきが紙とペンを取り出してその噛みに何かを書いている。彼女が見たその怪物にあったコアと線を描いていく。

 

「何これ?ジグザグなだけじゃん」

 

いろはが首を傾げる。いろはと同じチームhooseの二人、イオリもめめめも首を傾げた。

 

「たまちゃんはわかる?」

 

「んー、これだけじゃあちょっと……」

 

「じゃあ、もう一つ点をつけておきましょう」

 

そう言ってあずきはジグザグとは少し離れた処に点をつける。だが、その点はどことも線が繋がらなかった。

 

『????』

 

あずきのヒントにますますわからなくなるアイドル部。そこであずきはチラリ、と弦太郎の方へと視線を移した。

 

「如月先生はわかります?」

 

「星座だろ?えっと……」

 

なんだろうな、と弦太郎が考え込む。その様子を見てあずきが溜め息を着いた。

 

「正解は蜥蜴座です」

 

「蜥蜴座?」

 

「あ、ホントだ」

 

あずきの答えを聞いてもちがスマホを開いて検索した画像と見比べた。

 

「よく知ってるね。あずきちゃん。けど、どうしてそれが蜥蜴の進化と関係ないの?」

 

「考えてくださいよ。なんで蜥蜴が進化した姿なのに身体に蜥蜴座のマークがあるのはなんか違いません?」

 

「まぁ、確かにそれはそうですけど……」

 

「あれは蜥蜴が進化した姿と関係ない。そうでしょう、如月先生?」

 

あずきがじっと弦太郎へと振り向いた。その様子に弦太郎がニッと笑う。その表情に全員が身構えた。

 

「すごいな、木曽!俺はアイツ等を見て最初は何もわかんなかったのに!!」

 

「アイツ()ということはああいうのが複数いる、と?」

 

「ああ、その通りだ。俺の知るゾディアーツの情報を教えてやる。だからそう警戒するな!」

 

この警戒された状況でもニッと笑っているところを見ると余程の馬鹿か大物に限る。

 

「ゾディアーツですか……その名前から察するに黄道十二宮(ゾディアック)の造語だと思われますが蜥蜴座は十二宮の一つじゃないですよ?」

 

「そうだな。だが、俺達はそう呼んでいる。あの姿はゾディアーツスイッチと呼ばれるスイッチを押して変身した姿なんだ」

 

「つまり、あれは人間が変身している、と?」

 

「恐らくな。正体は俺も知らねぇからな」

 

「ふむ、なるほど。ですが、なぜ如月先生は彼らの事を知っているんですか?」

 

「それは……「天ノ川学園であった事件だよね?」知ってんのか!?」

 

「先生の学校が気になってちょっと調べたんだ。そしたら怪物の目撃情報が色々と」

 

弦太郎が語ろうとした時、もちが口を挟んだ。

 

「まぁ、そうだよな。詳しい話は俺にはできねぇんだけど……」

 

そう言って弦太郎が自分の学校の出来事を話始めた。学校にゾディアーツスイッチが一部の生徒に手が渡っていたこと。そして学校の校長がスイッチを配っていた人物でそして理事長がそのボスだと言うことも。

 

「先生の学校でそんな事が……」

 

「ですが、急になぜこの学園に手を伸ばしたんですか?」

 

「この学園は俺達の学校と同じようにすごい量のコズミックエナジーが降り注いでるらしいんだ。だから、ここや天高はホロスコープスを覚醒させやすい。恐らくそれが目的だ」

 

「強力な仲間を増やす事が目的ということなんですね」

 

「戦争でもするつもりなんでしょうか?」

 

「わからねぇ。だけど、俺はソレを阻止するためにこの学園に来た」

 

「わかりました。如月先生のこと、あずきは信じます」

 

助けていただいたこともありますし、と付け加えて彼を見据えた。

 

「あずきちゃんがそう言うなら安心だけど、先生はゾディアーツをどうやって倒すの?」

 

「あっ、やっべ……」

 

そう言って溶鉱炉に投げ捨てた事を思い出す。

 

「え、考えてなかったんですか!今までどうやって倒したんですか!?」

 

「それがよ、倒すためのアイテムがあったんだけど……」

 

「「「「「「「「「「「「あったんだけど?」」」」」」」」」」」」

 

「溶鉱炉に捨てちまった」

 

と、短く簡潔に簡単に説明した。そう言っては弦太郎がアハハと笑う。

 

その日、校舎全体にアイドル部の少女達の声が響き渡った。

 

 

 





登場人物解説

如月 弦太郎……『仮面ライダーフォーゼ』の主人公。時系列は』『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&ウィザード MOVIE大戦アルティメイタム』後。髪型がリーゼントという不良チックなアイデンティティを持つ。生身の戦闘能力も高く、まるで天性と言われるほど戦いの勘を持つ程。現在は分け合ってフォーゼドライバーを失っており、変身できない

ばあちゃる……世界初男性バーチャルYouTuber(自称)。そして私立ばあちゃる学園の学園長。そしてアイドル部の顧問。能力は今のところ不明。

木曽 あずき……アイドル部の一人。気怠そうな雰囲気を放つ不思議な少女。星座は山羊座。能力は今のところ杖を具現化させて戦える事が判明した。
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