シンフォギア装者が銀魂の世界に行くお話   作:龍狐

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新年あけましておめでとうございます!
いやぁー約一か月ぶりの投稿ですね。
 ほんと、書きまくって目がチカチカする…。目が疲れる。サプリメントでも買おうかな?

今回は10000文字以上の大ボリュームとなっております!
 それでは、お楽しみください!


江戸一番のからくり技師

「閉じた…ギャラルホルンのゲートが…?」

 

 

 突然の絶望的な情報により、頭の処理が追いつかない響。

 そして、それは翼やマリアも同じだった。

 

 

「どういうことだ…。一体、どうして…?」

 

「こんなこと、今までなかったのに―――」

 

「おいおい、どうしたんだそんなに絶句して。あ、もしかしてウン―――」

 

 

 銀時のない発言が出る最中、新八のツッコミと言う名のハリセンが銀時の頭を直撃する。

 

 

「痛ってぇな!なにすんだよぱっつぁん!!」

 

「デリカシーなさすぎですよ!!マリアさんの最初の話、もう忘れたんですか!?あれがないとマリアさんたちは故郷に帰れないんですよ!?」

 

 

 いつもと違って切実なツッコミに―――ツッコミに切実もクソもないのだが―――銀時はハッとする。

 確かに、居候させる前にそんな説明を聞いていた、と。

 

 

「それにして、一体どうしてそんなことになったんだ…?」

 

「ニュースに出てるってことは、真撰組にもこの情報は伝わっているはずでさぁ」

 

「――――」自分が行ってきます。

 

「終!よし、悪いがすぐに行って来てくれ!」

 

「えぇ!?あの、私は…」

 

 

 終が率先して立候補したが、響のお付け目役は終だ。

 終が行くとなると、響もついていく必要がある。

 

 

「土方、すまないが今は分かる通り緊急事態だ。立花を私たちと一緒に同行させてくれはしないだろうか?」

 

「―――駄目だ。こいつには今まで通り終と同行してもらう」

 

「そんな……」

 

「あなた、今がどんな状況かわかってるの!?」

 

 

 そのとき、マリアが土方に対して怒鳴った。

 マリアたちには他人事ではなく、完全に関係者だ。ましてや元の世界に帰れなくなったとなれば、それはなんらかの異変かもしれない。もしそこでカルマノイズでも出て来てしまえば、被害は拡大する。

 そのためにも、装者は一人でも多くいた方が良いだろう。

 

 

「あぁ。確かにこれは異常事態だってことははっきり理解してる。だがな、それは公私混合ってヤツだ。今まで通りこいつには終を―――」

 

「―――頭硬いねぇ、土方くぅん」

 

 

 そのとき、銀時のふざけたような声が、辺り一帯に響いた。

 

 

「なんだと?」

 

「いつも言ってるだろう?そんなに頭が固いと、いつか禿げるよ?そのチャームポイントであるV字ハゲも、ジョリジョリ~~ってなっちゃうよ」

 

「チャームポイントじゃねぇよ!あと禿げてねぇし!あとなんでジョリジョリ~~なんだよ!?普通パラパラだろ!?」

 

「いやぁでもほら、今現在進行形でジョリジョリ~~ってなってるよ」

 

「はぁ!?」

 

 

 そのとき、ようやく一同に聞こえた。

 ジョリジョリ~~と言う音が。今まで二人のボケとツッコミで聞えなかったが、実際に、今までずっとその音が鳴り続けていたのだ。

 そして、気づいた。土方は自分の後方に不快感があったことを。そこには――――。

 

 

「何してんだてめぇ!!?」

 

「あ、バレやした?」

 

 

 沖田が、その手にバリカンを持って土方の頭の面積を徐々に減らしていたのだ。

 土方の感じた不快感は、落ちた小さい髪の毛だったのだ。

 

 

「いやぁ、いずれ朽ち果てる運命なんて、今のうちに栽培しとこうかなって…」

 

「俺の髪の毛は作物じゃねぇんだよ!!ふざけんな!!」

 

「いいや、沖田君の言う通りだ。聞き分けのないV字ハゲにはこれくらいのお灸を添えないと…」

 

「ふざけんなよ!!公務執行妨害で逮捕して『ガチャ』あ?」

 

 

 そのとき、ガチャっと言う金属音が土方の腕の辺りに響いた。

 その手には、手錠が。そして、その手錠のもう片方は、とある一軒家のパイプに繋がれていた。

 

 

「ご主人様!繋げましたよ!!」

 

「よくやったゲロリス。あとでご褒美だ」

 

 

 なんと、クリスが気配を完全に遮断して土方の手に手錠をつけたのだ。

 

 

「おい総悟!!これ外せ!!」

 

「いやに決まってるじゃねぇですかい。このままだと話が進まないんで。それに、もう終さんも行っちまってるし」

 

「え、あ…」

 

 

 響が隣を見ると、いつの間にか終がその場からいなくなっていた。

 どうやら、いつの間にかこの場から離脱していたらしい。

 

 

「これで、こいつはついていくしかなくなりますね」

 

「クソっ…」

 

 

 沖田は響を親指で指してそう言った。

 土方は完全に沖田の策略に嵌まっていたのだ。

 

 

「お前、どっちの味方なんだ!」

 

「少なくとも土方さんの味方ではありやせん」

 

 

 沖田はそうキッパリと答えた。

 

 

「あぁもうわかった!今は臨時で認めてやる!!だからこの手錠の鍵を―――」

 

 

 沖田は、土方が言葉を言い終わる前に、懐からマヨネーズを取り出し、そっと胸ポケの中へと入れた。

 

 

「マヨネーズじゃねぇよ!!鍵出せ、鍵!!!」

 

「何言ってんですかい。マヨネーズはあんたのキーポイントじゃねぇですかい」

 

「うまくねぇよ!あ、ちょ、おい!すまん、俺が悪かった!俺が悪かったから全員俺を置いてくな!」

 

 

 一同は悲願する土方を完全に無視して、ギャラルホルンのゲート跡地へと向かっていくのであった―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

* 

 

 

「―――見事になにもないわね」

 

「そうだな。先ほどまで、確かにあったはずなのだが…」

 

 

 時間は過ぎ、銀時や響たちはギャラルホルンのゲート跡地へとついていた。

 正確には、そこが見えやすい建物の上に来ているのだが。そこにはたくさんの人だかりができており、とても入れる状況ではなかったため、当然の措置であった。

 目線の下にはたくさんの政府――幕府関係者であろう人物たちが、この異常事態を解明すべく、躍起になっていた。

 

 

「一体、どうしてこんなことに―――」

 

 

 響たちには、この状況が理解できないため、軽いパニックに陥っていた。

 特に響が酷く、その顔は憔悴しきっているような顔だった。

 

 

「もう、未来に、合えないのかな…?」

 

「気を落とすな立花!絶対に帰れなくなったとはまだ決まってないぞ!!」

 

「そうよ、気を落とさないで」

 

 

 二人も軽く絶望しているだろう。だが、まだ決まったワケではないことで、完全に絶望するほど二人の心は柔くはない。

 最後まで抗って、絶対に戻って見せる。二人はその意志に包まれている。

 

 

「そう、ですよね。まだ帰れないと決まったワケじゃありませんよね。すみません、落ち込んじゃって」

 

「無理はないわよ。こんな状況じゃね…」

 

「にしても、人込みがすげぇな」

 

「これじゃ中に入れないアルよ。こっちに来て正解だったネ」

 

「それに、穴を隠してた幕すらなくなってるとなると、どうやらあのニュースは本当のことだったらしいな」

 

 

 幕、とは。ギャラルホルンのゲートを隠していた幕のことである。

 当初は設置されておらず、ポールのみだったのだが、なんでもそこで人身事故が起こったらしく、危ないとの理由で幕が引かれたのだ。

 だが、それが跡形もなかったため、ゲートが消えたと言う理由は十分に立証できたのである。

 

 

「―――それで、帰れないとなると、皆さんどうするんですか?」

 

 

 新八が、当然の疑問を言い放った。

 そう、まず直面するのはこれからどうするか。帰還方法が断たれた今、何をするべきなのか。

 その答えは、もちろん一つだ。

 

 

「そんなの、決まっています!」

 

「どうにかして、ギャラルホルンのゲートを復旧させるしかあるまい」

 

「ゲートが消えたのなら、あちらだって異常に気付いているはずよ。それに、もし気づいていないとしても映像があるから、いずれ気づいてもらえるはずよ」

 

「でも、あてはあるんですか?跡形もなく消えたんですよ?」

 

「それは―――」

 

 

 確かに、探すと言っても手掛かりなしじゃ、どこから手を付ければいいのか分からない。

 実際、手がつかない状況だ。

 新八の指摘に、黙ってしまう三人。

 

 

「一つ、心当たりがあるぜ」

 

 

 そのとき、救いとも言ってもいい声が響いた。

 沖田だ。

 

 

「本当ですか沖田さん!?」

 

「あぁ。だが、それはあくまで心辺り、であって、必ずじゃねぇ」

 

「それでも、教えてくれ。今は手がかりが欲しいんだ」

 

「―――平賀源外」

 

 

「「「―――――」」」

 

 

「誰ですか、それ?」

 

「平賀源外?源内なら知っているが…」

 

「(やっぱり、この世界は私たちの知っている歴史と酷似している部分があるわね…。まぁ、今はどうでもいいわ。)その人が、どうしたの?」

 

「そいつは、この江戸一番のからくり技師を自称しているヤツでなぁ。今は指名手配中だけどな」

 

「指名手配?」

 

 

 その言葉に、マリアが反応する。

 指名手配。その言葉が意味するのは、その源外と言う人物は、犯罪者であると言うことを示唆していた。

 

 

「そいつの居場所、俺が知ってんだ」

 

 

 その沖田の爆弾発言に、一同は愕然とする。

 

 

「ていうか、なんで指名手配犯なのに捕まえないの?」

 

 

 当然の疑問がマリアから来る。

 

 

「あぁそれはな、あの爺さんには土方専用抹殺マシンの製作依頼を出してるんでさぁ」

 

「なんてもん作らせてんですかあんた!?」

 

 

 警察の職務を放棄し、あまつさえその指名手配犯に殺人マシンを依頼する沖田の鬼畜さに、驚きを隠せない一同。

 

 

「おいクソガキ。源外のじっちゃんに変なことしてねぇだろうな?」

 

「してねぇよ。おめぇらじゃねぇんだから」

 

 

 お前が言うな―――。その言葉が響、翼、マリアの頭によぎった。

 そのとき、マリアが少し、あることがおかしいことに気付いた。

 

 

「ちょっと待って、銀さん。今までの話の流れだと、銀さんたちもその平賀源外って人と知り合いのように聞こえるんだけど…」

 

「あ、そりゃそうだろ。俺ら度々そこに通ってるからな」

 

「えぇ!?」

 

 

 またの爆弾発言に、驚愕する三人。

 まさかこんな身近な人物が指名手配犯と繋がりがあったなど、予想だにしなかっただろう。

 

 

「でもまさか、あの時沖田君が源外のジジーのところにいたのを見た時は驚いたぜ」

 

「居場所がバレたって、源外さん冷や冷やしたって言ってましたよ」

 

「いやぁ、当初は捕まえようと思ってたんですが、あの爺さんのからくりを作る技術は本物だ。だから、俺の役に立つからくりを作ってもらおう思ってね」

 

「その貴様の『役に立つからくり』というのに、悪意しか感じないのだが…」

 

「うるせぇやい。それに、土方が一緒じゃあ行けなかったしな」

 

「あ……」

 

 

 そこで、一同は気付いた。

 最初から沖田は、その源外と言う人物のもとに行くつもりだったのだと。

 そしてそのために、土方を行動不能にしたのだと。もしこの場に土方がいれば即座に「御用改めである!」と叫んで突撃していただろう。

 

 

「そこまで見込んで、土方を……」

 

「そういうワケだ。さて、さっさと行くぜ」

 

「――にしても、よく見つけられたよなぁ。あのときゃ結局はぐらかされて聞けなかったけど、どうしてあそこが分かったんだ?」

 

「フッ、――――旦那」

 

 

 

 

 

 

「二次創作の特権って、知っていやすか?」

 

「いやメタい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

* * * * * * * *

 

――――あの後、なんやかんやで平賀源外のいるところへと着きました。

 

 

「ここが、源外さんがいるところなんですね」

 

「そうだぜ。ほんと、二次創作の特権って便利だよな」

 

「そうだな。原作じゃありえなかったことも、二次創作って言っておけば、すべてが許されるからな」

 

「いつまでその話引きずってんだ!あと、すべてが許されるワケじゃないですからね!?」

 

 

 二次創作の特権についていつまでも語り合っている銀時と沖田にツッコミを入れる新八。

 普通、できるはずのない会話をすることが許されるのが、この小説なのだ。

 

 

「二人の意味が分からない話は放っておいて、とりあえず入りましょう」

 

「そうだな」

 

 

 二人に呆れたマリアが、一番に源外のいるであろう建物の扉へと入っていく。

 

 

「お邪魔するわy―――」

 

 

―――瞬間、源外宅から放たれた蒼い光が、マリアを飲み込んだ。

 

 

「マリアさぁああああああん!!!???」

 

 

 あまりにも突然の出来事に、ワケが分からずマリアの安否を確認するために―――本人はただ叫んだだけだが―――響は叫んだ。

 それに、突然家宅から殺人レーザーが放たれれば、誰だって驚く。

 そしれレーザーはそのまま曲線を描きながら上空へと飛んでいき、そのまま爆発音とともに爆裂霧散する。

 

 

「な、なんじゃありゃぁああああ!!?」

 

「ま、マリアはどうなったのだ!?」

 

 

 全員が、マリアがいた場所へと目を向ける。

 そこには、全身が黒こげになったマリアが、倒れ伏していた。

 だが、ピクピクと体が少し動いているので、どうやら生きてはいるようだ。

 

 

「マリアァアアア!!!!」

 

「ヤム○ャァアアア!!」

 

「いや誰ですかそれ!?」

 

 

 神楽の叫びに、響がツッコむ。

 完全に別人の名前を叫んでいた神楽。実際、マリアの伏し方はヤム○ャと酷使している。

 だが、そんなこと知るはずのない響は、完全な間違いとして認識してしまっていた。

 

 

「こりゃぁ見事に黒焦げたな。ま、この程度で済んでよかったな」

 

「そうだな」

 

「いや軽!!」

 

 

 沖田と銀時の軽い対応に、ツッコム新八。

 仲間を全く(いた)わらない彼らの態度に、翼が怒りを表す。

 

 

「貴様ら!マリアがこんなになってしまったんだぞ!?もう少し…労わるとかないのか!?」

 

「無事だからいいじゃねぇかよ。漫画とかでよくある、【ピ―――】とか【ピ―――】が露出しないだけ、マシだろ」

 

「なななななな///……」

 

 

 銀時のセクハラ発言に、顔を赤くしてしまう翼。

 彼女とて一介の女性。やはりこういったものには反応してしまうのだ。

 

 

「それに、今はあのレーザーのことを気にするべきだと思うぜ。爺さん、なにがあったんでぇ?」

 

 

 沖田がそう言うと、扉から入る。

―――そして、そこにはバラバラに散らばったなんらかの機材。

 そして、その機材に埋もれている人の脚があった。

 

 

「ジジィイイイ!!」

 

「源外さぁあああああん!!!」

 

 

 流石の銀時も、この状況に驚愕し、新八とともに脚へと駆け寄り、二人がかりで引っ張る。

 

 

「く、暗いです…」

 

「おぉ、ゲロリス。怖いのか。―――よし、先頭やれ」

 

「貴様は本当に最低だな!!」

 

 

 クリスが涙目で沖田にそういう。

 調教済みのクリスは、感情に素直だ。

 故に見栄などを張らずに自分の意見を率直に言う。

 そして、そんな素直なクリスは可愛い。いやほんとマジで。もう、食べちゃいたいくr〈??〉「ナレーターさん、ちゃんと仕事してください」おっとっと。話が逸れてしまいましたね。給料のために頑張りますか。

 だが、そんなクリスに対し、非常にも先頭を行けと命令する沖田は、まさに鬼畜の極みである。

 

 

「うぉおおお…抜けねぇ!!」

 

「神楽ちゃん!手伝って!!」

 

「おっしゃあ!任せるネ!!」

 

 

 神楽が参戦し、源外の脚を引っ張る。

 

 

「よいしょー!!」

 

 

 スポーンと言う音とともに、飛び出ていた足が出てきた。

―――下半身とともに。

 

 

「「「「「えぇええええええ!!!????」」」」」

 

 

 五人の絶叫が響く。

 抜けたと思ったらまさかの下半身のみ。

 この衝撃の状態に、叫ばずにはいられない。

 

 

「ちょ、どうすんですかこれ!?」

 

「源外のじっちゃんが死んじゃったアル!!」

 

「とにかく戻せぇ!貼り付け直すんだ!上半身を掘り起こすんだぁ!!」

 

「立花!私たちも手伝うぞ!!」

 

「は、はいぃ!!」

 

 

 皆が皆攪乱し、大慌てで源外の上半身を掘り起こす。

 と、いうより上半身と下半身が取れた時点で生存は絶望的だ。

 それでも、パニックを起こした一同は一生懸命に上半身を掘り起こす。

 

 そんな中、冷静に周りを見ている人物が二人。

 沖田とクリスである。

 

 

「おいクソガキ!おめぇも見てねぇでちゃんと手伝え!」

 

「いやぁ、依頼を出しているとは言え現指名手配犯。このままそいつの首を持って行けば、昇進して土方を蹴落とせるかもしれねぇじゃねぇか。俺にとってはどっちに転んでもうまい話なんでね」

 

「やはり貴様はクズだな!!雪音、雪音はどうだ!?」

 

「私はご主人様の意向に従うだけです」

 

「やはり駄目か!」

 

 

 少しの希望を持ってしてクリスに祈願したが、さらりと断られてしまった。

 もう考えても仕方ないと翼は源外の上半身を掘り起こすのに集中する。

 ここ最近酷い目にしかあってなくて存在価値が曇っているが、シンフォギアは元々高性能であり、常人の何倍、何十倍の力を発揮する。

 ポイポイとゴミを投げるような感覚で大きな瓦礫をどかしていく二人。だが、源外の上半身がどうしても見つからない。

 

 

「どこにいったんだ源外のジジーの上半身!?」

 

「まさか、あのレーザーでとっくに真っ二つに―――!」

 

「子供にはお見せできないレベルネ!ナレーター、モザイクの準備するアル!」

 

「一体誰に言ってるんですかそれ!?」

 

 

 今はステルス機能を起動してるんで見えないけど、私はここにいます。

 それにちゃんとバラバラ死体が映っても、モザイクはあちらの方で処理するんで安心してくだせぇ。

 まぁこの声は聞こえてないんですけどね。

 

 さて、そんな中、沖田はとあるところへと目を向けていた。

 

 

「―――ゲロリス」

 

「なんでしょうか、ご主人様」

 

「あそこの瓦礫、どかしてくれ」

 

「はい!仰せのままに!」

 

 

 クリスは沖田の指示通りに皆とは違った場所の瓦礫を退()かし始めた。

 そして、しばらくその場所の瓦礫を退かし続けていると…。

 

 

「あー酷い目にあったぜ」

 

「大丈夫か、爺さん?」

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

 クリスの退かした瓦礫のあった場所から、初老の男性が出てきた。

 

 

「ジジィ!」

 

「源外さん!」

 

「源外のじっちゃん!」

 

「え!?もしかして、この人が――!?」

 

「おうよ。江戸一番のからくり技師とは、この俺のことよ」

 

 

 この男こそが、平賀源外。

 自称、江戸一番のからくり技師。

 だが、その名称に似合うほどの腕を持っていることは確か人物だ。

 

 そして、彼にすぐに問いたださなければならないこともある。

 

 

「あ、そうですよ源外さん!さっきのあれ、なんなんですか!?そしてどうして源外さんがそっちに!?下半身だけが出て来てビックリしたんですよ!?」

 

「落ち着けよ。一気に質問されちゃあ耳がもたねぇ。質問は一つずつにしてくれ」

 

「じゃあ……この下半身はなんなんですか!?」

 

 

 まず最初の疑問。

 この源外の下半身そっくりの下半身だ。

 これは一体なんなのか。正直レーザーの方が一番気になるが、今はこの質問の答えが知りたい。

 そして、源外から返ってきた答えは―――。

 

 

「あぁ、それか。それは俺そっくりのからくりだよ」

 

「はぁ!?」

 

「あの実験はなにかと危険が大きかったものでね。リモコン操作性のからくりで俺そっくりのからくりに操作させてたんだよ。俺は安全なところで操作してたんだが、案の定な―――」

 

「そんな危ねぇもの造ってんじゃねぇよクソジジィ!!」

 

 

 当然である。

 あんな危険極まりない核兵器レベルの装備を作っている時点で危険すぎる。

 事実、あれがシンフォギアを纏ったマリアや翼、響以外だったら確実に瀕死だっただろう。

 いや、普通なら即死なのだが、この世界の原作キャラは瀕死で済むのだ。それが、この世界のルー…おっと、喋りすぎましたね。

 

 

「第一、なんでそんな危ないもん造ってんですか!!?」

 

「いやぁ、ある奴から依頼されてよぉ」

 

「誰だよこんな危ねぇもん造るように依頼したバカは!?ていうか受けて造ってんじゃねぇよ!!」

 

 

 銀時のツッコミの通り、こんな危ない危険物を一体誰が依頼したのか?

 どこかの裏社会の人間?それとも地球侵略を目論む天人?どちらにせよとんでもない破壊兵器を造っていることに変わりはなかった。

 

 

「爺さん……」

 

「おお沖田!流石にこんな危険物を造る者を放っておくことなどできない!早急に捕まえるべきだ!」

 

「いえ、沖田さん!捕まえるのではなく、ここは警察としてガツンと―――」

 

 

 翼と新八のもっともな指摘に、沖田は―――。

 

 

「爺さん、このレーザー砲……もうちょっと威力増し増し()つ使用者に負担が行かないように出来ねぇのか?」

 

「無茶言うな。使用者に負担がないようにはなんとかしてみるが、流石に威力向上は見込めねぇな…。それに、そんなに注文が多いとお前さんが決めた予定日に間に合わねぇよ」

 

「いやお前が依頼したんかいぃいいいい!!!」

 

 

 まさかの事実、発覚。

 なんとあの危険極まりないレーザー砲の製作依頼者が沖田だった。

 なんだろう、本当に戦争でも始めるつもりなのだろうか?

 

 

「これが完成すれば、土方を抹殺することも容易い」

 

「あんたにはそれしか頭にないんですか!?」

 

「それに、なんというものを依頼しているのだ!貴様本当に警察か!?」

 

 

 当然の指摘である。

 沖田総悟、本当に彼は警察なのだろうか。いや、ほんとマジで疑うわ。

 名前を鬼畜外道に改名した方が良いんじゃないかな?

 

 

「つーかそもそも、あのレーザー砲はなんなんだよ!?」

 

「あれはな……ス○ブラって…あるだろ?」

 

「ス○ブラ?なんですかそれ?」

 

「大人気格闘ゲームアル。さまざまなゲームのキャラクターを操作して競い合うゲームネ」

 

「それが、どうしたと言うのだ?」

 

「画面外にぶっ飛ばされる時によ、なんか光が出るじゃねぇか。それをぶっ飛んだ時に発生したエネルギー体だと仮定して、逆にそのエネルギーをレーザーとして利用できねぇかなって…」

 

 

 まさかの事実。

 あれほど強力な武器の元ネタがまさかのゲーム。

 しかもあんまり目立たない脱落時のあの光がモチーフになっていた。

 

 

「ジジィ!てめぇやっぱバカだろ!!」

 

「どこの世界にゲームをモチーフにして破壊兵器造るバカがいるんですか!?」

 

「何言ってんですかい旦那。そしてメガネ。こういった斬新な発想が、未来を切り開いていくでさぁ」

 

「言ってることカッコいいかもしれねぇけど、造ってんのはただの破壊兵器だろうがぁ!!切り開く以前にその先ごとぶっ壊されるわ!!」

 

「―――爺さん。実は、造ってもらいてぇものがあるでさぁ」

 

「話変えんなぁ!!」

 

 

 銀時と新八のツッコミを完全に無視し、沖田は源外に対し本題を切り出した。

 

 

「なんだ?今お前さんから依頼されたもん造ってんだ。そういうのは後からにしてくれ」

 

「まぁまぁ。とりあえず話だけでも聞けや。実は、こいつらのことなんだが―――」

 

 

 沖田は拳をグーにして親指で三人―――四人を指した。

 響と翼、そして調教済みのクリスと、今だに自爆されて死んだヤ○チャ状態のマリアだ。

 

 

「―――いろいろとツッコミたいところ満載なんだが、とりあえず……あれ、起こさなくていいのか?」

 

 

 源外が指さしたのは、一番ツッコミどころの多いマリア。

 そして、二人はマリアを見て―――。

 

 

「あー忘れてた!!」

 

「しまった!色々ありすぎて忘れてしまっていた!大丈夫か、マリアー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

* * * * * * * *

 

 

 

 

「う、うう……」

 

「大丈夫ですか、マリアさん?」

 

「取り合えず、お茶でも飲んで元気出せや」

 

「ありがとう…ございます…」

 

 

 あれからしばらくして、マリアが目を覚ました。

 今だに黒焦げなところはあるが、ようやく色を取り戻している。

 源外から出されたお茶をゆっくりと飲む。自分がこうなった元凶なので、素直にお礼は言えないのだが、それとこれとは別であるため、一応お礼を言った。

 

 

「いやぁ、まさか他人に当たるたぁ思いもしなかったぜ」

 

「いや、普通に考えたら当たるかもしれないって思うでしょうが」

 

「まぁまぁ過ぎたことをぐちぐち言ったってしゃーないだろ?で、その恰好を見るに今噂の【ハイグレ星人】だよな?」

 

「―――ちょっと待ってください。なんですか、それ?」

 

 

 【ハイグレ星人】の単語を聞いて、響が反応した。そして、それは翼も同じだ。

 それと同時に、嫌でも分かってしまう、理解してしまっていた。その【ハイグレ星人】と言うのが、自分たちのことだと。

 

 

「そう言えば、内容が衝撃的過ぎて頭からずり落ちていたが、あのニュースでも私たちのことを、そう…」

 

「いやぁまさか本物に合えるとはなぁ。噂通りのハイグレ姿じゃねぇか」

 

「ちょ!そんなこと言うのやめてください!これには【シンフォギア】って言うちゃんとした名前が――」

 

「でもハイグレなことには変わりねぇだろ」

 

「うッ…」

 

「それを…言われると…」

 

 

 認めたくない。二人の頭にその言葉がよぎるが、姿が姿なので反論の仕様がない。

 実際、この恰好のせいで『わいせつ物陳列罪』の罪状で捕まっているのだ。

 

 

「諦めなさい、二人とも。私はもう……慣れたわよ」

 

 

 マリアがどこか、遠い目をしている。

 もう、なんかすごいくらいの修羅場をくぐって来た目をしている。なんだろう、謎の威圧感がある。謎の説得力がある。

 

 

「マリアさん…どこ見てるんですか…?」

 

「なにやら、いつものマリアではないように思える…」

 

「考えても見なさい。こんな格好、行ってしまえばただの高性能なコスプレ。こんな格好が通用するのはハロウィンだけなのよ…」

 

「マリアさん、本当にどこ見てるんですか!?」

 

「マリアが、謎の境地に至ったように見えるのは、気のせいだろうか…?」

 

 

 本当に、彼女の思考がどこに行ってしまったのかが理解不能だ。

 まるで、悟りを開いたかのような、そんな顔をしている。

 

 

「それで、こいつらを連れて来て、結局何がしたいんだ?」

 

「実は、こいつらの帰還方法がなくなっちまってな。次元やら時空間やらを飛び越えることのできるからくりって、あるか?」

 

「おいおい沖田くん。そんな都合のいいからくりなんて、あるわけねぇだろ。それに、それはもう言っちゃなんだけどからくりっつー枠をはみ出てる「いや、あるぞ」あるんかいぃ!!」

 

「源外さん!それって本当ですか!?」

 

 

 新八の驚きとともに、三人の顔が歓喜に包まれる。

 絶望的だった帰還方法が、こんなにも早く見つかったのだ。喜ばないわけがない。

 だが―――また同時に違う疑問も生まれる。

 

 

「にしても、よくそんな都合のいいからくりがあったネ。前々から造ってたアルか?」

 

「いやぁ、この坊主にからくり製作依頼を出される前に、とある2人の天人から、製作依頼を出されてな。そのまま保管庫にしまわれているんだ」

 

「二人の天人?それってどんな天人だったの?」

 

 

 その製作依頼を出したと言う天人に、興味を持ったのか詳細を聞くマリア。

 

 

「なにって…『龍』と『狐』の天人だったが…それがどうかしたのか?」

 

「え、マジ?あいつらここに来てたんだ」

 

「やっぱりあの二人か…」

 

「え、知ってるんですかお二人とも?」

 

 

 その龍と狐の天人に、心当たりがあると言う二人。

 ていうかあの人たちそんなもん依頼してたのかよ。私たちの知らないところで何やってんだ。こんなに問題が早く解決してしまったら見栄えがないだろう見栄えが。

 あとであの二人に文句言わなければ。

 

 

「あ、そう言えばまだ二人には話してなかったわね。あなたたちの生活、すべて司令室で映像が流れてるわよ?」

 

「「え゛ッ?」」

 

 

 二人の、かすれた声が響いた。

 

 

「ち、ちなみにどのあたりから…?」

 

「私が来たときは、あなたたちが真選組と戦っている前で終わったけど…それ以降ももうとっくに流れている可能性があるわよ」

 

「そ、それって、つまり―――」

 

「あなたたちのこれまでの全部、司令室で流れてるわ」

 

「ああああああああああ!!!」

 

「―――――」

 

 

 マリアからの、実質的な死刑宣告を受けた。響は叫び、翼は膝から崩れ落ちる。

 今までの中には、自分たちが全裸にされたものもあった。それが、司令室で流れているとなれば―――。

 

 

「いや、でも流石にモザイクはされていたわよ?」

 

「それでも!!映されたってことですよね!?もうお嫁にいけないよー!」

 

「(……以外に、気にしてたのね)翼は…」

 

「――――」

 

「駄目ね。心ここにあらずだわ」

 

 

 ショックが大きすぎたため、二人の反応はそれぞれだが、傷ついていることに変わりはなかった。

 ただ、変わらないとすればクリスだ。彼女は今現在も沖田に縋りついている。

 

 

「クリスはダメね…。――――よし、源外さん。そのからくりを見せてくれないかしら?」

 

「――駄目だ。アレはあくまで依頼されている(ぶつ)だ。赤の他人に使わせることはできねぇよ」

 

「せめて、せめて見せるくらいは…」

 

「駄目だ。せめて本人からの許可くらいねぇと―――〈ルルルルルル…〉なんだぁ?」

 

 

 突如、電話がなった。

 ていうか、あの爆発で電話回線が生きてたのかよ。すげぇな。

 

 

「あーもしもし。え、あぁー。一体どのようなご用件で?……え、良いんですかい?はぁ…はぁはぁ…それでは」

 

 

 かかった時間はわずか15秒足らず。

 源外は電話を切ると、銀時たちの方を振り返る。

 

 

「なんか…たった今依頼者から電話がかかってきて、自由に使っていいってよ」

 

「本当ですか!?」

 

 

 急な展開に、思わず声を上げてしまう響。いや、これは響だけではなく、翼やマリアにとっても僥倖であった。

 つーかマジで都合よすぎだろ。どこから見てんだよ。あの二人。情報伝達早すぎだろ。

 

 

「な、なんというタイミング…」

 

「依頼人から許可が出たんだ。案内してやる」

 

 

 源外は瓦礫を退かしながら進むと、扉を開けた。

 全員がその扉の中に入ると、そこには大量のからくりが存在していた。

 

 

「な、なんという数だ…」

 

「す、すごい…」

 

「ていうか、こんなに敷地があって、よく今まで警察の目を搔い潜れたわね…」

 

「まぁしゃあねぇだろ。あんな税金泥棒どもの力量じゃ、源外のジーさんの隠れ家を探すことなんて不可能なんだよ」

 

「旦那。そりゃあ聞き捨てなりませんね」

 

 

 税金泥棒、と言う言葉に反応したのか、沖田が銀時に対して敵意を向ける。

 それと同時に、クリスも「フシャー!」と銀時に対して敵意を向けた。完全に猫である。

 その敵意に敏感に反応したのは、翼とマリア、そして神楽と新八だった。

 神楽や新八は「あぁまたか」程度にしか思っていないが、二人からすれば急に雰囲気が変わった彼に警戒の意を表している。

 

 

「(なに…彼の雰囲気が、急に変わった…!?)」

 

「(まるで隙がない…これが、天才剣士と言われた沖田の実力か…!?)」

 

 

 マリアは沖田の戦う姿を見たことはないが、雰囲気だけで彼が只者ではなくなっているということに気付いた。

 対して翼は一度彼の剣の腕をその目で見ていた。クリスのミサイルをその刀一つで真っ二つに斬ったのだ。波の剣士ではないことは理解していたが、まさかここまでとは―――と、思わず関心してしまう。

 普段はふざけた男だが、こういった場面になると人が変わる。それが彼、沖田総悟だ。―――と言うより、シリアスになったら大抵銀魂キャラは人が変わるんだけどねw。

 

 

「なんだぁ、沖田君。事実を言われてキレてんの?」

 

「―――旦那」

 

 

 より、一層空気が重くなる。

 唯一この邪見な雰囲気に気付かなかった響も、この雰囲気の悪さに気付き始める。

 

 

「え、なんですか、これ?」

 

 

 そんな響の疑問に誰も答えることなく、沖田が口を開いた―――。

 

 

「旦那。せめて『税金泥棒』の後ろに『土方十四郎』を付け加えてくだせぇ」

 

 

「「「――――ッ!!」」」ズコォー!!

 

 

 まさかの返答に、ズッコケる三人。

 あれほど邪見な雰囲気だったのに、まさかのおふざけ回答。

 ズッコケずにはいられなかった。

 

 

「あぁ悪かったね、沖田君。『税金泥棒土方十四郎』。―――あれ、これ漫画にしたら売れんじゃね?」

 

「売れねぇよ!!二人ともバカやってないで、さっさと進んでください!」

 

 

 的確なツッコミが新八から炸裂した。

 いつものおふざけだった。本当、少しチビっちゃうところだったじゃねぇか。ふざけんな。

 

 

「おーい、ここだぞ、ここ!!」

 

 

 源外の声が響き、一同は源外の元へ駆け寄る。

 全員の目に映ったそれは、大きな布で覆われた、謎の大きな物。

 全長5メートルほどあるであろうそのからくりは、異様な存在感を放っていた。

 

 

「これが…時空間を移動するからくり」

 

「まだ形を見てないのに、なんだか不気味な雰囲気がありますね…」

 

「まぁ時空間を移動するからくりなんだから、普通じゃないことは確かね」

 

「でけぇな…」

 

「そうですね…」

 

「「「――――――」」」

 

 

 それぞれが感想を述べている中、万事屋組は物静かだった。

 それを気にしたマリアが、三人に問いかける。

 

 

「どうしたの、三人共?」

 

「いや…なんか、これを見てると、懐かしいっつーか…なんか嫌な予感がするっつーか…」

 

「僕も、なんか同じ感じがします…」

 

「私はなんだか黒歴史が掘り返されるような感覚がするネ」

 

「―――?」

 

 

 三人の言葉に、マリアは訳が分からず首を傾げる。

 そんな中、源外が布に手をかける。

 

 

「お前等、よく見とけ。これが、時空間や次元を移動する、俺のからくり!!」

 

 

 バサァアア!!と言う布の音と共に、その全貌が露わになる。

 ()()を見た瞬間、三人の体が固まり、沖田とクリスはすまし顔で。銀時たちは「やっぱりかー」的な顔をしていた。

 

 源外は、目の前にそびえ立つ()()を、自慢げに語った。

 

 

 

「名付けて!!人体装填型ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だぁあ!!!!」

 

 

 

 一同の目の前にそびえ立つ()()

 それは、黒光りに光った5メートルのチ○コだった。

 それを見た瞬間、三人は―――。

 

 

 

「「「いやぁああああああああああ!!!!」」」

 

 

 

 悲鳴を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

* * * * * * * *

 

 

 

「な、なんなんですかこれぇ///!!?」

 

「なにって、人体装填型ネオアーム「それはいい!何故こんな形をしているのかと聞いているのだ!」」

 

 

 当然の反応である。

 これが次元や時空間を超えるからくり?どう見てもただのわいせつ物である。

 装者以前に女性である彼女等にこれを使用しろと?無粋の極だろ。どう考えたって。

 

 そして、翼の疑問だが、これは意外な人物が説明した。沖田である。

 

 

「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲。こいつはすげぇんだぜ。前に【攘夷戦争】について話したろ?」

 

「確か―――天人による地球の支配に異を唱え、決起した者達によって引き起こされた戦争だったな。それがこれとどう関係していると言うのだ!?」

 

「この大砲の元となったオリジナルはな、かつて攘夷戦争で江戸城の天守閣を吹き飛ばし、江戸を開国させちまった戌威(いぬい)族の決戦兵器だ」

 

「お前たちの国はこんな卑猥な大砲に負けたのか!!?」

 

 

 こんな大砲に負けたとなると、完全な恥でしかない。

 こんな大砲に負けたこの国に、同情心を抱いてしまう三人であった。

 

 

「―――で、これが本当に時空間を移動するからくりなの!?」

 

「そうだぞ」

 

「なんでこんな形なのよ!?せめてちゃんとした形に直せないの!?」

 

「無理だ。理由は二つ。まず依頼人がこの形で納品するように言っているからだ」

 

「―――急にあの龍と狐を殴りたくなってきたんだけど」

 

「奇遇だなマリア。私も同じことを思っていた」

 

 

 あーご愁傷様です。龍さん、狐さん。

 つーか、確実にこのために形をチ○コにしたような感じがするんだけど…。

 でも、龍さんと狐さんってギャラルホルンのゲートへの干渉権限、持ってなかったはずなんだけどな…。

 まぁもうどうでもいいか、おもろいし。

 

 

「―――それに、これまでの流れからすると、その龍と狐の天人…かは謎だが、そいつらがギャラルホルンのゲートに何かしらの細工をしたのだろう。でなければ、こんな都合よくからくりの製作依頼を出すはずもないし、都合のいいタイミングで許可も出ないしな」

 

「この一連の黒幕は、あの二人と見て間違いなさそうね」

 

「あのー…とりあえず…どうします?使いますか?」

 

 

 響の躊躇う言葉とともに、現実に引き戻された二人。

 今彼女らは、窮地に立たされている。元の世界に戻るために、女性としての尊厳と矜持をすべて捨てる必要がある、この現実に。

 それに、人体装填型と言う時点でどこが発射口なのかが容易に想像できてしまう。そんなの、モザイクを掛けないといろいろとヤバい。

 

 

「―――とりあえず今は待って。それで、もう一つの理由を聞いていいかしら?」

 

「それはだな…そもそも、この形じゃねえと時空間移動装置は稼働しねぇんだ」

 

「何故だ!?何故よりによってこの形なのだ!?もっとマシな形があるではないか!!」

 

 

 当然の叫びである。―――この流れ使うの何回目だっけ?

 わざわざチ○コの形でなくとも、もっとマシな形が存在していたはずだ。いくらこの形で納品するとしても、もっとマシな形が―――。

 

 

「だから。これは動く動かない以前の問題なんだよ。この形じゃねぇと、中の精密機械がうまく嚙み合わねぇんだよ」

 

「何故!?もっと、ほら、なんか…試行錯誤はしたの!?」

 

「それはもちろん。だがな、やっぱりこの形がジャストフィットなんだよ」

 

「そんな…バカな…」

 

 

 翼が、再び膝から崩れ落ちた。

 元の世界へ戻る手段が得られたと言うのに、まさかのその形がアウト(チ○コ)

 一人の女性として、このからくりを使うのは、どうしても許容することができない。

 だが、このからくりを使わなければ元の世界へ戻れないのも事実。

 迷いが、彼女等を襲った。

 

 

 そのとき―――。

 

 

「―――そんなに迷ってんなら、こいつにやらせるか?」

 

「ご主人様のためになら、なんだってやります!」

 

「「「「「「―――――」」」」」」

 

 

 沖田が、爆弾を投下した。

 そうだった。今のクリスは沖田に従順だ。

 もし沖田がクリスに()()を使えと命令すれば、彼女は迷いなくそれを実行するだろう。

 それだけは、なんとしても阻止しなくては。六人の思考が一致した。

 

 

「よし、命令だ。こいつを使「わせるかぁ!!」」

 

 

 翼が沖田に対して斬りかかる。本気で殺す気だった。

 沖田は咄嗟に刀を抜刀して対峙する。

 

 

「危ねぇじゃねぇか、青髪。俺はお前らがこれの使用を渋るから、仕方なくこいつに命令して―――」

 

「それがダメだと言っている!それに、本当にそれを使用したとして私たちの世界に戻れる保証など、どこにもない!」

 

 

 翼の言う通り、この人体装填型ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を使用したとして、本当に元の世界に戻れる保証などないのだ。

 別の世界に飛ばされる可能性だってある。そんな不確定要素の多いものを使用するなど、愚の骨頂であった。

 

 

「あーそこら辺は大丈夫だぞ。当初はそこも俺は懸念していたんが、依頼人の天人から特別な精密部品を貰ってな。それを使用することで特定の世界へ行けるようになったんだ。装填したものがあった世界へと一直線だぜ」

 

「大丈夫じゃねぇか」

 

 

 あの人ら、なんつーもん渡してんだか。準備に抜かりはないってか?

 

 

「それでも!こんな卑猥な大砲を本人の意思なくして使わせてなるものかぁ!」

 

「ご主人様から離れろ!」

 

 

 クリスが翼に向けて銃弾を放った。

 そして、それを横からマリアと響が入ってその銃弾を受けとめる。

 

 

「クリス!目を覚まして!あんな大砲使っちゃダメよ!」

 

「そうだよクリスちゃん!あれを使っちゃったら女の子として終わっちゃうよ!」

 

「私は雌ですけど人間ではありません!ですので問題はありません!!」

 

「「大ありだぁ!!」」

 

 

「おい!ここで戦いをおっぱじめないでくれ!」

 

 

 源外の悲痛な叫びも聞き入れられず、闘いは過激さを増した。

 

 

 

――――その数時間後。闘いは終わったが、何故か、何故か源外のからくりはすべて無傷だったと言う。

 何故かって?編集者チートだよ。私はその権限持ってないけどね!

 ちなみに、勝敗だが、沖田とクリスの圧勝だったらしい。

 

 銀時たちはただその闘いを見ていただけだったが、途中で退室した。

 理由だが、「俺達いなくてもいいんじゃね?」らしい。

 

 その後沖田がクリスにあの大砲を使わせようとしたが、なんでも使用するつもりもなかったから充電とか一切しておらず、結局使用できなかったらしい。

 あと、充電には半年くらいかかるらしい。

 

 装者たち三人は思った。

 「あれは最終手段だ。もし、もし本当に帰還方法がなくなってしまったら、本当の本当に、いや、ガチで最終手段として使うしかない…」

 と、心の中で思ったそうな。

 

 

 

 

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