「迅ーーーーーーッ!!」
俺は痛む体に鞭をうち、ベルディアに切り飛ばされた迅の元まで駆け寄り、その上半身を抱き起こす。
「おいっ! 迅っ、しっかりしろ、おいっ!」
俺はボロボロになった迅を抱きかかえ必死に呼びかける。人工皮膚が剥がれ、そこから青い液体が流れる……その姿が迅が人間ではないと俺に突きつけるがそんなことは俺にとっては関係なかった。
俺は迅を回復させるためにアクアに向けて叫ぶ、
「アクアッ、回復魔法をーーー! 早くッ!」
「無理よ……回復魔法は生物にしか効かないわ」
顔をうつむかせて答えたアクアの言葉にハッとする。迅は機械生命体……回復魔法が効かないのは道理だった。
「カズ、マ……僕はここまでみたい、だ……。」
ところどころノイズがかかった声で弱々しく、迅は言う。
「縁起でもねぇこと言ってんなよ!お前がこんなところでくたばるたまかよ!?」
「これ、を……。」
迅がフォースライザーから外したシャイニングホッパープログライズキーを俺に差し出す。俺はそれを震える手で受け取る。
「これは……。」
「僕と…君が使った、プログライズキーのデータで完成した、真のシャイニングホッパーキー……これならベルディアにも勝てる、筈だ」
「お前、これを完成させるために……!」
迅が、玉砕覚悟でベルディアに向かっていった理由がこのプログライズキーを俺に託すためだとわかり涙が止まらなくなる。
「うん……あと、君達を騙し続けていたせめてもの罪滅ぼしになればと思ったんだ」
「……このっ、馬鹿野郎がっ!!」
迅の言葉に俺は本気で怒りの籠もった声で怒鳴り返す。
「今更、水臭いこと言うなよ……俺達、親友じゃねぇかよ……!」
「親友って……僕を許してくれるの?一歩間違えてたら君を殺してた僕を……。」
「関係ねぇよ……。今までだって一歩間違えば死ぬような戦いを一緒に乗り越えてきたじゃねぇかよっ!……俺にとってお前は掛け替えのない親友以外のなんでもねぇんだよ……!」
ヒューマギアだとか、人間だとか関係ない……!それが俺の本心だ、これ以上ないオレの気持ちだ。
迅は俺の言葉に一瞬、呆けたような顔をするとゆっくりと微笑み、
「そっか……君は僕のことを友達と思ってくれてたんだ。ーーーだったら、僕もその友達のためにもう一仕事しないとね……!」
そう言った迅は抱き上げていた俺を突き飛ばし、ベルディアへと走り出す。
「なにをっ……!」
ベルディアは突然のことにすぐに反応出来ず迅はそのまま奴の腰にしがみつく。そして、迅の全身から凄まじい光が放たれ、次の瞬間、
凄まじい爆炎が俺達の視界を覆った。
凄まじい熱風と爆音から顔を隠すように手でガードするが、迅が自爆したという事実に腕が力を失いだらんと垂れ下がる。
『カズマ』
その時、アイツの声が聞こえた。幻聴かもしれない。だけど、ハッキリと俺の耳にアイツの声が聞こえた。
『君と友達になれて僕は、幸せだったよ。ありがとう』
その声が聞こえなくなったと同時に、爆炎の中から何かが俺の目の前に転がってきた。
「ああ……ああ……!」
地面に膝をつき、落ちてきたそれを拾った俺の視界が滲んでいく。
「迅ッ……!」
それは、迅が変身に使っていたファルコンキーとフォースライザーだった。どちらもところどころ焼け焦げていた。
「……ああ、ああああああああぁぁぁぁ!!!!」
俺の慟哭が部屋の中に木霊した。
「………ッ。」
「……ヒグ」
俺と同じようにアクアとめぐみんが涙を流すのが視界の端に見えた。
「ーーー見事だ」
「「「ッ!!?」」」
爆炎の中から聞こえた声に俺達の視線はそこへ集中する。そして、爆炎が晴れた先にいたのはほぼ無傷のベルディアの姿だった。
「そんな……。」
「……あの小僧は命のない人形のようなものだと思っていたが、友の為に命を投げ出したあの男は敵ながら称賛に値する」
迅を称えるベルディアの言葉で俺は迅から託されたシャイニングホッパーキーを握りしめて立ち上がり、めぐみん達の側による。
「めぐみん……コイツを頼む」
「…………はいっ!」
俺は迅の形見の品とも言えるフォースライザーを万が一でも戦闘で巻き込まないためにめぐみんにそれを託す。彼女は自分も辛いだろうに、目元の涙を必死に拭い気丈な態度でそれを受け取る。
俺は手に残ったアイツのフライングファルコンキーを見つめる。
「なんで……俺の、俺なんかの為に……!ホントの馬鹿野郎だよ、お前は……。
ーーーだけど、そんな優しいお前を、親友としていつも誇りに思っていた……!」
ファルコンキーをライズホルダーにセットしてベルディアの正面に立ち、強い視線を奴に向ける。
「ベルディア……!お前だけは、絶対にここで倒すっ!」
『Shining Jump!』
俺は親友に託されたプログライズキーを構え、起動させる。
『Authorize!』
オーソライザーにプログライズキーをスキャンすると、いつも降ってくるライダモデルではなく空中に鍵穴のようなものが現れる。
「ふっ!」
そこへ、キー状態にしたプログライズキーを突き刺し鍵を開くようにひねると、そこからオンブバッタのように一体のバッタの上に更にバッタが乗った金色の光を放つライダモデルが現れる。
「変身っ!」
掛け声とともにプログライズキーをドライバーのライズスロットに装填し、ドライバーに読み込ませると、展開された巨大な網が二体のバッタを捉え、そのまま俺の体に纏わせる。
『Progrize!』
『The rider kick increases the power by adding to brightness!Shining Hopper!』
全身をパワードスーツ『シャイニングアーキテクター』が覆い、全身に黄色いラインが現れ、変身が完了する。
『When I shine,darkness fades.』
ーーーその姿はまさしく闇を切り裂く光の名にふさわしい姿だった。
「最終ラウンドだ。決着をつけよう、ベルディア……!」
「来るがいいっ!仮面の戦士!」
感想、評価お待ちしています。
六巻と七巻の間に記憶をなくしたカズマがライダーからプログライズキーを受け取るオリ章『継承編』をやろうと思うのですがどっちの案がいいでしょうか?
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それぞれの世界に行って力を受け取る
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一つの世界に揃ってて一人一人から受け取る